謹賀新年の徒然日記?

 今日は2022年1月2日です。
 皆さん、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

 正月ということで??
 「近未来の管理会社を考える(その5)」は、次回にして・・・今回はこれまでに書き留めていた(UPし損なっていた)記事をアップしたいと思います。

建サ(たてさ)・ショック」!について

 「建サ・ショック」とは、管理会社の「住友不動産建物サービス株式会社」が、2018年頃から自身が管理を受託している全国200程度の不採算(例:小規模、遠隔地、手間がかかる、委託費が安い等)マンション管理組合に対し「次年度の管理委託契約は更新しません。撤退します」と通知した・・・センセーショナルなニュースでした。
 この話題を私のブログで取り上げたところ・・・色々な情報をいただきました。その情報をまとめてみたいと思います。

 「住友不動産建物サービス株式会社」が管理受託しているマンション管理組合の中から・・・いきなり不採算マンションの契約継続を打ち切ったのは、同社が大規模修繕工事等の元請けまたは設計監理を行なう建設関連の部署を全廃したからなのですが・・・
 私は、その理由を国土交通省が2017年1月に公表した通知文(=マンション管理組合に関わる関係4団体に発した「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」)が大きかったのでは?と睨んでいました。
 ところが、他にも理由がある!とご指摘をいただきましたので、メモのために記したいと思います。

「建サ・ショック」!その真相は?

 どうやら・・・「住友不動産建物サービス株式会社」が担った大規模修繕工事でマンション管理組合からのクレームが連発したことで・・・親会社である「住友不動産株式会社」から「住友ブランドに傷をつけるな!」とお達しがあったからだそうです。
 子会社である管理会社の(工事による)利益よりも「住友ブランド」が失墜することで、マンション販売等に悪影響が出るリスクの方を優先させたということだと思います。(下記の参照のとおり・・・「住友不動産株式会社」はグループ会社の中でも「住友プライド」が最も強い会社かも?)

「住友不動産株式会社」とは?
三井不動産三菱地所に並ぶ大手不動産ディベロッパーである。分譲・賃貸などリテール事業に強い。2014年のマンション供給戸数ランキングでは全国1位(6,308戸)、首都圏1位(5,190戸)、近畿圏8位(677戸)。また都内を中心に200を超えるビルを保有・運営している。住友直系企業グループ(白水会)の中でも旧・住友本社を継承しているという点で、他の住友系企業とは違った特別な存在意義を持っている。「住友家」の不動産資産を継承しており、そのため以前は住友家当主・第16代住友吉左衛門友成が住友不動産の筆頭株主であった。また住友家評議員会の事務局が、住友不動産内に置かれていることからも、旧・住友本社的な性格を持っていることが窺える。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

 ちなみに・・・親会社の鶴の一言で社内の関連部署は解散(または縮小)されたみたいで、不採算マンションの契約破棄を推し進めなければならなかったようです。色々な情報を総合すると・・・建設部署が絡む工事の「ペーパーマージン(中抜き)」は、えげつない割合だったみたいです。そりゃ・・・請け負った施工会社は、いい工事できないでしょうね。

管理組合の会計間の繰り入れを考える

 続いて・・・会計の話です。多くの管理組合では会計が2つに分かれています。1つは生活費をマネージメントする「管理費(一般)会計」、もう一つは来るべき大きな工事の資金(貯金)をマネージメントする「修繕積立金(特別)会計」の2つです。

 マンションによって、管理費(一般)会計の年度末の繰越金を修繕積立金(特別)会計の収入に繰り入れているケースがあります。

 今回は、この繰越金の処理について、ちょっと書きたくなったことお話します。

繰越金繰り入れ時に確認すべきこと

 管理費(一般)会計の使い道は管理規約で決められています。つまり、管理費(一般)会計の繰越金を修繕積立金(特別)会計に繰り入れるためには、管理規約にその旨が書かれてなければなりません。

 ところが・・・管理規約に何も書かれていないのに、年度末の繰越金を修繕積立金会計に繰り入れているマンション管理組合が意外と多いです。
 個人的には、生活費の余剰金を貯蓄に回す・・・みたいなイメージなので「それもありかも?」と思いますが・・・管理規約を確認し、(その旨の記載がなければ)必ず規約改正をしてください!

