COVID-19 Quarterly Report 2022 Week 39(9/24−30)Part 2
22年9月30日時点での世界および日本の新型コロナの感染状況についてまとめた。Part 1 では第三四半期の感染状況について考察した。Part 2 では感染拡大の始まったヨーロッパの様子をB章で、後遺症と重症者についての統計的関係をE章で議論する。
A. 3期は日台韓で世界の30%
B. ヨーロッパで増加が続く
QRは直近数週間の陽性数の増減と伸び率の増減を使った微積分的なアルゴリズムを用いて、次の数週間に新規陽性数がどのように変化するのか予測をしている。その結果を茶、赤、橙、黄、緑、青、薄青、白の8つのレベルに分類している。赤が最も増加が続く確率が高く、この順に拡大の可能性が低くなる。茶は今週突然に急増したところで、増加が続く確率は50%ほどである。 新型コロナの恐ろしい点は薄青や白になったからといって、感染が終了したとは言えない点にある。
下の地図は最新の新規陽性数のトレンドである。凡例に各レベルの大まかな傾向と、そのレベルに属する国領土の数を記した。
まず、ヨーロッパ西ではイギリス、ポルトガル、マルタが赤レベルから橙レベルになったが、フランス、オランダ、ドイツ、オーストリアが赤レベルを維持した。加えて、イタリア、モナコ、デンマーク、サンマリノ、リヒテンシュタイン、マン島が新たに赤レベルとなった。また、スペインとベルギーが橙レベルに、アイルランドとアンドラが黄色レベルになった。赤レベルは世界に15国領土あるが、そのうち10国領土がヨーロッパ西に集中している。
が先週から引き続き赤レベルを維持している。リヒテンシュタインは橙レベルに下がった。新たにイギリス、ポルトガル、丸太が赤レベルとなった。イタリア、スペイン、ベルギー、ジブラルタル、モナコでいい露レベルの増加となった。デンマークとサンマリノで橙レベルの増加となった。フランスやスペインなどスイスを除く中央部が拡大中で、そこから離れるとまだ減少中のところが多い。
ヨーロッパ東ではエストニア、チェコ、スロベニア、ラトビアが赤レベルから橙レベルになり、赤レベルの国はなくなった。しかし、ブルガリアが新たに黄色レベルになった。
アジアではミャンマー、ブータン、バーレーン、カタールが赤レベルから橙レベルになった。バングラデシュが赤レベルを維持し、シンガポールが新たに赤レベルになった。キルギスが新たに黄色レベルになった。
アフリカでは、ジンバブエ、ガーナ、トーゴ、セントヘレナが赤レベルから橙レベルになった。茶色レベルだったコンゴ民主、ブルンジも橙レベルになった。しかし、モーリタニアが新たに赤レベルになり、セーシェルとブルキナファソは茶色レベル、タンザニア、モザンビーク、マダガスカル、ケニア、チュニジア、カボベルデ、サントメプリンシペが黄色レベルになったブルキナファソは10週間ぶりの新規陽性である。
アメリカ南北カリブ海では、亜ンティグアバーブーダが赤レベルになった。パラグアイ、マルティニク、セントルシア、グアダルーペ、ドミニカが茶色レベル、グアテマラ、アンギラ、サンマルタンが黄色レベルだった。
オセアニアではニュージーランドが新たに赤レベル美、パラオが黄色レベルになった。
C. 治療者数が増加になった
22年39週の世界の新規陽性数は 306万6537人だった。前週比4.0%減で、これで9週連続の減少となった。39週の死者数は8478人だった。死者数が1万人未満になったのは3期では初めてで、25週(6月18日−24日)以来まるまる3ヶ月ぶりである。前週比13.1%減で、6週連続の減少となった。ただし、カナダ、コスタリカ、キプロス、ジョージア、トルコなどでデータの更新がなく、また、アルゼンチン、フィンランド、ギリシャ、パナマ、スウェーデン、スイス、イギリス、アメリカはしばしばデータ締め切り後に修正をするので、実際の39週の新規陽性数、死者数はこの数字よりも大きいと思われる。下のグラフは22年の世界の感染図である。
C1. 陽性数はドイツ、陽性率はセントヘレナと台湾
今までの累計累計陽性数は6億2290万9175人となった。世界でこれまでに7.8%が新型コロナに感染したことになる。
