COVID-19 QR 1/28 感染拡大リスク

2022年も1ヶ月が経った。昨年末から急増が続いた新型コロナの感染者数は増加しているもののそのペースは落ちてきた。アメリカなどでは収束傾向に入っているが、日本などはまだまだ増加が続くように思われる。そこで、21年1月の陽性件数の変化をもとに世界の傾向を地図にしてみた。

A. 感染拡大リスク

それぞれの国トレンドを過去の陽性件数の増減パターンに当てはめて、それぞれの感染拡大の可能性について考える。過去の増減パターンは Worldometer のデータを使った。しかし、毎週コンスタントに数値を発表しない国もあるので、実際の増減パターンとは多少違う点も出てくることもある。

茶色に塗られたところは、今まで陽性件数が減少中またはほぼ0だったのに、ここ1~2週間で急増したところで、タジキスタン、パプアニューギニアなど8国地域ある。このパターンの時は陽性件数が多くなる程、陽性件数の増加が長く、伸び率も大きくなる。従って、拡大リスクは高い。

赤に塗られたところは、陽性件数が増加中かつ伸び率も増加中のところである。ドイツ、ポーランド、ロシア、イランを中心に34国地域あるが、ヨーロッパ東、北アフリカ、イラン近辺、東南アジア、オセアニアに集中している。数学的に言えば、グラフが下に凸で増加中である。茶色のところ同様、拡大リスクは高い。B章で詳細を記すが、現在これらの地域で猛威を奮っているのはオミクロン株ではない可能性があり、伸び率が下がるようになるまで、後1〜2ヶ月かかるかもしれない。もしれない。

フランス、トルコなど53国地域が橙に塗られたが、ここは、陽性件数が増加中ではあるが、伸び率が下がっているところである。数学的には、グラフは増加しているが、上に凸の状態である。拡大の勢いが弱まってきているので、今週あるいは来週中にはピークを迎える可能性が高い。その後は減少になるので、拡大リスクはそれほど高くない。しかし、昨年末のフランスのように伸び率が一旦鈍ってきたところにオミクロン株が出てきて、伸び率が大きくなったところも少なくない。現在、オミクロン株の変異種が猛威をふるっているので、せっかく鈍ってきたペースが再び大きくなる可能性のある国も多くなると考えられる。

黄色に塗られた国地域は増加が止まったかもと期待させるところである。これらの国地域では陽性件数が増加していたが今週は減少した、先週減少して今週は増加したが少しだけだった、あるいは、2週連続で減少したが減少のペースが下がらなかったところである。この場合、過去の統計からは、再び増加するのが約50%、減少となるものが約40%、上がったり下がったりを繰り返すのが約10%となっている。しかし、オミクロン株のように地域的に流行している株があると、陽性件数は増加するケースが多いので、拡大リスクはやや高めであるといえる。

緑は、陽性件数が増加していたが、先週今週と2週連続で減少し、かつ、減少のペースが上がっている、あるいは、今週増加が止まり、減少率も高いところで、スペイン、イタリア、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、中国など47国地域がある。この場合はほとんどのケースで後2〜3週間は確実に減少する。従って、陽性件数が止まったかもと思わせる国よりは拡大リスクは低い。しかし、この状態になると多くの国で、特にアメリカやヨーロッパなどワクチン接種率の高い国ではほぼ100%、経済活性化のために規制緩和を行なって、折角収まりかけた感染を再び大きく拡大させているケースが、過去に何度も起きている。

青は陽性件数の減少が続いているが、その減少のペースが少し鈍ったところで、イギリスや南アフリカなど13国が該当する。ここから、再び減少傾向になるところ、減少から一転して増加になるところ、増加もしないが減少もほとんどない、いわゆる下げ止まりの状態になるところの3通りがある。多くは下げ止まりになるが、オミクロン株のように地域的に流行している株があると、陽性件数は増加になることが多い。拡大リスクは増加が止まったかもと思わせる地域と同じくらいである。

薄青は陽性件数の減少が続いて、しかも減少のペースが上がっているところである。現在は30国地域が該当するが、アフリカに特に多い。しばらくの間は大きな陽性件数の減少が続くと予想される。拡大リスクは小さいが、規制緩和をするところが多く、長期的には、拡大の可能性が高い。

