いきものがかり『○』の感想!
2023年12月13日発売のいきものがかり10枚目のアルバム『○』(読み方:まる)の感想を書こうと思い、久々にnoteを書きました。
本当は2023年中に完成する予定でしたが、文字数でお察しの通り、終わりませんでした。驚異の7000文字超えでお送りいたします。
『○』の感想に入る前に
前述の通り、『○』はいきものがかりの10枚目のアルバムです。
前回のアルバム『WHO?』は2021年3月31日発売なので、アルバムは実に2年9カ月ぶりです。
この間にいきものがかりは
・山下穂尊さんの卒業によりグループが二人体制に
・ボーカルの吉岡聖恵さんはママに!
・水野良樹さんは個人活動である『HIROBA』でフルアルバム発売(レコ大企画賞受賞おめでとうございます!)
・水野良樹さんは小説家にもなり、2冊出版!
…と、大きめの出来事がいくつか起きています。
各曲の感想
…に入る前に。ビビりなのでちょっと注意書きしておきます。
・個人的な話が入っていたり、勢いで書いていたりする部分が多々あります。また、これを書いている人間は語彙力も国語力も音楽知識もありません。あくまで個人の解釈や見解ですのでお手柔らかにお願いします。
・最大限気を付けていますが、電車でちまちまと書いていたものなのでもしかしたら歌詞の表記ミスがあるかもしれません。ありましたら私のTwitterにご連絡ください。
・文字数多いところと少ないところがありますが、長いやつが極端なだけです。当たり前に全曲好きです愛してます。
・ライブツアーが始まってますが、ほぼその前に書いたものなのでネタバレはありません。安心してお読みいただければと思います。
・万が一ご本人の目(エゴサ)に止まったときのために書いておきます。ツイート沢山参考にしてごめんなさい。愛は込めました!!!!
それではいってみまSHOW!!!笑
1. 誰か
この曲は絶対1曲目と決めてた、と水野さんは仰ってたんですけど、この曲ってラストに置きそうな曲だと思ってました。正直最初に聴いたとき、これ1曲目って意外だな、って思ったんです私。
でもこれを書くにあたって歴代アルバムの1曲目をざっと見てみたら『笑顔』『歩いていこう』『TSUZUKU』…って、めちゃめちゃ強いじゃないですか。しかもファーストアルバム『桜咲く街物語』は1曲目『SAKURA』だった。昔からそうだったんですね。そういえばそういうアーテイストでした。最初の曲でしっかり勝負をかけられるところっていきものがかりの強みだなあと思いました。
この曲が最初に来ることで「この曲は、このアルバムは、名前のつかない『誰か』の味方だよ」って話しかけてくれるような、そんな優しさを聴き手に与えてくれていると思います。
実際今の自分(友達がいない環境で1人で浪人しててしかも点数めちゃくちゃ悪くてすぐにメンタル急降下しがち)に刺さりまくっています。正直この曲にちょっと私は救われました、ありがとうございます。
あと歌詞が気になっていて。
「なんどもなんども世界は裏切る」って歌詞にしたことがほんとにすごいなって思います。
特に放牧後ですが、水野さんの歌詞は勝負所で結構強い、今まで使ってないような言葉を使うようになったような気がしていて。でもそれがより歌詞のメッセージ性を強めていると思っています。(例:『生きる』では「僕が死んで」で「死」というワード・表現を明確に使っている)今までなら別れや死をほのめかす感じだったのが、最近ははっきり歌詞として現れている印象があります。
ですが、今までのいきものがかりらしさがそのままなんです。ここまで穏やかで優しい曲にできるのは編曲はもちろんですが、やっぱり聖恵ちゃんの歌声の持つ才能だと思います。聖恵ちゃんが歌っているからこんなに優しさがあふれかえる曲になっているんだと思います。
結論:二人のコンビネーション最高ですよね。
2. うれしくて
まず、この曲がプリキュアの映画で良かった。プリキュアライブの後にプリキュアのファンの方がいきもの良かったと言ってくださってたのも個人的に嬉しかったです。(タイアップ先に受け入れられるかどうかって結構重要だと思うので…!)
