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歯科医院の選び方(経済的余裕がある人用)
歯科医院の選び方のトピック
経済的余裕がある人用(自費診療メイン) ←今回はこっちの話
あまりない人用(保険診療メイン)
あなたが経済的に余裕がある場合、
歯科医院を選ぶ時、特に治療をする場合に選ぶのは
・規模の大きくない医院
・きちんとした資格、実績がある歯科医師
・時間をきちんととって歯科医師が治療する
・治療中に頻繁に口を閉じさせない
・専門的な質問をするとそれに答えられる歯科医師がいる
・あまり混んでいない
・マイクロスコープ・CTの設備がある、そしてそれを使っている。
・比較的老舗
・治療費が安すぎない
・(番外編)コロナ対策
・口コミの評価はあてにならない
をおすすめします。1つずつ説明すると
・規模の大きくない医院
これは規模が大きくなると固定費(人件費、テナント料、借金返済etc)
が大きくなるので収益性を考える必要がでてくるためです。
そのため1人あたりの治療時間を少なくして多人数をみたり
セラミックを1本いくらで売ったりして収益をあげようとします。
特に急拡大した歯科医院などは毎月営業目標を決めてその収益をあげようとしているところもあります。
努力すること自体は悪いことではないですが、営業目標ありきで運営されると、本来長持ちしない歯にセラミックを入れたりすることになります。
・きちんとした資格、実績がある歯科医師
どの業界も資格はピンきりです。
怪しい団体が作った意味不明な資格、しかも1日の講習で取れるものもあれば
かなりの難関で取得自体難しいものもあります。
歯科医師国家試験は国家資格ですから、その上にどんな資格、実績があるか?ということになります。
資格に関しては
勝手に資格ランキング
SS~A海外留学(2〜3年) つよい
きちんとした海外の大学に2~3年留学した先生、かつ専門医(ボード)の資格があるとかなりつよい。基本、自費治療しか請け負わない。それが海外のスタンダードだから。向こうに行って戻ってこない人もいる、だって日本の治療費は安すぎるから。
ただし、留学には臨床系留学と基礎系(研究)留学があり、
腕が立つのは臨床系である。私費留学になるので、日本人で行った人はかなり少ない。(約5000万円以上の費用がかかる)
基本、日本人は研究留学である、(大学から助成金が出る)こちらの腕はピンきりで、間違いないのは勉強熱心(座学)ということである。
※ちなみに1週間ぐらい北米orヨーロッパの名門大学に行って旅行のついでに認定証(サーティフィケート)をもらうコースというのがある。こっちは完全にお飾り資格。高いお金を払って賞状を買う。すごく紛らわしい。
「ハーバード大学 UCLA USC インプラント サーティフィケート 認定とかなんとか書いてあったら多分コレ」
逆に「Board」の資格所持者等はかなりの確率でつよい。
S~B 比較的つよい
専門医
標榜できる専門資格というのがある。医療広告ガイドラインで標榜可能な(つまり広告していいよっていう)資格のことである。
口腔外科専門医
歯周病専門医
歯科麻酔専門医
小児歯科専門医
歯科放射線専門医
実は歯科で厳密に管理されているのはこの5資格のみである。
下位資格として「認定医」が存在するが、難易度は10倍ぐらい違う。
試験は鬼のように厳しいところもあれば、比較的ゆるいところもある。(それでも勉強しない人には取得は厳しい)(合格率約20~40%)
直接臨床に関わってくるのは
口腔外科専門医、歯周病専門医、小児歯科専門医、このあたりである。
ちなみにどの資格にも言えるが、出来てホヤホヤの頃は審査が緩く、年数を経ることに資格試験は難しくなるので30~40代でこの資格を所持している人、または最近この資格を取得した人は腕と人格のバランスが「比較的」良いとされている。
日本口腔外科学会名簿
圧が強い人が多い、腕はいいがアクも強い。基本職人肌、真面目な先生が多い。細かいことは気にしない、気にして欲しい。剛毅。
歯周病専門医名簿
圧は少し弱まる、腕は良い、計算高い優しさをもつ人が多い。真面目な先生が多い。人を多く雇った経営戦術とかをする。
日本小児歯科学会名簿
子供には優しい、もしくは優くせんとする心を持っている。圧はさらに弱まる。腕は良い、真面目な先生が多い。人を多く雇った経営戦術とかをする。
