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満月のジェントルマン
新月と満月は、結構気にしているきこぺんアロハです。とっても素敵なイラストお借りしました。
電車で通勤しているが途中で少し危ない場所も通るので周りには細い目を光らせている。時折、若者が大きなスピーカーを持って現れてブレイクダンスなどを披露してお金を集めたりしているのはまだ良い。あなたの関節どうなってるのと聞きたくなるような事もある。
突然、食べ物か飲み物をくださいと正直に言ってくる人もいる。ボトルの水やバナナを持っていれば差し上げる事もある。お金は、絶対にあげない。
ポケットや持ち物が気になったり、叫んでいたりなんとなく動きが怪しいぞ思ったら迷わず違う車両へ行く。逃げるが勝ち。お仕事や学校に行く以外にもいろんな人が乗ってるのだ。
帰り道、一人のちょっと強面おじさんが小さなラジオを首からぶら下げ音楽をかけている。ラッシュアワーより少し早い時間で人もまばらだった。おじさんのラジオの音楽は、聞こえていたけれどまあ大丈夫な感じだと思っていたら突然おじさんが私の真ん前にやって来た。
えええ?なんだ?どうしよう?と思っている私におじさんは、「ちょっと今から怒鳴るから耳栓しなよ」と私に言った。仕事帰りでぼーっとしていた事もあり頭の中の翻訳機が少しスローモードだ。
何?怒鳴るの?耳栓?と困っている私のすぐ横に電車の運転士さんに通じるインターホンみたいなものがあった。おじさんがそこのボタンをギューっと押すと「なんでしょうか?」と電車の運転士さんがすぐ応答した。おじさんは、ラジオを止めて「〇〇駅まであと何分くらい?」と大きな声で聞いた。運転士さんが「そうね-20分くらいかな。」と答えると「オッケーありがとう」とおじさん。私に向かってニコッとしたので私も良かったねと言う意味でグッジョブサインを出した。
誰かと待ち合わせなのかな。あと20分と聞いたおじさんは元の座席に戻った。怒鳴るって言ったから何事かと思ったけどめちゃくちゃジェントルマンだ。インターホンのすぐそばの私に気遣ってくれたのね。
ちょっとほっこりした帰り道。