39週は80国領土で新規陽性数が先週よりも増加した。38週に比べて31国領土多くなった。ドミニカで15週間ぶりに、ブルキナファソで10週間ぶりに新規陽性が確認された。また、ドミニカとブルキナファソを含めて20国領土で38週の新規陽性数が0だったが、39週は新規陽性患者が確認された。もっとも伸び率が高かったのはパラグアイの868%だった。先週の50人から今週は484人とほぼ10倍になった。パラグアイでは11週間続けていた連続減少が止まった。
モルジブ、エストニア、アンドラ、シントマルテンでは新規陽性数が先週と同じだった。
一方、103国領土で新規陽性数が先週よりも減少した。先週よりも25国領土少なくなった。感染状況を更新しなかったカナダよトルコを含めて16国領土で新規陽性数が0になった。トルクメニスタン、ピトケアン、トケラウは今までの陽性数が0をであり、西サハラは2年以上、セントヘレナは1年以上陽性者が出ていない。バチカン、フェロー諸島、エジプト、グリーンランド、ニカラグアでは3ヶ月以上新規陽性数0が続いている。
下の表は39週の新規陽性数のランキングである。国名、地域、Worldometer の累計陽性数順位、今週の陽性数順位(赤字は順位上昇、青字は下降)、感染率、今期の陽性数、今期の陽性数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、今週の陽性数、今週の人口100万人あたりの1日平均の陽性件数、今週の陽性数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続陽性数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX は陽性数同数の週数、zXXは陽性数0の週数、zzz等は2年以上陽性数0)、トレンド(色訳はB章の地図と同じ)、今週の死者数順位、致死率、今期の死者数、今期の死者数ペースの前期からの伸び率(マイナスは減少)、今週の死者数、今週の人口100万人あたりの1日平均の死者数、今週の死者数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続死者数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX はXX週間死者数同数、zXXはXX週間死者数0、zzz等は2年以上死者数0)である。
今週もっとも新規陽性数が多かったのは、先週の予想通りドイツで43万4179人だった。前週比で60%近く増加し、前週の5位から一気に1位に上がった。ドイツが世界一になるのは18週(4月30日−5月6日)以来およそ5ヶ月ぶり4回目である。これで3週連続の増加となった。伸び率が上がっているので、もうしばらく増加が続くと思われる。
先週1位の日本は前週比19%減の34万7019人で2位になった。日本の連続1位は9週で終わった。すでにピーク時から78%減少した。3位のフランスは前週比33%増の30万3554人で先週の7位からが上がった。このペースなら来週は日本を抜いて2位に上がるだろう。4位のロシアは13週間ぶりの減少で順位を一つ下げた。5位は台湾は前週比2.5%増だったか、順位を一つ下げた。先週2位のアメリカは37%減で6位に下がった。
人口100万人あたりでは世界で平均して1日に55.0人の陽性患者が確認された。次の表はそのランキングである。
先週1位のセントヘレナは7028.4人で、先週の約4分の1に下がったものの1位をキープした。先々週1位のモンセラートは先週新規陽性数は0になったのだが、今週は2200.4人で2位になった。15週ぶりに新規陽性の確認があったドミニカが3位になったので、先週2位の台湾は4位に下がった。3期の新規陽性数10万人以上のところでは台湾が一番多かった。5位オーストリアは前週比66%増で順位を一つあげた。6位セーシェル、7位スロベニアまでが1000人以上だった。100人以上1000人未満は49国領土で、先週より4国領土多くなった。
C2. 死者数ではアメリカ、人口100万人あたりでは香港
今までの累計の死者数は654万9254人でその致死率は1.05%になった。
39週は55国領土で死者数が増加した。先週よりも13国領土多くなった。ドミニカで13週間ぶりに、パプアニューギニアでは6週間ぶりに、アンティグアバーブーダとグレナダでは1ヶ月ぶりの死者があった。これら4国を含めて20国領土で38週の死者数が0だったが、39週は死者があった。伸び率最大はエクアドルの400%増だった。
ポルトガルなど7国領土の死者数は先週と同じだった。