歯科麻酔専門医 歯科放射線専門医
これはかなり特殊枠で、臨床とは別の分野でのエキスパートである。
もちろんつよいが強さの方向が違う。
A~C まあまあつよい
認定医
専門医の下位資格で合格の条件がゆるい。
いわば、専門医への登竜門である。
この資格がないと次(専門医)に進めないため、熱心に勉強している先生もいれば、諦めてしまっている人もいる。
若い先生に多く、熱心な人も多いので当たればラッキーである。
彼らは症例を求めているので熱心に治療してくれるはずである。(写真もめっちゃ撮られる)
A~D
大学医局在籍者
「~大学病院~~科在籍」という肩書である。
大学の階級は上から「教授」「准教授」「講師」「助教」というのが基本形だが最近は構造改革とかなんとかで、肩書の名前がコロコロ変わったり、よく分からない階級が増えたり減ったりしている。
当然、教授クラスになればとんでもない人は少ない。ただし病院にいって「教授に診てもらいたいです!」といっても頭のおかしい人に思われるだけなので止めておこう。
「助教」は「助教授(准教授)」と紛らわしいが、ようは入局ホヤホヤという意味である。
大学によってつよい科と弱い科は違うので、歯科医院選びの指標としては不向き。
SS~D 振れ幅がでかいゾーン
勉強会出身者
日本歯科界には学校を卒業してから勉強を学ぶための道場がある。
それが勉強会である。
剣術道場のようなもので、かなりの数がある。その中でも大きな流派として有名なのは
「jiads」
「SJCD」
「5D」
の3流派である。当然、道場主(SS)や免許皆伝(S)はすごく強いが、お金があれば誰でも入門可能なので門下生(D)もいる
歯科医院選びの指標としては機能しづらい。(玄人向け)
SS~D 振れ幅がでかいゾーン
学会に入会しているだけの人
学会に入会すると「〜〜〜学会会員になる」
アメリカの学会だろうとヨーロッパの学会だろうと今はネットがあるので、クレカで会員費を払えばいつでも入れる。
当然、大会発表などをする強い人もいるが、
歯科医院選びの指標としては機能しづらい。
SS~D 振れ幅がでかいゾーン
その他の学会の専門医、認定医。
数が多すぎて把握しきれない、本当にピンきり。まさにカオス。
悪魔的天才もいれば、本当の悪魔もいる。
素人にはおすすめできない。
・時間をきっちりとって治療するか。
歯科治療には時間がかかります。
もちろん、うまい先生は「速くて、キレイ」なんてこともありますが、
歯の治療は予想外の連続が結構あります。
治療中に「予想以上に虫歯が深い」「隠れていた病巣が見つかった」などですね。
時間をきっちり取れば、予想外の事態にも対応はできますが、がっつり時間枠が決まった歯科医院の場合それはできません。
なので中途半端に治療が終わったりすることになります。
勤務医の先生はノルマがあるところもあるので、時間きっちりに終わらないと怒られてしまうこともあるようです。
最低でも30分 もしくは1時間を治療時間としてとる医院は比較的まともだと言えるでしょう。
自費専門の歯科医師の治療時間目安
虫歯治療1本 約1時間
根管治療1本 約1時間〜2時間
外科手術 約1時間〜3時間
被せもの処置 約1時間〜2時間
※また根管治療でいい仕事を見極めるのは「ラバーダム」というゴムのマスクをすることがポイントになります。
・治療中に頻繁に口を閉じさせない
頻繁に口を閉じると唾液が病巣になだれ込んで再感染パレードが起こります。口を頻繁に閉じるのは楽ですが、歯の寿命のためには開けといたほうが実は吉。(処置にもよる)
・専門的な質問をするとそれに答えられる歯科医師がいる
勉強している先生は語れます、それこそ1時間ぐらい「歯ブラシ方法のこと」だけとか「虫歯のこと」だけとか「歯周病」のことだけとか、
逆に質問するとはぐらかしてくる人はその分野での知識にあまり持ち合わせがないということになります。
もちろん1時間話すだけをしていたら歯科医院は潰れてしまうんで、話すばっかりも問題ですが、質問したら詳しく教えてくれる先生は比較的良い先生といえるでしょう。
・あまり混んでいない
これは意外に思われるかもしれませんが、自費中心でクオリティー重視の歯科医院は完全予約制の場所が多いので、あまり混んでいません。
