4/20実装G.R.A.D.市川雛菜編を読む
ご機嫌いかがであろうか。拙者はいれぶんと申す者でござる。こちらは4/20に実装されたG.R.A.D.市川雛菜編の感想文兼怪文書となる記事です。以下注意点です。
・記事というよりかはただの自分用の感想まとめなのでいろいろ話が飛躍してる気がします。
・コミュ内容のネタバレを含みます。さらに今までのノクチル全体のコミュの内容を前提としつつ絡めるのでさらにネタバレと妄想が飛躍します。お気を付けください。
・私個人の好意的・拡大解釈および誇大妄想を含みますが、それらを押し付ける意図のものでありません。むしろ自分の考えとの違いを発見してより幅の広い解釈を見せてくれ…。
・ゲーム内プロデューサーのことは名前が分からんので「シャニP」と呼称します。
では以下本文となります。
オープニング「NO!♡ing!」
海だ~~~~~~~~!!!!!!(ブチアゲ)
さあ雛菜のG.R.A.D.編いきなり海です!!ノクチルにとって最も重要なモチーフと言って差し支えないであろう「海」という場所にいきなり最初からいます。なんかもうその時点で何かが起きるのは間違いないですね。できれば何か悪いことは起きないんで欲しいんですけど…。果たしてどうなるやら。
雛菜は「修学旅行見たい」なんて言って飛んでいるカモメなんかを見ていますが、どうやらシャニPは生返事で浮かない感じです。そんなシャニPの様子を見た雛菜は「また何か心配事か?」とシャニPに問います。シャニPは「雛菜の力を信じていないわけじゃないが、これからG.R.A.D.も控えているのにここから泊りがけの収録は雛菜にとって大きな負担になるのではないか」という心配をしているようです。どうやら仕事の収録で海に来たようですが、シャニPは雛菜のことを気遣っています。優しいね。
そんなシャニPの気持ちを聞いた雛菜は「別に、自分は全部楽しみだけど(だから大丈夫)」「この番組にもG.R.A.D.にも出られるの凄いことでしょ?」と言います。これなかなか凄いというか、雛菜らしい答えですよね。多分シャニPの言っている「負担」というのは身体的・時間的な拘束から来る「負担」という意味合いを多く含むんじゃないかと思うんですが、雛菜は「楽しいから大丈夫」と返してきています。自分が楽しむことができればそういう部分の負担はどうでも良いと言わんばかりで、相も変わらずの雛菜の「しあわせ」に向かうパワフルさを感じさせます。さす雛。
そんな雛菜に対してシャニPは「確かにそれはすごいことで、それは雛菜がとても頑張ってくれたからだ」「この番組を通してまた雛菜やノクチルのことを知ってくれる人も増えるはず」と言いますが、雛菜は「それならよかった、まあ他の人がそうして欲しいかはわからないけど」と言います。出ましたね。雛菜式しあわせ理論武装です。自身の「しあわせ」と他者の「しあわせ」は違う、だから理解しないし理解してくれなくて良い、自分は好きにやるからみたいなスタンスですね。まさに雛菜節です。シャニPもやはりこの雛菜の在り方には若干のたじろぎがあるようです。しゃあない。
そんな流れで雛菜は「仕事だけど修学旅行みたいで楽しい」「この番組は見たことないけど人気なんでしょ」と言い、どうやらシャニPによるとこの番組はサードシーズンらしいです。どうやら雛菜のお母さんがこの番組のファンらしく、雛菜のことを羨ましがっていたようですが、雛菜は「ママも高校生アイドルだったらよかったのに」なんて言っています。雛菜ママアイドル概念?!シャニPスカウトしろ!!!そんな会話もそこそこにそろそろ集合場所に到着するようで、雛菜はさっそく集合場所へ走り出していって「3日間よろしくお願いします」と言った感じで挨拶をしています。シャニPは置いて行かれていますね。さあどうなる!こうして雛菜のG.R.A.D.への挑戦は始まったようです。
さて、このオープニングコミュの最後には番組の告知?か何かが挿入されます。どうやらこの番組は青春真っ盛りの高校生たちを集め、その3日間での共同生活を通して、最終的に夢を追いかけることを選ぶか恋愛をとるかという「これは恋ではありません!」という番組で、ジャンル的には「青春ジャーニー♡恋愛リアリティショー」らしいです。こういうの好きね~シャニマス君は!なかなか生々しいやつ来ましたよこれは…。
リアリティ番組(リアリティばんぐみ、リアリティショー、Reality television)とは、事前の台本がない、現実に起こっている予測不可能で困難な状況に、よく知られたプロの俳優などではない一般人出演者たち(無名の芸能人なども含む)が直面するありさまを、ドキュメンタリーやドラマのように楽しめると謳ったテレビ番組のジャンル。視聴者が参加する双方向番組の一種で、1990年代末以降、世界各地のテレビを席巻する人気を博している。多くは「演技や台本ややらせのない出演者の行動をカメラが追う形式のテレビ番組」であるとしているが、演技・台本・やらせのある「リアリティ風番組」であるケースも含まれる。
Wikipedia「リアリティ番組」より
リアリティショーの定義はこんな感じらしいですが、やはりあくまで「リアリティ」であって「リアル」ではないのが特徴です。ドキュメンタリー風を装いながらごくごく普通にやらせや台本があって、そのことが問題になって番組に泥が付くなんてこともあるような世界ですよね。クレイジージャーニーとか(最近復活してましたが)。
あのかなり心を抉られることで有名な(個人の見解)アンティーカの「ストーリー・ストーリー」もリアリティショー的な題材だったことを考えるとどうにも不安が拭えません。ましてや今回の場合はユニット単位ですらなく雛菜個人がこれにぶち込まれるわけですからね。どうなるんだ雛菜…頼むから何か変な事件は起こらないでくれ…。俺はただ「しあわせ」な雛菜が見たいんだ…。
1つ目のコミュ「she;sea」
さてどうやら番組が始まったようです。MCによると、先ほどこの番組は「高校生を集める」という風に紹介されていましたが、どうやら「モデルやアイドル、名門校の学生といった『恋愛禁止の』高校生」を集めて最後には夢か恋愛かを選ばせるというもののようです。うお~悪趣味~!!でも人気出そうなリアリティショーだなあ!!生々しいなこのゲーム本当によ。そしてその最後に夢か恋愛かの答えを出すのに「進路調査書」というものを書かされるらしく、そこには夢を書くか恋に落ちた相手の名前を書くらしいです。
ひえ~って感じですが、この「進路調査書」というのは雛菜の物語としては一度登場している存在ではありますね。【HAPPY-!NG】で雛菜が書けずにいて悩んでいたのが「進路調査書」でした。あの時はあの時でしっかりとした答えが出ていたように思いますが、実際に進路調査票を書けたのか、書いたとしたらどう書いたのかという部分に関して明確な答えが出ていません。しかし今回、これは番組の中での話であるとはいえ、雛菜は「進路調査書」を出さなくてはなりません。うーん。どういう答えを出すんだ雛菜…安心できるような、逆に不安なような…。
