2021年の新型コロナランキング 6/11

はじめに

新型コロナ関連サイトでは累計陽性者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。2020年は結構な数の陽性者数を記録したが、2021年はあまり陽性者を出していない国と、逆に2020年はあまり陽性者をだしていないが、2021年は結構な数の陽性者を出した国とでは、例え、累計陽性数が同じであったとしても、現在の状況は全く異なる。一般的に、2021年の累計順位は2020年からの累計順位よりも高いところは、今年に入ってからの陽性数が昨年よりも多くなっていることを意味する。メディアの報道やSNSでは2020年からの陽性数を表示しているが、これだけでは感染状況を見誤る恐れもある。

そこで、2021年の新型コロナに関する様々な指標を、陽性数や死者数は Worldometer のデータを、ワクチン接種数は Github のデータをもとに計算し、2021年の6月11日までの累計陽性数でランキングにした。また、毎週の新規陽性数、死者数、ワクチン接種数などは独立に第10位までランキングを作った。


東京オリンピックが始まるまでに2021年累計感染数は1000万件を超える

世界の6月5日から11日までの新規陽性数は2,720,090件で先週から470,241件の減少である。これで6週連続の減少である。2021年第1週に比べれば約45%減となった。人口100万人あたりの1日平均では50.1件になる。2021年累計では91,669,739となる。これは昨年の陽性数の108.7%に当たる。別の言い方をすれば、昨年の8.7%増になる。このペースでいけば東京オリンピックが始まるまでに2021年累計感染数は1000万件を超えるだろう。


A1. アジアと南米で陽性数が増加している。

世界各国の2021年累計陽性数によるランキングは下の表のようになった

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第7位までは先週と同じ顔ぶれだが、コロンビアが11位から8位に上昇した。今週の新規陽性数は、インド、ブラジル、アルゼンチンに次ぐ第4位である。ブラジルと共に新規陽性数が先週よりも増えている。上位60位以内で順位が上昇した国はコロンビアの他には、チリ、フィリピン、南アフリカ、アラブ首長国連邦、ウルグアイ、パラグアイ、チュニジア、ベラルーシ、タイ、スリランカ、クウェートがある。アジアと南米で上昇している。タイは10週連続で順位が上がっている。先週の新規陽性数は17,849件であった。タイ昨年の累計陽性数は7,163件なので1週間で昨年の倍以上の陽性者を出したことになる。スリランカは7週連続、マレーシアも4週連続で順位が上がっている。日本は3週連続で順位が上がっていたが、今週は先週と同じであった。

上位60カ国のうちで順位を下げたところはイギリス、ドイツ、カナダ、スウェーデン、セルビア、バングラデシュ、ギリシャ、エクアドル、ブルガリア、スロバキア、アイルランド、パレスチナ、コスタリカの13カ国である。ヨーロッパが多い。

C1. インドは大幅減

6月4日から11日の新規陽性数上位10ヶ国は次のようになった。( )内は2021年累計陽性数順位、新規陽性数、+ーは先週からの増減、矢印一つで1個のランク変化


1。インド(1位) 664,198、−310,206、5週連続減少中
2。ブラジル(3位) 459,266、+9,969、2週連続増加中
3。アルゼンチン(6位) 177,693、−35,282、 2週連続減少中
4。コロンビア(8位) 176,661、+1,182、3週連続増加中 
5。アメリカ(2位) 114,423、–54,943
6。ロシア(10位) 73,325、+8,655、2週連続増加中 ↑
7。イラン(12位) 58,769、−9,429、8週連続減少中 ↓
8。インドネシア(16位) 50,413、+10,162、3週連続増加中 ↑↑↑↑↑
9。チリ(21位) 50,073、+108、5週連続増加中 ↑
10。フィリピン(22位) 45,012、−1,171、 ↑↑

29。日本(27位) 14,855、−6,323、4週連続減少中 ↓↓↓↓↓

インドは先週よりも30%以上も新規陽性数を減らしたが、65万件以上の新規陽性数があった。アルゼンチン、アメリカも大幅に減らしてはいるが、いまだに10万件以上の新規感染がある。フランスとマレーシアがそれぞれ16位と13位になり、代わりにインドネシアとフィリピンが10位以内になった。インドネシアはブラジルよりも新規陽性数の増え方が大きい。フィリピンの今週の新規陽性数は先週より減ったにもかかわらずランクが上がった。