白は陽性件数が1週間に10人未満のところで、18国ある。ほぼ鎖国をしているような国地域ばかりなので、拡大リスクは小さい。しかし、昨年のセーシェルやカリブ海のように、ワクチン完了者は自国内を自由に行動できるなどの規制緩和をした結果、感染爆発を招いたとい国地域も多い。

短期の感染拡大リスクは地図の凡例の順序で小さくなっていく。茶色と赤のところは最も高く、青や白は低い。しかし、経済的な活動が入ると、長期的にか拡大リスクが大きくなる。

B.  オミクロン株とのハイブリッド種?

感染拡大リスクが大きい国(赤と茶)同士を結ぶと、オランダから東へ向かい、ロシア、イランへと至る大陸横断ルートができる。そのルート上の20国の感染状況を下の表にまとめた。


オランダは増加が始まってから6週間経つ。その東のドイツやポーランドは、増加が始まってから4週間、ベラルーシ、ロシア、アルメニア、イランなどは3週間たった。まず波はオランダで起こり、翌週はドイツとポーランドに移動し、その翌週はロシア、イランにまで移動した、まるで、ウイルスが大陸横断ルートに沿って旅をするように。

この新しい感染の波はオミクロン株の変種と言われている。実際、これらの国地域ではしばしば前週比100%以上の伸びを示していおり、オミクロン株と同じくらい強力な感染力を持つ。しかし、ヨーロッパ西では伸び率はそれほど大きくない。また、オミクロン株による増加は最大6週間ほどで減少傾向になるが、オランダやドイツではすでに感染拡大が始まってから5、6週間経つが、その勢いが一向に衰えない。さらに、オミクロン株は致死率が低い(世界平均で0.3%)が、特にヨーロッパ東では致死率が極端に高い。この点でオミクロン株とは違うと考えられる。

今の感染拡大が始まる直前、ヨーロッパ西では東からの感染の波が移動してきていた。この波は7月にギリシャから始まって、ブルガリア、ルーマニア、ウクライナ、ベラルーシを経てポーランドに入ったものなのでオミクロン株の可能性は低い。感染力はそれほど高くないが、感染拡大が長く続き、致死力は高い。特に新種とは言われていないので、デルタ株、あるいはその変種ではないかと考えられる。

この東からの株によってできた波と、おそらく飛行機でアフリカから直輸入されたオミクロン株で発生したの波がベルギー、フランス、イタリアあたりで重なって、現在の大きな感染の波になったと考えられる。

それゆえ、オミクロン株と東からの株とのハイブリット種が出てきた可能性も考えられる。実際、感染力は陽性件数が増加率が非常に大きいオミクロン株の特徴と、陽性件数の増加が長く続く東から株の両方の特徴を兼ね備えている。だとすれば、致死率もオミクロン株よりもずっと高くなる可能性も考えられる。ヨーロッパ東で死者数が多いことの説明になる。

同じように、東南アジアでもオミクロン株と地元で流行していた株とが混ざり合って大きな波になり、今まで感染とはほぼ無縁だった太平洋の島国へ移動している。

C. オミクロン株はゆっくりと症状が悪化する可能性がある


日本の22年4週の陽性件数は40万3912件であった。先週に引き続き過去最高を更新した。これで8週連続の陽性件数増加である。前週比伸び率は94%であるが、先週、先々週よりは下がった。22年の陽性件数は68万8118件で23位となった。先週の29位から順位を6つ上げた。

次のグラフは厚労省の発表した、日本の陽性件数(青)と空港検疫での陽性件数(緑)の時系列グラフである。


空港検疫での陽性件数がここ2週間は減少となった。今週の減少率は少し下がったので、減少傾向とは言えなくとも、今後増加する可能性は小さいと考えられる。過去のデータでは日本では空港検疫の陽性件数の増加が止まってから5~6週間後に国内の陽性件数減少が始まった。この法則が当てはまるなら、2月半ばには陽性件数がピークを迎えると考えられる。

