"言葉にできるは武器になる"梅田悟司

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【タイトル】
言葉にできるは武器になる

【著者】
梅田悟司
株式会社電通コピーライター

【紹介】
言葉にできないということは、言葉にできるだけ考えられていないことと同じである。そのため言葉にできるだけ考えを進める思考法を紹介した本です!
自分の感性が変わり、選ぶ言葉が変わり、外に向かう言葉にも厚みが生まれる。
ジョージアのCMに使われている「世界は誰かの仕事でできている。」などのコピーライティングなどを考えた梅田さんが実践している思考法がまとまめられています(^^)

【おすすめしたい人】
・言いたいことがうまく言えない人
・自分の気持ちを発信していきたい人
・考えの整理が苦手な人

【目次】
1、「内なる言葉」と向き合う
2、正しく考えを深める「思考サイクル」
3、プロが行う「言葉にするプロセス」
①日本語の「型」を知る
②言葉を生み出す「心構え」を持つ

【要点ピックアップ】

1、「内なる言葉」と向き合う

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 考える人(モダン) Wikipediaより


◆どうやって伝わる言葉を生み出しているのか?
世の中の風潮として、言葉は発言や文章といったコミュニケーション・ツールとしての「外に向かう言葉」の比重が高まり過ぎている。言葉は思考の上澄みに過ぎず、伝わる言葉を生み出すためには、自分の考えを広げたり奥行きを持たせるための「内なる言葉」を育てるプロセスこそが重要である。

(学び)
言葉、コミュニケーションというと声として出す言葉、言い方、話す方、聴き方という意識しかなく、そのようなスキル面の本を読んでも中々上達しなかったという印象が強かったので、「内なる言葉」という新しい気づきを得られました!


◆伝わるレベル
①不理解・誤解🤔
そもそも話が伝わっておらず、伝えた側と伝えられた側に認識のズレが生じている。

②理解🙆‍♂️
伝えた内容が過不足なく伝わっている。

③納得🥺
理解した上に腹落ちしている状態。

④共鳴🔥
理解した上で心が動かされ、自分なりの考えを加えたり、行動につながる。


◆「内なる言葉」の存在
無意識のうちに頭に浮かぶ感情や、自分自身と会話をすることで考えを深めるために用いている言葉である。
相手の胸に響く言葉を生み出すために必要なのはこの内なる言葉の鍛錬を積むことで、言葉の生まれる源泉としての思考が鍛えられ湧いて出る言葉に重みや深みが増したに過ぎない。

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©吾峠呼世晴/集英社・アニプレックス・ufotable


(学び)
心に響く言葉は重みがあり、その人の熱量が伝わってくることが多いと思います!映画、アニメ、漫画などの名ゼリフは登場人物の葛藤や勝負のシーンから生まれることが多いですよね!


◆考えたつもり、から脱却する
どんなに熟考できていると思っても、言葉にできなければ相手には何も伝わらない。

①内なる言葉で意見を育てる
②外に向かう言葉に変換する

「内なる言葉」を育てるには内なる言葉の語彙力を増やす。

どんな瞬間にどんな「内なる言葉」が浮かぶかを意識する。
・悲しいことが起きた時、何を感じているのか。
・未来を思う時、何を感じているのか。
・成功を収めた時、何を感じているのか。
・仲間が困っている時、何を感じているのか。

"「内なる言葉」に幅と奥行きを持たせることが、よく考えることの正体である。"

「かわいい」「ヤバい」といった言葉は便利ではあるが、多くの感情の省略してしまう言葉に注意!!

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©️NTV


(学び)
自分はうまく表現できないと、「すごい」「ヤバい」という言葉をすぐ使ってしまうので、これは大きすぎる課題ですね(⌒-⌒; )
今後、頭の中で「すごい」などの言葉が浮かんだら、別の深い言葉に変換して声に出すトレーニングをしていきたいと危機感を持ちました!