C2. 中南米とアジアで陽性密度が高い

5月29日から6月4日の人口100万人あたりの新規陽性数上位10カ国は下のようになった。
( )内は累計陽性数順位、今週の100万人あたりの新規陽性数、先週との差、今週の陽性数


1。セーシェル(127位) 1,177.0、−286.1、815
2。ウルグアイ(40位)1,024.5、−53.3、24,994 ↑↑
3。モルジブ(93位) 749.5、−577.9、2,883 ↓
4。バーレーン(59位) 713.2、−566.3、8,771 ↓
5。アルゼンチン(6位) 556.8、−110.7、177,693
6。コロンビア(8位) 491.1、+3.2、176,661
7。スリナム(132位) 432.3、+20.7、1,790 ↑↑
8。モンゴル(90位) 408.6、+119.5、9,591 ↑↑↑↑↑↑↑↑
9。パラグアイ(43位) 386.2、−9.9、19,504 ↑
10。チリ(21位) 371.2、+0.7、50,073 ↑↑

114。日本(27位) 16.2、−7.8、14,855 ↓↓↓↓↓↓↓


世界の人口100万人あたりの新規陽性数は49.4であるで先週より8.6下がった。セーシェルとウルグアイは先週より下がったものの1,000以上ある。日本がもしセーシェル並の感染状況なら、毎日150万人の新規陽性が出ることになるのでパニックどころの騒ぎではないだろう。この数字が100を超える国地域は先週から7減って、37カ国となった。中南米が17カ国、アジアが9カ国、アフリカが6カ国、ヨーロッパが5カ国となっている。

D. 先週よりどのくらい増えたか

D1. インドとその周辺は減少し始めた。

今週の新規感染数が前週よりも減った国は次の通りである。( )内は2021年累計陽性数順位、前週からの増減、今週の新規陽性数。

1。インド(1位) −310,206、664,198
2。アメリカ(2位) −54,943、114,423 ランク外(プラス)
3。アルゼンチン(6位) −35,282、177,693 ↑↑↑↑↑
4。フランス(4位) −21,323、32,809 ↓
5。マレーシア(28位) −10,319、43,289 ランク外(プラス)
6。ネパール(39位) −9,613、22,836 ↓↓↓↓
7。イラン(12位) −9,154、58,769 ランク外
8。タイ(53位) −9,154、17,849 ランク外(プラス)
9。ドイツ(11位) −8,400、16,126 ↓↓↓↓
10。オランダ(20位) −6,982、11,099 ランク外

13。日本(27位) −6,323、14,855 ↓↓↓↓↓↓↓

新規陽性数が減少した国は先週よりも6カ国増えて、120カ国となった。日本も含め、インド、マレーシア、ネパール、タイなどアジアで先週よりも大幅に新規陽性数を減らしている。ここには載せていないが、台湾、モルジブ、スリランカも新規陽性数が1000件以上減少した。


D2. イギリスで第3波が発生か

1。イギリス(9位) +16,617、44,928 ↑↑↑
2。南アフリカ(24位) +10,162、44,065 ↑↑↑↑↑
3。インドネシア(16位) +10,162、50,413 ランク外
4。ブラジル(3位) +9,969、459,266 ↓↓↓
5。ロシア(10位) +8,655、72,325 ランク外
6。スペイン(13位) +6,284、35,613 ランク外(マイナス)
7。ザンビア(81位) +5,652、9,598 ランク外
8。バングラデシュ(41位) +3,458、14,982 ランク外
9。アフガニスタン(102位) +3,123、10,950 ランク外
10。モンゴル(90位) +2,786、9,519 ランク外

( )内は2021年累計陽性数順位、前週からの増減、今週の新規陽性数

新規陽性数が先週よりも増えた国は先週より6カ国減少し、78カ国となった。イギリスは今週も増やして1位になった。イギリス、ロシア、スペインは5月まではワクチン接種の効果が高く、10数週にわたって新規陽性数が減少していたのだが、どうしたのだろうか。規制を緩和したためにその反動が起こったか、ワクチンの効かない新たな変種が発生したのかどちらかであろう。第3波が始まったのではないかという意見も聞かれる(https://www.bbc.com/japanese/57312361)。

先週より1000件以上増加した国は19あるが、南アフリカ、ザンビア、チュニジア、ナミビア、ウガンダとアフリカ勢が5国、インドネシア、バングラデシュ、アフガニスタン、モンゴルとアジア勢が4国と多めである。