日本では22年4週に新型コロナ感染が原因で173人が亡くなった。死者数は3週連続で増加しており、2週連続で3倍増となった。これで、22年は249人が亡くなり、順位は94位から69位に大幅アップとなった。致死率は0.04%となった。オミクロン株では陽性と判明してからなくなるまでに、3~5週間ほどかかっている。陽性件数は5週間前に急増が始まり、その時は伸び率50%、3週間前に伸び率が300%超えであった。この急増時に感染した方々が亡くなったので、現在死者数も急増している。伸び率は下がっているとはいえ、いまだに100%近いので、陽性件数は大きく増加中である。この時に感染したものがなくなるので、これから死者数は急ペースで増えていくと思われる。致死率や重症率が低くなったと結論するにはいささか早急である。おそらく、陽性確認時点では症状があまりないので、ほとんどが自宅隔離になる。その後発症して、ゆっくりと確実に症状が悪化していくが、医療関係者が常時観察しているわけではないので、その変化に気づかずに手遅れとなったケースが多いのではないかと思われる。さらには、陽性件数の急増から、病院や診療所が検査のために混み合い、いざというときにすぐに診察してもらえないというケースも少なくないと思われる。

D. 22年1月だけで、20年全体の陽性件数を超えた。


世界全体では22年4週(1/22-28)に2335万9240件の陽性件数が確認された。7週間連続で増加が続いている。過去最高の更新も5週間連続となった。しかし、今週の伸び率は3.1%とまた下がった。22年の陽性件数は8125万5998件となった。これは21年4期の5倍のペースになった。このままのペースでいけば、来週中には1億件を超えると見込まれる。21年は2億500万件余の陽性件数があったので、昨年の約半分をたった5週間で発生させたことになる。21年の陽性件数が1億件を超えたのは27週(7/3-9)のことであった。また20年は8473万件の陽性件数が確認されたので、22年はわずか4週でそれを超えた。2020年からの累計では約3億7000万件を超え、こちらも再来週には4億件を超えると思われる。

103の国地域で22年4週に陽性件数が増加した。キリバスでは1月22日に初の陽性患者を記録した。2021年にその国地域で初の新型コロナ患者を記録したところミクロネシア、パラオ、セントヘレナ、トンガの4国地域があるが、いずれも1人または2人で、その患者のみの感染で終わった(パラオはその3、6週間後に再び感染者が出た)が、キリバスは1月22日は29件、相互も毎日のように20~30件の陽性確認があった。

D1. ヨーロッパ東、東南アジア、オセアニアで大幅増加が続く


大陸別ではヨーロッパ西の陽性件数が最も多く、3000万件近い。世界の陽性患者のうち36%がヨーロッパ西に集中している。ついで、アメリカ北が2131万件、アメリカ南が800万件の順となっている。

ヨーロッパ西では人口100万人あたり、平均で毎日2500件の陽性件数が確認されている。2番目はアメリカ北の1370人である。3番目がオセアニアの1287件となっている。オセアニアは陽性件数自体は210万件でアジア東より少ないが、人口100万人あたりではその30倍以上にもなる。前述のキリバスのほか、ニューカレドニア、ソロモン諸島、パラオ、パプアニューギニアで大規模な感染拡大があった。

ケイマン諸島、マン島では伸び率が無限大であった。両地域とも21年4期から毎週数百人の陽性患者が出ていたが、先週は0であった。今週分は先週分の物も含まれていると思われる。平均するとケイマン諸島では減少となるが、マン島は2週間前に比べ10倍以上の増加となる。パプアニューギニアとソマリアで伸び率が1000%以上になった。伸び率100%以上は香港など20国地域あった。下の地図は、伸び率が50%以上の国地域である。

115国地域で陽性件数が減少した。先週より10国地域増えた。世界では15の国と地域で22年の陽性件数が0である。このうち西サハラは21年も、北朝鮮など8国地域はと20~21年も陽性件数が0である。

22年4週の陽性件数が過去最高を更新したところは68カ国ある。先週の54国地域よりも増えた。今週はロシアをはじめとして東欧で多くの国が陽性件数の過去最高を超えた。


世界の陽性件数はいまだ増加しているが、伸び率は下がってきている。今後の拡大リスクは小さいと考えられる。しかし、今、東進している新たな株による陽性件数の増加は非常に大きなものとなることが予想される。ロシアやイランは人口が多いので、陽性件数は買うs=第傾向にある恐れもある。また、オセアニアなどでは今まで感染がほぼ0だったので、急激な感染拡大に対応できていないところもあると考えられる。

