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[現実]ロー入試までにどんなことしかできなかったか 【ロー入試 雑感】




◯自己紹介と記事について

こんにちは、ikaruga です。

私は、神戸大学法学部に在籍していて、今年度ロー入試を受けました。結果は以下の通りです。幸いにも、会場に行った受験は全て合格をいただくことができました。

慶應義塾大学法科大学院 ⇒ 不合格✖️(台風のため不受験)
大阪大学法科大学院 ⇒合格 🌸
神戸大学法科大学院 ⇒合格 🌸
京都大学法科大学院 ⇒合格 🌸

※GPAは3.63で、TOEICは805点でした

結果だけ見ると華々しいかもしれませんが、正直なところ、かなりギリギリの受験をしていました。自分は、法曹コースに入れておらず、ロー入試の情報を集めるのに苦労していたので、誰かのためになればと思い、入試の振り返りを書きます。

予め注意なのですが、最短合格を目指して在学中に予備試験に合格したいとか、早期卒業してローに行くぞという人には物足りない記事だと思います。

読み手として念頭にあるのは、法曹コースに入りそびれたとか、部活やサークル、バイトに打ち込んでいたらロー入試対策に出遅れてしまったという3・4年生。そして、大学生活で部活やサークル、バイトもちゃんとやりながら、法曹にもなりたいという1・2年生に向けてこの記事を書きます。

私が、そんな1・2年生だったし、そんな3・4年生だったからです。記事の内容にも関係するので、以下、簡単に私の大学生活を書きます。

私は、2年生の前期までは、専ら政治学の授業ばかり取っていて、本格的に法律の授業を履修したのは2年生の後期でした。法曹コースにも入れていません。実のところ、入学当初は、大学では政治学をやりつつ、予備校利用(伊藤塾)で予備試験に合格するという壮大な目標を掲げていました。しかし、そうはいうものの、サークルやバイトも本気だったので、かなり早い段階で予備校の授業は全く受けなくなってしまいました。流石にまずいと思い、2年生後期からは1つ下の学年の早期卒業のカリキュラムに合わせて大学の授業を履修し、これをペースメーカーに学習を進める方針に変えました。

ロー入試対策に全振りしたのは、3回生が終わった後の春休みからです。ここで、自主ゼミを組み、ここからは自主ゼミをペースメーカーとしながら受験勉強をしていきました。自主ゼミについては、またの機会に記事を書こうと思います。

学外活動は、2年生までは、活発なサークルで活動に打ち込んでいました(週3回程度の活動)。バイトに関しては、103万円ギリギリまで4年間働き続けました。手を出したならちゃんとやりたいという思いがあり、何足の草鞋だって履いてやるぞという心意気だけはありました(法律だけは置いてけぼりになってしまったのですが)。

今回は、2つの記事を書きます。

前編は、「[現実]ロー入試までにどんなことしかできなかったか」という記事です。この記事では、実際に私がどんな勉強をロー入試までにどんなスケジュールでやったかということを書きます。こんな完成度でも合格するのかという点と、最低限これはやっていたんだなというところを伝えたいと思っています。(←今回の記事はこちらです。)

後編は、「[理想]ロー入試までに何を本当はしたかったか」という記事です。この記事では、自分がもう1度、神戸大学法学部の1回生に戻れたら、最大限にサークルやバイトもすることを前提に、どんな勉強をどんなスケジュールでするかということを書きます。初学者〜ロー入試という時期の勉強において、どの教材でどうやって勉強すべきか書きます。予備校利用は可能な限りなしで、基本書中心の学習プランを書こうと思います。


◯構成

それぞれの科目について、以下の項目に分けて書きます。
①学部成績
私の学部成績です。どの時期にどの程度仕上がっていたかの目安にしてください。
②大学4年間の振り返り
淡々と、どの時期にどういった勉強をしたか書いていきます。
③ロー入試の振り返り
ロー入試でどのくらいのことができたか書きます。必要に応じて傾向や対策についても触れます。あと、便宜上、何が出題されていると考えているかや試験本番にどんなことを書いたかも書くんですけど、これは内容としては間違ってる可能性が全然あるので、「この問題の解き方ってこれが正解筋なんだ」みたいな位置付けでは読まないでください。
※開示が出来次第、ロー入試の各科目の点数も載せようと思います。

また、学習の中で使った教材は【◯◯】という形で略称を用います。
別の記事でamazonのURLと共に教材はまとめているので、気になった教材があれば、そちらを適宜参照してください。


◯憲法

・1回生2Q:憲法(統治)→優
・4回生1Q:憲法(人権)→優
・4回生前期:応用憲法 〈判例学習〉 →優

*大学4年間の振り返り*
取り掛かる時期が遅かったものの、最も自信を持って受験に臨めた教科が憲法だったと思います。

憲法を本格的に勉強したのは4回生の前期になってからです。1回生の2Qの憲法〈統治〉はオンライン試験だったので、まともに勉強せず、問題が出題されてから予備校教材を見ながら何となく解答したという記憶です。

