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近未来の管理委託を考える(その1)
全24話の「管理委託契約削減への取り組み」では、管理会社「かゆい所に手が届くサービス」を提供し利益を上げるのは歓迎できますが・・・コソッとマンション管理組合にコソッと隠れて利益を上げる構図は、「石器時代の構図だ!」と最後に意見を述べて終わりました。
今回は、石器時代から脱するために目指すべき・・・「近未来の管理会社」について考えたいと思います。
石器時代の構図に陥る原因は?
私は、マンション管理組合やマンション住民に寄り添えるポジションの管理会社には・・・百貨店のような「ブランド力」・街の電気屋さんのような「ホスピタリティ力」・リフォームも転売も賃貸も・・・何でも任せて!みたいな「一気通貫のサービス提案力」等々・・・
その強みを発揮した(=見方を変えれば・・・収益事業としてのポテンシャルが高い)サービス提案が可能だと思います。
そんな中、そのポテンシャルを発揮できない最大の原因の1つは、「人材不足」だと思います。
そして今後も・・・特に管理員やフロント担当者の「なり手不足」が深刻化を増すのでは?と思います。
人材不足解消案(その1)
他の業界(例:建築業界や製造業界)では、人材不足を補うため・・・外国人労働者が投入される事例が日本でも普通になりました。(外国人が店員のコンビニも珍しくなくなりましたね)
では、マンション管理業界は、どうなのか?と考えると・・・
この業界では、窓口業務を務める者(例:フロント担当者、管理員)は、日本人でないと務まらないかも?・・・みたいな印象を持ってしまいます。
例えば・・・コンビニのような完璧なマニュアルが整備されていたとしても、一つ屋根の下に他人同士が暮らすマンションでは想定外のトラブルや問題への・・・繊細な対応が求められるのが日常茶飯事だと思います。
そして・・・そんな時の対応は、(日本人とは微妙にニュアンスが異なる)外国人にとって困難(余計に火に油を注ぐリスクも否めないのでは?)と思うからです。
人材不足解消案(その2)
それは、「業務の効率化」ではないかな?と思います。言い替えれば「生産性の向上」ということになるのかな?
さまざなマンション管理組合をサポートしていると・・・同じ管理会社であってもフロント担当者が変わると、提供されるサービスの質も(大なり小なり)異なることが実感できます。
管理会社が対マンション管理組合に対するサービスの質を一元化するには、社員への「ガバナンス」(統制力・管理力)が必要になります。
「ガバナンス」・・・強くても、弱くても
「ガバナンス」は、管理会社によって・・・強かったり、弱かったり、ホント千差万別なのですが、いずれのケースであっても(私には)何となく「生産性が低い」ように見えます。
ガバナンスが弱い管理会社は・・・各フロント担当者のノウハウが蓄積されませんし、第三者的な評価が困難なので非効率的な業務の改善ができない、等々の理由で生産性が低くなります。
一方のガバナンスが強い管理会社は・・・一定のガバナンスを維持するために大きなコストを掛けているとか、上層部が「総論で決めたこと」を「各論」だらけの現場に(無理矢理)落とし込める作業が必要になる、等々の理由から、高い生産性を望めないと思うのです。
「生産性」が低いと・・・
「生産性が低い」と、社員に長時間労働を強いることになったり、社員の体調不良を誘発したりして・・・「生産性を下げる負のスパイラル」に陥る可能性があります。(負のスパイラルに陥っている管理会社って・・・結構多いかも?)
(一般的に「生産性低下」の原因として考えられること)
① 社内環境や設備など・・・体制の整備が不十分
② 個人の生産性が低い(または、ばらつきが大きい)
③ 業務効率化の改善が進まない
④ 生産性を下げる社内ルールや制度(暗黙のルール等も含む)がある
⑤ 「マルチタスク」が強いられる労働環境からの改善が進まない
※ 「マルチタスク」とは?
複数の作業を同時並行、短期間で切り替えながら同時進行で行うこと
なお、管理会社の「生産性向上」は、マンション管理組合にとっても歓迎すべきことです。
サービスの質が向上したり、管理委託費を安くなったり・・・悪いことは何も無いからです。
また、管理会社の生産性が向上すると・・・「建サ・ショック」の時にバッサリ切られた遠隔地や小規模のマンションも委託管理に応じる管理会社が増える(選択肢が増える)のでは?と思います。
「生産性向上」のためのデジタル技術
最近よくビジネス書等で「DX」(Digital Transformation / デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にします。
「DX」とは、進化したIT技術を浸透させることで人々の生活をより良いものへと変革させることを言います。
次回からは、この「DX」によって、近未来の委託管理がどんな姿になるのか?
「AI」・「ブロックチェーン」・「メタバース」といった技術を題材に取り上げて考えたいと思います。 (つづく)