年初めと比べてどのぐらい増えたか

先週までは昨年の感染数死者数に対して何%になるかというランキングを作ったが、今回は2021年第1週の新規陽性数に対し、今週の新規陽性数が何%増減したのかでランキングにした。2021年第1週に新規陽性数を発表していないところは、第2週あるいは最初に0でない油性数を発表した週の陽性数との比較をした。マイナスのついている数字は減少、そうでないものは増加を表している。

例えば、インドは414%増である。つまり、インドの今週の新規感染数は2021年の第1週の感染数の5倍以上に増えているのである。先週より30万件以上減っているが、はっきり言ってまだまだ危ないのである。

世界全体では45.3%減である。今年の正月といえば、ワクチンの接種が始まったものの、イギリス変異株の大流行が起こった。ワクチンが効くか効かないかで議論があった。統計的にはアストラゼネカとモデルナはイギリス変異株に有効だが、ファイザー製はそうではない。しかし、その時の新規陽性数の約半分になった。


D3. 今週の新規感染数が2021年第1週よりも減った国

34の国と地域で今週の新規陽性数が0であった。このうち、20の国と地域で、2021年に少なくとも一人の陽性者があり、100%減になる。残りの14の国と地域は陽性数が2020年から引き続き0であるので計算不能である。これらの国を除くと、今週の新規感染数が2021年第1週より最も減った国は以下の通りである。( )内は2021年累計陽性数順位、2021年第1週からの増減、今週の新規陽性数。

1。イスラエル(35位) –99.8%、114
2。レソト(141位) −99.1%、16
3。ブルキナファソ(144位) −99.1%、9
4。ジブラルタル(167位) −99.0%、8
5。バルバドス(158位) −99.0%、4
6。チャド(164位) −98.6%、4
7。アルバニア(88位) −98.4%、65
8。マルタ(121位) −98.1%、20
9。チェコ(19位) −97.7%、1,799
10。タークスとカイコス(179位)−97.2%、2

94。日本(27位) −51.9%、14,855

この手の割合ものは陽性数の少ない国ほど高くなるものだが、2021年累計感染数35位のイスラエルが非常に高い値を示している。109カ国が減少している。

イスラエルはワクチン接種を最も早くから始めた国一つで、ワクチン接種数は1億回を超え、25位である。少なくとも一回ワクチンを接種したものの割合は58.72%である。おそらく、ワクチンを接種することが可能な者は全て接種したのではないかと思われる。イスラエルはファイザーと少し遅れてモデルナを接種している。ファイザーだけの時は新規陽性数が下がらなかったが、モデルナを接種し始めてからは減少する一方である。今週はちょっと増やしてしまったが、それまでは17週連続で減少していた。

またチェコはワクチン接種数では650万回ほどであるが、少なくとも一人ワクチンを接種した者の割合は41.61%になり、EUとしては平均的な値である。チェコは現在4種類のワクチンを接種しており、アストラゼネカを接種し始めた2月11日の1ヶ月後から、新規陽性数が減少し始め、今週で14週連続で減少している。

ジブラルタル、マルタ、タークスとカイコスなどヨーロッパやヨーロッパの海外領土は少なくとも一人ワクチンを接種したものの割合は高いが、それ以外の国では非常に低い。ブルキナファソは6月2日にワクチン接種が始まったばかりである。

D4. アジアで新規感染が特に多い

1。カンボジア(101位) +52,975.0%、4,246
2。東ティモール(138位) +12,850.0%、634
3。フィジー(190位) +9,875.0%、399
4。台湾(131位) +8,830.4%、2,054
5。モンゴル(90位) +5,339.4%、9,519
6。ベトナム(137位) +4,355.3%、1,693
7。トリニダード・トバゴ(115位) +3,678.7%、2,305
8。イエメン(154位) +2,666.7%、83
9。パプアニューギニア(123位) +1,306.5%、436
10。アフガニスタン(102位) +1,245.2%、10,950

上位10カ国中7カ国がアジアである。これらの国のほとんどは2021年第1週の新規陽性数が一桁台であった。それゆえ、割合になると非常に大きくなる。しかし、1000件以上増えているところは、やはり要注意しておくべきである。