◆言葉が響けば、人は自然と動きだす
言葉には様々な感じ方がある
・言葉がうまい、下手
・説明がわかりやすい、わかりにくい
・納得感がある、納得できない
・共感できる、できない
→ただ、言葉づかいは相手の心を揺さぶるかどうかの要因に過ぎない。

"人を「動かす」ことはできない。「動きたくなる」空気をつくる。"


◆言葉の重みが生まれる、最大の理由
言葉を発信する側の人間が自身の体験から本心で語っていたり、心から伝えたいと思うことによる「必死さ」「切実さ」によるところが大きい。
コミュニケーションの訓練は上辺だけのものでしかない。 

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©️https://www.shuzo.co.jp/

2、正しく考えを深める「思考サイクル」

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(写真:iStock/kokoroyuki)


◆内なる言葉の解像度を上げる
内なる言葉の幅と奥行きを広げていくことこそが、内なる言葉の解像度を上げ、外に向かう言葉に力を与えることに寄与する

語彙力、表現を身につけるだけでなく、言いたいことや話したいことを正確に理解していない限り、真の意味で言葉を磨く言葉はできない 


◆人は考えているようで、思い出している
考えが全然進んでいないという人は
思考域を使っていると思っていても、実は記憶域の中を回遊して
・考えている×
・思い出している◯
という状況になっていく。
これをやめるために、頭の中に浮かぶ言葉を書き出すことが大切である。


◆思考サイクルの7ステップ

①頭にあることを書き出す【アウトプット】
→A4用紙1枚に1つ、もしくは付箋

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②「T字型思考法」で考えを進める【連想と深化】
→「なぜ?」:考えを掘り下げる(より根本的な内容に踏み込む)

「それで?」:考えを進める(より具体的に考えを進める)
「本当に?」:考えを戻していく(より本音、本質に迫る)
を繰り返す

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③同じ仲間を分類すること【グルーピング】
→内なる言葉を俯瞰して観察する。グループごとに名前をつける。縦(内容の深さ)と横(方向性の幅)まとめる。
時間軸、人称軸、事実軸、願望軸、感情軸など

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④足りない箇所に気付き、埋める【視点の拡張】
→横(方向性の幅)を意識し、考えを広げていく。


⑤時間を置いて、きちんと寝かせる【客観性の確保】
→その場から一度離れる効力。2〜3日くらい置く。


⑥真逆を考える【逆転の発想】
→自分の常識は、先入観であると心得る。
否定(できる⇄できない、やりたい⇄やりたくない)
意味(希望⇄不安、本音⇄建前)
人称(自分⇄相手、主観⇄客観)

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⑦違う人の視点から考える【複眼思考】
→あの人だったら、どう考えるだろうか?
自分の常識という前提を捨て去る。
・自分との会議時間をつくる
・おすすめは頭がすっきりする午前、体調や精神状態が安定している時に行うことが望ましい。

(学び)
実際にやってみて、④視点の拡張と⑦複眼思考は特に難しさを感じました!この2つはより自分を客観視できているか、周りから良い情報を集められているかが
ポイントなのかなと感じました!
全体としては紙に書き出すことで頭の中であれこれ考えを巡らすよりも圧倒的に考えが整理されることを実感できました(^^)


◆素材がよければ、味付けは必要最小限でいい
美文が珍重されるのは文学や小説といった分野であり、実社会においてはこうした美しい文章や言葉が必ずしも人の心を動かすわけではない。

3、プロが行う「言葉にするプロセス」


◆思いをさらけ出す2つの戦略
"気持ちを整理し、さらけ出す。その熱量に心は動かされる"
⑴言葉の型を知る
中学校でも習う型

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①たとえる【比喩、擬人】

"今一度日本を洗濯致し候。"坂本龍馬
新しくする→洗濯する
より理解しやすくなる

"元来、女性は太陽であった。"平塚らいてう
女性に権利を→太陽
賛同を得やすい表現

"あきらめたらそこで試合終了ですよ。"安西先生
試合終了→得意分野(安西先生の場合はバスケ)の話にたとえると自分の言葉が生まれる

②繰り返す【反復】
"I have a dream. "マーティンルーサーキングジュニア
(I have a dream.+実現したい世界)×8回
→人の心に入り込んでくる

