管理委託契約削減への取り組み(8)
前回は、決裁権をお持ちのY部長と同じテーブルに着いて管理委託費3割削減(値引き)交渉の火ぶたが切られました!
初めてお会いしたY部長は、なかなか手強い交渉相手に思えましたが・・・
上から目線ではなく、交渉相手である私(マンション管理組合の理事長)をリスペクト(尊重する、大事にする)してくださいました。
この時、私が「決裁権のあるY部長も交渉相手として相応しくない方だなあ。まったく話にならん。こんな管理会社と付き合ってられんわ!」と判断していたら・・・
私は、即座に他の複数管理会社に声を掛け・・・管理会社変更に舵を切ることにつながる相見積を取得していたと思います。(今から思うと・・・ホント交渉相手がY部長で良かった!)
・・・今回は、この問題に取り組む前のお話です。
私が管理会社変更に舵を切るのではなく、まずは今の管理会社と粘り強く交渉しようと決意したエピソードをお話します。
「管理委託契約削減への取り組み(1)」
「管理委託契約削減への取り組み(2)」
「管理委託契約削減への取り組み(3)」
「管理委託契約削減への取り組み(4)」
「管理委託契約削減への取り組み(5)」
「管理委託契約削減への取り組み(6)」
「管理委託契約削減への取り組み(7)」
コンサルタントTさんとの出会い!
私が理事長に就任した年度は、うちのマンションの竣工5年を迎える年で・・・デベロッパー(新築マンションの企画販売会社)から5年点検実施の通知が届きました。
理事会では、この対応(窓口)は「すまいの委員会」に依頼することになりました。(時期は「修繕積立金不足問題」が露呈する前)
これを受けて「すまいの委員会」では、メンバーのKさんが(当時はインターネット黎明期で情報がホント少なかったけど・・・)インターネット検索を頼りに(Kさんと同じ大学のご出身ということで)探して来られたコンサルタントのTさんにサポートを依頼することになりました。
Tさんは、建築士でありながら(合意形成が原動力となる)マンション管理組合のサポートを行なうコンサルタントのパイオニア的な存在だったのですが・・・当時の私は、そんなことは知る由もありません。
Tさんからのアドバイス
私は5年点検に立ち会ってくださったTさんに「管理費削減交渉の取り組み中で、管理会社変更になるかもしれない」みたいな雑談をしました。
その時、Tさんからいただいたアドバイスは以下のとおりでした。
「管理組合と管理会社の関係は、人間の結婚・離婚みたいなイメージで考えた方が良いですね。
(誰しも)離婚するとダメージがあるし、再婚してもパートナーが再婚前に想像していた姿とかけ離れていた!といったこともあり得ます。なので・・・離婚・再婚は最終手段だと考えた方が良いのではないでしょうか。
まずは、トコトン今の管理会社と良く話し合うことが一番重要だと思いますし、是非そうなさってください。理事長と管理会社が前向きな話し合いをされて、両者納得の今以上のパートナーシップが築けたら良いですね」
私は、このアドバイスのお陰で・・・やみくもに「管理会社変更や!委託費の安い管理会社はどこや!」みたいな発想に陥ることなく、今の管理会社と辛抱強く交渉を進めることができたのだと思います。
この問題に関し、うちの管理組合からTさんにサポートを依頼しませんでしたが・・・この時のアドバイスが印象的で、私は一気にTさんのファンになりました。
その後Tさんとの関係は?
Tさんに5年点検の立会いを依頼した結果、それまで見過ごされてきた危険な場所が見つかり・・・無償で対策(=手すりの設置)ができました!
Tさんのご指摘により、南側階段の全ての踊り場にできていた小さな「すき間」が見つかったのです。(写真の「すき間」)
その「すき間」に子供が「かくれんぼ」すると、転落する危険性がありました。
Tさんは、マンション内で5年点検立会い中にお母さんが小さなお子さんに「○○ちゃん、そこで『かくれんぼ』すると危ないでしょ!やめなさい!」と注意されているのを目撃して、問題に気づかれたそうです。
言われてみれば・・・誰もが「確かに~問題ある!」と思うのですが・・・素人は、5年間マンションに暮らしていても「気をつけよう・・・」くらいにしか思わない。(建物の不具合箇所だとは気がつかない・・・)
でも・・・親子の会話にヒントを得て問題を指摘されたのは、さすが専門家!プロフェッショナル!だと思いました。
専門家のアドバイスの有効性を認識できた管理組合では、その後Tさんに色々なサポート(管理規約&細則改正~長期修繕計画&長期修繕積立金計画改正等々)でお世話になりました。
そして、これは後日談になりますが・・・
後に、机上論ではなく実践派の「マンション管理運営の専門家(サポーター)」としてヨチヨチ歩きを始めた私の「水先案内人」を務めて後押しをしてくださったのも・・・実は、このTさんでした。
まとめ
実は・・・このエピソードをお話するのをすっかり忘れていたので、今回お話しました。(笑)
次回は、具体的な交渉に入る前に私が予習(準備)したことをお話したいと思います。 (つづく)