一方、54国で死者数が減少した。先週よりも24国領土少なくなった感染状況を更新しなかったカナダよトルコを含めて12国で死者数が0になった。トルクメニスタンなど8国領土で死者数0が続いている。西サハラは2年以上、ウォリスフツナとブルンジは1年以上死者数0を続けている。サンバルテルミなど16国は半年以上、エジプトなど19国領土で3ヶ月以上、ベラルーシなど35国領土で1ヶ月以上死者数0が続いている。サンバルテルミは最後の死者が出てから来週で1年になる。しかし、今週新規陽性者数が急増したので、死者が出るかもしれない。
次の表は22年39週の死者数のランキングである。
先週1位のアメリカの今週の死者数は1950人だった。これで、死者数1位の座を42週連続で維持した。アメリカではデータが修正され、37週が3006人から2907人に、38週が3956人から3089人に修正された。修正後は前週比37%減だった。
2位はロシアが先週から一つ順位を上げた。死者数718人で前週比0.6%増だった。ロシアは新規陽性数のペースが落ちており、かつ、減少に転じたので、死者数も減少になると予想される。先週2位の日本は26%減の612人の死者があり、3位になった。4位ドイツは順位は同じだが、前週比15%増の606人だった。来週は、日本とロシアを抜いて2位に上がると予想される。5位のイギリスは先週より20%減少して342人になった。
人口100万人あたりでは世界で1日に平均して0.15人の死者があった。次の表はそのランキングである。
今週最も多かったのがドミニカの11.84人だった。実際の死者数は6人である。今週15週間ぶりに新規感染が確認されたと思ったら、いきなり死者が出た。ミクロネシアが2.43人で2位、ケイマン諸島が2.12人で3位だった、チャネル諸島が1.61人で5位になったが、いずれも実際の死者数は1人ないし2人である。4位の台湾は1.85人で、3期の新規陽性数10万人以上のところでは最も多かった。
C3. 治療者数はアメリカ、人口100万人あたりでは数はケイマン諸島とコスタリカ
Worldometer では Active の項目で、陽性になったけれども回復していない(もちろん生存している)人の数を表している。QRではこのような人を治療中の者(治療者)と呼んでいる。多くの国では、治療者数は現在隔離されている(はずの)人たちの数である。
22年9月30日時点で世界には1248万0285人が治療中である。先週の報告では約1246万人だったが、修正で1269万人に増えたので、修正がは1.7%の減少だった。現在は15国領土で治療者数を公表していない。したがって、少なくとも1248万人が世界のどこかで隔離されている(はず)ということである。
次のグラフは世界の22年の治療中の者の数と新規陽性数の推移である。
39週は、89国領土で治療者数が増加した。先週よりも20国領土多くなった。アンギラは5週連続で治療者数が減少中で先週0になったばかりだったが、今週は治療者が出た。伸び率が最も高かったのはセントルシアの305%増だった。アンギラとセントルシアを含めて5国領土で伸び率が100%以上だった。
45国で今週の治療者数は先週と同じだった。グリーンランドでは治療者数が9189人になってから6ヶ月以上経った。島民の16%が6ヶ月以上隔離生活を続けていることになる。ニカラグアは24週連続、エジプトは23週連続で治療者数が変わらない。
74国領土で治療者数が先週から減少した。先週よりも15国領土少なくなった。ニウエで治療者数が0になった。バチカンでは25週間、西サハラでは24週間、北朝鮮では9週間、マカオでは4週間、フォークランドでは3週間治療者数0が続いている。また、トルクメニスタン、トケラウ、ピトケアンでは感染者が出たことがないので治療者数は0である。
90週以上治療者数が増え続けていたギアナでは今週の治療者数は先週と同じだった。長い増加期間中治療者数が前週と同じだったことは初めてである。サンマルタンは先週まで4週連続で治療者数が同じだったが、今週は増加した。これで、75週間以上治療者数が減らない。ウガンダとチャドでは1年以上、ウォリスフツナ、ケイマン諸島で、ソマリア、サモア、ポーランド、モルジブでは半年以上、治療者数が前週を下回ったことがない。
