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Holy Cowな一日

久しぶりにメーテルに振り回されたきこぺんアロハです。Holy Cowとは聖書のお言葉ではなく「マジかっ」「嘘だろ」「なんてこった」「クソ」と言うシチュエーションに使うソフトな表現でございます。

私は夫の母、叔母そして姉プラス服を着たがらない老犬3匹と絶賛同居中。義母メーテル(正式名は賞味期限が切れたメーテル)が時々いろいろやらかしてくれる。

昨日はまず玄関のドアを開けてと外から電話があったので急いで出たらメーテルではなく小栗旬のような甥っ子だった。私がパジャマの様な格好でも彼は気にしないだろうけど私的には甥が下にいるからドアを開けてと言って欲しかった。

まあでも天気も良いし、午後は外にでも行こうかどうしようかと思っていたら久々にあの音が。

コンコン イエース コンコン イエース

ドアをノックしながらイエースと言うのでまるでこっちが訪ねているかのような錯覚に陥らすメーテルの得意技。

「なんですか?」と聞くと

「あなた今忙しい?ちょっとヘルプしてほしいの。」

ヘルプとはなんぞやと思いつつどうしたのか聞くと知らない財布を渡された。

「今日、ファーマーズマーケットでこれを落とした人がいたんだけど落とし主の電話番号を調べて。」

では皆さんご一緒に

HOLY COW!

ピンク色の小銭入れタイプの財布の中身を失礼しますと拝見すると女性の写真のついた運転免許証、クレジットカード2枚、小銭、20ドル札1枚そして予防接種を受けた証明カードが入っていた。財布を落としたことに気づかれていればクレジットカードはおそらくもうストップしていると思うが免許証と予防接種の証明カードは失くしたらとても困るものだ。

「この人に電話してちょうだい。電話番号どこかで調べられない?」

免許証に住所は記載されているけど大半の人は、固定電話を持たない今携帯電話番号は個人情報だからわからない。住所を見るとここからそう遠くはない。車で10分くらい。私と夫が随分前に2年ほど住んでいたアパートの近くだ。電話番号は簡単にわからないことを伝えるとメーテルは口をへの字に曲げて困った顔だ。私はできる限りの優しい気持ちを身体中から絞り出して作り笑顔で言った。

「どうして持って帰って来ちゃったの?ショッピングモールの駐車場でやってるファーマーズマーケットならセキュリティいたでしょう?」

メーテルの口は へ のままだ。しょうがないのでショッピングモールのセキュリティオフィスに私が電話する。やはりモールの敷地内でやっているファーマーズマーケットでのことなのでセキュリティオフィスに持参してくれたら持ち主が取りに来るまできちんと管理するとのこと。誰か届出をしているかどうかまではわからなかった。メーテルが思いついたと口を開く。

「住所があるからこの人に手紙を書くわ。」

はいでは 皆さんご一緒に

HOLY COW!

そんな手紙ってしかもメーテルの読みにくい字の手書きの手紙をもらったら怖いしなおさらこっちが怪しいと思われる。拾うのは良いけどなぜ家にわざわざ持って帰って来るのくー○ーばー○ーあと思いながら失くした人のことを思うと免許証の再交付や予防接種の証明カードは大事だから最短で本人に返す方法を考える。アパートの場所は良く知っているけどそこに本当に住んでいる保証はない。私も未だに2019年11月まで住んでいたアパートの住所が身分証明書に書かれているのでそこに住んでいないかもしれない。そこで閃いたのがアパートの管理事務所。そこはいくつものアパートやタウンハウス形式の賃貸住宅の並ぶ大きなところで管理事務所も大きなオフィスだった。電話番号を見つけるとメーテルが張り切って電話をかける。どうやらここに住んでいるようだがはっきりとは言わない。管理事務所だって個人情報をどこの誰かもわからない相手に言うわけがない。メーテルがまたへの字の口になった。拾った財布はアパートの管理事務所に持ってこいと言われているようだ。毎日3回くらいは自分で運転してどこへでも行くメーテルは弱々しい声でこう言った。

「そこへ行く手段がないのよ。家族も出かけてて届けに行けないからあなたがその女性に私の電話番号を教えてあげてちょうだい。」

管理事務所もシニアカードを提示したメーテルに強くは出れず、メーテルの電話番号を財布の持ち主に電話で知らせてくれることになった。早く連絡が来れば良いけどやはりここで本日最後の優しい気持ちを振り絞って伝えた。

「この落とし主は女性だけど次回はその場でセキュリティに渡してね。持って帰って来たり、自分で連絡しようとするのは危ないですよ。」

拾った財布がそのまま戻ることは残念ながらこの辺りではほぼ100%ないので持ち主さんにはメーテルが拾ってことはラッキーだが知らない人に連絡をとって自分の住所を教えるのは今回だけにしてほしい。1時間ほどして持ち主の女性がお礼の花束を持って現れた。来週、アラバマの実家にちょうど帰るので免許証がなければ飛行機に乗る際の身分証明書がなくてどうしようかと困っていたらしい。拾ってくれて本当にありがとうと喜ばれていたが私の午後はこの一件で吹っ飛んだ気がする。そして優しい気持ちが空っぽになったので皆さんのnoteを拝見して充電中。







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