さて、早速番組は集められた高校生たちのやり取りにフォーカスしています。どこでは雛菜が「男子高校生アイドル」なる存在に「本当に台本も何もなくいきなり始まるんだね」なんて話しかけられています。いきなり話しかけられた雛菜は少し驚き気味ですが、その高校生は「同じアイドルの子がいると聞いていたから話しかけた」と言い、自分は「トール」であると名乗りました。え、透???????????まあ「透」という名前は男性にも当然いる名前なのでこういうこともあるでしょう。
雛菜はどうやらそのトールのことは知らないようで、透と名前が一緒の人がいるくらいの認識だったようです。またトールの方もあんまり女性アイドルに詳しくないなんて言っており、おそらく完全に初対面なのでしょう。が、この同じ志を持つアイドル同士の男女、たまたま大好きな先輩と同じ名前を持つ男と恋愛リアリティショーで出会う…何も起きないはずがなく…いや起きるな起きるな起きるな!!なんだこのそれっぽい状況は!!雛菜…大丈夫だよな…?謎の動悸がします。
そんな中、トールは「雛菜はこの番組への出演を迷わなかったのか?」「こんな番組にアイドルが出るのは結構大変なことじゃないか」「自分は少しでも自分たちのことを知ってもらえたらと思って出た」と言います。まあ実際こんな恋愛リアリティショーにアイドルが出て、万が一にも「恋愛の方を取ります!」なんて結論出したらてんやわんやの大騒ぎでしょう。しかし雛菜はそんな問いに少し考えながらも「自分は海に来たかったから迷わなかった」と言いました。ぐはぁ!!流石雛菜だ…。そんな理由でこの仕事を決めちまったって言うのか…?これは流石にトール君も怪訝な顔をしたでしょう。見えんけど。
そうしていると何やらレッスンし終わった雛菜の元にシャニPが様子見も兼ねてか差し入れをするシーンへと移ります。どうやらこれは番組収録が終わってG.R.A.D.に向けてのレッスンと言った感じですね。時系列が移っています。シャニPも心配していた通り収録からあまり間もなくこのレッスンは始まったんでしょうが、雛菜は調子が良いようでトレーナーさんからも褒められたようです。雛菜は凄いなあ。
シャニPが来るまでの間、雛菜とトレーナーさんは「恋ませ」(例の番組の通称らしい)の話で盛り上がっていたようで、トレーナーさんは「雛菜はいつも通りの雛菜でよかった」なんて言いながらも健気に頑張るトールが気に入ったようです。そんな流れで雛菜は「あのトールっていう人は凄い、本当は台本あるのに自然に嘘ついてびっくりした」と言いました。いきなりぶっこむなあオイ!言っていいんかそれ!?シャニPも流石に気まずそうですがまあ番組関係者が周りにいないから良いでしょう(適当)。
そうして雛菜は「自分は『恋ませ』もG.R.A.D.も頑張っているし、みんなに見てもらうためにもツイスタ更新しなきゃ」と言って、シャニPに手伝ってもらいながらトレーナーさんも映ってもらいました。これは小糸のG.R.A.D.編との対比となっているのでしょう。自分の頑張っているところを見られたくない小糸とは正反対の行動となっています。ともあれ雛菜はG.R.A.D.に向けてもやる気十分のようです。良いですね~頑張れ雛菜!
さて、ここで雛菜とトールのやり取りの中にあった「嘘」について考えます。お分かりの通り、ここでのトールの「嘘」というのは「台本があるにも関わらず『本当に台本も無しに番組が始まるんだ』と発言したこと」です。やっぱりせいぜいリアリティショーである以上、台本があるなんてのは別段おかしなことではないでしょうが、この台本がどういう内容なのかは分かりませんね。この発言すらも台本なのかどうかもイマイチ分かりませんが、少なくともこのトールとかいうやつが相当な演技派であることは間違いありません。ただこれは番組の「リアル感」みたいものを出すための発言なので、この番組に協力的だと言って良いだろうし、そう考えるなら仕事する側としては真面目ですね。
そんなトールのことを雛菜は「凄い」と言いましたが、凄いのはトールだけではありません。これは決して雛菜のことを悪く言うわけではないということだけは主張したうえで述べさせてもらいますが、「空気を読んで己の役割を理解し、他者にそれを気取らせずに嘘をついて振る舞う」という能力については、間違いなく雛菜も凄まじく高い適性を持っているだろうと私は思います。雛菜のことを悪質で腹黒な嘘つきって言っているわけではないよ!!大事なので再度!!!
そもそもの話をすれば、トールに台本があるということは雛菜にも台本があるということを示しますし、雛菜もきっとトールと同じように台本をしっかり確認して己のすべき仕事をしているんだろうなって思います。流石に雛菜だけ特別扱いってことはないでしょう。それでもこの番組に出た雛菜を見たトレーナーさんは「雛菜はいつもの雛菜だった」と言っています。雛菜もトールと同じレベルで「嘘」をつけていると言っていいはずです。それはやはり雛菜のひとつの能力であるだろうし、少なくともそれが仕事をする側として間違っているという話でもありません。しかしながら、雛菜の「海へ来たかったから」という仕事を受けた理由についてはどうなんでしょう。この受け答えはある意味でとても「雛菜らしい」と言えるもので、きっと視聴者や番組側からもこういう感じが求められている感じはしますが、オープニングコミュでの海へ来たことでテンションがブチ上がっていた雛菜を見ると必ずしもこれが台本とは言い難いですね…う~ん。ともあれこうして「恋ませ」のオンエアが始まり、G.R.A.D.への挑戦も始まるのでした。
2つ目のコミュ「F/F」
さてさて今度は早速「恋ませ」第2回のオンエアです。MCの人は気になる高校生ということでアイドルグループの名前を挙げ、「トールくんは夢のためって感じだけど、雛菜ちゃんなんかは海に遊びに来たなんて言っちゃってるからね〜」みたいな事を言います。
この辺から考えると、やっぱりこの番組側は雛菜にそういうマイペースでワガママっぽいキャラを求めていたんじゃないかなという気がします。我々が雛菜に初めて邂逅した時の印象そのものと言っていいでしょうね、多分。あっちの世界でも雛菜の印象っておんなじ感じなんだろうな〜。そして先述のように、雛菜は自分の役割を良く理解できているのでああいう風に受け答えしたとも取れますね。台本があると思うと若干モヤりますが、しっかり仕事をしているとも言えます。トールと一緒ですね。