"雨ニモマケズ。風ニモマケズ。"宮沢賢治
→雨にも風にも負けずよりも力強い表現になる

③ギャップをつくる【対句】
"ひとりの人間にとっては小さな一歩だが、人類にとっては偉大な一歩だ。"ニール・アームストロング
→ひとりの人間と人類、小さな一歩と偉大な一歩を対比することでより壮大さを表現

④言いきる【断定】
"我が辞書に、不可能の文字はない"ナポレオン
→曇りない言葉で明確な未来を打ち出す

⑤感じる言葉を使う【呼びかけ】【誇張、擬態】
"少年よ、大志を抱け。"クラーク
→聴衆に当事者意識を持たせる言葉
"崖っぷちありがとう!"松岡修造
→性格や個性、言葉のギャップにより唯一無二へ

(学び)
確かに著名人の名言、格言などを見てみると国語の授業で習った文法ばかりだと気づきました!
あと何よりどれもその人の個性が出ていて、頭に残る言葉が多いなと思いました!
一発屋芸人として名を連ねた人たちも覚えやすくてインパクトのあるセリフが多く、そういうのが中身はともかく響くのかなと感じました!


⑵思いをさらけ出す心構え

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①たった1人に伝わればいい【ターゲッティング】
"あなたに伝えたいことがある。『世界は誰かの仕事でできている』
→大勢の人に向けて話す時でも1人を思い浮かべながら言葉を生み出していくことが多くの人に響く言葉を生み出す

②常套句を排除する【自分の言葉を豊かにする】
"平素からお世話になっております。"→"先週の打ち合わせ、ありがとうございました。"
→当事者同士しかわからない言葉の効力

③一文字でも減らす【先鋭化】
まず一気に書き切る。そして、修正を加える。
「それは」指示語
「しかし」接続詞
「私」主語
同じ言い回し
→などを削ると文章が素直になる。

④きちんと書いて口にする【リズムの重要性】
誰もが頭の中で音読している。読みにくい言葉は心に入ってこなくなる。

⑤動詞にこだわる【文章に躍動感を持たせる】
"私はこの道を全速力で走った。"
→"私はこの道を疾走した。"
 "私はこの道をかっ飛ばした。"
文末に力強さが加わり、大きく印象がかわる。

⑥新しい文脈をつくる【意味の発明】
"全然〜ではない。"正しい使用法
"全然大丈夫。"新しい言葉の意味

⑦似て非なる言葉を区別する【意味の解像度を上げる】
単純化することで失われるものがある。
世界の人々の生活を一変させるような発明をした偉人の人生を「血の滲むような努力をしたからこそ成功したのだ」と省略した場合
→努力の大きさが伝わってこない。詳細の積み上げによって人の心が動いてくる。


(感想)
みんなに伝わる前提で考えると、結局は誰にも話が伝わらないことは会話でもよくあると思いました!ターゲッティングの大切さを学びました!「〇〇で悩んでいる20代のあなた!」とかの語り口調だとより集中して話も聴いてしまうと思います😊まさにYouTubeの広告がそれですね😆
また、余計なところは削るが、話し手の伝えたいことを強調するような言葉は深く詳細に語ることで伝わることを学びました!プレゼンでも文章でも人生の転機や努力のストーリー、未来のビジョンとかは細かく知りたいと思っちゃいますね(^^)

この本を読んでみて、自分の普段使っている言葉の物足りなさは内なる言葉を磨けていないからだということに気づくことができました!言葉に興味がある人には面白い学びのある内容だと思いますので、気になる方はぜひ本書を手に取って頂ければと思います!
ありがとうございました😊😊


yoshi

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