管理委託契約削減への取り組み(24)
「管理会社を取り巻く現在・過去・未来」について徒然なるままの話してきました。
今回は、その最終回として、未来の管理会社はどうなる?(どうあって欲しいか?)について、私のイメージをお話したいと思います。
管理会社の収益源は?
どこの管理会社も、その収益源は・・・マンション管理組合との管理委託契約費になると思いますが、それだけではソロバン勘定が合いません。
管理会社によって程度の差があると思いますが・・・管理組合が発注する工事費用も大きな収益の柱になっていると思います。
その他にも、各住戸(専有部分)のガス給湯器等の交換工事やリフォーム工事等の営業、または売買や賃貸の不動産仲介を行っている管理会社もチラホラと見かけます。
でも・・・利己的に思うことが多いかも?
自社の売り上げを上げたい・・・営業ノルマを果たしたい・・・社命があるから何としても・・・
管理会社の提案を見ていて・・・マンション管理組合側の利益よりも自分たちの都合が優先しているパターンが多いと思います。
その典型が、(闇の世界の)バックマージンだと思います。
(闇の世界の)バックマージン
マンションのどこかに不具合が発生したと管理会社から報告があり、管理会社が紹介する工事会社やメーカーに修繕工事を発注したら、工事会社から管理会社に(5~10%くらい?の)紹介リベートが知らないうちに支払われていた!・・・みたいな事例は日常茶飯事に起きているのでは?と思います。
なお、管理会社の中には自社の工事部門が工事を行なう会社もあります。
でも、その多くは下請け会社に丸投げしているパターンが多いように思います。(仕事を直接請けた責任は生じますが、結局は・・・それなりのペーパーマージンを取っているので・・・紹介リベートの構図に近いかも?)
リベートを稼ぐことは悪か?
私は一概に、NG!悪や!受け入れられん!・・・とは思いません。
インターネットでも「アフィリエイト」という仕組みがあります。(「Amazon」のアフリエイトサービスが最も有名というか・・・身近かな?)
また例えば、ネット上の「楽天市場」でも、リアル店舗の百貨店「大丸」「高島屋」「伊勢丹」や総合スーパー「イオン」等でも・・・自社販売の利益だけでなく、自社店舗の出店企業から売り上げの一部を受け取ることを生業にされています。
ユーザーは、そうした仕組み(場合によっては他で買うよりも割高になること)を承知してお金を支払っています。
こうしたお店に集うユーザーは、マスプロダクトによる「低価格」に魅力を感じる場合もあると思いますが・・・特に百貨店は「ブランド」の魅力だと思うし、「利便性」という要素も大きいと思います。
それは・・・マンション住民もマンション管理組合で起きることも同じことです。
管理会社の本業以外の利益は・・・
私は、むしろ管理会社が(そうした事業で)利益を堂々と上げても良いと思います。(管理委託費の売上だけでは、経営が成り立たない管理会社も多いはず・・・)
ただ・・・隠れたり、ごまかして利益を得るのはアカンと思います。
それは「利益○%と明言しろ!」という意味ではありません。「知らないうちに、隠れて」ではなく・・・マンション管理組合(マンション住民)側にメリットのある納得の提案をして、利益を上げて欲しい!ということです。
納得のある提案って??・・・それは色々あると思います。利己的な視点だけではなく、マンション住民や管理組合側に立った利他的な目線で考えれば、それぞれの答えが見えてくる!と思います。
「知らぬ間に隠れて・・・」は石器時代?
最近あった出来事を事例で紹介します。
現在私は、うちのマンションの理事長に就任しています。(輪番で回ってきた役員の任期2年目に互選で選任されちゃいました)
そんな中、12月中旬にオートロック扉が故障し、モーターを含む開閉装置を全部交換することになりました。
この時、私は交換費用が80万円くらい必要だと思っていました。私が理事会をサポートしている某マンションで、2~3ヵ月前に同じメーカーのオートロック扉が故障した事例を知っていたからです。(そのマンションの開閉装置全部交換の修理費用は、税別で約80万円だったのです)
ところがなんと!
私は、修理費用80万円を覚悟して「普通修繕費の予算枠70万円を超えそうだけど、総会を待ってられないなあ・・・どうしよう・・・」と頭を悩みながら、値段交渉のためにメーカーに電話をしました。
そして、交渉の結果・・・なんと!電話1本で40万円(税別)で取り決めることができました。(年末の慌ただしい時期で発生したトラブルだったけど、スピード対応できたので、故障後1週間で修理完了!管理員不在時のエントランス扉を閉鎖したまま正月を迎える事態が避けられてホント良かった!)
80万円VS40万円
ここで私が思ったのは、某マンションの管理会社のことです。
うちのマンションも某マンションもエントランス扉は、同じ両開き仕様・・・でも扉の形状が若干仕様が異なります。(うちのマンション:ガラス製扉、某マンション:アルミ製扉)
ですが・・・同じメーカーの同じような大きさの扉(重さはうちのマンションのガラス製の方が重いかも?)自動開閉装置の交換費用に倍の開きは生じないでしょう。
某マンション管理組合に内緒で受け取った管理会社の中間マージン(紹介リベート額)を40万円(=80万円-40万円)とは思いませんが・・・メーカーから授受している可能性が高いなあ、と思えてきます。(事実は分からん)
今はSNSの時代です
分からないようにリベートを受け取っていても、どこかでバレてしまうのは世の常です。
確証がないこともあり・・・私は、今回紹介した事例をマンションや管理会社の実名を公表して(バズることを期待するみたいな無責任な)情報発信をしませんが・・・
仮に(無邪気に?)私がSNSへ「エントランス オートロック扉故障した!エンジン部分全部交換で費用は40万!」とメーカー名のハッシュタグを付けて投稿したとします。
それを見た某マンションの役員が怒りを込めてリツイートしながら・・・「うちは管理会社経由で80万請求された、この差はなんだ!」と管理会社名のハッシュタグ付きで発信し、これがバズったら・・・
アッという間に該当の管理会社の悪評が広がって窮地に陥る・・・みたいな事態(事故?)も起こりえると思います。
これからの管理会社は・・・
いずれにしても・・・管理会社は、これまで行ってきた収益のスキームを見直すことが求めらていると思います。(ある意味・・・それが「建サ・ショック」だっと思いますが、あれは悪例だ!と断言します)
いずれにしても、マンション管理組合に隠れて知らぬ間に・・・利益を上げる構図は、石器時代の構図だと思います。
以上で、本シリーズは終了です。
次回は、最近注目を集めているデジタル技術に絡めて・・・近未来の管理組合の在り方について、私が思っていることをお話したいと思います。
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