場面は切り替わり、雛菜はそのロケでの宿泊施設であろう部屋にいた所、共演者である女子高生モデルの子から突然話しかけられます。どうやらそのモデルの子は雛菜とトールが話していたのを見て、2人の関係を気にしているようです。おっとこれは?そういう感じのやつか?雛菜は別に知り合いとかじゃなくてあっちから話しかけられただけという感じに反応します。
まあそういうことなんでしょう!と思った通り、モデルの子はトールのことが以前共演した時から気になってたようで、お互いの職業柄諦めていたらしいのですが、このいかにもふさわしい内容の番組での共演の機会に気持ちを伝えたいようです。この番組に出ることを事務所にも黙っているらしく、相当な気合を感じさせます。この子モデル人生賭けてません?大丈夫か??そんな恋愛感情だけで自分のモデルとしてのサクセスストーリー潰す気なのか…?しかしながら、部外者が「恋愛感情だけ」なんて言えるほどにこの子の思いは小さな思いではないのかな。恋愛ってのは外から見れば些細な事でも本人にとっては一大事でしょうからね…。
そんなモデルの子は「もしトールに興味ないなら協力して欲しい」と雛菜に持ち掛けます。そんな話をされた雛菜は何やら思う所がある感じで溜めを作りつつ、「手伝うって言っても自分は何したらいいの?」「今言ったことをそのまんま本人に伝えたらいいんじゃない?」なんて言います。市川雛菜とかいうアイドル空気読めね〜!ってな所で、モデルの子もそんな雛菜に愛想を尽かしてその場を去ってしまいます。まあそうなるのも仕方ないね。その背中を雛菜は見送りましたが、果たして彼女は何を思うのでしょう。
そして場面は現在の雛菜に戻り、シャニPに車で送迎されているようです。どうやら番組の方は結構話題になっているようで順調な感じらしいですが、シャニPの言によるとつい先ほどのモデルの子がちょっと悪い方向で話題になってしまっているとのことでした。もともと、トールのファンの子たちはこの番組への出演自体を快くは思っていなかったらしく、アイドルという夢に真摯な姿勢の発言で一時的にはファンたちとしては応援ムードだったらしいですが、雛菜とのあのモデルの子のやり取りを見たファンたちはモデルの子を叩く方向はシフトしてしまったというところでしょう。リアルだなあ…(げんなり)。シャニらしいけど。
その話を聞いた雛菜は「あの子の話は台本じゃなかったのかな」と言いました。それに対してシャニPは全部が全部台本ということは無いだろうけど確かなことは言えないと言った感じですが、雛菜は「放送されたってことは事務所的にOKだったんじゃないのか(つまりあの流れは既定路線だったんじゃないのか)」なんて言います。シャニPは「こっちは内容を事前に確認してOKしたけど他の事務所は違うかもしれない」ということらしく、自分が楽しくやれてるのはシャニPが凄いからなのか~といつもの調子です。そうして雛菜は「誰かを攻撃しないといけないほどすきな人が自分の全てになってる人はなんか大変だね」と言いました。いや~雛菜節って感じ。シャニPはそんな雛菜の言葉に同調しつつ「雛菜にもそういう人がいるかもな」と伝えますが、雛菜としてはその言葉にあまりしっくり来ていないようです。
「誰かを攻撃しないといけないほどすきな人が自分の全てになってる人は大変だ」という言葉は雛菜らしいもので、これはやはり雛菜の「他人のことなんてどうせわからないんだから各々は各々のためだけに各々のしあわせを追求したほうが良い」という考え方から来るものであろうと思えます。このトールのファンたちは言ってみればトールの一挙一動が自分たちの「しあわせ」に直結してしまっている訳で、そうなってくるとそれはもう自分自身の「しあわせ」よりもトールの「しあわせ」の方が比重として大きくなってしまっていると言えるでしょう。ただまあそれが悪いこととは言えないです…だって俺もアイマスのアイドルや声優さんたちにそういうクソデカ感情を抱きがちだから…オタクってそういうもんじゃん…。でも雛菜的にはそういう人たちは「なんか大変」なんですよね。
しかしながら、雛菜としては納得がいっていない風でしたが、「雛菜にもそういう人がいるかもしれない」とシャニPの言った通り、雛菜もまたトールと同じ「アイドル」で、同じように雛菜のしあわせを願って止まず、心血を注いで応援してくれているファンだっているはずです。しかしそう考えても、例の雛菜のしあわせ理論武装的にはそういう「なんか大変な人」たちが自分についているということを肯定できません。雛菜はやはり「自分は自分のやりたいように楽しくやる」というスタンスで、そのためにあの横暴で空気の読めないような態度を取っていて、しかもそんな自分に自覚的です。とどのつまり、雛菜は「こんな好き勝手やるような自分にそんな『なんか大変な人』たちがいるとは思えない」という考えがあって、シャニPのその言葉に首を傾げざるを得なかったのだと思います。
こういう雛菜の感じを見ると、雛菜のそういう自己中心的な態度はその「なんか大変な人」を周囲に生み出さないためにしていることのように思える時があります。それはある意味で円香にとても似ていて、「自分に期待しても何も出ないよ」という思いが根底にあるのかななんて感じてしまいます。そう考えてあの冷たく無気力な態度を前面に出して他者の眼差しを避けようとするのが円香ですが、雛菜もまた同じようにあの「掴みどころのない市川雛菜」像を前面に出すことでそれらを回避してきたのだろうと思えます。そうして雛菜は自分と他者とでお互いに関わり合わないようにする事がお互いの「しあわせ」だとしてきたのかもしれません。
しかし雛菜は、この収録での出来事やそれを見た視聴者たちの間で起きた出来事、そしてシャニPの「雛菜にもそういう人がいるかもしれない」という言葉によって、自分のためにも他者を巻き込まないようにある程度計算してマイペースに振る舞う自分自身に「なんか大変な人」がいる可能性に気づいてしまいました。雛菜にとってこれは結構なクライシスのはずです。
このことは、雛菜はそういう「なんか大変な人」たちの存在をお互いの「しあわせ」のためにそういう立ち振る舞いを用いて深く関わらない人生を送ってきたはずなのに、アイドルになる事でその雛菜の在り方が「なんか大変な人」たちの「しあわせ」を巻き込んでしまっているかもしれないということを示します。そして当然、雛菜はそういう周りの人たちの思いを軽々しく蔑ろにするような子ではないですよね。やはり彼女はどこまでも周りを見て自身の行動を決定します。だからこそきっと、我々が思っているより雛菜は悩んでいます。どうなる雛菜…納得のいく答えが出せるかな。出せるといいなあ。
G.R.A.D.予選
予選に挑む雛菜は、「最近色々あったから時間が経つのが凄い早かった」と言います。どうやら「恋ませ」の収録中でも夜に浜辺で練習していたらしいです。雛菜偉い~~!!
