推敲から逃げている
師走に入り寒さが増した。もうひと月でお正月とは……一年もホントあっという間です。なんか毎年どこかで同じようなことを言ってます。原稿を仕上げる過程のことを少し……。
一週間ほど前、50枚ほどの小説を書き上げた。まだ下書き程度のレベルだ。ここから推敲を重ね仕上げていく。ここから5回6回と直しを入れる。遅筆なのだ。生まれたての原稿が机上にさらされている。その原稿から顔を背けている。最初から分かっている。どこに手を入れなければならないか。主人公のキャラ、脇役との人間関係、舞台背景、通奏低音たる思想。書き直すべき部分がどの箇所にありその深度も見えている。見えているのに逃げている。完成させられるか、と原稿が突きつけてくる。その迫力に圧倒され尻込みしている。逃げていたのでは始まらない。もっともっと書かないとうまくならない。野球と同じように、ギターと同じように、ドラムスと同じように、女の子を口説くのと同じように、フォーム、運指、スティックのしなり、相手を気分よくさせる言葉が澱みなく出るように、目を閉じていてもできるように、鍛錬と経験を積まねばならないのだから。
完成までホントなかなかです……。
文芸たまゆら 編集長