能力密度の高い組織を作る
こんにちは。Algomatic Global カンパニーCEOの原田(@1230yuji)です。Algomatic GlobalはDMM 動画翻訳とDMM GAME翻訳を運営しています。
昨日Algomatic Globalはプロ契約組織を作っているという記事を書きました。
今日はこれと同じくらい重要視している「能力密度の高い組織を作る」ということについて書きます。
能力密度とは何か
能力100の人間が100人集まったら1人あたりの平均能力値は100なわけですが、能力100の人が10人、80の人が90人集まったら平均能力値は82になります。
この平均能力値が能力密度であると言っても間違いないと思います。
人の能力はプログラミング能力、営業力、などいろいろパラメーターがありますが、ここで言ってる能力は1つのパラメーターに着目します。
つまり、営業が全く出来なくてもプログラミング能力が飛び抜けていたらその人の能力値は高いです。
学校の勉強でいうと国、数、英、理、社の数学は飛び抜けてるけど国語が全くできないという人でも能力値計算ではできるところだけを見るので、その人は能力値が高いと言えます。
5教科全部80の人は、一つだけ100の人に負けます。
数学が得意な人は数学だけやれば良いのです。
ちなみに、根本的に何かが飛び抜けてる人は平均的にポテンシャルが高い人が多いです。
文書が読めないと数学の問題が解けないので、数学が100で国語が10なんてことは少ないです。
ある能力値が飛び抜けてるけど他はできないという人はだいたい興味がなくてやってないだけでできる人はできます。
なぜ能力密度が大事なのか
僕が能力密度という概念を知ったのはNetflixの組織開発の話を知ってからです。
なぜ大事かは本にも書かれてるので詳細はそちらを見ていただくのがいいのですが、ほぼ以下の文章に集約されていると思います。
能力密度を高めることで起こるメリットはたくさんありますが、個人的に一番実感するところはコミュニケーションにおいて明確に分かりやすく表れてきます。
10言って1が伝わる
10言って10が伝わる
1言って10が伝わる
よくあるコミュニケーションの話としてこういう例が出されると思います。
コミュニケーションの理想として、1よりも2、2よりも3がいいのですが、能力密度の高い組織は実はこのどれも当てはまらない奇跡のコミュニケーションが起こります。
何も言ってないのに伝わる。
神が降臨します。
何も言ってないのに伝わります。
何も言わずにゴール前に走りこむと、ボールが足元に転がってきます。
それぞれの選手は自ら成すべきことだけに集中することができます。
これこそが組織として能力密度を高めることの真髄と言えます。
これこそがトップ選手が能力密度の高い組織に入るメリットになります。
凡庸な100人よりたった1人のハイパフォーマー
年収300万円の人を100人入れたら3億円かかります。
年収3億円の人を1人入れても同じく3億円です。
ゴミ拾いをするなら1人でやるより100人でやったほうが良いですが、AI事業を立ち上げるなら1人のハイパフォーマーは凡庸な人の1万倍の仕事をします。
コスト面でもパフォーマンス面でもどこからみても100人の凡庸な人を集めるよりもたった1人のハイパフォーマーのメリットが大きいです。
能力密度を高めるには
能力密度を高める方法は3つしかありません。
能力の高い人を入れる
能力の低い人を外す
人の能力を高める
1.能力の高い人を入れる
「自分より優秀な人を採用しましょう」
よくある採用担当者向けの合言葉です。
実践できてる企業はどれくらいあるでしょうか。
周りを見渡し、胸に手を当てて、心に問いかけてみましょう。
「いま自分より優秀な人に囲まれて仕事をしているだろうか」
自分より優秀だと思わない人が周りにいるなら採用は失敗しています。
口では優秀な人を採用したいと言いながら妥協しまくっています。
本気で自分より優秀な人を採用しようと思ったら本当に難しいことです。
急激に人が増えてる組織がありますが、自分より優秀な人を採用すると決めたらそんなに人が増えるはずがないです。
能力の高い人を入れるには、心の奥底から嘘偽りなく「自分より優秀だと思う人を採用する」を実践する必要があります。
あと、実際のところもう一つ重要な課題があります。
「人を評価できるような見る目を誰も持っていない」という問題です。
2回、3回面談してその人の能力を見極めることはできないと諦めたほうがいいです。
「明らかに違う人」を見極めることはできますが、微妙と思った人が良いときもあるし、良いと思った人が微妙なときもあるし、自分の感覚なんか全く当てになりません。
採用が成功するかどうかの確率はコイントスして決めるのと変わらないのではないでしょうか。
この課題を突破する方法はあります。
「一緒に働いてから考える」です。
さすがに一緒に働けばある程度確度高く判断する材料は得られます。
これを実践することを可能にするのがプロ契約組織です。
正社員で雇用するとなると、入口で何度も面談を繰り返す必要がありますが、もはや判断能力のない人が何度面談しても無駄な行為でしかありません。
良さそうかもと思った人は試しに一緒に働いてみて、良ければご一緒し、違いそうなら終了するというフローを取るほうが建設的です。
前提としてプロ契約組織の思想に賛同し、この進め方にも賛同することが前提です。
2.能力の低い人を外す
一度スタートした人を外すのは非常にストレスの大きい行為です。
お互いに気持ちよく合意できている場合は問題ないのですが、向こうは継続したいと思っているけどこちらが外すときは非常にストレスフルな行為です。
これを実行に移せる人はほとんどいないと思っています。
これをやり続けていると気を病んで辞めたくなります。
しかし、絶対にこの仕事から逃げてはいけません。
だから、これこそが僕の仕事だと思っています。
人を入れることは誰でもできますが、人を外すことは誰にもできることではないです。
判断基準はシンプルです。
「いま自分より優秀な人に囲まれて仕事をしているだろうか」
この問いを投げて疑問に感じるときは外すべきときです。
3.人の能力を高める
人を育てる方法はわかりませんが、一つ明確なことがあります。
プロ契約組織で入ってくるトップ選手は子供じゃないので育てる必要はありません。
「邪魔をしないこと」が大事です。
伸び伸びとやってもらうことのほうが大事で、勝手に成長していきます。
能力密度の高い環境は人を育てる栄養豊富な土壌です。
誰を船に乗せ、誰を船から下ろすのか。
邪魔をしない
これを実践しておけば人は育ちます。
あえて書くとするとコーチングは有効な手であると思います。
プロスポーツのコーチは必須です。
良いコーチがいる組織はより人が育つ組織と言えるでしょう。
コーチングは知り合いがめちゃくちゃ良い会社をやっていて嘘なくオススメします。
まとめ
能力の高い人とは何かに秀でた才能を持った人であり、能力密度の高い組織とはそのような人たちだけを集めた組織です。
能力密度の高い組織では阿吽の呼吸で指示せずとも欲しいところにパスが回ってきます。
そんな素晴らしい組織を作るためにも、能力の高い人を入れる、能力の低い人を外す、人の能力を高める、を実践し続ける必要がある、ということでした。
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