この「時間が経つのが早い」というのはこれまでも雛菜はよく言ってきたもので、基本的に雛菜は「毎日楽しいから」時間が経つのが早いということを【HAPPY-NG!】なんかでも言っています。しかし、【思い出にもならない】でこれと同じような時間感覚の加速を感じていた小糸は、ここでの雛菜のように「色々なことがあった」と言いました。その時の雛菜は少し将来に不安そうな小糸を「きっとこれからも色んなことがあって、また春は巡ってくるよ」と励ましていましたが、このどちらの場合においてもその「色々なこと」というのは必ずしも「楽しい」ということだけを含むものであるとはあまり思えません。
そんな雛菜にシャニPは「楽しんできてくれ、それが一番『市川雛菜』らしいから」と伝えます。そして雛菜はその言葉を肯定しつつ、「シャニPも雛菜のこと見てしあわせになって」「それが一番『プロデューサー』らしいから」と言ってステージに向かいました。
ここで『』(二重鍵括弧)付きで『市川雛菜』という表記が出てきます(私の記事の書き方の関係で分かり辛くてすみません!ゲーム内で本当に二重鍵括弧になっているということです!)。ここでのこういう表記が表すものは「リアルじゃない市川雛菜」と言って良いと思います。つまり、今までの雛菜に見えていたような、空気を読んで計算して動く雛菜を表している表記であると考えられます。
ただここで大切なのは、「リアルじゃない」=「フィクションである」ということではないという点です。確かに雛菜は空気を鋭く読んで己の行動を決定しますが、その全てが嘘であるわけではないですよね。例えば「海に来たかったからこの仕事を受けた」という発言や、モデルの子に言った「直接気持ちを伝えれば?」という発言は確かに『市川雛菜』的と言っていいですが、かと言ってこれらの中に1ミリも雛菜の気持ちが入っていないかというとそれはないでしょう。雛菜は本当に海に来たかったし、本当に直接気持ちを伝えた方がいいと思っていたはずです。そういう100%リアルでもなく100%フィクションでもない在り方、それこそまさに「リアリティ」ショーであり、その中で見えたそんな雛菜を「リアルじゃない雛菜」=『市川雛菜』と私は表現したいと思います。
さて話を戻します。ここまで雛菜が抱えてきたのはやはり、その自分のしあわせを追求したいという「リアル」の思いと、実際には周りに色んな人や事情があって、そんな思いだけではやっていかれないと分かっていて空気を読んで台本通り行動する「フィクション」の狭間での揺れ動きだったんだろうと思いますが、シャニPはここで「楽しむのが一番『市川雛菜』らしい」と言って「リアルじゃない」雛菜の背中を押しています。これもう何か答えが出てるな?そんな気がしますね。
また、雛菜はシャニPに対して「シャニPも雛菜のこと見て幸せになって」「それが一番『プロデューサー』らしいから」という風にも言っていましたが、この二十鍵括弧も『市川雛菜』と同じ意味を持つものと考えるとなかなか凄い話になりますよね。言ってみればこれは「『市川雛菜』を見てしあわせになる『プロデューサー』はリアルじゃないでしょ」と言ってきているようなものです。ただこれは嫌味とかじゃないでしょう。雛菜は自分がシャニPのことを振り回している自覚がW.I.N.G.編の時からずっとあって、W.I.N.G.優勝後コミュでも「ワガママな自分に付き合ってくれて偉い」という風にシャニPに言っていました。雛菜はシャニPが自分に合わせて多少なりとも無理して嘘の振る舞いをしているという風に認識しているのでしょう。今回のG.R.A.D.編でも雛菜の言った言葉を受け止めた際に何か考えるような間があってから雛菜のことを肯定しつつ言葉を伝えるシーンがあって、それはきっと雛菜と同じように自分が雛菜の言葉に対してどう振る舞おうかを考えて自身の行動を決定しているという表現だと思われます。雛菜のことが心配で雛菜の声が聞こえていなかったオープニングコミュ冒頭とは既にシャニPも変化していますね。シャニPもまたリアリティのある『プロデューサー』となろうとしています。
しかしここではその「リアルじゃない」と言えてしまう在り方を2人ともポジティブに受けとめているように見えて、そこからはこの時点で2人はどちらも「リアルじゃない」アイドルとプロデューサーであるということをお互いに理解していて、その状態のままこのG.R.A.D.を、もしかするとこれからのアイドルとしての道もそのまま2人でひた走ろうという「覚悟」みたいなものが覗き見える感じがします。予選の時点でこれってなんだ?なんかすごいことになってるな??
予選を勝った雛菜はなんだかとっても嬉しそう!良かった!というか雛菜以外のノクチルG.R.A.D.編は予選を勝ってもまったく嬉しそうじゃないどころかさらに表情が曇るのでむしろ雛菜の反応の方が貴重です。さす雛!
楽しかったからすぐ終わったという雛菜をシャニPは労いながら「まだ決勝があるぞ」ということを伝えます。すると雛菜は「まだ次があって自分も楽しいけど、シャニPもしあわせだね」と言います。するとすかさずその言葉を肯定して「次もまた雛菜のステージを見れるから俺もしあわせだ」と言い、それを聞いた雛菜は驚きつつもシャニPのその言葉がとても嬉しそうです。パーフェクトコミュニケーション!!
予選を負けると、若干シャニPが落ち込み気味に雛菜のことを気遣って見せている感じですが、そんなシャニPに反して雛菜は「負けたってことは敗者復活戦があるから、ステージが増えて楽しい事が増えた!」なんて言って、シャニPも少し動揺しながらその言葉を肯定してあげています。
やなり、これらのやり取りの中にもきっとある程度は「リアルじゃない」ものが混じっているのでしょう。市川雛菜という子は「自分にとっての楽しい・しあわせなことだけする、他はどうでもいい」という年齢からは考えられないようなドライな価値観で我々をビビらしてきましたが、実際そういう風に振る舞って生きてきたのは間違いありません。そしてそれが「リアルじゃない市川雛菜」=『市川雛菜』というひとつの、雛菜の作り上げた生きる術であるということも述べました。
もしそういう雛菜の前に「楽しくない・しあわせじゃない」ものが立ちはだかれば、雛菜はそれを『市川雛菜』を用いてさらりと避けるはずでした。しかしこのG.R.A.D編での出来事は、『市川雛菜』が雛菜自身のためだけのものという形では済まされない形で人や物事を巻き込んでいるという可能性を示してしまい、雛菜はそれを背負ってしまっています。しかもここで決勝進出もしくは敗者復活戦が決まったということは、その苦しさがまだ続くことを意味します。しかし雛菜はこういう時に弱音を吐くような子じゃないんですよね。そうだからこそ雛菜は「『市川雛菜』らしい」ままで行こうとしているのでしょう。
そう考えるならば、このG.R.A.D.編でシャニPが少しでも心配してそうな雰囲気を醸し出すと雛菜がすぐに「自分は楽しいから大丈夫だよ」と反応するのも頷けます。雛菜は『市川雛菜』であり続けるために、過密なスケジュールや大変なレッスンを頑張るという「楽しくない」ことを無理矢理にでも「楽しい」ということにしているのです。『市川雛菜』は「楽しくないことをしない」、それを守るためには自分が直面する苦難をも「楽しい」と言う他ないのです。そう考えるならば、予選を負けた場合の「負けたから『楽しい』が増えた」なんて言い草も見方が変わりますよね…ずっと頑張ってきたのに負けて「楽しい」わけないじゃん…雛菜ァ!(超ド級クソデカ感情)
しかし、おそらくシャニPは雛菜がそういう風な覚悟を持ってこれに挑んでいることを知っていますね。きっとシャニPほどの優しい男ならこういう時は「無理に強がらなくて良い、弱音を吐いたっていいんだ」と言いそうなもんですが、ここまでのシャニPはそういう雛菜の『市川雛菜』を心配に思っていそうながらもその姿勢を肯定し続けています。これがシャニPの「『プロデューサー』らしく」あろうとする覚悟ですね。悩みながらも『市川雛菜』であろうと頑張り続ける雛菜のために、自身もまたその雛菜の覚悟と同じように付き合ってやろうということです。よくよく考えるといつもシャニPはこうですよね。アイドルと同じ目線に立つことで寄り添うというのがシャニPのやり方です。この男はそれでいつもうまくいってきたし、なんか安心だな!頑張れ2人とも!