混んでいる=腕がいい=人気があるという方程式は飲食店なら成り立ちますが、医療機関には当てはまりません。
なぜならば混んでいるのは、それだけ時間に追われて治療をしているという意味になるからです。
実際、お金持ちは待たされるのが嫌いですし、人混みも嫌いな傾向があります。そのため腕のいい先生の待合室はあまり混んでいない傾向があります。
まっていても2〜3人
・マイクロスコープ・CTの設備がある、そしてそれを使っている。
物はお金があれば買えますので、実際に使っているかが問題です。
最近はマイクロスコープにも動画撮影機能があるので、治療の映像を見せてくれたりする先生は、腕に自信がある傾向があります。
マイクロスコープは従来肉眼の手探りでやっていた治療を目視で、正確におこなうことができるツールになります。
ただし治療には時間がかかります。いままで「こんなもんだろ」治療を目で見て細くやるので、動きが繊細になり、その分時間が伸びるわけですね。
自由に使いこなすには2~3年ほどかかるので、使い始めの先生はさらに
治療1時間+30分なんてこともあります。
・比較的老舗
普通に考えれば分かるのですが、歯を治療したら定期的にメンテナンスをする必要があります。
口の中は人体で一番過酷な耐久試験の実験場です。
耐水(冷たい水) 耐熱(熱いもの) 酸 細菌 衝撃(かみ合わせ)
など常に大きなストレスがかかり続けています。
昔から治療していてそこそこ実績のある歯科医院は、どのように治療すると長持ちするかというノウハウがある場合が多いです。
そのため、あまり規模が大きくなく、そこそこ老舗の歯科医院は経験値という意味でアドバンテージがあります。
・治療費が安すぎない
当然ですが時間をとって、人数を診ないので、単価は上がります。
・(番外編)コロナ対策
この時期はHPに記載があるので、時流に敏感かそうでないかでその医院のセンスが問われます。
オランダでは5%ほどの歯科医院しか防護服を入手できなかったということもあり、日本でも防護服を着て診療する医院は体感5%ほどでしょうか。
もし、換気や手洗い、うがい義務、防護服、口腔外バキュームなどを用意してあればその医院は比較的、患者さんや従業員を守る意識のある歯科医院といえるでしょう。
アメリカの大学病院などは1週間前にPCR検査をして陰性なら治療を受けられる、という体制の場所もあるようですので、可及的な対策となります。
・口コミの評価はあてにならない
基本的に口コミは患者さんが医院を評価するので、
評価内容は「雰囲気、綺麗さ、愛想の良さ、」などが主になります
肝心な「治療のクオリティ」は基本、専門家にしか評価はできませんからこれは当然です。
そのため、自費中心クオリティ重視の医院は比較的口コミが出回りにくいです。というか界隈で腕の立つ先生の口コミは意外と良くないこともあります。
原因としては、
「完全予約制」なので急患で痛くてもすぐに見てもらえなかった。
または
「高い治療を進められた」とか「高圧的」
みたいな口コミが多い気がします。
※まとめ
まとめると
・規模があまり大きくなく(30坪ぐらい)
・きちんとした資格、実績がある歯科医師
留学または標榜専門医資格または教授or元教授など
・時間をきちんととって治療する
最低でも30分〜1時間
・治療中に頻繁に口を閉じさせない
再感染の恐れがあるため
・専門的な質問をするとそれに答えられる歯科医師がいる
・あまり混んでいない
せいぜい待っても2〜3人
・マイクロスコープ・CTの設備がある、そしてそれを使っている。
これはHPを見ればすぐ分かる。
・比較的老舗
1970~1990年代の開業ぐらいか
・治療費が安すぎない
安すぎるのはまずい、一体どこで作ってるんだと不安になる。
という感じになると思います。
もちろんあくまで目安なので、例外は色々あると思いますが、
おおむねはずれないかなというイメージです。
おまけ
歯科医師の人格タイプ別
技術、性格ともに良い・・・すごい稀、大当たり
技術はいいが、性格は変・・・腕のいい先生に多い、ポリシーがある。職人
技術は並、性格も並・・・中堅5〜7年目ぐらいに多い、入れた差し歯は5年ぐらいではずれる傾向にある。
技術は難、性格は良い・・・めっちゃ口がうまい、話していておもしろい、めっちゃ矯正とかすすめてくる。インプラントとかセラミック矯正も。
技術は難、性格も難・・・ノーコメント