下の表は今週の治療者数のランキングである。リストは国名、地域、今週の治療者数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、連続増減週数、長期治療中の者の数(青字は先週より減少)、その治療者数に対する割合、今週の重症者数、その前週比伸び率、連続週数増減、今期の回復者数、その前期比伸び率、今週の回復者数、その人口100万に当たりの1日平均、その前週比の伸び率、連続週数増減で構成されている。
先週一位のアメリカは210万5430人が治療中だった。前週比14%減、8週連続で減少しているが、世界1位をキープした。2位のドイツは92万0965人が治療中となり、先週の7位から大幅アップとなった。伸び率は32%で2週連続増加となった。3位はベトナムで84万4344人の治療者がいる。前週比で0.3%の増加となり、25週続けてきた減少が途絶えた。4位はポーランドの84万0036人で前週比3.1%増加で、27週連続で増加が続いている。5位は日本で83万9549人だった。今週は5週間ぶりに前週を上回った。先週2位の韓国は前週比24%減の72万7234人で7位、先週5位の台湾は前週比3%増の81万1282人で6位になった。
人口100万人あたりでは世界の1日平均の治療者数は1567.8人だった。下の表はそのランキングである。
最も多いケイマン諸島では、人口100万人あたり1日平均で32万7274人の治療者がいる。要は島民の33%が陽性で隔離中(のはず)である。先週よりも0.5%増えた。これで42週連続で治療中のものの数が減らない。サンマルタン、ギアナ、セントヘレナ、グリーンランド、サンピエールミケロン、ジブラルタルで人口100万人あたりの治療者数が10万人以上、つまり人口の10%以上が隔離されている(はずである)。何も海外領土であるが、本国に比べて対策がおざなりになっているのだろうか。3期の新規陽性数が10万人以上の国ではコスタリカの3万9084.7人が最も多かった。
C4. 長期治療者数はベトナム
22年26週(7月1日)以前に感染して、今なお治療を続けている者の数は世界43カ国に195万5905人いる。先週に比べて総数も前週比で0.4%減少した。次の表は39週で3ヶ月以上長期治療を続けてもまだ回復していない患者数のランキングである。
もっとも長期治療者数が多いのはベトナムで7万6903人いる。先週より1%減少した。2番目に多いのはポーランドで56万3259人いる。数は先週と変わらなかった。つまり、誰も回復していないということである。ベトナムは22年1期以前に感染して半年以上治療中のものは計算上0だが、ポーランドは51万5771人が22年1期以前に感染して半年以上治療を続けているが、まだ治っていない。3位はコスタリカの20万2568人、4位はアルジェリアの76903人、5位はギアナの7万6707人だった。アルジェリアとコスタリカには21年12月31日以前に感染して9ヶ月以上治療を続けているがいまだに回復していない者が少なくとも、それぞれ、2万9847人、3万7344人いる。
C5. 重症者の減少ペースが鈍る
39週の世界の重症者数は4万0128人で、先週よりも1.3%減少した。6週連続の減少であるが、減少率は低くなっている。来週には死者数ともども重症者数も増加になる可能性がある。次のグラフは22年の重症者数と死者数の推移である。
カタールでは7週間ぶりに、バハマでは4週間ぶりに重症者が出た。この2国を含め14国領土で重症者数が増加した。ポーランドでは1000人近く重症者数が増えた。新たに感染した者の中に多くの重症がいたのか、すでに長く治療をしている者が重症になったのかは不明である。
一方、22国領土で重症者数が減少した。ニュージーランドなど20国領土で重症者数0が続いている。
また、111国領土では重症者数が先週と同じだった。中央アフリカ、タンザニア、ボツワナ、リベリア、カボベルデ、イエメン、ロシア、グアテマラ、ブラジルでは、2020年末から重症者数はずっと同じままである。メキシコなど14国で1年以上重症者数が同じままである。重症者の面子が全く変わらない(ずっと治らない)とか、重症者が治るか亡くなるかして減少すると同時に同じ数だけ重症者が増えるとかは考えにくいが、あり得ないことではない。重症者を受け入れる施設が限定されていて、本当はもっと多くの重症者数がいるにもかかわらず、収容できないので、収容した分だけ発表している可能性もある。もしかしたら、いい加減に数えているだけかもしれない。
下の表は今週の重症者数の多い国領土のランキングである。
