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伝わるポートフォリオ

先日、はりさんが開催されたポートフォリオセミナーに参加しました。あまりにも良かったのでアウトプットしたくなり、この記事を書いています。
私はポートフォリオ迷子でした。転職活動のためにポートフォリオを作らねば、とは思うものの、どう作っても自分が納得できるところまでいかず人に見せられない・・・という状態。はりさんのセミナーはそんな私に刺さりまくり、感動に震えながらnoteを書いています。


01.ポートフォリオを作る際に大事なこと

まず第一におっしゃっていたのが、「ポートフォリオは人の数だけ正解がある」ということです。人によって見せる対象も目的も違い、ポートフォリオを作るときの流行やデザインスキルが違うから、だそうです。
確かに、全く同じ状況の人なんていない・・・とハッとしました。人のポートフォリオを参考にはするけれど、それを自分の状況や目的に応じて、ベストなものを作っていく必要があるのです。
そしてその上で、はりさんが大事にしている3つのことを教えていただきました。

等身大

ポートフォリオに書かれている言葉やデザインが等身大であること。デザイナーあるあるなのですが、「人の想いを形にするデザイン」などのふわっとしたいい感じの言葉で自分を表してしまうことがあります。実際、私もそうでした。(はりさんも通ってきた道らしいので、デザイナーならよく通る道なのかもしれませんね・・・)
「私は〇〇なデザイナーです!」
と名乗るのであれば、その言葉は本当に自分の内側から出た言葉であるのか、違和感はないか、吟味する必要があります。自分の強みがどこにあるのか、しっかりと考えて自分の言葉として表に出すことが大事です。

クリエイティブ

これは唯一無二でいる勇気、です。自分のポートフォリオを作る際に、あまりにも保守的になってしまうと自分の個性や強みが表現されていない、ありきたりのデザインになってしまいます。
はりさんは「答えを求めすぎて無難に落ち着こうとしてしまった」という失敗談まで話してくださいました。私自身、ポートフォリオを作っていて、なんとなくいい感じになってきているけど何かが足りない、と思っていました。これはクリエイティブが足りていなかった気がします。
デザインはアートではないけれど、ちゃんと自分の世界観を表現できているか、そもそも自分の世界観からきちんと見つめ直さなければいけないな、と思いました。

一貫性

これです。これが私に足りていなかった最大のものです。
自分の作っている実績と強み!一致していますか!?!?
自分のポートフォリオ見直してびっくりしました。合ってない!!!!あらやだ!!!!
・・・ということで、今私は実績部分のデザインを見直しています。私は就活用にポートフォリオを作っているので、強みもAboutに載せているのですが、その部分と実績ページに乖離がありました。
人はきちんと意識していないと、すぐに道から外れてしまいます。そしてポートフォリオ上で、言っていることとやっていることが一致していないちぐはぐデザインになってしまうのです。恐ろしいですね。でも今気づけて良かったです。ありがとうございます、はりさん。


02.なぜポートフォリオを作るのか

等身大、クリエイティブ、一貫性。これらを達成するために必要なのが、この部分です。
「ポートフォリオを作る軸」
目的に応じて、自分の魅せ方もデザインしていく必要があります。自分の価値が最大限相手に伝わるにはどうすべきか、そもそも誰に届けたいのか、整理していく必要があります。

・どこに需要があるのか

これは盲点だったのですが、求人サイトの求めるスキルにもニーズのキーワードが含まれていると聞いて、目から鱗でした。どんなデザイナーになりたいかふわっとしたイメージがあるけど上手く言葉にできない場合、そもそもその業界で使われるような言葉を知らない可能性があります。
そして、企業の方は欲しい人材の情報を明確に言語化していらっしゃる・・・これを見ない手はないですよね。今日から意識して見ます。

・どんな案件を受けていきたいのか

どんな人と、どんな仕事をしたいのか。
それを明確にすることで、自分のデザイナーとしてのやりがいも社会貢献も達成できるデザイナーになれます。
自分が作るデザインを届けたい相手にきちんと伝わるように、自分が受けたい仕事に関してもしっかり掘り下げていくと良いそうです。

・どんなデザイナーになりたいか

自分が目指すデザイナー像はどんな人物か。この前、「どんなデザイナーになりたいの?」と、あるデザイナーさんに聞かれた際にすぐに答えられず、自己嫌悪していました。上手く言語化できていなかったのです。
ここを反射的に答えられるくらい、改めて深く考えていこうと思いました。

・人からどう見られたいか

人から見た自分というのは、なかなか意識しにくい部分であると思います。ですが、これを決めることで自分の行動指針も決めることができます。
例えば、人からいい人だと思われたいのに、SNSで悪口ばっかり言ってたら矛盾しちゃいますよね。
人から見た自分、を意識してみるとデザインにも行動にも一貫性を出せそうです。

この辺をしっかりと整理して、そもそもなんのために自分はポートフォリオを作るのか考えていくことが大事です。
そして、気づきましたでしょうか。
そうです。ポートフォリオは自分がクライアントで、自分自身にヒアリングをしていくのです。ここを考え抜くことで、筋の通った軸のあるポートフォリオを制作していくことができます。
はりさんはいいポートフォリオを「万人ではなく、たった一人のお客様に響くポートフォリオ」と定義していました。そのためにも、自分の中のブレを最大限なくし、ポートフォリオを見た人に「この人はこういう人なんだ」と伝わるデザインを意識していきたいです。