それから長年の時を経て、4回生の1Qに憲法(人権)、4回生の前期に応用憲法を履修しました。それまでに、伊藤塾の基礎マスターは受けていた気がします。ほとんど、理解はしていなかったと思いますが、大枠は知っているくらいの理解だったかなと思います。

4、5月は憲法しかやっていなかったんじゃないかというレベルで憲法に時間を割きました(ほぼ理解がゼロというレベルの教科だったので)。この期間にやったことは、憲法(人権)の授業進度に合わせて【芦部憲法】【百選】を読み、授業後に【基本憲法】【憲法の流儀】を使って、判例を使って答案を書くということです。【基本憲法】の章末問題を使って演習をしていました。あと、授業担当者が編者だったこともあり、最重要判例については【精読憲法判例】を使って原文を丁寧に読むようにしていました。テスト前には、授業担当者がいくつかの事例問題(解答付き)を公開してくれたので、これを中心に目的手段審査など憲法の答案の書き方を最後に確認しました。とはいえ、事例問題の出題は、平等権、政教分離、表現の自由、職業の自由あたりにヤマを張っていて、すべての人権について答案が書けるレベルで仕上がっていたわけではありません。

応用憲法はゼミ形式で最新判例を学ぶ授業だったので、授業に合わせて、前提となる知識を【芦部憲法】【基本憲法】などで確認して、該当の判例を読み、【精読憲法判例】に記載のある判例はこちらも確認するという形で学習しました。憲法は、【百選】の以前の改訂から少し時間が経っており、最新判例の掲載がないので、最新判例が手薄になりがちです。そして、掲載のない判例についてもロー入試で出題されるレベルの重要判例がいくつも存在します。この授業が、最新判例について目を向ける機会になったのはよかったかなと思います。

そして、夏にかけては、【ヨビロン】の赤坂先生のセミナーをいくつか受けて、3、4年分くらいの予備試験過去問を解きました。慶應ローの憲法が全く書けなかったので、悩んでいたところ、赤坂先生の憲法の授業はかなり分かりやすかったので、8月に【ヨビロン】の憲法を購入し「全人権・解説動画」のパートを受講しました。憲法は論証を作成せず、【ヨビロン】をそのまま使っていました。

【ヨビロン】憲法でかなり実力がついた自覚があり、あとはこれを覚えればいけるという確信があったので、人権についてはロー入試まで、ロー入試の過去問しかやっていません。それぞれのローについて1、2年は書いてみて時間配分だけ確認しましたが、ほとんどは答案構成のみだったと思います。

京大の第2問は統治が出るので、神大入試が終わってから、京大入試までの間に統治の対策をしました。統治は、司法試験・予備試験で出題されることも少なく、できる限りコスパ良く乗り越えたいと思っていました。一方で、受験生全員がこのように考えるとしたら、対策している人は少ないはずだから、逆転合格にはここで爆発させたいとも思っていました。

具体的な学習としては、【新四人組】のⅡ(総論・統治)を使いました。まず、国内の主要なローの過去問を見て、統治分野で出題された範囲を【新四人組】で引いて、そのページに正の字と付箋をつけていきました。そうすると、かなり範囲が絞れ、かつどの範囲が主題されやすいか分かりました。国内で直近に全く主題がない範囲については捨てて、付箋をつけた範囲をとにかく読み込みました。

*ロー入試の振り返り*
入試においても、憲法はすべての大学で自信を持って回答ができた教科だったと思います。

・阪大:?/50点
岩沼市議会議員出席停止事件判決の理解が直接に問われる問題が出題されました。統治分野かつ【百選】未掲載の最新判例です。この判決は、【ヨビロン】に論証が載っていたので軽く覚えていたのと、行政法百選で事例と判旨の確認はしていたので、出題者が求めているものは最低限書けたかなと思います。憲法は1科目目だっとので、試験会場で不安感が解けたのを覚えています。

・神大:?/50点
説明問題と事例問題の出題でした。説明問題は長すぎず短すぎず思いついたことを書きました。事例問題は、神大ローあるあるの時間内に拾い切ることがほぼ不可能なレベルの量の事情が散りばめられた問題でした。先に刑法を仕上げてしまってから、余す時間の限り、問題作成者の顔を浮かべて書いて欲しそうなことを考えて、事情をとにかく拾って評価しました。完解する場合の記述量に対して配点が低い気がするので、この作戦が私は正しいと思っています。

・京大:?/100点
第1問は人権分野からの出題です。京大は過去問を見ていて基本的に2つの人権から違憲性を審査することが想定されていると思われました。そのため、今年も問題を見てどの人権で切り取るかまず確認しました。色々と考えましたが、私は、今年の問題は、取材の自由に絞って法令違憲と適用違憲の2つのアプローチで書くという形にしました。

第2問は政党の自律権についての出題でした。直近2年は京大はマイナーな論点からではなく、司法試験や予備試験でも出題可能性がありそうな論点を扱っていたので、政党の自律権は重点的に勉強している範囲でした。あと、この問題は政治学を真面目にやっていたことが活きて、背景にありそうな事件を知っていたので、書くべきこともある程度分かりました。後述するように行政法は2つ目の問題が全くわからなかったので、ここで攻めようと考えて行政法の時間も使い、かなり厚く書きました。


◯民法

・2回生後期:民法Ⅰ(総則)→良
・3回生後期:民法Ⅲ(債権各論)→優
・3回生後期:民法Ⅴ(親族・相続)→良
・3回生後期:民法ゼミ →優
・4回生前期:民法Ⅳ(物権・担保物権)→良
・4回生後期:民法Ⅱ(債権総論・担保物権)→?
・4回生後期:応用民法 〈事例演習〉→?