重症者数が最も多いのはブラジルである。10週以上重症者数の変わらない国領土は重症者数を正しく数えていないとみなして、重症者数を正しく数えていると思われる国領土で最も重症者数の多いのがポーランドだった。長く1位を維持していたアメリカは2位に下がった。三位以下はドイツ、バングラデシュ、フィリピン、韓国、アルゼンチンの順になっている。
C6. 回復者数は日本、人口100万人あたりの回復者数は韓国
39週の世界の回復者数は325万8986人で、先週よりも13%減少した。これで7週連続の減少である。先週まで1269万4110人が治療中だったところに、新たに306万6537人が陽性と確認された。したがって、今週の回復者の割合は約21%で、先週から2ポイント下がった。次のグラフは世界の新規陽性者数と回復者数の推移である。
30週以降回復者数が新規陽性者数を大きく上回っていたが、今週はその差がだいぶ縮まった。来週あたりから新規陽性数の方が回復者数を上回るようになる、つまり、感染が拡大すると予測される。
今までの累計の回復者は、6億0333万3067人となった。今までの全ての感染者のうち96.9%が回復したことになる。回復者数は新規陽性数から治療者数と死者数を引いて得られる。治療者数を発表していない国は回復者数を計算できないので、実際の回復者数は個々の数字より多い。また、回復者も増える時は新規陽性数も増えている時が多いので、回復者が多いということは必ずしも感染が終息に向かっていることを意味しない。
下の表は39週の回復者数のランキングである。
先週1位のアメリカでは62万3223人が回復した。前週比で10%減であるが、1位の座を維持した。2位には前週比25%減ながら順位を上げた韓国が入った。3位は前週比8.8%増でロシアが先週から順位を上げた。4位は日本で先週から58%減だった。5位は前週比13%増の台湾が順位を上げた。
57国領土で回復者数が増加した。先週よりも10国多くなった。ドミニカでは13週ぶりに、ブルキナファソでは7週ぶりに、コンゴ民主では5週ぶりに回復者があった。先週回復者数が0だっら国領土のうちこの3国を含めた13国で回復者があった。これら13国のうち、コンゴ民主、オーストラリア、モンセラート、パプアニューギニアを除く9国領土で新規陽性数が増加している。回復者の伸び率が最も高かったのはスリランカで1111%増だった。
エスワティニの回復者数先週と同じだった。
91国領土で回復者数が減少した。先週よりも17国領土少なくなった。そのうち11国で回復者数が0になった。また、ニカラグアでは91週以上、セントヘレナとウォリスフツナではほぼ1年間回復者数が0である。ギアナ、サンマルタン、チャド、グリーンランド、モルジブ、ソマリア、ケイマン諸島、タジキスタンでは半年以上、西サハラなど17国領土で3ヶ月以上回復者数が0が続いている。このうち、当該期間の新規陽性者数が0なのは、ベラルーシ、ジブチ、エジプト、バチカン、西サハラ、グリーンランドだけである。要は、これらの国では感染してもぜ回復しないということである。
人口100万人あたりの回復者数は58.5人である。下の表は最新の人口100万人あたりの回復者数のランキングである。
最も多かったのはモンセラートの5372人である。2番目がドミニカの2165人だった。先週2位の台湾は1440人で3位に、先週1位だった韓国は1209人で4位になった。5位はスロベニアの964人だった。台湾とスロベニアは回復者数よりも新規陽性数の方が多かった。
C7. 拡大係数は1以下だが上昇が続いている
拡大係数は、直近3週間の新規陽性数を直近3週間の回復者数で割った値である。規制緩和のせいで、陽性患者でも症状がなければ、隔離されなくなったので、彼らか露も感染する可能性がある。そこで、新規陽性患者しか考慮しない実効再生産数を置き換えることを目的としている。実効再生産数と同様、係数が1以上なら回復者数が少ない、つまり、感染が拡大していることを示す。また、実行再生産数よりも変動が大きいので、係数の増減に注目することで、いち早く、感染拡大の超王をつかもことができる(よQRでは考えている)。ただし、治療者数を公表していない国では回復者数を計算できないので、拡大係数は計算できない。この時は s.c とした。また、回復者数も新規陽性数も0の時は n.a とした。回復者数は0でないが新規陽性数が0の時は ∞ とした。
次のグラフは3期の世界の拡大係数の推移である
