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管理委託契約削減への取り組み(23)
「管理会社を取り巻く現在・過去・未来」について徒然なるままの話し・・・ということで、前回は「過去」のマンション管理組合やマンション管理業界に衝撃が走った「建サ・ショック」(2018年)の影響について、深堀してお話しました。
今回は、「現在」のマンション管理組合が取るべき対応(・・・というか、取らざる得ない対応)についてお話したいと思います。
これまでの記事は、こちら!
「管理委託契約削減への取り組み(1)」
「管理委託契約削減への取り組み(2)」
「管理委託契約削減への取り組み(3)」
「管理委託契約削減への取り組み(4)」
「管理委託契約削減への取り組み(5)」
「管理委託契約削減への取り組み(6)」
「管理委託契約削減への取り組み(7)」
「管理委託契約削減への取り組み(8)」
「管理委託契約削減への取り組み(9)」
「管理委託契約削減への取り組み(10)」
「管理委託契約削減への取り組み(11)」
「管理委託契約削減への取り組み(12)」
「管理委託契約削減への取り組み(13)」
「管理委託契約削減への取り組み(14)」
「管理委託契約削減への取り組み(15)」
「管理委託契約削減への取り組み(16)」
「管理委託契約削減への取り組み(17)」
「管理委託契約削減への取り組み(18)」
「管理委託契約削減への取り組み(19)」
「管理委託契約削減への取り組み(20)」
「管理委託契約削減への取り組み(21)」
「管理委託契約削減への取り組み(22)」
管理組合が取るべき対応は?
管理会社から管理委託費の値上げの申し出があった管理組合が・・・すぐに取るべき対応について、私の考えをお話します。
もちろん、まずは管理会社と「値上げ」に関する交渉を(フロント担当者レベルだけではなく上席の話を聞く等)きちんと行なうことが肝要であることは言うまでもないと思います。
ただ・・・マンションによって、管理費(一般)会計の年度末の繰越金を修繕積立金(特別)会計の収入に繰り入れているケースがあります。この場合は、(当然ながら)計画修繕に必要な資金計画に対する影響(=貯金の減額)を確認しなければならないと思います。
まずは・・・管理経費の精査
管理委託費の値上げによって管理費(一般)会計の収支が赤字に陥る場合は、まず支出を減らす検討をすべきだと思います。
考えられる支出削減には、電気使用料等の削減(照明器具のLED化や電気契約の見直し等)も考えられますが・・・
本丸は・・・やはり管理委託費ですね。管理委託契約の管理仕様の見直し(スペックダウン)を行ってください。
管理仕様のスペックダウンでもっとも効果が大きいのは、管理員業務の見直し(=管理員さんの勤務時間を削減するとうこと)です。
これには、管理組合内で賛否両論あると思いますし、見直しによって管理員さんが交代した・・・みたいなことも起きますので、削減幅が大きくてもデリケートだと思います。
その他は、定期清掃の回数を減らす(例:年12回→年6回、年6回→年4回、年4回→年3回・・・)とか、設備点検の回数を減らす(例:年12回→年6回)とか、専有部分サービスの見直しとか・・・色々あると思います。
また(メリット・デメリット等を)充分に精査する必要がありますが・・・(機械式駐車場や植栽剪定等の)メンテナンスの分離発注を検討すると、管理経費をセーブできる場合があるかもしれません。
広い敷地に植栽が大量にあるマンション管理組合では、日常の落ち葉の清掃や散水をシルバー人材センターに依頼されたことで清掃コストを半分以下に節約された事例もあります。
なお、普通修繕費(理事会決議で執行できる小修繕工事)の予算枠の見直しは、これまでの支出動向を確認してから行ってください。(予算的には赤字回避できても、年度の途中で予算が枯渇したら・・・本末転倒です)
最後に・・・管理費の値上げ検討
そして、最後・・・どうしようもなかったら、管理費の値上げを検討することになるのかな?
最期は・・・管理会社変更の検討
管理経費の精査も不調・・・管理費の値上げも反対意見が根強い(無理!)となると、最期は「管理会社リプレイス」か「自主管理体制への移行」しか残っていません。
なお「自主管理体制への移行」は、マンション管理組合にとって「大変革」で、かなり大変な事業になると思います。
自主管理に移行したマンション管理組合から・・・「移行は大変だったけど、始まってしまえば意外と大丈夫!」なんて声も聞いたことがありますが、その時は「何と比べて大丈夫なの?」と正直思いました。
いずれにしても、「自主管理体制への移行」というテーマだけで何万字と書けてしまいそうです。(笑)(「自主管理体制への移行」というテーマについては、別の機会にじっくりとお話できたら・・・と思ってます)
ということで・・・今回は、今現在の「管理会社リプレイス」について、私の思うところをお話したいと思います。
確かに他の管理会社の話を聞く(見積を依頼する)方法も残されています。管理会社のトレンドが「収益重視」に舵を切っているからと言っても、それはマクロ(全体的な傾向)の話です。
「建サ・ショック」以前のような活発な動きは見られませんが・・・各管理会社には「管理会社リプレイス」の部署は(細々と)残っています。
また、マンション管理会社業界のマクロ的な傾向が「収益重視」であっても、ミクロ的に見ると(例えば)後発組の管理会社等の中には「拡大路線」のまま・・・「マンション管理組合さんのご相談・ご要望に取り組んでます!」みたいな会社も見かけます。
でも、ここで覚えておいて欲しいことは、私がブログでお話したような手法(=他の管理会社の見積を取って、現行管理会社と駆け引きする戦略)が(たぶん)通用しない可能性が高いということです。
つまり、他の管理会社に乗りかえる選択を取ったら(実際にどうなるのか?は、さておき・・・)現行管理会社との関係は「元には戻らない(離婚する)」と覚悟!しなければならないということです。
それでも結局は・・・
このブログを通して発信し続けたいこと「マンション管理組合は能動的・主体的にならんといかん!管理会社に任せ切りはSDG’sにつながらん」ということです。・・・それには、やっぱりコミュニケーションが大事かな?(何より「快適なマンションライフ」が実現できる)
なお、「マンション管理組合が能動的・主体的になる」=「管理会社の提案全てを拒否する」ではないです。
「管理会社は、けしからん!」と怒るマンション管理組合をみていると・・・「それって、能動的・主体的運営ができていないことへの反動?」と思うことがあります。(笑)
管理会社との関係も「ボビーバレンタイの『三のR』」です。リスペクトしながらお付き合いすることが肝要です。
また、そんなマンション管理組合ならば、管理会社も大事にしてくれると思うし、仮に管理会社から値上げや契約打ち切りの申し出があっても・・・管理組合として適切に対応できるのでは?と思います。
コロナウイルスの影響も
コロナウイルス渦は、定期総会が開催できなかったりして・・・マンション管理組合の活動にも大きな悪い影響がありました。
それと同時に(職種によりますが・・・)サラリーマンもフリーランスもオンラインの仕事に移行し、ステイホーム(=マンション滞在)の時間が増えました。・・・たぶんコロナ渦が過ぎても(全てではないけれど・・・)オンラインのシフト勤務は残ると思います。
これって、マンション内のコミュニケーション形成の大チャンス!!かもしれないと思っています。
集会室でカフェを開くとか・・・お昼は集会室で(皆で)食べましょう!とか広報する(声をかける)とか・・・
そんなところから(背伸びせずに)取り組むと良いと思います。(コロナの動向をにらみつつ・・・実は私も画策中です)
次回は、本シリーズ最終回!
未来の管理会社はどうなる?(どうあって欲しいか?)について、私のイメージをお話できたらと思います。 (つづく)