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「新品の赤ちゃん」と伊豆を旅行したら、親の気持ちが少しわかった話

はじめまして。天竜川ナコンと申します。

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突然ですが、私は子どもを産み、育てるということは本当に重要なことだと考えています。

もっと日本が「子どもを育てる」ということに優しい社会であって欲しいですし、私自身もそうありたいと思っています。

しかし一方で、私には子どもがいません。パパさん・ママさんの気持ちにリアルに寄り添うことは難しい、と常々感じていました。

なので、たとえば人形だとしても「赤ちゃん」と一緒に旅行すれば、親の気持ちをほんの少しでも疑似体験できるのではないか。今後の人生の糧にできるのではないか、と考えたわけです。


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ということで早速、おもちゃ屋さんで新品の赤ちゃんを購入しました。


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これから旅のパートナーとなる赤ちゃん。直感で「この子だ!」という子を選びました。


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お店で売っている物を買い、帰っただけ。なのに、何だかヤバい感じがします。


【伊豆へ向かいます】

レンタカーを借りて、早速出発!

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車を走らすこと、1時間。サービスエリアで少し休憩。これまでは単身だったので自由にどこでも行けました。しかし今は子どものいる、責任ある身。一緒に連れて行きます。


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ただ、想像以上に周りの視線がヤバいです。通報というシステムは、私のような者を社会から排除するためにあるんだな、と感じました。他の方に不要な不快感・恐怖感は与えたくありません。「娘の人形を代わりに持ってあげている父親」のフリをして、迅速にトイレを済ませて車に戻ります。


【伊豆に着きました】

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大きな渋滞もなく、数時間後に伊豆へ突入。


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伊豆といえば、海の幸。なので海鮮料理屋さんにやってきました。もちろん赤ちゃんも一緒です。


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赤ちゃんは体が小さく、とにかく椅子への座りが悪いです。なぜパパさん・ママさんが子どもを膝に乗せるのか少しわかりました。

他の方の迷惑にならぬよう机の下へ潜らせ隠したりしながら食事。もう自分でも、何がやりたいのかわかりません。


【ロープウェイに乗りました】

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せっかくなので「下田ロープウェイ」という観光地に来ました。景色を一望できるとのことです。

密室で他者と過ごすのはこの旅で初めて。引き返せない所まで来ている感じがします。


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折を見て記念写真は取りつつですが、なんとか隠し隠し、頂上までやり過ごします。


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山頂付近へ到着。とても天気が良く見晴らしがいいです。


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赤ちゃんも心なしか嬉しそう。せっかくなので、景色をしっかり見せてあげます。


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この頃から、赤ちゃんとの生活も少しずつ慣れてきました。

もちろん、ずっと一緒というのは大変な面もありますが、「赤ちゃんといた方が楽しい」という感覚すら芽生えてきたのです。

日没が近いため、そろそろ今日のお宿へ向かいます。


【旅館へ着きました】

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お部屋から海が一望できる素敵なお部屋です。


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赤ちゃんも初めての人間界で1日疲れたはず。椅子へ座らせて一休み。この後は、お夕飯を食べたりテレビを見たり…。穏やかに時間を過ごしました。


【就寝】

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早めの就寝。寝るときも当然一緒。ここまで来ると、まるで自分の子どものようにかわいいものです。


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ちなみにこれが僕視点です。

子育ての大変さの一つに「夜泣き」があると聞いています。今回はそれを疑似体験するため、夜中の3時にアラームを設定して寝ることにしました。


【夜泣き】

ヴィーッ!ヴィーッ!ヴィーッ!

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当たり前ですが、夜中の3時にアラームが鳴り起床。

「朝か…?」と思いましたが、すぐに自分で設定した夜泣き再現用のアラームだということに気づき、自分で自分にキレそうになりました。


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オ〜…ヨシヨシ…

なんとか赤ちゃんをあやして、アラームを切ると泣き止みました。

「これが毎日だと、キツいだろうな…」

実際の夜泣きはもっと何回も起きてしまうでしょうし、何をしたら泣き止むのかわからない。本当に大変なのでしょうね…。


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ヨシヨシ…ネンネしな…


【起床】

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寝相が悪く、朝起きた時はこんな感じでした。最終日は海を間近で見に行こうと思います。


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水がとても透き通っていて綺麗です。赤ちゃんも初めての海でテンションが上がっています。これまで一緒に過ごしてきたので、何となく私にはわかるのです。


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さて、そろそろ赤ちゃんとの旅も終わりです。大変なこともたくさんありましたし、肝を冷やすようなこともたくさんありました。でも、この子がいなければ味わえなかった、楽しいことや幸せなことがたくさんあった、と感じます。

この取り組みを経て、ほんの少し、ほんの一部ではありますが親の大変さがわかったような気がします。そして、赤ちゃんがいるという幸せも少しわかったような気がします。

そうだ。まだこの子に名前をつけていませんでした。名前はあゆみ、あゆみにしようと思います。

明日から、また私は日常に戻ります。しかし今回の経験を糧に、もっと人に優しく、もっと強く生きていこう、と感じた次第です。


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〜FIN〜


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