39週の世界の拡大係数は0.83で一応は減少傾向であるが、先週よりも0.07ポイント上がっている。また4週連続で数値が上昇している。つまり、減少ペースが鈍ってきており、このペースなら、2~3週間後には世界的な増加度なると予想される。
70国領土で拡大係数が1以上ある。先週より3国領土多くなった。このうち、22国地域が拡大係数が無限大、つまり、新規陽性者数は増えているが、誰一人として回復していない。無限大以外で拡大係数が最も大きいのはミクロネシアの82.48だった。2位ラトビアが14.66、3位コンゴ民主が8.88、4位セントルシアが4.65、5位ガーナが2.29だった。
また、101国領土で拡大係数が1未満だった。先週より3国領土多くなった。ニジェールとフォークランド諸島で拡大係数が0になった。
15国領土で拡大係数が s.cである。カリブ海沿岸の国が多い。
30国領土で n.a になっている。しかし、北朝鮮、マカオ、バチカン、西サハラ以外は治療者数が0でないので、いくら新規陽性が0だからと言っても、感染が終わったとは言えない。実際、エジプトなど12国領土では回復者数が0のままである。
D. ヨーロッパで接種回数が増える
39週は世界92国領土で3027万5018回の接種が行われた。39国領土で先週の締切後のデータの更新があり、38週は114国領土で3337万7896回の接種と修正された。修正後は9%の減少で、これで6週連続で減少になった。
また、世界76国領土で2179万9675回もブースターが行われた、総接種回数の72%がブースターだった。ブースターも前週比で18%の増加だった。ただし、Githubでは3回目と4回目以降の数字を合わせたものをブースター回数として発表しているので、ブースターを受けた人数はこれよりも少なくなる。次のグラフは世界の22年のワクチン接種回数(赤)とブースター回数(茶)の推移である。
今までの総接種回数は127億4529万3072回、ブースターは25億2540万5574回になる。49億5101万2554人が接種を完了し、完了率は62.2%である。また、過完了率は31.7%になった。一方異界も接種を受けていない者は世界では25億7996万6742人いる。
39週は60国領土で接種回数が増加した。38週より16国領土多くなった。ドミニカではほぼ2ヶ月ぶり、キプロスではほぼ1ヶ月ぶりに接種が行われた。ドミニカとキプロスを含めて12国領どで先週の接種回数は0だったが今週は行われた。伸び率最大はブータンで5392%増だった。
一方67国領土で接種回数が減少した。33国で接種回数が0になった。このうち24国がアフリカである。
D1. 接種回数はインド、人口100万人あたりではベルギー
次の表は22年39週のワクチン接種回数のランキングである。項目は国名、地域、完了率、未接種人数、22年3期の接種回数、その前期比伸び率、今週の接種回数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、過完了率、22年3期のブースター回数、その前期比伸び率、今週のブースター回数、その前週比伸び率である。
先週1位のインドは38週に約1264万4071回の接種をした。先週より18%増加させた、世界一位を維持した。2位のアメリカは前週比で6%増の359万3665回、3位の日本は22%減の153万1772回接種した。4位は中国の105万6000回で。6週間ぶりに前週をうわまった。5位はロシアは減少させて92万9397回だった。
人口100万人あたりでは1日平均543回の接種があった。次の表は22年39週の人口100万人あたりのワクチン接種回数のランキングである。
最も多いのはブータンの8513回だった。ブータンでは今週は発表がなかったが、新規陽性数が増加中なので接種が増えたと思われる。接種回数の76%がブースターだった。先週一位のベルギーは9409.7回で2位に下がった。ベルギーででも新規陽性数が増加している。3位はホンジュラスの7177回、4位はスウェーデンの6752回である。両国とも今週は陽性数の減少が止まった。5位のソマリアは5305回で、こちらは陽性数の増加が止まった。
次の表は22年38週のブースター回数のランキングである。
インドは前週比22%減の1123万8557回、日本は20%減の146万8384回だったが、それぞれ1位2位を維持した。3位は久しぶりにブースター回数の更新をした中国で142万5000回だった。前週3位のアメリカは14%増の114万3410回のブースターをしたが、中国に抜かれ4位になった。5位には先週比17%減の77万4320回でパキスタンが入った。