*大学4年間の振り返り*
民法は、学習が間に合わず、苦手教科のまま終わってしまいました。正直、私のような勉強ではダメで、もっと早くから効率よく勉強をする方がいいです。全体像を掴むのが遅くて何と何がつながっているのかよくわかっていませんでした。【理想】の方の記事でおすすめの学習法を書くので、こちらも読んでください。

学習を始めたのは、2年生の後期で、民法Ⅰと並行して伊藤塾の基礎マスターを受講して総則は固めました。その他には、授業レジュメと【佐久間総則】を学習に使っていたと思います。3回生前期は、後述の通り、商法ゼミで忙しかったため、民法にはノータッチでした。したがって、ロー入試の1年前時点で、総則しか終わっていなかったことになります。

「民法を制するものは、司法試験を制する」という言葉を知っていたので、民法の重要性は認識していました。この辺りで、民法がロー入試までに間に合わないかもしれないと焦り始めました。そこで、3回生後期には、民法ゼミに入り強制的に民法を学習する環境に身を置きました。ゼミの内容は債権法に関する判例学習だったと思います。ここで、なんとか債権法の基礎マスターを受講しました。

3回生後期には、他に民法Ⅲと民法Ⅴを履修していました。この時期は、予備校学習は自分には向いていないと気づき始めていた時期だったので、基礎マスターと並行して、【潮見総論】【潮見イエロー】【窪田家族法】を使いながら、債権法と家族法をじっくりと勉強しました。3回生後期は民法に全ベットといっても過言ではなかったと思います。

後期試験が終わってからも、春休みのうち2月は民法に全ての時間を割きました。神大の民法Ⅰ〜Ⅴの過去問を自主ゼミで扱っています。とにかく民法の学習を1周終えて、それぞれについて問題演習ができました。ただ、無理やり1周終えただけで、手薄な範囲も依然として多かったと思います。

4回生前期は、民法Ⅳで物権・担保物権を学びました。ここで、【安永物権】を読みました。物権・担保物権はかなり手薄になっていましたが、物権変動と抵当権は何とか形になったと思います。担保物権は、抵当権以外は捨てていました。

ロー入試までの期間は、他教科とのバランスから、民法にあまり時間を避けなかったです。過去問演習をして、手薄だと気付いた範囲を基本書で読み直して復習するという流れで勉強を進めました。過去問演習は答案構成のみがほとんどだったと思います。民法は、範囲があまりに広いので、苦手を発見次第、潰していくというこの勉強法は良かったと思います。弱点克服には、演習書として【サブノート】を使いました。

あとは、時期を忘れてしまったのですが、夏休みのどこかで矢島先生の【珠玉の41問】という講座を受けました。この講座で答案を請求と反論の形で書く方法を学びました。また、どういった主張をしたいときにどういった法律構成が考えるかという視点で知識が整理されたと思います。

神大と京大(あとは、慶應もそうだった気がします)は、いわゆる予備校の論点そのままの問題というよりも、民法の本質的理解や条文を使って答案を書くということが求められているという気がしました。そこで、論証をがっちり覚えるよりも、民法的な思考を育てる方が重要だという意識で勉強をしていました。

まずは、しがいさんの民法次世代論証集を使って、この論証集に記載のある条文は素読をするという学習をしました。また、論証を覚えるというより、論証集を重要論点のまとめノートとして活用して理解しつつ読んでいくという形で勉強をしていました。

*ロー入試の振り返り*
物権・債権共に担保分野が後回しになって、結局分からないままでした。正直なところ、民法は未完成のままで入試を迎えてしまいました。

・阪大:?/100点
心がしっかりと折られた記憶があります。責任財産の保全が出たと記憶しています。この範囲は、ほとんど分かっていなかったので、条文で何とか書いたと思います。他にも物権範囲からの出題があったと思いますが、手応えが全くなく、唯一配点の高い民法がコケたと確信しました。メンタル的にもキツかったです。

・神大:?/100点
2問とも物権からの出題で少し驚きました。1問は即時取得の問題で、こちらは典型問題だったと思います。そこそこ書けていると思います。2問目は譲渡担保からの出題でした。阪大に続き、またもや苦手分野の範囲です(ほぼ、ノータッチレベルでした)。

ただ、神大の受験生の中には、譲渡担保を正確に理解している人は必ずしも多くないと試験中に思い、とにかく担保物権であることを意識して本質から考えてできる限りの論証をしていこうと決意しました。ロー入試後、譲渡担保の復習をしましたが、大外しはしていないような気がします。