E. 2021年累計死者数は減少した。

累計死者数第4位のメキシコは5月に入って毎週の死者数は平均して1,500人台だったが、先週は5000人台に増え、また元のペースに戻った。過去の記録を見返せば、ペルーと同じ6月2日に累計死者数は前日より4,272人増えているが、新規死者数は33人であった。Worldometer の国別の詳細ページを見直せば、6月1日以前の数字が増えていたことがわかった。先週のペルーの時は数字があまりにも大きかったのですぐに気づいたが、メキシコはそれほどでもなかったので見逃していた。残念ながら、 メキシコが死者数を増加させた理由は見つからなかったが、おそらくペルー同様死者の見直しの定義であろう。メキシコの死者数の修正は昨年まで及び、その結果、2020年のメキシコの死者数が増え、相対的に2021年のメキシコの死者数が減少した。それに伴い、2021年の世界の死者数も減少した。

修正後の世界の6月5日から11日までの死者数は73,106人で先週から先週に比べて1986人増えた。先週まで6週連続で減少していたのがストップした。2021年第1週に比べれば約16%減である。人口100万人あたりの1日平均では1.3人となった。これで2021年の死者数は1,882,033となった。昨年の99.2%に当たる。来週中には昨年の死者数を超える。このペースでいけば東京オリンピックが始まるまでに2021年死者数は200万人を超えるだろう。

E1. インドの死者数の増加が半端ない

6月11日までの2021年累計死者数上位10ヶ国。

1。ブラジル(3位) 288,909、147.8%
2。アメリカ(2位) 258,293、72.5%
3。インド(1位) 217,892、146.0% 
4。ペルー(18位) 87,534、87.0% ↑
5。メキシコ(17位) 83,459、66.3% ↓
6。ロシア(10位) 68,119、118.4% 
7。ドイツ(11位) 56,010、162.9% 
8。イギリス(9位) 53,759、72.4% 
9。イタリア(7位) 52,303、70.1% 
10。コロンビア(8位) 51,120、117.5% 

26。日本(27位) 10,447、301.9%

( )内は2021年累計陽性数順位、死者数、昨年比

修正によりメキシコのランクが一つ下がり、ペルーのランクが上がった。それ以外は同じである。ブラジル、メキシコ、ペルーの死者数の順位は陽性数の順位よりも高くなっている。これらの国で流行している新型コロナウイルスの致死力が他の国よりも高いことを意味する。


F1. インドもブラジルも死者数が増え出した。

6月5日から6月11日の死者数上位10ヶ国は次の通りである。( )は累計死者数の順位、今週の死者数、前週からの増減。

1。インド(3位) 22,996、+1,279、2週連続減少でストップ
2。ブラジル(1位) 13,382、+1,585、2週連続減少でストップ
3。アルゼンチン(13位) 3,718、+416、2週連続上昇中 ↑
4。コロンビア(10位) 3,725、+42、5週連続上昇中 ↑
5。ロシア(6位) 2,637、+6、↑↑↑↑
6。アメリカ(2位) 2,498、−781、2週連続減少中
7。ペルー(5位) 2,287、−509、3週連続減少中
8。インドネシア(16位) 1,270、+74、2週連続上昇中 ↑
9。メキシコ(4位) 1216、+396、2週連続上昇中
10。ルーマニア() 1069、+631、2週連続上昇中 ランク外

20。日本(30位) 543、−107、3週連続減少中 ↓↓

先週3位のメキシコの修正後の順位は14位だったので、実際はランク外から急上昇になる。メキシコが先週3位ではないので、アルゼンチン、コロンビア、インドネシアの順位は実質変わらないということになり、アメリカ、ペルーは下がったと言える。ロシアはアメリカとペルーが思いのほか死者を減らしたので、相対的に順位が上昇した。第10位までが死者数1000人を超えたところである。日本は順位を2つ下げた。


F2. 中南米では死に至る確率が高い

5月29日から6月4日の人口100万人あたりの1日平均の死者数は次の通りである。
( )内は累計死者数順位、今週の人口100万人あたりの1日平均死者数、今週の死者数。


1。パラグアイ(32位)18.8、952 ↑
2。ウルグアイ(45位)16.0、390 ↓
3。スリナム(122位)14.0、58
4。アルゼンチン(13位)13.2、4,217 ↑↑
5。コロンビア(10位) 10.4、3,725 ↑↑
6。バーレーン(97位) 10.3、844 ↓
7。シントマルテン(189位) 9.9、3 ランク外
8。ペルー(5位) 9.8、2,887 ↓↓↓↓
9。トリニダードトバゴ(109位) 9.0、88 ↓
10。ブラジル(1位) 8.9、13,382 ↓