E. 後遺症は長く続く可能性が高い
10月2日付のYahoo Japan ニュースで、コロナ後遺症について触れられていた(https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20221002-00317739)。忽那賢志 氏によると22年8月は後遺症の相談が急増した。また、高齢者、女性、重症だった人に多いらしい。イギリスの調査では、デルタ株に感染した人は10人に1人の割合で、オミクロン株に感染した人は20人に1人の割合で後遺症訴えるとのことである。
イギリスの調査(Risk of long COVID associated with delta versus omicron variants of SARS-CoV-2、www.thelancet.com Vol 399 June 18, 2022 )では1年6月から11月にかけてデルタ株感染した患者と、21年12月から22年3月の間にオミクロン株に感染した患者を追跡した。デルタ株では4万1361人中4469人(10.8%)に後遺症が見られ、オミクロン株では5万6003人中2501人(4.5%)後遺症が見られた。
QRでは重傷者のデータはあるので、イギリスの重症者と後遺症の関係を調べてみた。ここでは、21年6月から11月にかけては主にデルタ株感染した、21年12月から22年3月では主にオミクロン株に感染したと仮定する。下のグラフは、イギリスの重症者数の21年からの推移である。
21年6月から11月の間の1日平均の重症者数は765人で、21年12月から22年3月の間は598人だった。オミクロン株ではデルタ株に比べ、重症者数が20%ほど減少した。
下のグラフは、イギリスの重症者率(重症者数を治療者数で割ったもの)の21年からの推移である。
21年6月から11月の間の平均重症率は0.08%、21年12月から22年3月の間は0.03%だった。重症者が多い、あるいは重症率が高いことは、後遺症で苦しむ人たちの数を左右すると言えそうである。
イギリスではBA.5型の感染による重症者数はそれほど多くないが、重症りつは高くなっとり、現時点では、デルタ株のそれを超えている。と何ると今後は、後遺症で苦しむ人が増えてくる可能性もある。
日本では21年6月から11月の1ヶ月の間に平均して669件の後遺症の相談があった、ピークは9月で1406件だった。21年12月から22年3月までの間は、1ヶ月平均814件の相談があり、ピークは22年2月に1246件、3月に1389件だった。4月から7月までは1ヶ月平均712件の相談があり、8月は3054件以上になった。次のグラフは、日本の重症者数の推移であるが、重症者数がピークになっている頃に相談が多くなる傾向がある。
次のグラフは22年の重症率である。BA.5型ではオミクロン株に比べ、率が大きく下がった。21年分を入れていないのは、デルタ株の重傷率が5%以上と高く、BA.5型がほぼ0になるからである。
これによると、率が上がるにつれ、相談件数が多くなっている可能性が高い。
後遺症の症状は倦怠感、咳、嗅覚障害、呼吸苦、味覚障害、頭痛が多い。新型コロナの感染者の症状と同じである。症状の重さは中程度3分の1以上を占める。したがって、後遺症とは、検査で陰性だった、あるいは、抗体があるからという理由で、回復したとみなされたが、まだ症状が続いている(回復していない)ことなのではないかという疑問が生まれる。医師からすれば、呼吸器などの世話にならないので「軽症」扱いされていると思う。後遺症は1年以上も続くケースがあると言われているが、C5節で考察した長期治療者というのがこれに該当するのではないだろうか?だとすれば、後遺症は死ぬまで治らないという結論になる。
F. 第8波の兆候
日本の39週の新規陽性数は34万7091人だった。9週間続いた世界一回の座をドイツに取られてしまった。伸び率はマイナス20%で5週連続減少となった。死者数は612人だった。こちらもいけげつ以上続いた2位の座をロシアに明け渡した。伸び率はマイナス26%で4週連続の減少となった。下のグラフは日本の感染図である。
F1. 日本の3期は過去最悪