編曲が素晴らしいのはもちろんの事ですが、いきものがかりの曲だからこそできるキラキラ感があるなと思います。映画の主題歌にふさわしいきらっきらな曲で素敵です。
歌詞なんですが、「ひらひら」「きらきら」ってちゃんと映画を見ている子供が1回聴いただけでも記憶に残しやすい言葉を使っているのに
「おそれずに誰かと手をつないでね」とか
「つらぬいて生きぬいて傷さえも愛して そして笑おう」
って普通に大人にとっても大切なことをさらっといれてくる感じが素敵すぎます。なんとなく子供の頃聴いてた・歌ってた曲って記憶に残っていると思うんですけど、10年後とかにあらためて歌詞をちゃんと読んでこの曲がさらに好きになる子供、絶対いると思います。それってなんだかおまじないみたいって思いました。
もしそれを狙ってるんだとしたらいきものがかり本当に大好き。
個人的にはこの曲のMVも好きです。
2人体制初の本人が出てくるMVなんですが、あたたかい演奏が前面に出ている、良いMVだなあと思います
ピアノの椅子に座っちゃう聖恵ちゃんが好きです。なんかかわいい笑
ところで、ここからは完全に個人の見解ですが
水野さんの作る曲でよく意識されている2大テーマがあるとしたら
・(他人とは)わかりあえない
・それでも春はやってくる
…の2つだと私は思っています。この曲では「わかりあえない」の方が強く出ていて、この曲は「”わかりあうこと”だけじゃ拾えない ”わかりあえないこと”を大事にして」のあたりにそれが強く出ていると思います。
自分以外誰とも分かり合えないって結構当たり前なんですけど、普段生きてて忘れがちだよなあって思ったりしました。
3. 声
個人的な話、この曲が先行配信されたのがちょうど試験前だったんです。
私のためにつくってくれたのかと本気で思いました。笑
(余談ですが、いきものがかり詳しくない人にこの歌詞をみせて、この曲は今の私のためにある気がする、って言ったら本当にそんな気がする歌詞だねって言われました。笑)
というのもこの曲は、au「#応援は想いを届けるスポーツだ」プロジェクト オリジナル応援歌なんですよね。つまりガッツリ応援歌。そりゃ聞いてる側(私)のための曲かよ!ってなりますよね。途中でフレフレって言ってくれてますし。
「かがやくきみよ聴こえているか この声はいま きみの味方だ」って歌詞が、聖恵ちゃんの声に直接応援されている気分になるんですよね。あとメロディーがだんだんと走るスピードを速めたくなる感じがしているのもいいです。
大会前とか試験前とか、ガーッて追い込みたい時ぜひ聴いてほしいです。ちなみに実績として残しておくと、私はこの曲のお陰でラスト2週間で500点満点の試験で90点も上がりました。(尚落ちました)
4. ときめき
さっき『うれしくて』で「この曲がプリキュア映画の主題歌で良かった」って書いたんですけど、『うれしくて』は「オトナ」プリキュアの主題歌で良かったって思います。むしろこの曲以外ありえないんじゃないでしょうか。
オトナプリキュアに出てきたプリキュアのラインナップ的に、多分私と同世代の子が見ている可能性が高いかなと思っていて。(実際私の友人達、結構見ています。)
オトナプリキュアが放送されるって聞いてテンションが上がった世代って、おそらく今リアル大人になったプリキュアたちと同じ年くらいかちょっと上くらいだと思うんです。だからストーリーも相まってめちゃくちゃ見てる人に刺さる歌詞なんですよね。
「やさしくなれない 自分を責めていた」
「泣くことはむずかしい」
って少し大人の現実的な面を描いたうえで、それでも
「ぜんぶがわたしだと ゆるしたくて」
と自分を認めて
「世界はいまきらめくよ わたしがそう決めたから」
「わたしが楽しむために」
と、「わたし」のための歌詞にしてくれているんです。
日々に忙殺される中で、わたし自身のときめきを忘れたくないよなあって思い直させてくれる曲だと思います。
余談ですが、最近の私の口癖は「ときめきがほしい」です。
あとこれはいろんな方が言っていると思いますが
「世界を愛せなくても こころが悪いんじゃない」
の破壊力すごいですよね。悪さえも肯定している。
水野さん、HIROBAとかでぜひ、否定しない十字架を背負っている某紫スーツの芸人さんと対談してほしいです(私はどちらも大ファンなので…笑)
5. きっと愛になる
今作で一番、いきものがかりらしい曲ですよね。(係であること関係なく)
この曲の言葉選びがめちゃくちゃ優しくて大好きです。まさに愛の曲。
「ずっと愛でいる」って中々言えることじゃないと思うんですよね。未来の約束なので。
私は正直たまにしか坂上どうぶつ王国見ていないですし、私は犬や猫とは暮らしていないです。ですが、曲を聴いただけで、きっと坂上さんの行っている活動にすごく寄り添って作られた曲なんだなあとわかる歌詞でした。1回ちゃんと番組見てみたくなりました。番組を見る→曲を聴きたい、はよくありますが、曲→番組を見たいって思える曲って珍しいと思います。
先ほど「うれしくて」の節で「(他人とは)分かり合えない」の話をしたんですが、この曲もそれが出ていると思っています。分かり合えないからこそ「想いがわかるのは 奇跡なんかじゃない」。それまで毎日積み上げてきた関係があるからこそわかるって伝えてくれていると思います。
6. STAR
中盤で愛の曲2連発!!!!!!!
