帰宅部で かろやかに生きる
日本での話。
娘は中学生になり、さまざまな部活を見学してみて、
「部活は入らない」と決めました。
やってみたいな、と思うものがないと。
文化系の部を希望していたけど、数が少なかったのです。
部活希望者は 入部届を提出するように案内があったので、
提出しなければ、帰宅部として認められる・・はずでした。
その後、いっときして、
娘は職員室に呼ばれて、部活に入ることをお勧めされます。
帰宅部希望の 他の子達も呼ばれていたという。
娘は、上に書いた理由で入部しないことを伝えましたが、
いつもは優しい先生に、
少しだけ緊迫感を感じた と言っていました。
そしてその日の夜、
その先生から私に電話がかかってきて、
娘さんは、中学時代の思い出を作るためにも、部活に入ったほうがいいと。
部活とは
忍耐力、協調性を身に付ける手助けをしてくれること。
若い世代にとって 仲間と目標を持って切磋琢磨することが、
貴重な経験になること。
などの 説明を受けました。
いや、、
貴重な思い出は、朝8時 ~ 16時の間 に作れるので、
16時以降に持ち越す必要はないのでは・・
と心の中で思ったけれど、そうは伝えずに、
「娘は部活以外にやりたいことがあるようです。
なので、毎日通う時間がありません。」
と伝えると、
「何ですか?何かお稽古をされてますか?」と
聞いてきました。
とっさに思いついただけで、やりたいことは まだ見つかっていないので、
「今はお伝えしませんが、3年後には良いご報告をできるかもしれません」
と答えると、
「わかりました。」と言って 電話を切りました。
娘は、その後の中学時代、
放課後は すっ飛んで帰ってきて 本当にダラダラしていましたが、
それでも クラスの中で 気の合う友達ができたようでした。
ほかにも、週に1度だけ、遠隔地の中高生とオンラインで交流する教室に参加したり、
長期休暇中には アプリを制作する中高生の大会に出てみたりして、
3年間を過ごしました。
そして、コツコツと英検の過去問を解きまくって、準一級も取りました。
卒業を迎えて、
タイに留学することを学校に報告すると、
あの時の先生が、娘に駆け寄り、
「本当におめでとう、やり遂げたね」
と 声をかけてくれたそう。