88。日本(26位) 0.6、543

世界全体では1.4で先週より0.1上がった。

この数値は人口が少ないと少ない死者数でも大きな数字になる。しかし、上位は感染大国が多い。シントマルテンは今週3人の死者が出たが、人口は4万人余りなので、割合にすればこのような高い数値になる。シントマルテンはカリブ海にあるオランダの海外領土である。フランスの海外領土であるサンマルタンと一つの島を南北に二分している。シントマルテンの2021年累計死者数は5月21日までで0人だったが、先々週に1人、今週3人と、ここ3週間で立て続けに死者が発生している。新規陽性数も5月15日以降倍増している。相棒であるサンマルタンは今の所死者数は0であるが、同様に陽性数が5月15日以降倍増している。来週はこのランクに顔を出しているかもしれない。

シントマルテンの代わりにボスニア・ヘルツェゴビナがランクアウトし、バーレーン以外は全て中南米諸国となった。


G1. ヨーロッパでは死者数が減っている国が多い。

今週の死者数が前週より最も減った国は次の通りである。( )内は2021年累計死者数順位、先週からの減少数、今週の死者数。

1。アメリカ() −781、2,498、2週連続減少中
2。ペルー() −509、2,287、3週連続減少中、ランク外
3。ウクライナ() −299、523、4週連続減少中 ↑↑↑↑
4。イラン() −262、983、6週連続減少中、ランク外
5。トルコ() −225、617、6週連続減少中 ↓↓
6。フランス() −198、428、7週連続減少中 ↑↑
7。ドイツ() −184、665、6週連続減少中 ↑↑
8。ポーランド()−130、414、8週連続減少中 ↓↓
9。ネパール() −110、574、3週連続減少中 ↓↓↓↓
10。日本() −107、543、3週連続減少中 ↑

世界全体では83カ国で死者数が先週より減少した。


G2. アジアと中南米では死者数が増えている国が多い。

今週の死者数が前週よりも最も増えた国は次の通りである。( )内は2021年累計死者数順位、先週からの減少数、今週の死者数。


1。ブラジル() +1,585、13,382、2週連続減少でストップ、ランク外(マイナス)
2。インド() +1,279、22,996、2週連続減少でストップ、ランク外(マイナス)
3。ルーマニア() +631、1,069、2週連続増加中 ↑↑↑↑↑↑↑
4。アルゼンチン()+499、4,217、2週連続増加中 ↓↓
5。メキシコ()+396、1,216、2週連続増加中 
6。パラグアイ() +235、952、ランク外(マイナス)
7。南アフリカ() +221、760、2週連続減少でストップ、ランク外(マイナス)
8。アフガニスタン() +165、363、4週連続増加中 
9。台湾() +89、198、4週連続増加中、ランク外
10。インドネシア +74、1,270、2週連続増加中 ↓↓↓
10。チュニジア +74、463、2週連続増加中、ランク外

ブラジル、インド、パラグアイ、南アフリカが再び死者数増になった。ブラジルと南アフリカは過去2週間で減らした分より多くの死者が出た。ブラジルとインドの増分が多いため、アルゼンチンは死者数が増加しているにもかかわらずランクが下がった。また、台湾とアフガニスタンの今週の死者数が先週の2倍以上となった。台湾の今週の陽性数は減少したので、死者数も2、3週間後には減少する。アフガニスタンはそうではないので長引く可能性がある。修正後のメキシコでは先週も増加していた(14位)だったので、実際はマイナスからプラスになったわけではない。

H. 中国製ワクチンの使用が広まっている。

今週は先週より850万回減少し、2億4000万回のワクチンが接種され、累計で約23億を超えた。6月11日からチャドでもワクチン接種が始まった。これで、215の国と地域でワクチン接種が実施されるようになった。Worldometer の Coronavirus Update でリストされている222の国と地域の中でワクチン接種が始まっていないところは17カ国地域となった。また昨年から新型コロナの陽性者数の報告のない17の国と地域でワクチン接種が始まっていないところは北朝鮮など5カ国地域ある。

