コンタクトの向こう側
「インターナルフォーカスとエクスターナルフォーカス」
事例は
「コンタクトが強く当たれない子へのエクスターナルフォーカス」
を考えてみました。
どのように声かけしてあげたらいいでしょうか。
原因は、姿勢が高かったり、踏み込めていなかったり、ヒット時に減速していたり、様々だと想定してください。
とは言っても
すごく難しいですよね。
しかしながら、考える過程で"注意の焦点"をいろいろと巡らせることができたかと思います。
今回は、その焦点(フォーカス)が、身体の外側(=エクスターナル)にある場合に動作の習得(運動学習)が効果的に行われることを説明します。
人間の感覚器官の中でも最も情報量が多いと言われる目からの情報を"注意の焦点"に活用することが、エクスターナルフォーカスであるといってもいいと思います。
逆に身体の内部感覚、例えば「膝がどのぐらい曲がっていたか。」、「足に力が入っていたか。」などは、インターナルフォーカスにあたります。
「身体のリラックスや緊張の度合い」なども、インターナルフォーカスです。
例えばですが、
平均台の上を歩く時、
「足元がふらつかない様に下を見る」よりも、「台の端の遠いところに目線を置く」方がうまく歩け、
バイクでカーブを曲がる時に、
「ハンドルを上下に動かす」よりも、
「カーブの先に目線を固定する」
方がうまくいきます。
これは、
『動作の過程』
ではなく、
『動作の結果』
を考慮しているからです。
目線と注意が『過程』ではなく『結果』に集中することが、大事な1つの要素です。
注意の焦点の事例
インターナルフォーカス
→In
エクスターナルフォーカス
→Ex
『スケートのカーブ』
In=
腰の位置をスケートに対して、正しく位置する
Ex=
カーブの終わりをどう抜けるか
『バスケットのシュート』
In=
シュートの際に肘を体に引き付ける
Ex=
ゴールにボールを入れる
『自転車』
In=
転ばないように足を回す
Ex=
進む方向の遠くを見る
コンタクト
In=
ヒットの際に下半身もしっかり踏み込む
ヒットする位置と相手を見定める
※ヒットする相手と位置を見定めるだけでは、『過程』ですね。
ヒットの向こう側の『結果』を考えなくてはです。
先日、コーチングの先生に教えていただいたのですが、タックルであれば、
『相手の背中が地面につく』
が、結果の1つになり得そうです。
コンタクトでは、どうでしょう。
「エクスターナルフォーカスの実際」
先日、息子と
"パス"と"コンタクト"を15分ほどやりました。
この際にも、エクスターナルフォーカスで、
「お腹に向かって投げてみて」と伝えると、細かい投げ方を教えなくてもきれいに投げることができました。
コンタクトについても、
「相手が後ろに下がるまで当たろう」と伝えると、コンタクトに意図があり強く当たることが出来ていました。
エクスターナルフォーカスは、即効性があるのでとてもおすすめです。
なぜかというと、
注意を結果に向けることで、運動の意図が筋肉の柔軟な稼働と動作の組織化(コーディネーション)を促すからです。
行為効果仮説
「動作は意図によって、最も良く制御(コントロール)される」
運動制約仮説
「今まで無意識に出来ていた動きが、体に意識を向けてしまうことで、自動化されていた動きが妨害されてしまう。身体の外側に意識を向けることで、自動化されていた動きが妨害されずに低コストで無意識に動かすことができる」
では、実際の現場ではどのぐらいの頻度で使われているかというと、
インターナルフォーカスの割合が
・教育において 94%
・競技者のコーチング 84%
・競技中のコーチング 69%
と、まだまだ実際には浸透していません。
しかしながら、研究結果によると、
円盤投げの選手に、
インターナルフォーカスにおける優れたコーチからの指導を受けたグループと円盤が飛んだ距離記録できるメジャーを置いたグループで、計測したところ、測定結果はほぼ同じになったそうです。
インナーゲームでも書きましたが、場合によってはインターナルフォーカスが学習者の成長を阻害してしまう可能性があり、単純に指示なく励ます方が効果がでる場合もあるそうです。
自分の子供にもすぐ応用できるので、ぜひやってみてください。
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