2020年後日対談
日時:2021年2月7日(日)、2021年2月11日(木)
2021年2月7日(日)【オンライン】
参加者:山田崇、但馬武、加藤さわね(書き手)
さわね:
あれから2か月くらい経ちましたが、改めて今、12月3日を振り返ってみてどうですか?
山田:
ほんとに我々おじさんが内省する機会になってるよね。若者に「お金を払ってでも聞いてください」ってね(笑)
ただ、私みたいなスランプの期間があるって話とかって意外と若者に勇気を与えてると思うんだよね。
成功事例よりも失敗事例って共有しやすいんですよ。
失敗を共有するとしないようにする手立てを考えられたり、「おじさんも頑張ってるんだな」とか「そういう時もあっていいんだ」って思えたりするんだよね。
但馬:
彼らへのメッセージになっていると思うのは、20代で就職とかで悩んでいたり、退職する時はキャリアのドロップアウトと感じてしまったりがあると思うんだけど、僕らのように何歳になっても悩むものなんだよね。
そこで振り返る時間があって、その内省の振り返る時間になるからこそ自分の足場を固めるきっかけになるとおもう。
足場を固めると、その次に高く跳ぶための土台となり膝を曲げてジャンプできる。
生きていくのに必要なのはちょっと休める場と一緒に足場を固める仲間がいること。
そして、少しは悪くなることも許容してゆっくり進むことをあの場で伝えられてるんじゃないかなぁって。
変容には時間がかかるし継続した学ぶ姿勢も大事。
成長も失敗も感じてきている自分たちだからこそ、むしろ僕らがだせる価値があるんじゃないかっておもう。
今回のこの取り組みだって、新橋の居酒屋で飲んでいた時に(2018年)、山ちゃんが「若者にお金を払ってでも教えてもらいたい」って話をしてたんだよね(笑)
山田:
確かに〜。新橋だったね(笑)
但馬:
ぼくらはぜひ若者にお金を払ってでも教えてもらいたいことがある。
でも特定の誰か、というのもちがうなーとなり、だったら場を開き若者は無料、社会人は年齢に応じてお金をもらい、その集まったお金で若者たちに投資しようってなったんだよね。
あの場がなんなのかっていうのは、
“何歳になっても悩んでよくて安心してほしいと伝える場でもあり、また「悩む作法」みたいなのを教える場”だと思うんだよね。
武道でいう「守破離」で言ったら、型って知っておくとよいとおもう。それが「守」のような感じ。何歳になっても悩んでいいよとか、仕事・世代を超えた関係性を作り続けておくことも大事だし、
あと、定期的に悩みを打ち明けるのを挑戦の過程にあるね、と祝福しあう会にするってのも作法なのかなと思う。
あんまり考えたことなかったけど、ふと考えるとそんな感じするなぁ。
山田:
デンマークの「フォルケホイスコーレ」って立ち止まる学校なんだけど、私自身は自分を疑う目を持ち始めているなって思っていて。
仕事も公務員しかしたことがないからパターンを持ちすぎちゃっていて、
去年やったようにやらなきゃいけないとか、
計画通りにやらなきゃいけないとか、
隣の市がやっているからとか、
国に言われたからとか。
本当にこれ何のためにやってるんだっけ?って自分の感覚と照らし合わせて立ち止まる。
目的とかを持って、自分の人生はこうだ、って絞って余計なものには見向きもしなくてを進む方が確かに効率的なんだけど、私は「本当にこれでいいんだっけ?」って修正したがる自分がいると思う。
おじさんはおじさんで集まる機会は多いけど、若者と語る機会ってないんだよね。
だからあえてこちら側からそういう機会を作るべきだっていう仮説を立ててみてやってみたのがこの「年1回12月3日に集まる」3回の企画だったのかなって。
但馬:
今の時代、人生における「目的」を設定して、その「目的」を達成することが素晴らしい!というのが過剰に評価されている時代だなと思う。
例えば、イチローが小学校の時に書いた作文に書いた夢を達成した、みたいなね。
確かにそういう人もいるとは思うんだけど、一歩ずつ前に進む中で見えていく景色をちゃんと捕まえながら生きていくっていうのも全然ありなはずなんだよね。霧の中を歩くたびに10m先が見える。
でもその素晴らしさって語られないなって。
「あなたのビジョンって何?」「30年後何していたいの?」「じゃあ、それに向けて一個ずつやろうぜ」みたいなのが変に尊ばれてしまっていると思うんだ。
でも、僕ら4人はそうじゃないと思う。
少しづつ進みながら、いまの自分に向き合いその都度道を選び歩んでいく。
それを若い人たちにも伝えつつ、逆に僕たちも考える機会をもらっているのがこの会なんだよね。
山田:
私は公務員として目の前の1人の人に向き合うことを仕事にしようって決めて、自分を通して社会に向けて何か仕事をするってなった時、”Evolutionaly Purpose”(進化する目的)をすごく意識するようになったんだよね。
なぜなら世の中の状況も変わるし、関わる他者も変わるからね。その変化の中で登り方を変えているのを確かめる機会にもなってるんだろうなぁ。
但馬:
天からの啓示と表現するとなんとなく違和感があるひともいるかもしれないけど、自分の心に沿ってその時に必要な道を選ぶ時に、「コーリング」のようなものはやっぱりあって。
自分の役割に対して気づいていくということ。
コーリングは一生変わらないわけじゃなくて、自分の心に正直に。
パチンコでいうと、チューリップの花を開いていくような状態を保つってことって大事で常に受信機をOnにしておくこと。
山田:
パチンコ屋のチューリップってたぶんさわねちゃんわからないよね。笑
さわね:
ありがとうございました!
