良品計画が目指す四万十町の未来
良品計画とは
生活雑貨でお馴染みの無印良品を中心に事業を行う会社。
また、単に店舗としての無印良品の運営だけでなく、少子高齢化や都市への人口集中により使われていない公共空間や資源など、身近な社会問題にも目を向けている。地域社会の課題に役立つ周辺事業やサービスを開発し、自ら運営まで行うことで、生活・文化・環境の共存と発展に貢献している。この構想の先には、地域に関わる方々が、「お互いさま」を合言葉に、小さくても固有の経済活動や豊かな文化を育む「感じ良い社会」が広がる未来を描いている。
私の注目する取り組み
今回、良品計画に目を向けたのは、もちろん無印良品が大好きなのは前提として、こんなニュースを見たからである。
高知県の西部に位置する自然豊かなまちである四万十町に、良品計画が新観光拠点を設計するらしいというもの。
そしてもう一つ気になったワードは『通過される町からの回避』
高知を走る高速道路である高知自動車道は現在、高知中央ICから高知県の西に向かうとなると、ニュースの記事にある「四万十町」の中央ICが最終点である。その先には、黒潮町・四万十市・土佐清水市・宿毛市…と続くのだが、それらにはまだ高速道路は通っていない。
しかし、それらの高速道路のないまちを通る国道は、今後30年以内に起こると言われている南海トラフ地震が起こると、津波の被害で道路のうち7割近くが浸水してしまうらしい。
そのため災害に強いまちづくりとしても、高速道路延長が進んでいる。
高速道路の延長によって、災害時の対策になる他、黒潮・宿毛などの地域に住む人々は、より高知市と地方の行き来がしやすくなり、観光業もより一層活発化するであろう。
それらの地域が、高速道路延長に期待を掲げる一方で、不安点が生まれるのが今回ニュースにもあった「四万十町」である。
今まで高速道路の最終地点であったことによって、四万十町だけでなくその先の地域に行きたいと思った人は、必然的に四万十町を訪ねることをしていた。しかし、高速道路が延長されてしまえば、人々は四万十町を通過できてしまう。目的がその先にある人々にとっては、必要のない場所になってしまう。
そんな問題に着目したのが、四万十町と良品計画である。
そこに新たな観光拠点を良品計画が四万十町とタックを組んで作ることで、四万十町の新たな魅力を売り出し、わざわざ人が来たくなるそんなまちを目指している。