3つ目のコミュ「IMyMeMine」
さて今度はまた番組に戻ります。そこで映し出されたのは、夜の海辺でひとりダンスレッスンに励む雛菜でした。そんな雛菜のところにトールがやってきて、雛菜は「夜はカメラ回らないって聞いてたけど」と、少し動揺が見えます。この反応から見ても、この事は少なくとも雛菜の台本には無かったと言って良いでしょう…多分。
そこでトールは、例のモデルの子のことを指して「自分の名前を進路調査書に書こうとしている子がいる」「こんなことになってしまって、きっと自分のファンたちを驚かせることになる」「もしそんな状況になったら、同じアイドルである雛菜だったらどうするか聞きたい」と雛菜に問います。これどこまで台本なんだろうね。まあ考え始めたらキリないですけど…。
そんな質問を受けた雛菜は「多分自分はあなたと同じようなアイドルではない」とバッサリ言います。うおお…。トールも困惑を隠しきれませんが、雛菜は「自分はトールのように誰かのためじゃなくて、自分のためにアイドルやってるから」と言いつつも、「自分が自分のためにやってることを見て、それでしあわせになってくれる人がいたらいいなっていつも思ってる」と、深く噛み締めるように答えました。これが雛菜の在り方の本質に近い部分ですよね。ファン感謝祭編や【♡LOG】のTrueコミュでも似たようなことを言っています。
雛菜は誰かのためにアイドルしてない「リアルじゃない市川雛菜」の振る舞いが誰かの「しあわせ」になることを「いつも」思ってるんです。凄い話ですよこれは。雛菜は「誰かのためにアイドルやってない」なんて言いますが、違いますよね。雛菜はいつも自分のみならず周りの人間の「しあわせ」を願っているが故に『市川雛菜』であろうとしているのであって、それがアイドルである必要がないってだけの話のはずです。少なくとも「誰かのために」という部分が絶無ではないと思えます。しかしこれたかだか15歳の取れるスタンスではないだろ…凄いな雛菜。
ここでの雛菜は本人の予想外にカメラに映っている以上、この雛菜の諸々の反応はきっと「リアルな市川雛菜」のはずです。これは台本ではなく、その「リアルじゃない市川雛菜」との間で揺れ動き、悩める「リアルな市川雛菜」としての等身大の答えと言っていいでしょう。それでも雛菜は『市川雛菜』であろうとしているように見えますけどね。そんなリアルな一端が見えたということ、それもこの「恋ませ」がリアリティショーである故なのかもしれません。良くも悪くも「リアリティ」ですね。恐ろしいコンテンツだな。
そんなオンエアののち、レッスン前の雛菜とシャニPが会話しています。今日のレッスンも頑張れよとドリンクを差し入れるシャニPに対して雛菜は「(言われなくても)雛菜はいつも頑張ってるよ?」と返事します。シャニPは何とかそんな雛菜節に合わせてるんですけど、きっとここシャニPが『プロデューサー』ではいられず雛菜のことを心配しているのが漏れ出ちゃってるという描写なんですよね。やっぱり優しい男だな。
そうしているとトレーナーさんが現れて、「恋ませ」の最新話で雛菜が出すの練習しているところを見られて嬉しかったと報告します。雛菜は別に映ってないところでも決められた分は毎日ちゃんとやってたと言い、シャニPもそれを首肯しています。そんな偉い雛菜をシャニPもトレーナーさんも褒めてあげて、2人とも「自分たちも置いて行かれないように頑張らなければ」と意気込みを見せ今日のレッスンは特別に厳しめということになりました。え~!?雛菜も「得したのか損したのかわからない」と言いつつも、十分なやる気を感じさせながらレッスンへと向かいました。
雛菜はこの「恋ませ」を『市川雛菜』としてやっていこうとしていますが、今回のオンエアでは「カメラの回らないはずの夜間、浜辺でひとり真面目にダンスレッスンをしている」という「リアルな市川雛菜」が映し出されてしまいました。これはきっと番組や視聴者たちなんかが見ているだろうマイペースでワガママな感じの雛菜とはちょっと違う面が見えてしまったと言ってもいいのでしょう。このことは雛菜としてはちょっと計算外だったんじゃないかなと思います。
しかしながら、他の視聴者たちがどうだったかは分かりませんが、少なくともそんな「リアルな市川雛菜」はトレーナーさんの心を動かして見せましたね。雛菜の「自分はちゃんとやってた」という言葉をトレーナーさんは「確かに最初のレッスンから踊れてたけど…」なんて少し驚きつつも信じていますよね。トレーナーさんとしてもやっぱりあの『市川雛菜』がちゃんとやってるかどうかという点で少し不安はあったのかとも思いますが、実際にちゃんと頑張ってくれた雛菜を確認できたトレーナーさんは「しあわせ」だったんです。雛菜的には意図してない出来事だったかもしれませんが、結果的には雛菜の頑張りが伝わるべくして伝わった感じがしますね。「リアルな市川雛菜」は確かにそこに居て、それだってきっと大切で魅力的なものです。少しはこのことが雛菜の背中を押せていると良いですね。
ここで雛菜が2人にたくさん褒められながらも「今日のレッスンは厳しくいく」となったことについて「損したのか得したのかわからない」と言っているのも印象的です。少なくとも、「損」というのはレッスンが厳しくなったことと見て間違いないでしょう。雛菜はレッスンだって楽しんでる風ですが、ただただ楽なものであるはずも無いでしょう。そういう意味ではやっぱり大変で苦しい部分もあって、それはちょっと「損」なんです。
じゃあ「得」の方は何なのかというと、それはきっとシャニPとトレーナーさんが自分の頑張りを見て喜んで褒めてくれたことです。雛菜がこの大変なスケジュールの中で頑張り続けてきたこと、その頑張りが2人に伝わって「しあわせ」なってくれたこと、これが雛菜の「得」です。「自分が自分のためにやってることを見て、それでしあわせになってくれる人がいたらいいなっていつも思ってる」という言葉、これはやはり雛菜の価値観の本質的な部分を表すのだろうと思います。雛菜はやっぱりみんなの「しあわせ」を願っているんです。
そしてそんな「しあわせ」になった2人を確認して、多少なりとも「損」のあるだろう厳しめのレッスンを快諾した雛菜を見ると、W.I.N.G.編でシャニPが雛菜にかけた「雛菜の『楽しい』は『楽すること』とは違うだろ?」というパーフェクトコミュニケーションを思い出しますね。次なる「しあわせ」のために多少なりある大変なことも乗り越えていきたいという、W.I.N.G.編で得た雛菜の姿勢をここからは感じます。なんかいい感じだな!!頑張れ雛菜!!雛菜ならできる!!
4つ目のコミュ「Mr.Right」
毎コミュ恒例となる「恋ませ」のオンエア内容ですが、今回は会員限定のプレミアム動画のようです。最近こういうの多いですよね。時代。そこでは雛菜がインタビューを受けていて、自己紹介なんかをしています。そこで「(進路調査書で)『夢』と選ぶとするならその内容は?」と聞かれた雛菜は、「『アイドル』ということになるのかなと思ったけどちょっと違う」「自分は自分の楽しくてしあわせなことがしたい」「でももしかしたらそれが『アイドル』なのかも?」と答えが定まっていないようです。やっぱり結構難しい問題に直面していたようですね。自分のために「しあわせ」なことを追求する姿勢である『市川雛菜』は『アイドル』なのかということでしょう。トールやモデルの子とのやり取りや出来事の中でこの悩みにぶち当たってしまったんですね。
さて話は現在の雛菜に戻りますが、先ほどの会員限定動画を雛菜がわざわざ自分のスマホで見ているようです。雛菜ママが会員代を払ってくれたらしく、雛菜によると「ママは登録させて他のシーズンを見せて話がしたいんだと思う」ということらしいです。オタクの布教活動かよ?雛菜ママの気持ちわかる~~!!でも雛菜はそこまで分かっていて受け入れてあげてるのだからやっぱり雛菜は周りの人のことを考えていますよね~。優しいなあ雛菜。
そんな話もそこそこに、雛菜は「この動画自分のスマホにも保存しとこうかな」と言いました。「この時の自分は自分にとっての『夢』『アイドル』が何なのか凄く悩んでた」「だからもしまた同じように悩むことがあったらこれを見てこの時のことを思い出したい」と言います。いつも通りのように見えて、やっぱり雛菜はこの時とっても悩んでいたんです。そして、ここでは「これからも同じことがあったら」という風に言っていますが、今ここで自分から見直していたということは、きっと雛菜は今現在また同じように悩んでいるのだと推察できます。雛菜…。
それでも、シャニPはそんな雛菜のいっぱい悩んで、きっと苦しかったであろう時間を「いい時間だった」と肯定し、「だからこそいい答えが出せたもんな」と言ってあげます。やはりもうすでにこの2人は何かの答えを得ています。あとはそれを結果に結びつかせるだけ!!頑張れ!!