ふつう大人って若者にかっこいいところを見せたいって思うじゃないですか。
ここに参加しているオトナたちは自分の悩んでる姿を若者に見せるって勇気あるなって思いました。
大切なことを若者に教えてくれる、そんな会だなと改めて思いました。
但馬:
こうして話すことによって今まで言語化してこなかったことが言語化できるんだよね。
これこそおじさんの会の醍醐味だなって思う。
2021年2月11日 (木)【Clubhouse】
参加者:山田崇、但馬武、山川知則、坂倉杏介、加藤さわね(書き手)
但馬:
振り返る会を定期的に持たせてもらっていることに意味があるのかなと思っててね
山川:
3回やったんだよね〜
自分のあり方とか、自分がやっていることに対して若者からフィードバックをもらう機会、
その時々に考えていることを投げかける機会、
年に一度その時の自分の姿を見せに行く機会、
あと、おじさんだって悩んでるってことを若者にも伝える機会。
坂倉:
3回やってみて、毎回変化とか気づきがあるよね。
去年も今年も参加したリピーター学生が、同じ人の話を1年後に聞くってのも面白いなって。
現役大学生だと成功事例とかこうしたらいいよっていう話を聞くことが多くて、それで勇気がでるってこともあるんだけど、
遊んでても成功したぜっていう話は、遊んでれば成功できる話ではないわけで、成功してる人の話を聞くってどう聞いたらいいんだっていうのがあるんですよね。
そうじゃなくて、普通のおじさんが何を悩んでて、1年前からどうなってるかってのを聞く。
キャリアって登って行くってイメージだと思うんだけど、定点観測的な感じでそれを眺められるのってすごいなと思います。
山田:
最初は坂倉さんの東京都市大学の授業に私がゲスト講師で出るってなって、
せっかく長野県からきてくるのだから、授業だけじゃなくて何かできないかなって話で、このイベントを企画するようになったんですよね。
山川:
なんで次の年もやることになったんでしたっけ?
但馬:
それ言い出したの多分僕。
この4人の中で誰かが死ぬまでやるイベントって面白いなって。
山田:
誰が一番最初に死にそうかな〜(笑)
但馬:
あの時は山ちゃんの飲みっぷりみてたら早死には山ちゃんだなと。こんな飲み方してこんなに忙しくしてる人は短命だろうなってね(笑)
山田:
いや〜あの時はどうせゆっくり飲み続けても最後に酔うなら、最初から飛ばして飲んでも一緒だと思ってたし、酔ってもいいメンバーだったからね
但馬:
あと、山ちゃんはずっと若者から学びたいと言ってたよね。
山田:
そうそう、麻生さん(アルファドライブ 代表取締役 麻生要一さん)が島根県隠岐島前高校の高校生をリバースメンターにしているって話を聞いて。
自分が高校生の時なんて、45歳のおっさんの話なんて1ミリも聞こうと思ってなかったからね。
わたしよりも年上で好きな人って少なくなってきてる。
でも坂倉さんとかタジーはその1人。それで新橋で相談したのが始まりだったんだよね〜
それが3年前の12月3日に始まった今回の企画に繋がったのかなって。
1回目は、やまやま(山川)の前職の場所(文祥堂)。
学生無料は、30代3,000円、40代4,000円って参加費の設定で
学生が参加者の半分くらいで、集まったお金は若者のプロジェクトに投資しようと。
使い道に対してメール送ったら、おじさんたちが長生きするためにお金を使ってくださいって返事がきて、若者たちあったかいなぁって。
但馬:
2回目はワコールの鳥屋尾優子さんに来ていただいたり、大人を増やしたんだよね。
山川:
あとはジェンダーバランスもね。
おじさんだけじゃね〜って
但馬:
今回3回目はコロナかで大規模にできなかったので、オンラインと融合して坂倉さんのゼミ生に向けてやったって感じですね。
って感じで3回目になったんですが、3回目はどうだった?