・京大:?/100点
私が民法が苦手だったからかもしれませんが、難しかったと思います。自信がなかったので、あまり深入りせずに、少し民事訴訟法に時間を分けた記憶があります。

第1問は所有権留保が出ていました。阪大・神大に引き続き苦手分野の範囲からの出題です(こんなに出るなら、担保物権だけでも理解を固めておけば良かったと後悔しました)。なお、本番は、所有権留保という概念すら知らなかったので、神大の2問目と方針は限らず、それぞれの制度の本質に戻りつつ、当事者ならどういった主張ができるか(したいか)を考えてとにかく書いていったと思います。不当利得とか書いた気がします。

第2問は、契約不適合責任からの出題でした。書くべきことは書けたと思います。答案構成を見直したのですが、何を書いたのか自分でもあまり思い出せず、こちらの問題はよく覚えていません。確かなことは、第1問よりはできると思ったので、厚めに書いたということです。


◯刑法

・2回生後期:刑法Ⅰ 〈総論〉 →良
・2回生後期:法解釈基礎 〈事例演習〉→秀
・3回生前期:刑法Ⅱ 〈各論〉 →不可
→再履修)4回生前期:刑法Ⅱ 〈各論〉 →良
・4回生前期:応用刑法 〈判例学習〉 →秀

*大学4年間の振り返り*
学部成績を見るに、得意なのか苦手なのか分からないですが、刑法は得意教科であったと思います。

刑法は、1回生の後期に手をつけていて、伊藤塾の基礎マスターで総論分野を受講しました。そして、しばらく触っていませんでしたが、2回生の後期に法解釈基礎と刑法Ⅰを履修しました。法解釈基礎は、【サブノート】の主に共犯の事例演習をするという内容でした。とても楽しく、共犯については、ここで抵抗がなくなったと思います。刑法Ⅰは、試験問題が合わず、あまり奮いませんでした。

3回生前期は刑法Ⅱを履修しましたが、試験には行かなかったので、不可となりました。学習自体はしっかりとしていて、【基本刑法】も読んでいました。しかし、2、3日前にまとめノートをバスで紛失してしまい、ついには見つからず、精神的にやられてしまいました。刑法Ⅱの試験日は商法Ⅰの試験日と被っており、かなり厳しい試験日だったので、戦略的に単位を落としました。これは、来年に再履修して優・秀を撮るほうがGPAは高くなるだろうと考えたためです。(もっとも、4回生前期の再履修のテストは偽造で失敗し、「良」がついたので、この試験に行っていても変わらなかった気がします。)

とはいえ、3回生前期時点で、刑法は学習が一通り終わっていたので、後期には問題演習に入れました。伊藤塾の問題研究を半分くらいやった気がします。このときに、論証作成もやりました。刑法は答案の書き方に慣れが必要なので、早い段階で答案の書き方を一通り掴めていたのは良かったと思います。春休みには、自主ゼミで、刑法Ⅰと刑法Ⅱの過去問を扱いました。あやふやだった範囲を少し修正できたかと思います。

4回生前期は、応用刑法と刑法Ⅱの再履修をしました。応用刑法は【百選】に未だ掲載のない最新判例の判例学習でした。これまでの理解を確認する機会にもなりましたし、最新判例のインプットもできて、一石二鳥でした。刑法Ⅱのテスト前は財産犯が苦手だったので、財産犯を中心に【徹底チェック刑法】で演習を積みました。あとは、刑法各論は条文の定義を覚えることも重要なので、その整理もこの時期にやっていました。

夏休み以降は、過去問演習を進めました。刑法は全ての教科の中で、最も起案した科目でした。どのような構成をとるべきかや何を厚く書くべきかの判断が一番難しい科目だと感じていたからです。逆に慣れてきた10、11月は、答案構成が楽な教科になったので、直前期は最も書かなかった教科でもあります。

*ロー入試の振り返り*
みんなが書けてそうなことは書けた教科だと思います。論証暗記に自信があったので、試験中は問題文中の事実評価に全振りすることができました。

・阪大:?/50点
総論分野からの出題だったと思います。覚えてきた論証を組み合わせつつ、可能な限り事実を評価するという姿勢で書き上げました。最後の教科で疲れていてあまり記憶がありません、すみません。

・神大:?/100点
事例問題は、窃盗と詐欺の区別、間接正犯が出たと思います。当たり前に思えることも丁寧に言語化して、可能な限り事実を拾いました。刑法は、憲法と同じ時間に行われて、憲法が時間がかかる問題であることが多いので、できる限りコンパクトに収めて、時間を憲法に回すという意識で解いていました。

・京大:?/100点
第1問は、騙されたふり作戦からの出題でした。不能犯の論点をドロップしましたが、それ以外は判例との整合性はともかくとして、丁寧に論証できたのではないかと思います。