チャドでは中国のシノファーム製のものが接種されている。シノファームは製造所別に少なくとも4種類のワクチンを製造している。一番多いのが北京製で中国を含め51カ国に提供されている。他には武漢製が中国とアラブ首長国連邦に、ハヤット製がカザフスタンに、BBIBP製がベネズエラとチャドに提供されている。アストラゼネカもインドなど色々な国で製造しているはずだが、全てアストラゼネカ製として発表されているので、シノファーム製は製造所によって作られるワクチンが違うと考えられる。中国は他にシノバックなども製造しており、68カ国に提供している。中国製のワクチンしか接種していない国は製造元の中国の他は、接種が始まったばかりのチャド、赤道ギニア、ガボン、ジンバブエのみいずれもアフリカ勢である。またアフリカでは中国製のワクチンを追加接種するところが多い。おそらくコバックスプログラムによるワクチンの分配が遅れているところに中国が提供をしていると思われる。

6月11日現在で判明しているブランド別の接種国や地域の数は、以下の通りである。

アストラゼネカ 172
ファイザー・ビオンテック 97
シノファーム(北京) 51
モデルナ 46
スプートニク 44
シノバック 29
ジョンソンジョンソン 22
バーラト(インド) 6
シノファーム(その他) 5
カンシノ 4
エピバック(ロシア) 1
カズバック(カザフスタン) 1
アブダラ(キューバ) 1
ソベラナ(キューバ) 1
RBDディマー(中国) 1

ワクチン別の接種回数は Github でもヨーロッパを中心に31カ国分しかないので、正確なところは不明である。アフリカなどでは接種回数の多くない国が多く、アストラゼネカは接種回数ではファイザーよりも下になっている可能性もある。

2週間以上ワクチン接種の更新がないところは13カ国に減った。このうち2カ国で中国製のシノバックを接種しているほかは全て欧米系のワクチンを接種している。また、先週2週間以上ワクチン接種の更新がなかった国のうち6カ国は接種が再開した。このうち5カ国がアストラゼネカ接種国である。


H1. 中国でのワクチン接種は8億回を超えた

5月21日のワクチン総接種数上位10ヶ国は次の通りである。()内は2021年累計陽性数順位。接種数、少なくとも一回接種を受けた人の割合、接種ワクチンの種類数とその開始日。

1。中国(152位) 863,513,000、 未発表、3(12/15~)
2。アメリカ(2位) 306,509,795、51.91%、42.69%、3(12/15~)
3。インド(1位) 243,703,242、 14.17%、3.32%、2(1/15~)
4。ブラジル(3位) 76,758,587、 24.87%、11.00%、3(1/16~)
5。イギリス(7位) 70,741,984、 60.52%、43.17%、3(12/23~)
6。ドイツ(8位) 60,105,411、 47.60%、25.41%、4(12/27~)
7。フランス(4位) 43,803,521、 46.11%、21.52% 、4(12/27~)
8。イタリア(6位)  41,301,322、47.28%、22.97% 、4(12/24~)
9。メキシコ(17位) 36,983,641、19.86%、11.45%、5(12/24~)
10。トルコ(5位) 32,952,991、22.71%、4.33%、2(1/13~) ↑

16。日本(29位) 21,408,125、12.64%、3.14% 2(2/17~)↑

接種回数を単に人口で割った接種率の代わりに、接種人数を人口で割った、少なくとも一回ワクチンを接種した者の割合、を載せた。中国は接種人数を発表していないので未発表としたが、接種率はほぼ60%である。

ロシアと入れ替わりにトルコが10位に上がった他は上位陣の順位に変動はない。日本は1ランクアップして16位になった。少なくとも一回接種を受けた人の割合は12.64%で、ロシアよりも多くなった。


H2. 6月5日から6月11日までのワクチン接種数上位10ヶ国

1。中国(1位) 119,030,000、 −22,462,000
2。インド(3位) 20,440,966、 +5,161,049 
3。アメリカ(2位) 7,389,273、+368,529 
4。ブラジル(4位) 6,015,065、+1,703,866 ↑↑↑
5。ドイツ(6位) 5,865,061、+880,459 ↓
6。日本(16位) 5,800,600、+1,369,403
7。韓国(21位) 4,528,255、+2,163,075、ランク外
8。フランス(7位) 4,237,726、+302,092
9。イタリア(8位) 4,219,999、+708,464
10。スペイン(11位) 3,529,983、+911,102、ランク外