標準管理規約に記載がない原因は?

 多くのマンション管理組合の管理規約に「管理費会計の繰越金は、修繕積立金会計に繰り入れても良い」と書かれていないのは、国土交通省公示の「マンション標準管理規約」にその旨の記載がないためだと思いますが・・・
 実務的にはあった方が便利だと思います。

 では何故・・・「標準管理規約」にないのでしょうか?
 私は、「管理費(一般)会計」と「修繕積立金(特別)会計」は、マネージメントする内容が違うので・・・「管理費会計の繰越金を修繕積立金会計に繰り入れること」は、机上論や原理原則的に望ましくないから、規範たる「標準管理規約」には入れない!と判断されたのだと思っています。

 例えば、マンションを賃借(資産運用)の事業として所有されている場合、税務上「管理費」は損金(経費)として認められますが、「修繕積立金」は(例えば・・・大規模修繕工事を行なうまで)認められません。

 となると(経費計上できる)「管理費」の繰越金を(経費計上できない)「修繕積立金」に移管するのは違和感がある(僅かながら・・・税金逃れ?)ということになると思います。

 そもそも「管理規約」とは、原理原則しか記載のないルールブックですから・・・そうした違和感が生じそうなリスクのある記載をしない方が良いと思います。
 そうであっても谷個人の意見では、(細かく言えば少し問題があるかもしれない事項も)そのマンションの実態や実務上からみて、管理規約に記載があった方が良い(無いのはまずいかも?)と思うのです。

 そして・・・これだけに限らないけど・・・管理規約に独自ルールとして記載しておいた方が良いのになあ・・・とか、これ要らんでしょう・・・と思うことって意外とあるかも?

 ・・・「標準管理規約」の共用部分の範囲を示す「別表」にある「ガスガバナー」って!付いているマンションの方が珍しいと思うけど・・・「標準管理規約」とおりに記載しているケースをちょくちょく見るかも?(笑)

そして最後に・・・

 会計間の繰り入れについて・・・逆パターン(=修繕積立金(特別)会計から管理費(一般)会計への繰り入れ)は、絶対NG!です。
 生活費が足りないからといって・・・貯蓄(=財産)を勝手に切り崩すことはできません!(当たり前!)

 ところが実例として・・・空車率が高いことから駐車場収入等の収入減が常態化し、組合員が誰も気づかないまま修繕積立金(特別)が毎年取り崩され続けていたマンション管理組合も知っています。(いざ!大規模修繕工事を行なおうと思ったら、ほとんどお金が貯まっていなかった・・・みたいな?)

 管理費(一般)会計の赤字が続き、運用のための現金や預金残高(キャッシュフロー)が枯渇しそうなマンション管理組合は、(財産の取り崩しをしなくて済むよう)管理費の値上げや管理経費の削減を検討してください。

お金を借りる会計処理はアリ!

 例えば・・・5年契約のマンション総合保険料を一括払いする場合に、管理費会計の資金(キャッシュフロー)が一時的に枯渇する!なんてことになる場合もあると思います。
 そんな時は、修繕積立金(特別)会計から資金を繰り入れて購入資金を調達するのではなく・・・修繕積立金(特別)会計から購入資金を借り入れる会計処理に基づき、資金調達をしてくださいね!

 (会計が管理費と修繕積立金の会計が分かれていても同じ預金口座で管理している場合も多いと思います。
 そんな場合は、修繕積立金(特別)借り入れなくてもOKです。
 決算上では管理費会計の繰越金がマイナスになるけど、キャッシュフロー的には、何も問題ないです。  (おわり)  

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