第2問は、誤振込みに始まり、財産犯盛りだくさんという感じの問題でした。京大の刑法あるあるなのですが、論点がかなり多く、何をどこまで書くかに非常に迷いました。余力がある人はやっぱり刑法についてはフルで起案した方がいいかもしれません。時間制限を身をもって体感しながら、どこまでの論点を展開し、当てはめをするかを判断する練習になるからです。


◯商法

・3回生前期:商法Ⅰ 〈会社法〉→優
・3回生前期:商法ゼミ(Sゼミ)〈事例演習〉→優
・3回生後期:商法Ⅱ 〈商法総則・商行為法〉→優
・4回生前期:応用商法  〈判例学習/事例演習〉→秀
・4回生後期:商法ゼミ(Sゼミ)〈判例学習〉→?
・4回生後期:商法ゼミ(Yゼミ)〈論文検討〉→?

*大学4年間の振り返り*
学部中、最も向き合う機会の多かった教科が、商法ではないかと思います。

3回生前期に、学内で最も厳しかったとも思われるSゼミに入り(3年生は1人でした)、商法Ⅰと同時並行で問題演習を積みました。ゼミでは、前半は【ひとりで学ぶ会社法】の指定問題、後半は京大ロー第1問について公開されている過去問といくつかの予備試験過去問を扱いました。担当者のみが起案というわけではなく、参加者全員が全問を起案し、お互いに添削し合うという形だったので、かなり実力がつきました(初学者にとっては、泣きながら付いていくというレベルできつかったですが。)。神大生には、S先生の担当されている事例演習のゼミあるいは応用法律が開講されているなら、履修することをおすすめします。

この時期は、自転車操業だったので、伊藤塾の基礎マスターの受講をして、論証を確認し、問題を解くという流れで学習を進めました。条文や判例については結構いい加減な理解だったと思います。しかしながら、他教科に比べ相対的には、3回生前期終了時点で、商法は形になっていたと思います。

3回生後期は、商法Ⅱで商法総則・商行為を勉強しました。授業にはほとんど行っていなかったので、【スタンダード商法Ⅰ】で勉強しました。薄くて読みやすくて良い教科書だったと思います。この時期に論証も作成しました。

4回生前期に入って、応用商法(Y先生)を取りました。応用商法は、前半が判例学習で、後半が事例演習でした。演習は、【ケースで探索・会社法】の指定問題を解くというものでした。また、S先生が商法Ⅰを担当されていたのでその授業にももぐって講義も1から聞いていました。この時期は、授業と並行して大雑把に理解していたものを判例や条文に即して勉強し直すという時期だったかなと思います。この勉強を3回生からやっていればとも思いますが、3回生の学習で全体像が見えていたからこそできたとも思えますね。

具体的にした勉強は以下の通りです。商法は、条文操作と判例がかなり重要な科目だと思っていたので、しがいさんの会社法次世代論証集を使って、この論証集に記載のある条文は素読をするという学習を始めました。そして、【紅白本】を読み、【判例集】で判例をチェックするという流れで学習しました。このタイミングで論証作成もやったと思います。この過程で、徒に暗記していた論証パターンが条文や判例と紐づきました。

4回生後期は、再び、Sゼミを履修しました。このSゼミは事例演習ではなく判例学習でした。どの回も最重要レベルの判例を扱ったので、判例の復習の機会になってよかったです。また、Yゼミも履修しました。Yゼミは論文を読むという内容で、これは試験的にはオーバーワークな面もありました。ただ、仮装払込や監視義務など、自分の理解が浅かった点に気づくきっかけにもなりプラスではあったと思います。

ロー入試に向けての対策としては、商法は過去問演習以外には特に何もしていなかったと思います。事例演習の回数が他教科に比べて既に多く、前期に基礎からもう1周できていたからです。条文の素読、論証集(追記によりまとめノートに近かったですが。)と判例集を回すということを直前期にやったくらいです。

過去問の起案については、商法は比較的やった方だと思います。ただ、それなりに書ける能力があったから挑戦してみたいと思っただけで、過去問起案を必ずやるべき教科かというとそうでもない気がします。ただ、事例演習の経験が詰めていない人は、過去問なり演習書なりで起案をするという経験は絶対にしておくべき教科だと思います。2回生のときの私のように、論証を覚えていても条文や事例と結びついていないことが多い教科なので。

あと、手形・小切手法については、京大ローで出題がちらほらありました。ただ、昨年度は出題がなく、もう出題はされないという評価も可能でした。可処分時間との関係で、この評価に乗っからざるを得ず、捨てざるを得ませんでした(実際には、出題されましたが笑)。現在も、知識0です。

*ロー入試の振り返り*
かなり勉強した割には、振るわなかった教科だったなと思います。

・阪大:?/50点
事例問題は、新株発行についての問題でした。準備していた論証を書きました。配点は、それほど多くなかったので、書きすぎないことを意識して書くべきことを書いたと思います。説明問題は、たくさん時間を使って考えましたが、結論が出せず、頓珍漢なことを書いた気がします。