今回のアルバムのここの流れ、大好きです。
映画に合わせて作ってるのに歌詞に水野さんの息子君への愛が溢れているのが伝わってきます!映画のテーマとして共通する部分があるからですかね。
あとこれ、聖恵ちゃんがママになって、生まれる前にレコーディング→生まれてから映画がリリースされてテレビやライブで歌唱という、多分普通のアーティストでもなかなかないパターンの曲だと思うんですが、それが一番素敵な形で現れてる曲だと思います。もともと優しい曲なのにライブ盤の方が優しさマシマシになっているんですよね。
これが公式MV(つまり原曲)
これがライブ映像です。
同じ曲だけどちょっと違う気がするのは、私だけじゃないと思いたいです。
7. 好きをあつめたら
この曲聴いてロペピクニックに直行したのは私です。(爆買いしました)
こんなに服選んだりオシャレしたりするのが楽しくなる曲ありますか??
ロペピクニックの曲にこのアルバム唯一の聖恵ちゃん曲を持ってきたのはわざとというか、必然だったんだなと思います。
『アイデンティティ』や『コイスルオトメ』等、水野さんの女性目線曲も十二分に気持ちを代弁してると思います。むしろなんであんなに代弁できるんだ?って思ってます、いつも。
でもこの曲のこの感じは聖恵ちゃんの作る曲だからこその魅力を感じます!
あふれ出る女子力みたいなものがありますよね。
あとこれは個人的感想で、調べてびっくりしたって話なんですが。
この曲、緑黄色社会の『うそつき』って曲と編曲者さんが一緒なんですね!どちらもめちゃくちゃ好きな曲だったので嬉しくなりました。
余談ですが、先日車の中で親と「晩御飯何がいいかな」って話してる時にこの曲の「何処に行きたいの?何が食べたいの?」の部分が流れてきて、全員で爆笑しました。
8. HEROINE
このアルバムの中で、この曲が1番噛めば噛むほどおいしい曲だと私は思っています。
タイトルだけでピュアな恋愛曲をイメージしてたからかもしれないです(某3人組男性バンドの有名楽曲のイメージが強いからですかね…それもまた大ファンです私)
あとヒロイン、って言葉自体にかわいい女の子のイメージがかなり強いんですけど、この曲の女の子はそうじゃないと思います。私めっちゃ好きですこの子。ちょっとだけオトナ目線の印象を受けました。
「面倒な社会で踊る主役 わたし自身」って言った後で「でもね悪くないよな」ってところとか、「泣いたりするのは かわいい子にもうまかせるから」とか。少し達観しているような感じが好きです。
あと打ってて思ったんですけど水野さんの曲の絶妙なひらがなっていいですよね。歌詞カード見て「ここひらがなか~!!」ってなる瞬間が好きです。
9. やさしく、さよなら
これ、やさしくさよならした「瞬間」じゃなくて「あと」の曲だったかー!!ってなりました。やっぱりいきものがかりは「あと」の表現の才能がありすぎる!!!!!
「ほんとはしゃがむほどつらいよ」のところ、すごい印象的な歌詞じゃないですか?普通に生きているし何でもないようにしているけど本当はつらいんだよ、って感情がこの一行だけでひしひしと伝わってきていて好きです。
「この指をあたためてる」←今まではあたためてもらっていたのに、なのかな?
