これは危険がアブナイ?(15)番外編
本シリーズ第12回では、「全撤去リニューアル」は「建築確認」の申請が必要だとお話しました。「エレベーターリニューアル」をテーマに取り上げたついでに・・・「確認申請」必要?不要?をまとめます。
・・・でも申し訳ありあません。ほとんど・・・自分自身のためのメモで終わってしまいました。新任理事さんにはチンプンカンプンでニッチな内容になったと思います。そう感じたら・・・「エレベーターリニューアルうちのマンションは当分ないわ」・・・と思われたら、今回のブログは、パスしてください。(笑)
油圧式エレベーターのリニューアル
「油圧式」の場合、「準撤去リニューアル」を行なおうとすると、(「油圧式」がラインナップから消えているので)「マシンルーム(機械室)レス式」に変更しなければならなくなるからです。(「油圧式」のまま「リニューアル」したい場合は「制御リニューアル」しかない)
「油圧式」を「マシンルーム(機械室)レス式」に変更した場合・・・エレベーターの駆動方式が大きく変更されることになるので・・・「確認申請」が必要になるかも?と思ったので・・・今回調べてみました。
・・・実は、うちのマンションは油圧式エレベーターです。
その前に・・・主な3つの方式
「油圧式」や「マシンルーム(機械室)レス式」等の説明をします。
まず「油圧式」・・・
「油圧式エレベーター」は、下図の最下階に設置されている「油圧ポンプ&油タンク&制御盤」(=緑色の部分)からオイル(油)をシリンダー(筒)に送り込んだり戻したりしてカゴを昇降させます。
油を使って間接的にカゴを昇降させるので、エネルギー効率が悪い(=たくさん電気を食う)し、オイル交換時に大量の廃油も出ることから・・・全くエコではありません。
「油圧式エレベーター」は、(うちのマンションのように・・・)建物の高さ制限のある地区に建つ(比較的低層の)建物に採用されてきました。
なお、2000年頃までに設置された乗用エレベーターの中で、もっとも採用されたのは「ロープ式」なのですが・・・建物の高さ制限のある地区に建つ(比較的低層の)マンションで「ロープ式」にすると、下図のように屋上(棟屋)に巻き上げ機等の機械室(=マシンルーム)を設置しなければならないので・・・その分建物が高くなってしまう(=高さ制限がある場合、他を低くしなければならなくなる)ので、(塔屋が不要な)「油圧式」が必要だったのです。
ところが・・・今は、「マシンルーム(機械室)レス式エレベーター」が主流になっています。
「マシンルーム(機械室)レス式エレベーター」は、「ロープ式」のようにロープを巻き上げ機で巻いたり解いたりするのではなく、(下記の概念図のとおり)コンパクトな巻き上げ機(モーター)でロープを送ることでカゴを昇降させる方式です。
大きな巻き上げ機が不要となったことで、塔屋(=大きな機械室)も不要となり・・・「油圧式」と同じような収まりが可能となりました。「マシンルーム(機械室)レス式エレベーター」が主流になっています。(速度も120m/分まで向上しています)
下図の「マシンルーム(機械室)レス式」は、1998年に登場し・・・あっという間に主流になりました。
新築マンションでは、(タワーマンション等の超高層ビルを除くと・・・)今や「ロープ式」も「油圧式」も見かけなくなりました。(超高層ビルは今でも「ロープ式」が主流)
「確認申請」必要?不要?
色々調べると・・・
「準撤去リニューアル」であっても、「油圧式」から「マシンルームレス式」に変更する場合は、「確認申請」が必要のようです。
なお、確認申請時は、エレベーターシャフト内(=建物)の耐震基準が問われると思いますので・・・1981年(昭和56年)6月1日以前に確認申請が行われた「旧耐震基準」で建てられたマンションは・・・「油圧式エレベーター」の「準撤去リニューアル」ができない可能性が高いと思います。(=選択肢は「制御リニューアル」しかない)
エレベーター更新時、そんな場合に「確認申請」が必要か?否か?について・・・東京都品川区のホームページの「昇降機改修の手続きについて」が参考になりましたので、以下にコピペしておきます。(「ただし書き」と「例」は省略しました)
う~ん・・・やっぱり今回は、すごくマニアックな内容になりましたね。
このブログの主旨である「順番で回ってきた管理組合役員が管理組合の運営を管理会社に全部任せてしまうことの危険性の啓蒙と、チェックポイント」からは、少し離れてしまったかも?
次回から・・・「Dマンション」のエピソードに戻ります。 (つづく)