・神大:?/50点
会計帳簿の閲覧拒否事由が出ました。マイナーからの出題でしたが、京大ローの過去問で出題が過去にあったので、論証化して暗記ができていた範囲でした。満足のいくものが書けたと思います。S先生とY先生がいずれも試験官で、試験中に横を通るので、絶対に間違えられないなと思いながら書いたのが印象に残っています。

・京大:?/100点
第1問は、指名委員会等設置会社における問題でした。よく分からなかったですが、周りも分からないに決まっていると考えて、丁寧に条文を読むところから始めました。第2問の手形・小切手法の問題を捨ててるので時間はたっぷり使えました。どのくらい評価されたのかは分かりません。

第2問は、1問目は、利益供与だと珍しくすぐに気づくことができたので、規範を吐き出して当てはめを行いました。2問目は、手形・小切手法からの出題が復活していました。何も分からないので撤退しています。


◯民事訴訟法

・4回生前期:民事訴訟法Ⅰ 〈民事訴訟法Ⅱ以外〉→可
・4回生3Q:民事訴訟法Ⅱ 〈上訴・再審・複雑訴訟〉 →?
・4回生後期:応用民事訴訟法 〈事例演習〉 →?

*大学4年間の振り返り*
最も取り掛かるのが遅く、定期テスト前の学部生くらいしかできなかった教科です。【理想】の方の記事でおすすめの学習法を書くので、こちらも読んでください。

勉強を始めたのは、4回生の前期です。民事訴訟法Ⅰのテスト前に集中的に勉強をしました。【LQ】を丁寧に読み、【百選】も読みました。このときに論証も作成しています。しかし、なんと定期テストの評価は「可」でした。分かった気になっていただけで、全く分かっていなかったわけです。手をつけるのが遅く、さらには苦手科目であったことが判明し、民訴は絶望状態でした。

前期終了からロー入試までも向き合うことから逃げ続けてしまい、9月頃にやっと少しずつ過去問を使って勉強しました。しかし、この頃も今振り返ればほとんど分かっていなかったと思います。過去問は、起案するほど民訴が分かっていなかったので、少し考えてすぐ答えを見るという形で勉強していました。

すべてを助けてくれたのは、4回生後期に履修した応用民事訴訟法でした。この授業で、処分権主義、弁論主義、既判力だけは何とか受験生レベルの知識を手に入れることができたと思います。この授業に合わせて【LQ】【百選】は読み直していました。

それ以外の範囲は、伊藤塾の問題研究を使って、少し問題演習をして補強しました。しかし、あんまりよく分からず、不安なままでロー入試を迎えました。

なお、複雑訴訟(複数請求訴訟+多数当事者訴訟)は、阪大/神大では出題範囲が外れていたこと、そして京大でも長く出題されていなかったことから可処分時間との関係で捨てていました。そもそも、複雑訴訟は、4回生3Qに民事訴訟法Ⅱで並行して履修中でした。

*ロー入試の振り返り*
こうあるべきだという(私の中の)民事訴訟法の趣旨の理解と、とにかく全ての言葉の定義を丁寧に書いて、部分点を狙いにいくという方法で乗り越えました。

・阪大:?/50点
問題点については、気づくことができました。下敷きになった判例とは異なる結論を書いてしまったようですが、自分なりに理由づけをして書いたつもりです。絶対にコケると思っていただけに、傷は小さいのでは?と思い、嬉しかったです。

・神大:?/50点
訴訟物や自白原則などが出ました。応用民訴でしっかりと固めていた範囲だったので、自信を持って解答できました。本当に良かったです。

・京大:?/50点
神大に続き自白原則が出ていました、ここはしっかりと解答できたと思います。送達の問題もありましたが、丁寧に条文を指摘して解答しました。

釈明義務についての問題は、自分は論証などで見た記憶がなかったので、現場思考で論理の通った解答ができれば相対的に浮くだろうと思いました。民法の問題がよく分からなかったので、時間をたっぷり使って、考えうる結論のプラス面とマイナス面を比較しつつ厚く書きました。


◯刑事訴訟法

・2回生後期:刑事訴訟法 →良
・3回生後期:応用刑事訴訟法 〈事例演習〉 →優

*大学4年間の振り返り*
刑事訴訟法は、手をつけるのが早かっただけに、得意教科だったと思います。

2年生の後期に刑事訴訟法を履修して勉強を始めました。このときは、授業にも出ておらず、伊藤塾の基礎マスターを受けて論証を覚えるくらいしかしませんでした。捜査の勉強は進んでいましたが、訴因は全くわかっておらず、証拠は伝聞法則の大枠はわかっている程度で自白や違法収集証拠はイマイチという仕上がりでした。定期試験では、捜査と訴因から事例問題が1題ずつ出て、訴因の問題はできなかったです。

次に、刑事訴訟法を勉強する機会になったのは、3回生後期に履修した応用刑事訴訟法です。この授業では、担当の先生が過去にローの未修者のテストで出題した過去問題を使って事例演習を行いました。13問ほどあり、この授業で、主要な論点について深い理解ができたと思います。

