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管理会社=区分所有者マンションって?

 実は・・・京都市には(たぶん全国でもそうだと思うけど・・・)マンションを販売した建設会社や不動産会社が、マンションの一部を自ら区分所有して他の区分所有者から管理費や修繕積立金を集めて管理運営している・・・みたいな管理形態を取るマンションがあります。
 これって・・・どうなん??
 今回は、そこの辺りをおはなしできたらと思っています。

「区分所有者の管理会社」 ≠ 「管理会社」

 「マンション管理適正化法(マン適法)」という法律ができた背景は・・・(素人集団の)マンション管理組合が(プロフェッショナルの)管理会社に好きにさせらないように・・・みたいな話をこのブログの中で何回かしました。

 そもそも「マン適法」は、マンションとは他人(=所有関係にない)の管理会社が、マンション管理組合から管理委託業務を受託する(プロフェッショナルな)「管理会社」に課せられた様々な「縛り(規制)」が定められたルールブックなのですが・・・
 管理会社が自らが区分所有権を有しているマンションを管理するとなると・・・管理会社は、(自身が区分所有者の一人で)「マンションの他人」ではないので・・・「マン適法」に縛られない!ということになります。

 つまり・・・このパターンで管理する管理会社は、(「管理会社に課された義務とは?(1) 」「管理会社に課された義務とは?(2) 」でお話した)管理会社に課せられる「マン適法」による義務は何も生じない!ってことです。
 契約時の重要事項説明管理組合の預金通帳と銀行印を所持してもOK!自社の預金口座で(例え「どんぶり勘定」であっても?)管理組合の資産を管理するのもOK!・・・ということになりますね。

区分所有者が管理会社のマンションってどうなん?

 こうしたマンションに住む区分所有者の気持ちは、どんな感じなんでしょうか?
 ・・・これが意外と良いように感じておられる方が多いように思います。

 「自分で建てた(一番内容を分かっている)マンションを管理してくれているのだから・・・こんな良いことはない!何事も良きに計らってくれそう!」とお感じになっておられると感じることがあります。

 でも、この気持ちは分かります!
 実は・・・私もマンションを買って住み始めた時、同じような思いがありました。私の場合はマンションは区分所有者が管理会社ではなかったけれど、デベロッパー(=マンションの販売会社)のグループ会社が管理会社だったからです。

※ この辺りのことは、「管理会社に全部お任せはNG!と痛感した出来事」で詳しくお話してますので、よかったら覗いてみてください!

 いずれにしても・・・(同じ区分所有者がやってくれている)管理運営に全幅の信頼を寄せて任せている・・・みたいなパターンが多いように思います。

全部委任&全面的信頼は・・・危険が危ない!

 でもこれって・・・やっぱり危険です。
 今回ご紹介した管理形態で管理を受託している管理会社にもピンからキリまであるので一概には言えませんが・・・
 仮に割合ときちんとされている?「区分所有権あり管理会社」でも、修繕積立金が不足することを他の区分所有者に言い出せなくて・・・資金不足に陥ったマンションも多々あるからです。
 マンションが高経年化していくと大きな費用をかけて修繕していく必要が生じてきます。

 工事の人件費も年々高騰しているのに、管理を任されている当事者(管理会社)から「これまでのペースではお金が足りません!増額してください!」などと発信すると・・・
 「自社の売り上げが欲しいだけちゃうの!今まで信頼して任せて来たのに!信頼してたのに!」みたいに「やぶ蛇」「寝たトラを起こす」・・・みたいに他の区分所有者に不信感が生じるリスクも否めないでしょう。

 (管理もやる・修繕工事もやる)「当事者」の管理会社は・・・資金不足を分かっていても言い出させない・・・みたいなことはあると思います。
 それは(管理や修繕工事を依頼する)「第三者」(管理組合・発注者)が気づいて対処しなければならないのでは?と思います。

 ・・・このブログで何回も何回も訴えてるとおり!
 「マンション管理組合を(誰かに)長期間の任せ切り&放任すると、ロクなことがない!」
 ・・・これホンマにそう思います!

こうしたマンションをヒアリングすると・・・

 こうしたマンションに京都市から管理実態の調査をすると・・・マンション住民は「管理会社の○○建設さんに聞いて」と言われるし、当の○○建設さんも何となく非協力的な印象を持つことが多いです。
 何かを隠しているみたいな・・・何か聞かれてまずいことがあるのだろうなあ・・・と思うこともあるかな?(調査拒否される場合もあるし・・・)

 そういえば・・・先日、うちのNPOに相談があったマンション管理組合は、京都市の調査業務によるヒアリングを拒否してきたマンションだったけど、管理会社(不動産会社)が所有する区分所有権を(相続に伴って)売り払ったみたいです。

 新しい管理会社経由でサポートの依頼があったけど・・・とんでもなくひどいことになってました。(とてもここで書けないけれど・・・未収金も放置プレイだったみたい)
  次回は、京都市の調査業務で見られた区分所有者が管理会社を務めるマンションの事例を幾つか紹介します。  (つづく)

 


 

 





 

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