マンションの電気を考える(15)
前回は、「BEV車」等の「充電設備」導入に対する国の補助金についてお話しましたが、今回は地方自治体の補助金を調べたいと思います。
2050年カーボンニュートラル宣言
2020年10月26日の臨時国会で、当時の首相だった菅総理が「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」と所信表明演説を行っています。
本当に実現できるのか?と思いますが・・・この宣言に伴う「地球温暖化対策の推進に関する法律」には、「都道府県及び市町村は、その区域の自然的社会的条件に応じて、温室効果ガスの排出の抑制等のための総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するように努めるものとする」と記載されています。
そして、この法律に基づいて「2050年までにCO2(二酸化炭素)を排出実質ゼロにすることを目指す」と表明している地方自治体(ゼロカーボンシティ)は、2019年の4自治体から、2022年2月28日時点で598自治体(表明した自治体の人口は1億1523万人:日本人口1億2545万人に対し92%)に増えています。
「脱炭素に向けた主な取組み」内容は?
地方自治体の中で・・・ダントツのお金持ちである東京都は「公共用急速充電器を2030年までに1000基設置」等の具体的な施策が記載されています。(うらやましい・・・)
その一方で、日本で2番目に財政状況が悪い京都市(・・・うちのマンションの所在地)の取組み内容は、実にあいまい(=抽象的で具体性に欠ける)ように思いました。
・・・地方自治体によって、かなりバラツキがありますね。
平成27年の充電設備補助金
環境省から平成27年(2015年)版の「■■次世代自動車導入のための支援(地方公共団体)■■■ ●補助制度」というPDFの資料が出されているのを見つけました。もっと新しい情報をまとめた資料が見つからなかったので・・・今回は、この資料に基づいてお話したいと思います。
日本の地方公共団体一覧を確認すると・・・日本には47都道府県(1都1道2府43県)の下に、1,718市町村と23特別区(=東京23区)があるようです。
その中で「BEV車」等の充電設備に補助金制度を設けているのは、2県(新潟県、岡山県)、31市町村、1特別区でした。
7年前の状況ではありますが・・・意外と少ないなと思いました。
ただ、上記の宣言もあるので・・・今後は、補助金制度を設ける自治体が増えるのでは?と思います。(平成27年の補助金制度の多くは、今も予算化されていると思います。私が調べた範囲では、全て継続されていました)
マンションは普通充電設備
各地方自治体でバラバラですが、(パブリックな)急速充電器の設置に対して設けられているケースも結構あります。
でも・・・30分で25Kwhの電気を充電できる「急速充電器」は、公共用で充電中の音が大きく安息する場所のマンション用ではないと思います。
マンション用の設備は普通充電設備になるでしょう。普通充電設備の補助金を見ていきます。
普通充電用の補助金で多いのは・・・
大体、上限が4~10万円の補助金が多いですね。中には「BEV車」等の購入のための補助金と抱き合わせで設置している地方自治体もありました。
その中で・・・東京都港区の補助金は「機器本体価格の1/4で(上限10万円)&上限基数5基までOK」となっているので、最大50万円!ということになります。(機器本体価格への補助金なので、「BEV車」等のバッテリーを蓄電池として使える「H2Vシステム」導入を想定しているのでしょう)
「H2Vシステム」の補助金制度
漏れがあるかもしれませんが、調べた一覧を表記します。(個人を想定している補助金が多いと思いますが、マンション管理組合でも申請可能かな?と思える補助金もありました)
普通充電設備の補助金制度
こちらにも漏れがあるかもしれませんが、調べた一覧を表記します。
今日は、ここまで!
次回は、国と地方自治体の補助金を使ったとして・・・「BEV車」をマンションに駐車させる今回のテーマを総括したいと思います。 (つづく)