久しぶりに「髻ｳ讌ｽ髑題ｳ」したら、「莠ｺ髢薙↓驕ｭ驕」した話

初めまして。天竜川ナコンと申します。

突然ですが、私は「髻ｳ讌ｽ髑題ｳ」が大好き。
長らく外には出てなかったのですが、今日はふと思い立ち「縺ゅ″縺ｯ縺ｰ繧」へ向かうことにしました。

【螟門?】

言うまでもないことですが、政府による「ブラックアウト」以降、緩やかにヒトは言葉や視覚情報を、かつてほど正しく認知できなくなりました。

その結果、起こったのは他者との繋がりや文化の喪失。そして、人口の激減。おそらくこの世界にはもう「同族だった者」はほとんど残っていないのでは？と感じています。

おっ…、珍しいな。

　花　が咲いてる

ブラックアウト以降、特に「正しくない姿」で認知されたのは　花　でした。ほぼ摘まれてしまい、久しく見ていなかったのですが…。いやはや、珍しい。

放っておくとすぐ枯れてしまったり、摘まれてしまうでしょう。いったん私の方で保護しておきます。

【蟷隹ｷ鬧　駅】

「無人電車」に乗るのも久しぶり。幸い、まだ動いているようです。

「駅」や「無人電車」のように以前と変わらないものを見ると、ふと昔のことを思い出してしまいます。

それはブラックアウト以前。「インターネット」がまだあった頃や「同族だった者」と会話できていた時代のことです。

ヒトの脳の記憶領域は、思っていたより有限でした。ある一定のタイミングを境に世界中で「情報中毒症」の患者が増えた時のことは、今でも夢に出てきます。

結果、「大量の情報を不用意に媒介し得る機器」のほとんどについては「禁止規定」され、「インターネット」も使えなくなりました。

いま私が使える電子機器は、数少ない「禁止規定」を逃れたものです。当時は見向きもされなかった、役に立たなかった物でも、環境が変われば役割を持つ。なんとも興味深いように感じます。

【縺ゅ″縺ｯ縺ｰ繧　に到着】

「縺ゅ″縺ｯ縺ｰ繧　駅」に着きました。目的地までは徒歩で向かいます。

ここから先は危険なエリア。何度かこれまでに通っていますが、最新の注意を払いながら進みます。

…と思っていると、案の定、遭遇してしまいました。

　シカ？　ですね

幸い、こちらに気づいていないようです。迂回して進みます。

ブラックアウト以降、ヒトはお互いのことを「同族」だと認知できなくなりました。なので、この　シカ？　も「同族だった者」かもしれません（そして、向こうからも私はヒト以外に見えるはずです）

しかし一方で、人里に降りてきた本物のシカの可能性もあります。

ヒトであろうと、シカであろうと同じこと。この世界ではどの道、わかり合おうとするのは危険です。関わらないことがベストなのです。

言葉や共通の認知を持つ、ということができなくなった後、驚くべきスピードで「ヒト」は滅び、ほかの動物と同列の存在となりました。

お互いの姿が「ヒト」に見えなくなり、言葉も通じなくなった世界では、それぞれが無理にわかり合おうとすると、最後は「認識の相違」から殺し合いになりました。

そんな環境の中で、なぜ私は生き残ることができたのか。

それは、「ヒトとわかり合いたい」という気持ちが欠如していたからかもしれません。

子どもの頃、私はいじめを受けていました。座ろうとしたイスに画鋲を置かれていたり、無視されたり…。高校生、大人になっても、無条件では他人を信用できない。そんな欠陥を持っていたからこそ、皮肉にもこの世界で、たった一人で生き残ることができたのです。

そんな私ですが、唯一心から楽しめたのが、今回の目的である「髻ｳ讌ｽ髑題ｳ」でした。言葉にも文脈にも視覚情報にも依存しない。それが私にとって楽で、合っていたのかもしれません。

…話が長くなりましたね。さあ、いよいよ目的地に到着です。

【髻ｳ讌ｽ髑題ｳ　してみた】

この森に「あるもの」が隠されています。

確かこのあたり、あの木のふもと、枯葉の下にあるはずです。

よかった。まだありました。「髻ｳ讌ｽ」です。

かつて、「禁止規定」を逃れた電子機器は「同族だった者」たちによって奪い合いが起こり、その大部分は失われました。そしてこれは、私が知る限りで恐らくこの世界にある最後の「髻ｳ讌ｽ」です。

昔、ここを偶然通って見つけた時も、同じ場所に隠されていました。考えすぎかもしれませんが、恐らく所有者は別にいるのではないかと思います。なのであえて、家には持って帰らず、ここで聴いています。

皮肉なものです。過去、私をいじめていた人や、他者と関わりたがった「正常なヒト」は皆、無理にわかり合おうとして絶滅しました。

一方、誰とも関わりたくない「異常なヒト」だった私は、当時と何一つ変わらない性質のまま、こうして今の世界に適応できています。

「今のままでは自分はダメだ」「変わらなきゃ」なんて昔はよく思い悩んだものですが、今でこそ、人にどう思われようと「変わらないこと」で得られる価値や役割もあるのかもしれない、とも感じます。

幸か不幸か、こんな世界になってしまったことで少し、自分を自分で肯定できるようになりました。

…さて、久しぶりに楽しめました。日没になると危険なので、そろそろ家に帰ろうと思います。

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