他の履修者のレベルがこの授業は高く、予備試験合格者や3年次卒業、ロー入試前の4年生が7割以上を占めるという感じでした。自分よりレベルの高い人の答案を見る機会や、逆にコメントをもらう機会があり、答案を書く能力が高まっていく感覚がありました。それだけに、予習は丁寧に行っていて、出題される問題の該当する範囲の【LQ】【百選】を読み、答案構成を行っていました。これに並行して論証も作成しました。

この授業を経て、おおよその理解は済んでいたので、4年生になってからは、ほとんど触っていません。夏休み以降にロー入試の過去問を使って仕上げていきました。過去問は、できる限り起案をするようにしていました。刑訴は当てはめでの評価の仕方が重要な科目だと思っていたからです。論証を知っていても、どの程度で違法性のある捜査になるかなどは問題演習や判例の読み込みによってしか身につかないような気がします。演習しながら、理解が怪しいところは、【LQ】や【百選】に立ち返って、論証に追記して覚えていきました。

*ロー入試の振り返り*
刑訴は、本番も強かった教科だと思います。
実は、本番に強いといっても、ヤマを貼って論証をしっかりと覚えていたところが、ことどとく的中したというだけなのですが。

・阪大:?/50点
事例問題は、接見指定が出ました。あやふやな規範をなんとか吐き出して書いた気がします。語句説明は、確か3つ中の2つくらいヤマを当てた記憶です。さっさと書いて残り時間は刑法に割いたと思います。

・神大:?/50点

◎逮捕に伴う捜索・差押え
◯所持品検査/接見指定
▲令状提示前の捜索・差押え
△捜索・差押え令状の範囲/違法収集証拠
☆強制採尿

上記のような予想をしており、所持品検査、違法収集証拠が出題されました。共にヤマがあたり、ガッツポーズでした。ロー入試を通しても、最も満足がいく答案を書いた気がします。

・京大:?/50点

◎伝聞証拠・伝聞例外
◯自白法則
▲所持品検査の適法性/逮捕に伴う捜索・差押え
△捜索・差押え令状の範囲/違法収集証拠
☆接見指定

上記のような予想をしており、伝聞が出ました。バッチリです。こちらもそれ以上でもそれ以下でもなかったと思います。当てはめを丁寧に事情を拾いながら行いました。


◯行政法

・3回生後期:行政法Ⅰ 〈総論〉→良
・4回生前期:行政法Ⅱ 〈救済法〉→優
・4回生前期:応用行政法 〈判例学習〉 →優
(・4回生前期:行政法ゼミ(Kゼミ)〈ディベート) →優
(・4回生後期:行政法ゼミ(Kゼミ)〈ディベート〉 →聴講のため成績評価×

*大学4年間の振り返り*
行政法は、3年生の後期に行政法Ⅰ、4回生の前期に行政法Ⅱを履修し、何がなんだか分からない状態でロー入試に突入しました。現在、自主ゼミを使いながら、鋭意、学習中です。

行政法総論は、3回生後期に【興津行政法】をじっくりと読みました。担当者が興津先生だったので、行政法Ⅰの試験と並行して1周、期末試験前にもう1周という感じで丁寧に読みました。テストにA4両面のまとめノートの持ち込みが許されていたので、これを2周目に一緒に作成しました。事例演習については、自主ゼミで行政法Ⅰの定期テスト過去問を解きました、これで演習量を最低限確保できていたと思います。

あとは、4回生前期に興津先生の応用行政法を履修したので、この授業で【精読行政法判例】を使って総論分野のいくつかの判例を丁寧に読み進めました。主に行政裁量について扱ったので、裁量の逸脱・濫用については深い理解ができたと思います。

救済法は、4回生前期に行政法Ⅱを履修し国賠、処分性と原告適格、訴えの利益あたりを、授業レジュメを使って固めました。レジュメに記載のあった判例は丁寧に読んだと思います。神橋先生の行政救済法の教科書も最初のうちは読んでいましたが消化しきれませんでした。

前期の授業後は、慶應ローは行政法の出題がなかったので、慶應ロー入試が終わるまで、行政法には触りませんでした。

9月以降は、阪大/神大が出題範囲が行政法総論のみだったので、11月上旬まで、総論の勉強をしていきました。この時期にした勉強は、過去問演習をやったくらいだと思います。起案はあまりしていなかったと思います。ただ、個別法の条文は丁寧に読むようにしていて、少し丁寧な答案構成を作るようなイメージで演習していました。

阪大は論点的な問題が多かったので、伊藤塾の論証にあったものを覚えました(あまり、論証の内容の意味は分かっていなかったですが)。神大は、学部の行政法Ⅰの勉強がそのまま活きる問題だと思っていたので、行政法Ⅰのテスト前に作ったまとめノートをブラッシュアップしつつ暗記をしました。

