2021年の新型コロナ統計 4月2日
初めに
新型コロナ関連サイトでは累計感染者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。しかし、オーストラリアなどのように、2020年は結構な数の感染者数を記録したが、2021年はあまり感染者を出していない国を2020年からの累計数で見れば、不当に数が多くなり、現在の感染状況を反映していない。そこで、2021年のみの統計を取ることにした。
データは Worldometer のものを利用した。2021年1月1日が金曜日なので、アメリカ中部時間で毎週金曜日午後10時30分から50分のデータを収集している。前回、前々回の投稿で、2021年1月1日から1月29日までのデータをランキングにした。ランキングには、2021年の順位、2020年からの累計順位、2020年からその週までの追計感染数と死者数、2020年総感染数及び総死者数における割合、その週での新規感染数と死者数、その週の1日平均の感染数と死者数、その週の人口100万人あたりの1日平均の感染数と死者数を載せた。1月15日以降は、上の項目に加え、その週の前週からの増減、その週までの増減が連続して続いた週の数、を加えた。
今回2021年4月の感染状況を記録するにあたって、2020年総感染数及び総死者数における割合の代わりに、2020年同期の累計感染数と累計死者数を載せた。
また、ランキングは2021年の感染数が上位50カ国プラス特徴的な国をいくつか選んで載せてある。
下の表は2021年4月2日のランキングである。
第1位はアメリカで、2020年からの累計でもダントツの1位である。2021年の累計感染数はわずか3ヶ月で1,000万人越えである。2020年4月3日までの感染数は約30万人で、37倍である。2020年のアメリカでは3月から本格的な感染が起こったので、この30万人という数字はは実質2020年3月1ヶ月分である。もし2020年1月から感染が始まっていたとして、単純に3倍して90万人の感染数であったと仮定しても約11倍の規模になる。3月27日から4月2日までの1週間の感染数が46万人強で、これ自体が2020年4月3日までの累計感染数よりも多い。
今回は2月3月のランキングは載せていないが、アメリカの1週間の新規感染数は1月1日から8日までが最も多く、約180万人いた。この新規感染数が3月半ばまで減少し続けて、3月12日には40万人を切った。しかし、3月19日に増加した。3月26日は一度減少したが、4月2日にはまた増加した。なので、感染連続増減週数は1になる。
アメリカの2021年累計死者数は昨年同時期の24.5倍である。2021年の感染者数の増加割合にに比べると死者数の増加割合は少ない。また死者数は5週連続で減少している。
2位以下は表の通りである。いくつかの国で2021年の順位と2020年からの累計の順位が一致していない。2021年の順位が2020年からの累計の順位よりも上の国、例えば、フランス、イギリすなどは、2021年の感染状況が2020年よりもひどくなっていると考えて良い。また逆に、2021年の順位が2020年からの累計の順位よりもしたの国、例えば、インドやロシアでは思ったほど感染状況は悪くないと言える。
2021年の順位で赤字のものは前週より順位が上がったところ、青字のものは順位が下がったところである。斜字の国は順位で3位以上の変動があったところである。順位が下がったからといって、新規感染者数が減ったとは限らない。例えば、2021年感染数35位の日本は前週より順位を一つ下げているが、新規感染数は前週(3月20日から26日)よりも4,500人ほど増えている。しかも4月2日までに4週連続で新規感染数増加している。しかしこれだけ増えても、例えば、イラクは日本の3倍くらいの新規感染数を記録し、順位が上がったので、日本の順位が相対的に下がったのである。観戦が増加しているが、世界規模ではそれほどでもない、と言える。
上位国ではイギリスが順位を確実に下げている。1月8日は1週間で41万5千人強の新規感染があったが、3月27日から4月2日では2万8千人と14分の1に減らしている。1週だけ新規感染者がうわまったが、2021年は感染者がずっと減り続けている。死者も10週連続で減少している。
ロシアも12週連続で、インドネシアも9週連続で、新規感染数を減らしている。
逆に、ブラジルは1月8日は1週間で31万5千人強の新規感染でイギリスよりも少なかったが、その後はほとんどの週で増加して、3月27日から4月2日では50万5千人となった。またイラクは10週連続で、ポーランド、ウクライナ、オーストリアは8週連続、インド、フィリピン、バングラデシュは7週連続で新規感染数を増やしている。
2020年からの累計感染数で50位以内なのに、2021年では51以下になっている国は、パナマ、モロッコ、ジョージア、サウジアラビア、ネパールの5カ国がある。いずれも、新規感染数が増えているが、3月27日から4月2日までの新規感染数は4桁以下の数字で、5桁あるいは6桁になることの多い2021年のランキング上位国よりは遥かに少ない。この中ではサウジアラビアが順位を上げている点が気になる。
新型コロナが世界で一番最初に流行した中国は、2021年順位では143位となり、全体の順位も92位まで下がった。アメリカなどとは逆に昨年同時期の26分の1と大幅な減少になっている。新型コロナ優等国と言われるオーストラリアと台湾はそれぞれ179位、193位ととても低い。台湾は累計でも191位と低くなっている。オーストラリアは昨年同期の約6分の1、台湾は約3分の2になっている。シンガポールは160位であるが2021年は昨年同期の約1.5倍に増えている。これら4国は2021年は死者が未だ一桁台であるところが時筆すべき点である。特にオーストラリアでは2021年に新型コロナによる死者は出ていない。
日本の累計順は39位で、2021年順位は35位である。だいぶその差が縮まった。ということは、累計で数えても十分なくらい2021年の感染者が増えた証拠である。
4月2日の死者数のランキング上位10ヶ国は、
1。アメリカ(1位)
2。ブラジル(2位)
3。メキシコ(3位)
4。イギリス(5位)
5。ドイツ(9位)
6。ロシア(7位)
7。イタリア(6位)
8。フランス(8位)
9。ポーランド(14位)
10。スペイン(10位)
の順である。括弧内の数字は同じ日の2020年からの累計死者数の順位である。ドイツとポーランドが累計死者数から考えられる感染状況よりも酷くなっているということがわかる。また、累計死者数4位のインドは2021年では15位に落ちる。インドでは新規感染数が増加しているが、死者数の増加の割合が感染数に比べて小さい。ということは、ヨーロッパなどで流行している、いわゆるイギリス変種株とは違う株が発生しているかもしれない。
日本は累計死者数は41位であるが、2021年のランクは30位なので、死者数は累計から得られる印象よりももっと多い。
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