最後にシャニPは「『恋ませ』もG.R.A.D.ももう少しで終わってしまう」「今まで頑張ってきた分、終わっちゃうのが少し残念だよな」と語りかかけます。それを聞いた雛菜は驚きつつも、「自分みたいなこと言ってる」といつになく嬉しそうです。
例えばファン感謝祭でのエンディングなんかが顕著ですが、雛菜はそういう今までの積み重ねてきた時間や物事が過去のものになって過ぎていくことを悲しむところがあります。そういう感覚ががきっと長いこと雛菜が前に進むことを妨げていたのでしょうが、アイドルになって、それこそW.I.N.G.編なんかを通して雛菜は未来へ進むことを決めています。当然そうなれば、きっとさらに色んな出来事が過去のものとなってしまうでしょう。それはより雛菜の物悲しさを加速させてしまいます。雛菜は「楽しいことはすぐ終わっちゃって残念~」なんて何でもないように言いますけどね…。
シャニPはそんな雛菜の感情に気づいていて、というよりかはきっと同じような感覚がこのG.R.A.D.編の中でシャニPにもあったんだと思います。この大変な時間を『市川雛菜』として貫こうとする雛菜に合わせて、自身もまた『プロデューサー』であろうとしたことがその感覚を惹起させたのでしょう。とはいえW.I.N.G.編で雛菜をそうさせたように、シャニPとて過去にとらわれるつもりは無いはずですが、それでもここで雛菜と同じような感覚を抱いていることを雛菜に伝えたのは、「雛菜が楽しくて幸せな時間も、頑張って苦しんで悩んできた時間も俺は知っているよ」と言ってあげたのだろうと思えます。
きっとこれから雛菜がアイドルをやっていく中で、もっと色んな楽しいことも辛いことも起きて、どんどん時間や物事は過ぎ去っていってしまうのでしょうが、そこには色んな思いを抱えながら頑張った「リアルな市川雛菜」がいたはずです。このG.R.A.D.編にて、そんな「リアルな市川雛菜」を隣で見守り続けてきたシャニPだから、ここでこういう言葉をかけられます。そんなシャニPが見守ってくれているからこそ、雛菜はきっと前に進めます。まさに右腕、「Mr.Right」!良い流れだな!!まあ雛菜は左利きなんですけど!!実質両利きだな!!最強!!!
このG.R.A.D.編ではお互い隙を見せないようにしている感じに見えますが、それは心を開いていないのではなく、『市川雛菜』と『プロデューサー』として「しあわせ」を追求しようという2人の強い覚悟からくるものです。なんか特殊な形だけど立派にアイドルマスターのアイドルとプロデューサーの関係と言えますよ!!面白いな~頑張ってくれ2人ともマジ頑張れ!!
敗者復活戦
さあ敗者復活戦で、まるでプレッシャーなんて感じてないような雛菜にシャニPは少し心配そうに声をかけていますが、「ステージが1回増えてラッキーでしょ」と言い放ちます。流石の『市川雛菜』ですね。そんな『市川雛菜』をシャニPは激励し、雛菜は「ここで勝たなきゃステージが1回増えることにならないし、勝った方がシャニPも嬉しいでしょ?」なんて言ってステージ向かいます。なんかもうバッチリですね!行け行けー!!
敗者復活戦を勝ち抜いた雛菜は勝利を祝福するシャニPに「本当に1回多くステージに立てたしラッキーだった」と言います。本当にそうかなあ?これはラッキーなんかじゃないよね。きっと雛菜が頑張ってきた成果のはずですよね。でもやっぱりこういう時にはそういう風に言うのが『市川雛菜』なんだなあ。
そんな『市川雛菜』をやはりシャニPは肯定しながらこのG.R.A.D.が終わってしまうことを寂しがります。この事は4つ目のコミュと一緒ですね。続けてシャニPは「でも最後だからこそ、『市川雛菜』のとびきりのステージを楽しみにしてる」と言ってあげました。その言葉に雛菜は目を輝かせ、「楽しみにしてて」と言いました。うお〜!雛菜は最後まで『市川雛菜』として走り通すつもりだし、シャニPも『プロデューサー』としてそんな『市川雛菜』の隣で走り続ける覚悟を決めています。もうなんか最高な感じだ!行け〜!!
G.R.A.D.決勝
決勝直前、シャニPは「決勝が楽しみだな…!」なんて言いますが、雛菜は「シャニPがそんなこと言うの珍しい」とだいぶ驚いています。ここの驚きっぷり好き。シャニPは「いつも心配が先に来ちゃうから」と言っていますが、やはり今のシャニPは『プロデューサー』なのでしょう。
そんないつもと調子が違うシャニPに首を傾げる雛菜に対し、シャニPは「心配してないわけじゃないけど、ここでの勝ち負けはもうどうでもいい」「このステージは雛菜が楽しんで、これが『市川雛菜』だって言えるステージになるのはもう間違いないから」と話します。そんな言葉を受けた雛菜は嬉しそうに「そうだよね、絶対そうなっちゃうよね」と言い、ステージは始まりました。
雛菜はきっとこの時には既に、いやもしかしたらこのG.R.A.D.に挑むということになった時から、下手したらもっとずっと前から、『市川雛菜』であろうとしてきたはずです。それは自分自身の「しあわせ」のため、そして自分の周りの人間たちの「しあわせ」のためにです。雛菜は「恋ませ」やG.R.A.D.に挑むにあたって色々と悩んだのでしょうが、雛菜が『市川雛菜』であろうと覚悟を決めた時点で、それはもう『市川雛菜』なんです。だからシャニPの言う通り、もう勝ち負けとかは割とどうでも良いんだと思います。ここまで『市川雛菜』を貫けているんだから。でもどうせなら勝った方がもっとしあわせ~~!!じゃない?だからこそきっと『市川雛菜』は勝てますよね、絶対!!