03.ポートフォリオ実践

ポートフォリオを作るところの実際のざっくりとした工程になります。自分の作りたいポートフォリオの軸が固まってきたら、実際にポートフォリオを作るために動きます。

01.市場調査

はりさんは100サイト分析というのをやっていました。好みは置いておいて、時代の傾向や実力の現在地を知るために競合サイトを探し、表にまとめていました。その数なんと・・・100!!!
これをすることで、自分自身の視野が広がり、自分の目指すデザイナー像がはっきりしてくるそうです。
私も参考サイトは集めますが、この時点で100サイトも集めるというのはしていなかったのと、好みで選んでしまっていました。
経験の浅く、そもそも持っているデザインのストックが少ない自分よりも、経験豊富なはりさんがたくさんのサイトを見て分析しているのを見て、とても勉強になりました。私ももっと頑張ります。

02.どの媒体で作るか

PDFなのかWebサイトなのか、Notionで作るのか、follioで作るのか。
どの媒体でも間違っているということはありません。ただ、目的を達成するのに一番いいのはどれかを考えて作成する必要があります。
はりさんはこの媒体を「店構え」と表現していました。ブランドのお店が格安ネット通販で売られていたら、本物かどうか疑ってしまいますよね。
誰かがやっていたから、ではなく、自分の目的を達成するのにベストな媒体を選択していく必要があります。本当にこの辺は人それぞれで、人からどうみられたいかを意識して決めるのが大事だと思います。

03.情報設計

得た情報をもとに、思考を整理していきます。先ほどのそもそもなぜポートフォリオを作るのか、を意識しながらポートフォリオの方向性や載せたい情報をまとめていきます。

・コンセプト
どんなポートフォリオにしたいかを情緒面などから考えていきます。先ほど深掘りした自分のポートフォリオの軸に沿って、決めていきます。

・ターゲット
届けたい相手を意識しながら、ペルソナを作成していきます。まずは一人に刺さるものを。一人でも刺されば、そこに需要が潜んでいます。

・サイトマップ
まとめた情報をもとに、ポートフォリオに載せるべき必要なコンテンツを洗い出します。目的をきちんと果たせるかを考えながら作ります。

04.デザイン作業

仮説と検証を繰り返しながら、デザインを作成していきます。失敗しても、それを踏まえてどのように解決していくか、という過程もポートフォリオの一部になるそうです。
私は失敗を晒すの恥ずかしい!と思ってしまっていました。ですが、実際にはりさんの失敗談を聞けてとても勉強になったのと、人柄が伝わってきて素敵だな、と感じたので失敗を隠すのではなく生かしていこうと思いました。

・TOPページ
たった3秒で、サイトを訪れた人が離脱するかどうかが決まるとおっしゃっていました。大半がFVの見た目の雰囲気で、「あり」か「なし」かが決められてしまうので、「あり判定」をもらうために心血を注ぐ必要があります。

・ポートフォリオの実績ページ
はりさんは実績ページを「お悩み解決集」だとおっしゃっていました。デザインを制作した本人にしかわからない思考やプロセスを載せるのがいいそうです。
理由としては、
・見た人にとって制作のイメージが湧く
・デザインの工程を知ることで、顧客も大体の流れを把握できる
・デザインに対する向き合い方やスキル感を伝えられる
などのメリットがあるようです。

05.最大のリサーチ法

デザインができたら、人に見せてフィードバックをもらうのが一番おすすめだそうです。人に見せるのは怖いですが、その分得られるものも大きいです。私も自分を奮い立たせて直撃したいと思います。
特に、その道の先をいく方やターゲットにしているクライアントなどにフィードバックをしてもらうと、ポートフォリオに対して有効なアドバイスをいただけるそうです。

04.実際のはりさんのポートフォリオを見た感想

実際にはりさんのポートフォリオを見せていただき、まず私が思ったのは「はりさんセンスいいな!!!」です。とても綺麗なサイトで、見ていて心地のいいデザインだと感じました。
はりさんが目指しているイメージが「広告代理店より高くなくて、センスが良さそう」というものだったので、まさにですね。デザインから伝えたいことがストレートに伝わってきました。
そして実際に制作過程のお話を聞いて思ったのは、「めちゃくちゃ考えて作られている・・・!!!」ということです。神は細部に宿る、と言いますがフォント選びから、ロゴの制作、写真の選定、言葉の選び方にいたるまで、挙げるとキリがないくらいに、はりさんのこだわりが詰め込まれていました。
ですが、価値観を押し付けられているような嫌な感じは一切なく、洗練されていてどこか温かみのある素敵なサイトに仕上がっていました。
コーディングはこれから依頼するそうですが、出来上がったらもっとすごいんだろうな、と期待してしまうくらいとても素敵なポートフォリオでした。サイトとして出来上がったその時は、またじっくり見せてもらいたいものです・・・!

最後に

今回のセミナーではポートフォリオを作るのに大切なことを学ぶことができました。セミナー中はひたすらメモをしていて、ここには書ききれていないお話などもたくさんありました。忘れたくなさすぎて、セミナーの翌朝にメモを振り返りながらこのnoteを書きました。実際にデザイナーの方がポートフォリオを作る過程や思考は、普段なかなか見ることが出来ないので、本当にとても貴重な機会をいただけて嬉しく思います。
今回学んだことをもとに、自分のポートフォリオサイトを見直しつつ、引き続き頑張っていきたいです。
はりさん、ありがとうございました!
そしてこの長い文章を最後まで読んでくださって、ありがとうございました!

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