山川:
自分の中で一番よく話せたかな。
沖縄のワーケーションを抜けて行ったんだよね(笑)
本当に考えていることを出さないと20代に伝わらないと思って、今考えていることをそのまま出せた会だった。
そのあと色々あって転職することになってね。
但馬:
山ちゃんは?
山田:
私は相当スランプの時期だったね。2つのことでスランプで。
まず、自分の中で感じている違和感を限られた時間で言い切れない自分の中の嫌悪感。
あと、人に言ってる割に自分がやれてるのかっていう思い。人には”挑戦しろ”とか”小さなアクションしろ”って言ってる割に自分は昔の自分を模倣してるなって。
これは今でも継続中です。笑
但馬:
山ちゃんは真面目だからねぇ
山田:
私はタジーと杏介さんの前ではこういうモードになるんですよ。
軽井沢でキャンプした時に2人でワイン飲んでた時も
タジーは恵比寿ガーデンホールで初めましてだけど
一時期なんで選挙でないんだって言われて悩んでた時があってね、やまやまは山ちゃんがうじうじしてるのが嫌だって言ってたね。
但馬:
僕は1回目の時はまだエーゼロにいて、2回目は創業してた。
3回目はやまやまと山ちゃんが向かい合ってた姿勢だけど、僕はいつもと同じスライドで、話終わった瞬間から「もっと深いところにある感情があって、それを忙しさで甘んじてたな」ってすごい感じたんだよね。
あれは近年稀に見る反省だったなぁ。
山川:
全然そんな風に感じなかったけどね
但馬:
うん、次回はもっとむきあっていこうとおもったよ
山川:
山ちゃんはめちゃ顔に出てた(笑)
坂倉:
学生たちが自分たちのためにこの教室に来てくれるってのが衝撃ですよね。
何人かの子がおじさんも悩んでるんですねって書いてて、
今悩んでることとかを同じレベルで語ってもらえたって感覚はかなりあったみたいで、おじさんになっても悩み続けるのか〜って。
大学生は来年どうしようって悩むと思うんだけど、この悩みは尽きないのかみたいな。
山川:
そうなんだよね、尽きない。
でも悩みが変わってるのは安心できる。定点観測。同じ悩みはそんなに長くは続かないんだよなあって。
但馬:
これさ、おじさんの会ってネーミングになってるけど
山田:
あれちょこちょこ擦り傷が。。笑
但馬:
間違いじゃないんだけどね
坂倉:
ネーミング。今日のはかっこいいけど、おじさんが悩みを等身大で話すってとこに良さがある。
かっこいい名前の方が来てくれるよね。
但馬:
やってることは1年に1回のおじさんの健康診断。
「pay forward」
当初から若者から学びたいってのはあったよね。
坂倉:
あと、30代をスキップして40代。
今の20代にとっての30代だと直接なアドバイスになりがちだけど、もう一回り上にいくとわからないことも出てくる。そうすると傾斜的な関係になりにくいって話もね。
但馬:
ね、わからないことがありすぎて、あの時の時代はって言ってもわからない。だからもう20代と40代だったらフラットに学べるってのはありますよね。
山川:
これが60代になってを考えると、ちょっとゾッとするな。
但馬:
次回はどうしようね。今年(2021年)12月3日は金曜日です。
山川:
何してんだろうな〜
転職してると思ってなかったしなぁ、、
山田:
もう私は10年先の12/3までカレンダーにスケジュールを入れてますからね
山川:
学生の話もちょっと聞いてみたいですね〜
キャリアを選ぶ障壁になってることとか、スピーチとかあったらいいかもな〜
但馬:
僕が思ったのは、自己肯定感の低さが気になってる。
もう一つは、社会に出た時に必ず素晴らしい就職でなければならないと思っている気持ち。なぜそうなってしまったのかを考えて、そこに対して何かできるんじゃないかって思うんですよね。
みんな大学を卒業して何度も脱皮して今があるんだから、そのことを知るともっと楽になれるんじゃないかなぁ
山川:
お坊さんとか呼びたい。
毎回変わる時は不安になる。脱皮の後は安定するけど、またくるんだよね。
但馬:
今年のテーマは「青虫は一度溶けて蝶になる」
蛹の中で溶ける。何も取り入れない2次元から3次元になる。
一番若者に触れてる坂倉さん、どんなテーマがいい?
