2021年の新型コロナ+ワクチン接種状況 4月16日
はじめに
4月16日の2021年の新型コロナ国別ランキングである。新型コロナ関連サイトでは累計感染者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。しかし、オーストラリアなどのように、2020年は結構な数の感染者数を記録したが、2021年はあまり感染者を出していない国を2020年からの累計数で見れば、不当に数が多くなり、現在の感染状況を反映していない。
イギリスが2020年12月13日世界で初めてワクチン接種を始めてから4ヶ月以上がが経った。現在は4月16日の時点で、世界171の国と地域とワクチン接種が行われている。そこで、今回は感染数死者数の昨年同期との比較ではなく、ワクチンの接種数と接種率をリストした。ワクチン接種数は延べ数である。2回摂取した人もいるので、接種人数はここにリストされた値よりも少なくなる。また摂取率は接種数を人口で割ったものである。実際の接種率よりも多い。摂取率が200%になったら、全ての国民が2回づつ接種をしたこと、すなわち、全員接種完了になる。
ランキングは2021年感染数上位50カ国とワクチン接種を開始していない国もしくは実験段階の国で感染数が多い国をリストアップした。
感染数上位10ヵ国の状況
2021年累計感染数第1位のアメリカで新規感染数が3週連続で前週を上回っている。感染拡大傾向が見えだしたと言って良いであろう。州別に見ると、ミシガン、イリノイ、ミネソタ、オレゴン、ワシントン、フロリダ、ペンシルベニア、コロラドと、ニューヨークを除く東北部各州で新規感染数増加が著しい。いずれも昨年11月の大統領選で不正を行なったところである点が面白い。テキサスやカリフォルニアを含む他地域では新規感染数は横ばいか減少中である。アメリカの接種数は世界1位である。摂取率は60%を超えた。ワクチン接種は順調に進んでおり、今までは医療従事者などにしかワクチンを摂取してこなかったが、4月になってから16歳以上の全国民を対象を拡大した。
第2位のブラジルはわずかながら新規感染数は減少している。ワクチン摂取数はアメリカの6分の1ながら世界第5位である。しかし人口が多く15%程度の摂取率にとどまっている。
3位のインドはさらに新規感染数を増加させた。累計感染数以外は全て桁違いの第1位である。今まで、人口100万人あたりの感染数でずっと二桁台を保っていたのに、ここ数週間の急増で、アメリカで渡航制限がかかる100人を超えた。死者数も大幅増加である。ワクチン摂取数は第3位位であるが、摂取率は10%に行かない。
第4位のフランスはまたもや新規感染数を増やした。前回、フランスは月末に新規感染数が増え、月初めに減少する傾向がある、と書いたが、今回は月半ばで増加になってしまった。フランスの摂取数は第8位である。アメリカの13分の1程度であるが、25%の接種率になっている。
ここまで4カ国は前回と同じである。
第5位はトルコが2ランクアップした。4月10日から16日の新規感染数は、インド、アメリカ、ブラジルに次いで第4位である。増加分もインドに次いで第2位である。インド同様死者数も5週間増加し続けている。とるのワクチン接種数はフランスより多く第7位である。摂取率は22%になっている。
6位はイギリスが人湯順位を下げた。今週は少し新規感染数を上げてしまった。死者数は引き続き減少している。イギリスのワクチン接種数は第4位である。接種率はアメリカよりも少し高い。7位はイタリアが先週から順位を一つ下げた。イタリアのワクチン接種数は第11位で接種率は25%弱である。
8位のロシアは順位は変わらないが、新規感染数は引き続き減少している。ワクチン接種数は第10位であるが、接種率は10%強にとどまる。9位のスペインも順位の変動はない。ワクチン接種数は第14位であるが、接種率は26%強になる。
10位はドイツが返り咲いた。4月10日から16日の新規感染数は第8位であるが、増加分がインド、トルコ、イランに次いで第4位と大きい。クチン接種数は第6位で、接種率は25%強になる。
10位から下がったポーランドは新規感染数が引き続き減少している。
11位以下では、アルゼンチン、コロンビア、イランが(1週間で)10万人以上の新規感染数があった。ウクライナ、ペルー、オランダ、カナダ、フィリピン、イラクが5万人以上の新規感染数があった。
ヨーロッパは多くの国でワクチン接種率が22から26%の間になっている。何か申し合わせでもあるのではないか。
イスラエルは接種率が100%を超えた。接種を2回受けた人がいることになる。実際イスラエルでは接種を完了した人は54%以上になる。新規感染数も大幅に下げている。同じく中東のUAEもワクチン接種率は95%と高い。この2国は2021年の感染数が10万人以上いる国の中での接種理ワクチン接種率がそれぞれ1位、2位である。3位はチリ、4位はイギリス、5位はアメリカである。摂取率は人口が少ないと必然的に大きくなる傾向がある。実際の摂取率第1位は人口3万3千人あまりのジブラルタルで、195%に達する。
イギリスやアメリカと合わせて、ワクチン接種率の高い国は感染数が減っていると言えるかもしれない。しかし、接種率3位のチリは感染数が増えているので、そうとは言い切れない。
日本は35位と順位を一つ上げたが、新規感染数は増えており、これで5週連続の増加である。新規感染数の上げ幅も増加した。死者数も前週に比べて30%増しである。日本の摂取数は185万人強で、摂取率は1.47%である。G20の中では一番低い。
4月16日のワクチン接種数ランキング
( )内の数字は接種率である。
1。アメリカ(60.84%)
2。中国(13.02%)
3。インド(8.62%)
4。イギリス(60.89%)
5。ブラジル(15.35%)
6。ドイツ(25.40%)
7。トルコ(21.54%)
8。フランス(24.86%)
9。インドネシア(5.80%)
10。ロシア(10.60%)
11位以下に、イタリア、メキシコ、チリ、スペイン、イスラエルの順で、ここまでが接種数が1000万を超えている。感染数の多い国で接種数が多くなる傾向がある。新型コロナワクチンのワクチン接種を実施する際には医療従事者など、感染リスクの高いものから始める国が多い。感染数が多いとそれだけ感染リスクが高まるので、感染数の多い国で接種数が多いのは理にかなっている。
今回は感染数が1万人以上あるのに、まだワクチン接種が始まっていない国をあげた。ボスニア・ヘルツェゴビナ、アルメニア、アルジェリアはかなり早いうちからワクチン接種を始めていたようであるが、更新が滞ってから1ヶ月以上経つ。新規感染数の更新はなされているので、この3国では試験的に接種をやっただけであると思われる。エチオピアがこの中では感染数が一番多い。感染数が10万を超える国は57カ国あるが、その中でワクチンを接種していないのはエチオピアだけである。