日本の22年3期の陽性数は1193万6342人だった。2期に比べ330%増加だった。下のグラフはここ1年間の日本の新規陽性数の推移である。
世界の多くはオミクロン株初期型の流行した22年1期が最も新規陽性数が多いが、日本は3期が最も多くなった。日本では、9月30日までに2126万5682人が新型コロナに感染したが、このうち56%が3期に感染した。
日本の22年3期の死者数は1万3,508人にだった。2期に比べ325%増加した。下のグラフはここ1年間の日本の死者数の推移である。
死者数も同様に、世界の多くの国々とは異なり、3期の死者数が最も多い。9月30日時点での日本の死者数は累計で4万4789人であるが、このうちの30%が22年3期に亡くなった。
日本の22年3期の致死率は0.11%だった。世界平均(0.27%)の半分以下である。G20加盟国の中では6番目に低い。下のグラフはここ1年間の日本の致死率の推移である。
日本では9月30日時点で、83万9549人が治療中である。前週比で12%の増加となった。先週まで4週連続で続いていた減少が止まった。下のグラフは22年の日本の新規陽性数と治療者数の推移である。
重症者数は178人で、前週比で32%減で、これで7週連続の減少である。下のグラフは日本の重症者数と死者数の推移である。日本は死者数の方が重症者数より多い世界的には珍しい国である。重症の条件が世界よりも厳しいのかもしれない。
日本では39週に25万3599人が回復した。前週比で58%の減少で、4週連続減少した。人口100万にあたり1日平均で288.4人が回復している。今週の回復率は23%でさらに低くなった。回復者数が減少したのは新規陽性者数が減少したからであるが、回復率が下がったのは、感染しても今までのようにすぐには回復しなくなった、ということを意味している。下のグラフは22年の日本の新規陽性数と回復者数の推移である
世界に先駆け、新規陽性数が回復者数を上回った。
F2. 初期型との比較
下のグラフは日本の初期型とBA.5型の新規陽性数(左上)、死者数(左下)、治療者数(右上)、重症者数(右下)の推移の比較である。初期型は21年52週を、BA.5型は22年24週を0週とした。正確には初期型が多数を占める時とBA.5型が多数を占める時の新規陽性数などの比較である
BA.5型では、治療者数は増加になった。初期型と同じくこれから増加が続く可能性が高い。新規陽性数、死者数、重症者数はまだ減少中だが、減少率は小さくなった。
次のグラフは日本の初期型とBA.5型の致死率(左上)、検査陽性率(右上)、回復者数(左下)、ワクチン接種者数(右下)の推移を表している。
F3. ワクチン接種回数は増えた。
日本での39週のワクチン接種回数は153万1772回で、前週比22%の増加となった。全接種回数の96%にあたる146万8384回がブースターだった。次のグラフは、日本のワクチン接種回数(赤)とブースター数(茶色)の推移である
首相官邸のホームページによれば、38週は128万2114回の四回目の接種をおこなった。全ブースター回数の87%が四回目である。次のグラフは三回目、四回目のワクチン接種回数との推移である。
F4. 空港検疫の陽性数は増加した
39週の空港検疫での陽性数は144人で、前週比27%の増加だった。先週まで5週連続で減少していたが、止まった。次のグラフは、日本の空港検疫の陽性数(灰色)と国内の陽性数(青)の推移を表している。
空港検疫の陽性数は全員検査でなくなってからも、日本や世界の陽性数の増減の先行きの指標となっている。減少が続いている最中に1回くらいは増加ということはよくある。しかし、この増加が2週以上続いて、しかも伸び率も上がるとなれば、日本および世界の多くで陽性患者が増えるのは過去のデータが示している。
人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。ランキングは特に表記のない限りアメリカ中部時間の10月5日22時時点で得られた最新の値を利用して作成し、上位20位までをリストした。それ以降に修正あるいは追加されたデータは含めないので、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。修正あるいは追加されたデータはも反映させているので、今号の統計とは異なる場合もある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。