D2. 陽性件数トップ20

次の表は22年の陽性件数の多い20国の陽性件数や死者数などの指標である。22 1Q が22年1期の、22W3 が22年3週のデータを表す。

D3. 22年4週陽性件数トップ20

次の表は22年3週の陽性件数の多い20国の陽性件数や死者数などの指標である。

E. オミクロン株の死者数が増え始めた


22年4週は世界全体で6万4414人が亡くなった。前週比15.9%の増加である。3週連続増加であるが、伸び率は先週よりも上がった。これで、22年に入ってからの死者数は21万2357人となった。致死率は0.3%のままである。2020年からの累計の死者数は約560万人で、累計の致死率は1.6%である。

今週はソロモン諸島で20年に統計を取り始めて以来初の死者が出た。昨年末に36週間ぶりの陽性件数を出し、22年に入って陽性患者が急拡大していた。死者はまだ出ていないが、パラオや霧バスなどで陽性件数が拡大している。今後オセアニアの島々で死者が出る可能性がある。

また、ブータンでは24週間ぶりに、セントクリストファーネビスでも10週間ぶりに死者が出た。一方イランは28週連続で死者数が減少していたが、それが途絶えた。

100の国地域で22年3週より死者数が増加した。9国地域で伸び率が無限大となった。無限大を除いて伸び率が100%以上の国は16国あった。伸び率最大はコソボで3700%増であった。

マヨットやベナンなど9国地域で今週の死者が0になった。カメルーンとガンビアは今週の陽性件数も0なので、おそらく統計を発表していないだけと思われる。先週死者数が0になった11国地域のうち、シントマルテン、パプアニューギニア、アイスランド、チャドで今週は死者が出た。

E1. 死者数トップ20

次の表は22年の死者数の多い20国の陽性件数や死者数などの指標である。22年の死者数の順に並べてある。


イタリア、ブラジル、メキシコ、コロンビア、アルゼンチン、ペルーが死者数の順位を上げている。イタリア以外は全て中南米である。実はアメリカ南ではボリビアとガイアナを除いた全ての国で、アメリカ北もグリーンランドを除いた全ての国で死者数が増加している。アメリカも先週に比べ16%死者数が増加したが、元々1位なのでこれ以上順位は上がらない。なぜ、アメリカ北南で死者数が増え続けているのかというと、まだまだ陽性件数の増加が続いていからである。アメリカ、メキシコ、アルゼンチン、コロンビア、ペルーなどは先週あるいは今週から陽性件数が減少し始めたので、2~3週後には死者数も減少すると推測される。

E2. 22年4週死者数トップ20

ほぼ22年の死者数の順位と同じである。ロシア、ポーランド、ウクライナでは死者数が先週よりも減っている。実はヨーロッパ東では、クロアチアやルーマニアなど南部を除いて、今週の死者数は減少してた。ヨーロッパ東では3~4週間前まで陽性件数は減少していた。この時に感染した人たちが今週亡くなった、なので、死者数はまだ減少が傾向である。しかし、今は急増中であるので、2~3週後には死者数も激増すると推測される。

E3. 22年4週致死率トップ20

22年の死者数で2位のロシアでは、先週の致死率が3.3%もあったのに、今週は2.1%に下がった。これは、陽性件数は大きく増加したものの死者数は減少したから起こった現象である。同様に、ヨーロッパ東では死者数が増加していクロアチアなど南部地域以外は致死率が減少した。

F. ワクチン過完了率は12.1%


22年四回週はは世界全体で1億8874万回あまりワクチンが接種された。前週比で17%近く減少した。22年の接種回数は約8億7169万回となった。これは22年4期とほぼ同じペースである。完了率は52.2%となった。1月16日からトルコで Turkovac という自国で開発したワクチンの接種が始まった。新型コロナのワクチンで実際に接種されたものとしては20種類目である。

ブースターはジャージー島、マカオ、パキスタン、セントビンセントグレナディーン、タジキスタンの5カ国でも新たに実施され、世界の105国地域で実施されている。ジャージー島は9月からブースターが始まっていたが、報告されたのは今週が初めてである。22年4週はは5000万回ほどのブースターが行われた。前週比で23%減少した。22年のブースター回数は2億6160万回余となった。22年の接種回数におけるブースターの割合は30%になる。接種回数ははブースターを実施していない国地域のものも含む。ブースターを実施している国だけに限定したブースターも割合は36%である。