坂倉:
タジーがそれを今年感じた原因は、
私の学校はキャリア教育という名の就活支援に割と熱心で、
それが、本当にこのままで就職できるのだろうかっていう学生の怖れを生み出してしまっている。
ちゃんと会社に入るのが正解で、そのためには努力して評価されなければならないって気持ちが強い。
もっとのびのびとやればいいのに言っても聞かないんだよね。
先生が楽しいことやっていいよって言えば気が楽になりそうなものだけど、
他の先生がそんなことやってる暇ないっていうと、楽しんでいる場合じゃないって思ってしまう。
安全策取る方がいいと思ってそっちに行ってしまうんだよね。
自立して考えられる人はバランス取れるんだけど、
優秀で尖った人を集めてやる場合とはやり方は変わってくるのかも。
但馬:
僕らは尖ってないんで。笑
死ぬまでグルーミングしたい。
依存先があると人は自立するってまさにそうだと思ってて、そこで評価されないと生きてけないって思い込んでた節があるんで。
でも様々なコミュニティに出会って、営業活動しなくても生きてける。
みんなを信頼して任せれば、こんなに自分らしく楽しく生きれるんだって。
この2年くらいが一番幸せ。
坂倉:
私も来年は話したいですね。
山田:
私、公務員なんですよ。だけどここにいると公務員ってことわすれるんですよね。
これが公務員4人だったらまた違うと思う。
公務員がいないから言えることもあって。多様性。
知らないことを知りたいんだけど、
当事者になれないけど当事者に近いってのを求めているのかな。
公務員ぽくないなと思うんだよね、じゃあなんで公務員でいるんだろうとか、考える機会になってますね。
坂倉:
山ちゃんは100%公務員でやってみるのも面白いかもね。
公務員の山田さん、パタゴニアの但馬さん、インテリア関係の山川さんがくるっていって業界のことを話すってのも面白そうだなと。
1年に1日しかないと思うともったいないと思うけど、12月3日に縛らなければできるかも。
山田:
はいはい!
さわねちゃんとラジオを今やってるんですけど、
喋ったことにタイトルつけてくれてるんですよ。だから、さわねちゃんが見てどういうタイトルつけるかってのを聞いてみたいね(笑)
聞いてる言葉は全員同じでも23歳のさわねちゃんから見てどう感じたかってのを知りたいなぁ。
但馬:
次回どうする〜
但馬:
自分が今日死ぬんだったらって毎日考えてる。
今こそ自分の心の欲求に沿って生きていけるかが大事な時代で。それは年齢なんか関係なくて、みんな同じスタートラインにいると思うんですよね。そこが興味あるテーマだな
やまやま:
自分が最近興味あるテーマは、自分は世界の中で何係なんだろうってので。最近みんなに聞いてる。
早めに見つけた人ほどいいなぁと思ったり、
関係性の中でこの係だって言語化できてる人が羨ましかったりもする。
但馬:
何係か、、
でもこれも更新されていくんですよね〜蛹から青虫、蝶ですもんね
坂倉:
おじさん占いとかしたらいいんじゃない(笑)
偶然性を楽しむ。あなたは何係ですって教えてくれるみたいなね
占いって未来が不確定要素が大きいから絞りましょうってことだと思う
チェックアウト
山田:
最近自分より素敵なおじさんに出会えてないけど、タジーと坂倉さんは私がこうなりたいなと思うおじさんなんだよね。
あとさわねちゃんがいるのもいいよね
坂倉:
今自分の中の悩み。学生が将来をどう描くのかにどう向き合えるのかって結構難しくて。
こうすればいいよでもないし、コーチングも届かなかったり。
どうすればいいんだろうなって結構深く悩んでて、無力感を感じてて。私の悩みを聞く会もやってほしいですね(笑)
山川:
20代の子に自分の思いを話す、そこにおじさんもいて、両方の前でってのがいいなって思う。
毎年これがあると支えになってるなぁと。
但馬:
僕らが20代の人に伝えたいことってないんだろうなと。
同じ時代を生きていく人として一緒にお互いに情報交換をしたいんだよね。
さわね:
年齢って関係ないんだよなって思わせてくれる人たち。
でも実際の社会はそんなこともないとも思うので、こういった世代を超えた関係性はこれからも大事にしていきたいです。
貴重なお話をありがとうございました!
来年も楽しみにしてます。