今年のスケジュールは、神大ロー入試が終わってから2週間で京大ロー入試がありました。当然、神大ローの入試が終わってから、救済法の勉強を始めても間に合わなかったです。最初は、行政法Ⅱでテスト範囲外であった取消訴訟以外の訴訟や、仮の救済手続きの勉強をしました。その後に、行政法Ⅱのレジュメで取消訴訟の復習をしました。そして、まったくといっていいほど、特に救済法が絡む行政法の事例問題の解き方が分かっていなかったので、【行政法解釈の技法】の最初の部分だけ読みました。なんとか、それっぽい答案が書ける?くらいのレベルになっていたと思います。この教材はコスパという面で神教材だったと思います。

京大ロー直前期は、これまた恥ずかしいのですが、大きくヤマを張り、救済法範囲は処分性と原告適格に絞って仕上げてました。あと、【基本行政法判例演習】でいくつかの判例については、問題演習をした記憶があります。

*ロー入試の振り返り*
点数開示するまで、正直分からないです。意外と耐えているような気もするし、全く耐えていない可能性もあります。

・阪大:?/50点
覚えていた論証がそのまま使える問題と、行政法Ⅰで作ったまとめノートが活きる問題が出ました。ただ、論証暗記が甘く、うろ覚えで規範を吐き出したので、ホームランは打てていないなと思いました。受験生平均くらいはできたのではという手応えです。

・神大:?/50点
裁量が出たと認識しています。何を書けばいいのかイマイチわからなかったですが、【興津行政法】を信じて、学んだものを発揮するという意識で書いたつもりです。周りの友人も含めて、何を書くべきか困ったと言っていたので、出題者にうまくハマっていれば高得点かもしれないです。

・京大:?/50点
1問目は処分性の分野から出ました(Xを見る限り、京大生視点では、処分性って書いたらダメらしいですが。)。ヤマが当たったと思いました。この問題は厚く書いています。2問目は問題で聞かれていることがまったく分からなかったです。何かは書くべきかと思い、国賠を書きました。前述したように、憲法は書くべきことが分かっていたので、この問題は捨てて憲法に時間を割きました。(受験後分かったことですが、国賠は出題範囲外だったらしいです😭、時間をかけていないので傷は浅く良かったです。


◯総括

正直、私のロー入試までの学習は人に公開できるような立派なものではありません。しかし、結果的が出せたということは、何か伝えられることがあるのではないかと思い、自分なりに分析してnoteを書くことにしました。

私の勝因は大きく分けて3つあったと思います。

①丁寧に理解の時間を割くこと
ここまでの記事を読んでもらっても分かるとおり、私は、基本書や判例を読む時間を惜しまないようにしていました。それが、最後には現場思考で外さない答案を書くことに繋がったと思います。これは、自分だけが知らない問題なら傷を浅くすることになったし、周りも知らない問題なら差をつけることになったと思います。

②丁寧に過去問の分析をして、目的を持って勉強したこと
私は、過去問研究をしながらとことんヤマを張りました。刑訴法の*ロー入試の振り返り*にも載せましたが、競馬予想の容量で、以下のような評価をそれぞれの入試で各科目付けていました。

:最も出題されそうな範囲。
◯:◎に準じて出題されそうな範囲。2番手評価。
▲:◯に準じて出題されそうな範囲。3番手評価。
△:▲に準じて出題されそうな範囲。4番手評価。
☆:出題可能性が高い範囲ではないが、今年は出てもおかしくない範囲

分析はとても重要で、出そうな範囲を押さえておくことは学習のメリハリ付けにつながります。これは、意識的なものだけでなく、無意識的にもそうで、漫然と基本書を読んでいるときにも「ここは向き合っておこう」「ここは軽く読み飛ばそう」と合格に向けて効率化されます。

また、ロー入試の振り返りを読んでもらえれば分かる通り、試験中に点数を最大化するにはどうしたらいいか考えて臨機応変に動いています。これは、過去問研究によるものです。自分はどの教科でどういった答案を書いて点数をとるのかというイメージができていたので、この動きができたと思います。

③試験会場にいったこと
全ての試験日の前日、私は不安で寝付けませんでした。平均して4、5時間くらいの睡眠だったと思います。

ここまで書いてきた通り、苦手範囲もたくさんあって、出題されれば全く書けないという範囲もありました。「もし出題されたらどうしよう」、「なんでやってこなかったんだろう」と不安になり自分を責めていました。

試験に行かないおこうかと思ったりもしました。でも、行きました。行ってよかったです。今思えば、当たり前のことですが、苦手範囲ばかり出題されるわけがありません。得意範囲も出題されます。この記事を読んでくださった受験生は、不安かもしれませんが、「やらなかったことができない。ではなく、やったことはできる。」と思って最後まで頑張って欲しいと思います。


◯終わりに

こんなにも長い記事を読んでくださりありがとうございました。

1つあまり言及できなかった学習があります。それは、論証作成です。それぞれの科目につき論証作成を行ったと書いたのですが、これについて詳しく書けませんでした。この作業で、総括の①でも触れた丁寧な理解を作ったとも言えるので、論証作成については「論証との向き合い方」という他の記事で改めて触れようと思います。

また、もし記事についての質問やご意見等があれば、下記の質問箱か、XのDMにてご連絡ください。



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