脱走犯
気温差が激しくて風邪をひいたきこぺんアロハです。
ここ数日、お天気も良く義母メーテルが玄関のドアを開けたまま庭仕事をしていた。
声をかけると「〇〇がちっとも庭仕事をしないから。」と同居している義姉の事を言うのだが義姉はフルタイムで働いて義母の世話もしているので義姉はちっとも悪くない。お休みをあげたいくらいだ。同居していない義兄と義姉は仕事もしていないのだからその人達を呼べば良いじゃんと思うが私はお口チャック。
老犬がメーテルの作業を眺めながらうとうとしていた。私も夫も仕事が休みで特に予定もなく家でのんびりした。お利口ビーグルは、私達と2回散歩もして私たちの部屋で昼寝していた。何と平和な月曜日のはずだった。
夕方になり下に降りると義姉がいない。とりあえずビーグルをお散歩に連れて行き歩いていると夫が車で急に現れて「パフィがいなくなった。」と言う。パフィとは老犬で元々メーテルの孫娘が飼っていてハワイに引っ越してしまったのでこの家に置いていかれ今ではメーテルの部屋で威張っている。16歳くらいかな。あったかいご飯が大好き。目と耳がだいぶ衰えて来て持病もあって薬も飲んでいる。人間は、誰でも大好きなのに他の犬がキライ。新入りのお利口ビーグルにも冷たい。側を通っただけでガルルウと言う。ビーグルも「なんだ コイツ?」と思っているに違いない。
とりあえず探さなきゃと近所を歩き回る。ご近所さんにも声をかけてお願いする。数ブロック離れたところに住んでいる昔の同僚にもお願いする。ついさっき居なくなったのならそんな遠くに行っているはずはない。もうすぐ暗くなる。家に戻ると義母メーテルがシクシクと泣いている。この人は、すぐ泣く。嘘泣きもする。言わないけどそもそもお前の不注意だ。動物や子供で絶対大丈夫なんて事はない。必死に家族で1時間以上探し回っても見つからない。あたりは真っ暗になって来た。
いなくなったと聞いてから私の頭の中のコナンくんがフル回転。いなくなったんじゃなくて義母がパフィが外にいるのに自分だけ中に入ってドアを閉めたんじゃないか。真実はいつも一つだ。
夫も心配してもし老犬が帰って来て吠えたらわかるようにと窓を開けたりしていた。住宅街の側には交通量の多い通りもあって結構スピードを出している車も多い。パフィどこ行ったんだ。
もう10年以上前にも一度脱走した事があってその時シェルターに迎えに行って引き取るのに$200払ったと義母が忌々しそうに言っていた。シェルターで保護されているかもだから明日の朝webサイトを見てみると義姉が言った。
その日は、私も夫もあまり眠れなかった。起きて下へ降りると義母が「パフィは見つかったわ。お陰で私は夕べ眠れたわ。良かったわ。」
「なんそれー!」と叫びたかったがまずは老犬の居場所を聞くと近所で見つけてくれた人がタグを見て電話をかけてくれたのだがそのタグの電話番号は亡くなった元の飼い主(メーテルの孫娘)の番号だった。現在その電話番号を使用している人がメーテルに電話して来て発見した人からのメッセージを伝えてくれたと言うのだ。なんか話がいろいろおかしいがうちから車で20分くらいの所にあるシェルターのサイトをチェック。確かにうちの老犬がいる。
義姉が仕事の後に迎えに行くと聞きホッとした。但し夕べ無事がわかったのなら知らせて欲しかった。やはり時系列を考えるとお昼過ぎにメーテルが老犬を外に置いたままドアを閉めて夕方気付いたのだろう。車の激しい通りで心配見つけて電話したり、シェルターに連れて行って下さった方には、本当に感謝だ。
もしあのまま見つからなければもちろん悲しいが義母が毎日泣いて泣いてまた具合が悪くなってという騒ぎにならずに済んで本当に見つけて下さった方、そしてメッセージをリレーして下さった方に幸あれ。
犯人(義母)の反省が足りないのがモヤモヤする。神様のご加護で無事だったとかぬかしとるけど一晩外泊して帰って来た老犬は、もっとメーテルを困らせていいぞ。