呪いの藁人形に幸せな思いをさせて、生まれも育ちも関係ないことを証明した話
こんにちは。天竜川ナコンと申します。
突然ですが、「呪いの藁人形」をご存知でしょうか。
呪いたい相手を想像して、
夜中に釘を打てば呪いがかかる、
といった趣旨のものです。
呪いの藁人形、かわいそう。
単純に、そう思いましたね。
呪いの藁人形として生まれ、
呪いの藁人形として育ち。
それ以外の選択肢はない。
そんなこと、あっていいはずがありません。
なので今日は、呪いの藁人形に幸せな思いをさせてあげたいと思います。
早速、クルマの後部座席に乗せていきましょう。
幸せな思い出は、大体ドライブ。この子にも幸せのスタンダードを体感させたかったのです。
夜中の木ではなく、何故かシートベルトにつけられて緊張しているのでしょうか。強ばった雰囲気を感じます。
車を走らせること少し。森に来ました。普段、呪いの藁人形は夜中の森にしか行けません。今日は太陽の下で、改めて自然の美しさに触れてもらいたかったのです。
花がとりわけ多い場所に来ました。あたり一面がきれいです。
生まれて初めてであろう、花畑を目の当たりにした呪いの藁人形。心なしか、心を奪われているように感じます。
表情もクルマに乗せられた時より、少しほぐれた印象です。そういう顔が見たくて、オレは車を走らせたんだよな。
その後は、UFOキャッチャーや…
途中で見つけた顔はめ看板に顔をはめたりしました。
さて、日も暮れてきたので帰宅。
幸せな時間はこれでおしまい…?
いえ、まだまだこれからなのです。
今日は焼肉!!
幸せとは、往々にして食卓に宿るもの。
それを体験できずして、幸せは語れません。
もちろん、今日の主役である呪いの藁人形も着座。食卓を囲んでもらいます。
「呪いの藁人形なのに、こんなに幸せな思いをしてもいいの?」そんな声が聞こえてきそうです。いいに決まってるんだよな。
今日は特別な日なので、花火も買ってきました。
少し季節は早いですが、花火を一緒に楽しみます。
その表情はまるで少年のよう。最初の強ばった雰囲気が嘘のように、楽しそうでした。
その後は、この子が寝付くまで隣で見守ってあげます。
はしゃぎすぎて藁が少しほどけてしまっていますね。すっかり安心しきった顔で、静かにスヤスヤとしてしまいました。
…
ここで一つ、みなさんに訴えてえことがあります。
人には、生まれも育ちも関係ないということ。
もちろん、それぞれ「呪い」を
抱えているかもしれません。
しかし、それを踏まえて、乗り越えて、
前に進んでいくということ。
「幸せになる」ということは
決して誰にも否定できない、
当然の権利なのです。
今日、呪いの藁人形ですら、
私という第三者の力を借りてですが、
幸せの藁人形になることができたのです。
幸せになることを恐れてはいけない。
そんな大切なことを、幸せの藁人形に教わりました。
ありがとう、幸せの藁人形。