()内はワクチン接種数順位。+ーは前週からの増減


中国では今週の接種数が先週よりも2,200万回減少した。おそらく、ワクチン接種がうまくいっていない国に積極的にワクチンを提供し始めたと考えられる。実際中国製のワクチンを接種している国は先週から8カ国増えて、76カ国となった。このうち38カ国で前週よりワクチン接種数が合計1000万回増えた。それでもまだ自国で1億2千万回近く接種できているのはワクチン生産に力を入れている証拠である。世界全体では、2億4000万回の接種が行われたので、世界のワクチンの半分は中国で接種されていることになる。

H3. 6月11日の少なくとも一回ワクチン接種した者の割合。

これは先週までリストしていた接種率とは違い、ワクチンを接種人数をその国の人口で割った値である。ワクチン完了者数が0ならば、この割合と接種率は同じになる。ただし、中国のように発表していない国もある。接種率100%とはいっても、二回受けたものもいれば、一回も受けてないものもいるので、少なくとも一回ワクチン接種した者の割合の方がより正確な接種状況になっていると考えられる。


70%以上 7カ国、ジブラルタルなどのイギリスの海外領土、セーシェルなど
50%以上70%未満 22カ国、イギリス、チリ、イスラエル、アメリカなど
30%以上50%未満 39カ国、ほとんどのEU、シンガポール、ドミニカ共和国など
10%以上30%未満 53カ国、ブラジル、メキシコ、インド、ロシアなど
1%以上10%未満 62カ国、マレーシア、タイ、イラン、南アフリカなど
1%未満 24カ国 ザンビア、カメルーンアフリカが19カ国を占める。
未発表 8カ国 アラブ首長国連邦、エチオピア、サウジアラビア、中国など
ワクチン未接種 22カ国、フランスの海外領土、チャド、ハイチ、北朝鮮など


ジブラルタルは116%なので間違いなく市民以外も接種している。イギリス軍が多く駐留するので彼らが接種しているのだろうか。

世界では少なくとも一回ワクチン接種した者の割合が50%以上の国は29カ国ある。それらの国の人口100万人あたりの新規陽性数でクラス分けをすれば

0 7
0.1以上10.0未満 6 アイスランド、イスラエルなど
10.0以上100.0未満 10 イギリス、アメリカ、カナダなど
100.0以上1000.0未満 4 チリ、バーレーン、モルジブ、モンゴル
1000.0以上 2 セーシェル、ウルグアイ

平均すると78.2人で、決して低いとは言えない。

G. 規制解除をしても大丈夫か。

アメリカのニューヨーク州とカリフォルニア州では、18歳以上州民の70%以上がワクチンを接種したとして、6月15日から新型コロナに関する規制を解除する決定を下した(https://www.governor.ny.gov/news/governor-cuomo-announces-covid-19-restrictions-lifted-70-adult-new-yorkers-have-received-first)。ニューヨークの18歳以上は75.3%なので、ニューヨーク州民の50%強が少なくとも一回ワクチンを接種したことになる計算になる。先週は同じくニュージャージー州とペンシルベニア州も同様の規制解除を発表した。ニュージャージは6月中に、ペンシルベニアは6月28日か、18歳以上の州民のワクチン接種者の70%に達するかした時に実施予定である。他の州ではこのような規制解除はまだ先のようだ。アメリカ以外ではイスラエルで規制解除をした他はまだなさそうである。

6月5日から11日までの人口100万人あたりの新規陽性数はニューヨークが39.7、ニュージャージーが27.7、ペンシルベニアが37.9、カリフォルニアが34.3である。いずれも日本(16.8)よりも高い数字である。ニューヨークは毎週の新規陽性数が10週連続減少中で、年初めより94.6%減少している。ニュージャージは5週連続減少中で、97.7%減少、ペンシルベニアは8週連続減少中で、93.6%減少、カリフォルニアは増えたり減ったりであるが、96.5%減少である。

1ヶ月前のイギリスは人口100万人あたりの新規陽性数が30.2、3週連続減、96.5%減だったので、ほぼニュージャージーと同じような状況である。そこで、5月に入ってから段階的に規制緩和を始めた(https://www.iss-ryugakulife.com/useful/14652.html)が、周知の通り、5月末から急激に感染状況が悪化し、ロックダウンの再延長を決めた(https://www.bbc.com/japanese/57438237)。果たして、ニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルバニア、カリフォルニアの決断は正しのだろうか。

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