ボーイがお空に帰った
先週、久しぶりにホノカアにいる
ロビンにテキストした。
前の大家が捨てていった老犬に
来週末会いに行っていいかを
聞くために。
ロビンからの返信にとても驚いた。
老犬が亡くなったという。
前の大家がアレンジしていたとおり、
昨年12月27日にロビンに老犬を
託してから、月に1度は顔を見に行っていた。
マカマエ(ハワイ語で貴重な)と
名付けられた老犬は、
シェパードとボーダーコリーの
ミックスで、とても頭がよく
可愛らしい顔をしていた。
私は彼をいつも「ボーイ」と
呼んでいた。
ロビンに預けられる前は、
大好きだった大家にもあまり
かまってもらえずに、
日がな一日寝てばかりで、
体も洗ってもらえないから
汚いモップのように
床に横たわっていた。
ロビンに預ける日、
近くのモールまで車で行って
パーキングを少し歩いた時、
いつになくうれしそうな顔をしていた。
ロビンの車に乗せられた時も
嬉しそうだった。
大家に会えると思ったのかもしれない。
家から車で45分かかるホノカアにある
ロビンの小さなファームにいる
ボーイを訪ねていくようになった。
初めのひと月は、ボーイの顔も
老犬の顔でぼんやりしていたけれど、
行くたびに生き生きとしていくので
ロビンに託してよかったのだなと
思えた。
月に一度しか会いに行けないのに
ボーイは私を覚えていて、
頭や体をこすりつけてきた。
持っていった牛骨を一心に
齧っていた。
6月も7月も仕事が忙しかったり
体調が悪かったりで、
会いに行かなかったことが
本当に悔やまれる。
少なくとも今年いっぱいは
元気でいると思っていたのに。
あの夜、ごはんを食べた後、
姿が見えないとロビンが探したら、
家の横の木の下で亡くなっているのを
見つけたとのこと。
まるで眠っているかのようだったと。
当たり前のことなど何一つないと、
ボーイは私に改めて気づかせてくれた。
7月14日、ボーイはお空に帰っていった。
ひとりぼっちで。
「ありがとう、また会おうね」と
言えないまま。