など、所々妄想垂れ流しながら聞いていました。
いきものがかりの曲、余白の使い方が上手いですよねほんとに。その余白でどんな話なのかいくらでも想像できてしまう。多分その想像って作り手、歌い手、聴いてるこちら側で全部違うと思うんです。最近発売した『いきものがかりmeets』が一番わかりやすい例だと思います。様々なアーティストに参加してもらったからだけでなく、曲の解釈が何通りもあるからこそ、あのアルバムはあんなにもカラフルなアルバムになったんだろうなと思います。(マジであのアルバム新解釈って感じでいいですよね、その感想も今度書きたいです)
10. 喝采
歌詞を見たときの最初の感想が「息子君に向けてますか?」でした。なんだかお手紙みたいな曲だと思っています。
歌詞に「いつか」とか「〜(して)ほしい」みたいな願いの形の語尾がこの曲はかなり多く使われてるあたりに、親→子への優しい感情、強い愛情みたいなものを感じました。
特に最後の歌詞のブロック
うれしい涙を
こぼしてほしいよ
あなたが誰かを 愛せたときは
さよなら さよなら
すべてが夢みたいだ
いつか 大きなその声で
幸せに 笑ってくれ
がそれを示していると思っています。
私の中では、いきものがかりの歌詞は「今」に着目しているイメージがすごく強いんです。ここまで「未来」に着目していた歌詞はあまりなかった気がしています。
個人的な解釈ですが、メンバー二人がそれぞれ家庭をもって日々を過ごしていらっしゃるからこそ、素敵な「未来」を願うような温かい歌詞、歌い方、感情の込め方ができたんじゃないかなと思います。
11. YUKIMANIA
水野さんが「初めてクリスマスソングを書いた」「メリークリスマスって言っちゃってる」ってTwitterでおっしゃってたんですけど、確かにクリスマスソング、いきものがかりの曲でありそうでなかったなって思いました。漠然と季節のわかる歌はあれど、ピンポイントでのイベントソングがあまりないですよね。
そもそもここまで明るい冬の曲があまりないんですよね
いきクラの方々ならわかると思うんですけど、いきものがかりの冬の曲ってぱって浮かぶの「SNOW AGAIN」や「雪やまぬ夜二人」だと思うんです。ガッツリバラード。
曲調が明るいって意味では「KIRA★KIRA★TRAIN」があるけど思いっきり別れの曲ですし…。
だから明るい曲調×明るい歌詞の冬曲初めてで、テンション上がりました。
ただ、タイトルをYUKIMANIAにした理由だけはあまりよく分かっていません。今のところの予想はYUKIMANIA(雪マニア?でいいんですか?)になるほどウキウキなクリスマスって感じです。いつか答えを教えて水野さん!!
12. ○
水野さんらしい曲調からいい意味でめちゃくちゃ逸れた曲だなあと思った。(歌詞はめちゃくちゃ水野さんだと思います、好きです)
今までアルバムラストって山下さん曲が多くて、それがそのままライブの本編ラストに来たりしていたこともあるから結構重要な立ち位置を担うことが多いんですよね。多分今作のこのポジションってこれまでと桁違いのプレッシャーあると思うんですよね。だから水野さんらしさの曲調で来ると思いきや完全に殻破りに来てる曲で。正直、この伏線回収のためのHIROBAだったのか!?って思ってしまうくらいでした。
「うれしくて」で述べた2大テーマの話であった後者の「それでも春はやってくる」がでてくるのがここだと思います。
やっぱり春は来るんだけど「あなたのその声で春を呼び込んで」って言ってるんだよね。「なみだ枯れたら見上げて」とか、やっぱり終わりがあることと、その先もあることを書くのを忘れない。緑黄色社会のpeppeさんが自分が作曲するときpeppe印入れるって何かの番組でおっしゃってたんですけど、その言葉をお借りするなら多分これは水野印だと思います。
あと1曲目のSHALALAとこの曲のラストのSHALALAが繋がってて、これにより1曲目に戻りやすくなってるなあと思います。最初と最後の曲をつなげることもある種の「○」なのかもしれませんね、もしかしたら。
例えが下手で申し訳ないのですが、この曲って学校でいう「授業が終わる前に先生が簡単に言う今日のまとめ」みたいな、ここまでの全曲で込めた想いの伏線を回収しているような役割を持っている気がしてます。
総括して
当たり前に最高しかないんですが、まとめるなら…このアルバムは「今までのいきものがかりらしさと新しさが美しく混ざったアルバム」だと思います。
ごめんなさいここの節だけ急に薄っぺらくて!本編で力尽きました!(笑)
最後に
なんとか書き終えた後で「これを不特定多数にさらすの勇気いるな」って思いました。後にそっと非公開にしていそうな文章です、正直(笑)
あくまで一人のいきものがかり超贔屓目人間の、大好きを詰め込んだ感想文と捉えてもらえたら嬉しいです。