G.R.A.D.優勝は…『市川雛菜』!!やったな雛菜!!シャニPも嬉しそう。シャニPは「勝ち負けがどうでも良いっていうのは嘘じゃないけど、ちゃんと雛菜の凄さが証明できて嬉しい」と述べています。そんな言葉を受けた雛菜は「確かに自分がステージに立ててるだけでいいって言ってくれる人もいる」「でもそんな人たちがいっぱい応援したのに自分が負けちゃったら残念な思いをするかも」と言います。続けて「もしかしたら雛菜よりずっと雛菜のことがしあわせの全部になっちゃってる人もいるかもしれない」と言いました。これは2つ目のコミュでの雛菜の言う「なんか大変な人」のことですね。そして同時にシャニPに「雛菜にもそういう人がいるかもしれない」と言われたことに関する話で、雛菜はそのことをずっと考えていたんでしょう。雛菜はやっぱり真面目だなあ。シャニPもこの言葉に少し驚いています。
そして雛菜は「だからこそ何が自分にとってのしあわせなのかちゃんと考えて、みんなに伝えないとね」と言いました。泣いた。これが『市川雛菜』なんだ…。自身の「しあわせ」が自分の周りの人たちの「しあわせ」に直結してるかもしれない、だから自分は頑張って考えて「しあわせ」を示していくんだと、そういう「なんか大変な人たち」の「しあわせ」のためにも自分は『市川雛菜』であるのだと、そう言っています。ホントに15歳かよ?とんでもない覚悟だぜコイツぁ…雛菜のそんな覚悟を支えたくて仕方がねえよ俺ぁよ…。
エンディング「A.H.I」
さてとうとう大人気番組「恋ませ」も最終回!!果たして我らが雛菜はいったいどういう「進路調査書」と提出するんだろう…。まあ少なくとも共演者との恋愛を取るってことは無いだろうけど…と思っていたらなんと雛菜は「人の名前を書いてきました!」なんて言います。エェ!?人の名前を書いたのかい!?いったいどういうことだってばよ…。謎の緊張が襲います。果たして雛菜の書いた人の名前とは…。
泣いた。目の前から爽やかな潮風が吹いてきたかのような錯覚を覚えるほどのまっすぐで力強い答え。これが雛菜の出していた答えです。雛菜は「この3日間の中で色々悩んで考えたけど、自分の楽しいことやなりたいもの、大事なことに名前を付けるとしたら『市川雛菜』になった」と言い、「これからも『市川雛菜』をよろしくお願いします」と最後を締め括りました。
場面は現在のG.R.A.D.優勝後に戻りますが、なにやらその雛菜の出した「進路調査書」が前代未聞!と話題になっているようです。そりゃそうだ。でも雛菜の存在が前代未聞と騒ぎ立てられるのはなんか雛菜の実装時を思い出しますね。
雛菜はそんな前代未聞の答えを「いい答えが出せたでしょ?」と言い、シャニPもそれに頷きます。「自分はアイドルになりたくてなったわけじゃないから『アイドルはこういうもの』とか言われても分かんない」「だから自分は自分になればいい」と雛菜は言い、更には「もう『アイドル』を雛菜にしちゃえばいいんだ!」とまで言います。うおお…!なんだその力強さは…!!
そんな雛菜の言葉をシャニPは笑いながらも、「なんでか雛菜にならできる気がする」と言ってあげて、やっぱり雛菜はそんなシャニPの言葉が嬉しそうで、「雛菜もそう思う!」と口にしました。俺もそう思う~~~~~!!!!!(クソデカ頷き)
雛菜はこの「恋ませ」という番組の中で、台本に従いながらも自分はアイドルという夢や応援してくれているみんなのためにアイドルをやっているというトールや、トールのことが好きだという恋の気持ちを優先して茨の道を行こうとするモデルの子とのやり取りにおいて、自分はどうしたいんだろう、何になりたいんだろうと悩んでいました。
「アイドル」というのはその在り方に真摯で誠実な姿勢が求められがちで、それは言ってみればそれらしい「夢」を持っているべきという感じです。まさにトールがこの番組内ではそういうポジションだったわけですが、そのトールは「夢」のためか番組の台本のあるリアルじゃない流れに従って動いていました。つまり周囲に求められる行動を取っていたということです。一方モデルの子の方は台本っぽい流れのように見えて、もしかしたら本当にトールに思いを伝えたいと思っていたかもしれなくて、そんなどうしても自分はこうしたいという「恋」のためにそれはもう背水の陣とでもいうべき覚悟で出演していました。こちらはつまり、周囲の期待も将来も何かも無視して自分の気持ちを優先したということになりますね。
この「夢」と「恋」の双方に触れた悩める雛菜が出した答え、それは「『市川雛菜』に恋をする」ということでした。それは「アイドルでいることも、自分のこうしたいという思いもどっちも諦めない」という力強い覚悟です。今までの中でも見てこれたように、周囲の空気を敏感に読み取り、それでいて自分の幸福を最大限に追求する『市川雛菜』という在り方を用いれば確かにどちらも貫けるはずなんですが、それは物凄い大変なことだよなあ…言うのは簡単でもそうそうできないよ。でも雛菜はそうありたいとこの時点で覚悟を決めていて、そうだとするとシャニPも物語中で『プロデューサー』であろうとしていたのも納得ですよね。そりゃこんな強い覚悟を見せられたら引っ張られちゃうよ。かつてはシャニPも雛菜が利己的で空気の読めないように思える行動に振り回されていましたが、今のシャニPはそんな雛菜の振る舞いの裏に色んな想いがある事をきっとわかっていますからね!
そんな答えを出していた雛菜はG.R.A.D.への挑戦を始め、やはりそこでも『市川雛菜』として結果を出そうとしていましたが、今度はその中でその『市川雛菜』という、雛菜自身の最大の「しあわせ」を追求するという姿勢が周囲の応援してくれる人々=「すきな人が自分の全部になっちゃってる人」を巻き込んでしまっているのかもしれないという可能性に気づき、また悩んでしまいます。やはりこの状況はどうしたって雛菜に「自分のしあわせだけ考えてていいのか?」という問いを投げかけるように思えます。トールの「みんなのためにアイドルやってる」という言葉がリフレインしますね。あのシャニPですら雛菜にW.I.N.G.編で「もっと周りのことを考えろ」と説教してしまったことがあります。
ただ、そんなこと言われなくても雛菜はそういうことをわかっていますし、それだからこそ出したのが「自分は自分、他人は他人」という例のしあわせ理論武装のはずですが、やっぱりそんな簡単には割り切れなかったんでしょう。雛菜だってまだまだ少女で、そういう不特定多数の人間たちの存在によるプレッシャーで悩むなというのは無理筋です。
それでも最後に雛菜が出した答えは、「それでも自分は『市川雛菜』でありたい」というものだったというのが最高ですね。彼女は最後までブレずにG.R.A.D.を走り切りました。「恋ませ」のオンエアを見たトレーナーさんの反応なんかから、きっと雛菜は「自分が頑張ってしあわせを追求すればそれがみんなのしあわせにもなる」と思って、というかそう信じたくて頑張ったんじゃないかなと思います。【♡LOG】のTrueコミュでもそうで、雛菜は自分のしたことで他人が喜んでくれるということを実はあまり信じられていないようですが、実際にそういう事実に直面すると雛菜は嬉しそうにします。きっと「自分が自分のためにやってることを見て、それでしあわせになってくれる人がいたらいいなっていつも思ってる」というのはやはり雛菜の在り方というよりかはひとつの願いなんだと思いますが、このG.R.A.D.を最後まで『市川雛菜』として走り切ったのはこの願いを現実のものとする一歩になったはずです。それが、「『アイドル』を『市川雛菜』にしちゃえばいい」ということなんです。きっと「自分のためにやりたいことが他人のためにもなる」というのは難しいことですが、シャニPの言う通り、雛菜ならきっとできる気がしますよね!