F1. 22年接種回数トップ20

22年もインドと中国の接種回数が圧倒的に多い。世界のワクチンの40%はこの両国で接種されている。インドは先週は微増だったが、今週は大幅に接種回数を減少させた。中国は今年に入ってから接種回数をずっと減らしている。

22年の接種回数上位20国の中で、中国、インドネシア、ベトナム、アメリカ、パキスタン、フィリピン、イラン、エジプト、韓国、タイで接種回っすを21年4期から減らしている。また、ベトナム、イラン、エジプトで22年4週の接種回数が増えたが、他の17国では減らしている。

E2. 22年4週接種回数トップ20


22年4週の接種回数もインドと中国がトップ2を形成している。ベネズエラ、モザンビーク、ロシア、アンゴラは22年接種回数上位20国にはランクされていない。ベネズエラは6週間ぶり、モザンビークは2週間ぶり、アンゴラは4週間ぶりの接種報告だったので、おそらく過去の分をも含んでのものと考えられる。ロシアは先週比で40%以上接種回数を増やしている。陽性件数が急増したために接種回数を増やしたと考えられる。

E3. 22年完了率トップ20

ヨーロッパ西から8国地域、アジア東から6国がトップ20にランクした。日本も20位に入った。ガーンジー島の地域は n.a となっているが、ジャージー島と共にチャネル諸島を構成するのでヨーロッパ西に属する。しかし、ワクチン接種状況はガーンジー島とジャージー島とで別々に統計が発表されているが、陽性件数や死者数が単独では発表されていないので、チャネル諸島をランキング対象とし、ガーンジー島とジャージー島をランキング対象から外した。ガーンジー島は21年4期比で932%の大幅増となっている。ガーンジー島では完了率が早い段階から高く、21年4期はほとんど接種を実施していなかったからである。しかし、21年末からの陽性件数急増を受けて、急きょ接種を再開したものと考えられる。再開した接種の90%以上がブースターである。ガーンジー島は現在陽性件数は22年2週から減少中であったが、今週は増加になった。

E4. 過完了率

ブースターはファイザーのような二回接種のものは三回目以降、ジョンソンのような一回接種のものは二回目以降の接種を指す。正確な統計は発表されていないで、推計であるがジョンソンなど二回接種のワクチンの割合は世界で3~4%ほどなので、ブースターと言えば三回以上接種と考えて差し支えない。過完了率とは、ブースターを受けた者、つまり、3回数以上接種した者の人口に対する割合である。1月28日時点での世界の過完了率は12.1%である。世界では10人に一人の割合で、ワクチンを三回以上接種していることになる。ワクチンを全く接種していない者も世界では約40%存在する。下のグラフは何回接種を受けたかを表している。


下の表は過完了率のトップ20国地域である。


過完了率の最も高いところはジブラルタルで85%以上になる。2位がマルタの77%、3位がアイスランドの63%である。いずれもヨーロッパ西に属する。トップ20にヨーロッパ西から14国地域と圧倒的に多い。ヨーロッパ西はつい最近まで感染急増地域だったので、ワクチンの接種義務がキツくなったのが理由と考えられる。完了率が高いので、接種をすればほとんどがブースターになる。

完了率が高いからといって、必ずしもか完了率が高くなるわけではない。カタールとブルネイは完了率が90%を超えるが、ブースターの報告がないので、過完了率は0%である。アラブ首長国連邦、ポルトガル、チリ、キューバも完了率が90%を超えるが過完了率は40%台に止まる。こちらの方はこれから感染拡大が懸念されるので、おそらくワクチン接種回数も増えると思われる。そうなればヨーロッパ西同様に過完了率も増えると思われる。

ヨーロッパ東からイランを抜けてインドへ至るエリアでもこれから感染拡大が見込まれるので接種回数が増えると考えられる。しかし、接種率も完了率もそれほど高くないので、まずはそちらの方に重きを置くと考えられる。

人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュース、に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の2月1日22時時点で得られた最新の値を利用している。2月2日以降に修正あるいは追加されたデータは含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。2月1日以前に修正あるいは追加されたデータは今号の統計に反映させている。したがって、過去のものとは異なっているところもある。大きな修正は指摘している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。

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