41w4d 緊急帝王切開の記録❷
両サイドに先生が立って、手術が始まった。
目の前は隠されて何も見えないけど、だんだんこわくなってきた。看護師さんの麻酔経過時間?分の声の後、手術が始まった。
ジョキジョキジョキ…
お腹切られてる…ハサミ?!怖い…
ここから産まれるまではあまり思い出したくないくらい怖かった。医療のテレビでやってる手術の映像とか、スプラッター系が大の苦手なので本当に辛かった。
「ぎゃあ、おぎゃぁ、ふぎゃあ」
あれ?生まれてる?声がしてるけど、手術の目隠しで何も見えなかったから気が逸った。
「午後1時18分、出産おめでとうございます」
手術室にいるスタッフさん全員から祝福された。やったー、生まれた!というか、麻酔してから3分しか経ってなかったんや。とても長く感じた。
「今会えるからね〜」
先生の言葉でホッとしたのも束の間。血圧の低下してるのも実況みたいに看護師さんの声でわかるし、何より血の気が引くのがわかった。気持ち悪さ、怖さ。このまま気を失って生まれた我が子が見れないのは嫌だったから、必死に首を左右にしてみたり、手を動かしたりして耐えた。看護師さんに励まされながら、長い長い縫合の処置を耐えた。
「ほら、ママがいるよ〜」
顔の横まで、看護師さんがみにぞうを連れてきてくれた。しわくちゃで、血が付いてた姿が、とーっても愛おしくて、涙が出た。泣かないで、呼んであげてと看護師さんに言われた。
そこから先は気持ち悪さとの戦い。吐きそうになるのを堪えたけど、看護師さんに伝えたら処置してくれた。
手術が終わってベッドに移動するのにこの重い体を4人がかりでシーツごと転がしながら動かしてくれたけど、素っ裸だから恥ずかしかった。
早く赤ちゃん抱っこしたいなぁと気持ち悪さを我慢しながら思った。