雛菜がこの「恋ませ」やG.R.A.D.を通してぶつかった悩みはとても大きなもので、それは一種アイデンティティを揺るがしかねないものだったのだろうと思います。それでも最後まで自分を貫き、しかも他者まで巻き込んで「しあわせ」にしてやろうという決意を抱いた、それが彼女の進路、「Answer.Hinana.Ichikawa」です。きっとこれはまだ15歳の彼女にはとても難しい進路でしょうが、彼女はもう胸に覚悟を抱き、前へと走り出しています。そんな雛菜の後姿を見るとどうにもこっちも応援したい気持ちが溢れ出てきて止まらねえな!!きっとシャニPもそうでしょう。
「すきな人が自分の全部になっちゃってる人」という存在、それは向こうのファンの人たちのことも当然ですが、きっと283のアイドルのことばかり考えてるシャニPも、そしてきっと我々オタクもそういう人なんですよ。だからこそ雛菜の幸福を願って止まず、応援してあげたくなるのです。この雛菜の覚悟の先に、碧い風の吹く先に、しあわせが待っていますように!!いっぱい生きて、いっぱい「しあわせ」になってくれ、雛菜!!
幸福を作りあげるところの関心の種類は、人々を観察することを好み、彼らひとりひとりの特色のうちに喜びを見出すような種類のものであり、また接触をもつに至った人々の上に権力をふるうとか、あるいは彼らの熱烈な賞賛を得ようなどとは考えないで、彼らのもっている関心や喜びに機会を与えたくなるような種類のものである。他人に対する態度がほんとうにいま言ったような種類に属する人こそ幸福の源泉であり、かつお互いの親切を受け取るところの人であるだろう。
バートランド・ラッセル「幸福論」より
感情置き場
疲れた…(瀕死)。ノクチルに限った話じゃないけどG.R.A.D.は内容が濃すぎる…。雛菜も大概読み取りが難しくてかなり時間を要してしまいました。おかげさまであんまり内容に自信がないですね…だいぶしっちゃかめっちゃかな気がしていますが吐き出さないと死にそうだったので…まあこれただの感想文やし…(自己正当化)。
そんな雛菜のG.R.A.D.編、結構「やっぱり雛菜はいつも通りだった」みたいな意見も見えた気がしましたが、正直なところ今回の雛菜はかつて無いほど悩んでいたように思います。しかもその悩みは「自分はどうなりたいの?どうしたいの?」というTHE・思春期中高生みたいな悩みで、色々身につまされる感じがします。雛菜のえげつないほどのしあわせ理論武装なんかをぶつけられると、どうしても我々のようなオタクはすぐ「雛菜つよい」とか言って茶化してしまいますが、それは一種の放任ですよね。雛菜にそういう「強さ」を押し付けてしまっているように感じる時があります。
ここで引き合いに出すべきかどうかわかりませんが、3rd東京2日目に関根瞳さんが思うところあってか泣き出してしまったのを見た時も同じ気持ちでした。あの時も私は一瞬「ひとみんが泣くなんて…意外だ」と思ってしまったのですが、それを意外だなんて思うのはやはり今までの関根さんの年齢不相応などっしりとした在り方の背景を考えることなく、勝手に「強さ」を押し付けていたからだと思います。とんでもないプレッシャーがかかっているのは当たり前なのにね…ほんと失礼な話だぞ俺。反省しろ。
とまあそういう感情もありまして、やはり雛菜を見る時も気を付けなければと思うわけです。そうやってみるとこのG.R.A.D.編の雛菜は、見え辛いんですけど確かに悩んでいて、『市川雛菜』であることに葛藤を感じさせます。ただそうだとしても、雛菜は悩んで考えて、その末にしっかりと自分自身としての答えを出せています。雛菜の本当の強さっていうのは、よく言われるような、地頭の良さから来るやたらとドライで過度に合理的・利己的なように思える言動の方ではなく、そんな立ち振る舞いを維持しながらも自分のことも周囲のことも考えながら踏ん張って前を見据えられる芯の強さだと思います。それを完全に示してくれたのがこのG.R.A.D.編だったなと思っていて、だからこそ雛菜が進路調査書に『市川雛菜』と書いたと分かるエンディングコミュではもう膝から崩れ落ちるほどの思いでした。最高じゃない?あそこのカタルシスと言ったらそりゃもうって感じでしょ。やっぱり凄いよ雛菜は!!はぁ~~~(感情肥大)。
さてここいらでまたこじつけちゃうぞのコーナーです。勝手に恒例にしていますが誰もついてこれていないでしょう。なんかもうこじつけないと気が済まないんだよ!!(深読み症候群)
これまでのノクチルG.R.A.D.編で読み取ってきた共通のテーマとして、それぞれ「まわるもの」がテーマとしてあって、それは物事には明確な始まりや終わりが無いという意味で「終わりと始まりは渾然一体としている」という部分があると読んできました。そしてやはり、この雛菜のG.R.A.D.編もそうなっているという風にこじつけることに成功しました(実験成功)。
この雛菜のG.R.A.D.編、なかなか特殊な物語の構造をしていますよね?「恋ませ」の収録を終えて、そこで悩みにぶち当たりながらも自分は『市川雛菜』でありたいという答えを得てG.R.A.D.に挑むという、物語の主体であるG.R.A.D.の前にもうひとつ物語があるという形です。そしてそのG.R.A.D.に挑む過程で、また同じように悩みにぶち当たり、そしてそれを同じように乗り越えてまた同じく自分は『市川雛菜』でありたいという答えを確認して物語は幕を閉じます。これって要は物語を2周してるって言えませんか?これって「まわるもの」なんですね~。
また、「恋ませ」の収録が終わったと同時にG.R.A.D.への挑戦が始まったということ、それは円香のG.R.A.D.編でも言及される「何かの終わりは何かの始まり」という構図を示しているように思えます。そういう意味で「恋ませ」の最後に雛菜の出した答えはひとつの「始まり」であったという風に言えますが、その「始まり」の描写がこのG.R.A.D.編でのエンディング、つまり「終わり」に配置されているというのが「終わりと始まりは渾然一体としている」というテーマそのものとして機能しています。こういう時系列を混ぜ合わせた形にすることで、物事には明確な始点と終点はないというのを物語の構造そのもので示してきたように感じられますね。しかも回想とかを用いるんじゃなくて、番組の収録とオンエア終了までに時間差があるというあまりに自然な形を用いて。なんか凄くないですかこれ?ただの深読みのし過ぎだって?そうだよ(肯定)。
さてそんなこんなで雛菜の記事も終わります。ようやく4人分終わった…。自己満足でやってるとは言え大変だったぜ…(遅筆)。とは言え今年の間にまた共通コミュとしてLanding Pointが実装されるかと思うともう気が狂いそう!!脳が壊れちゃうよ。これから2枚目のCDリリースとかもあるし越境夏コミュも来るだろうしでなんか楽しみだな!
なんにしてもここまで読んでくれた方、もしいらっしゃるなら人生の貴重なお時間を頂きありがとうございました。またどこかでお会いしましょう。それでは~。やは~~!!