2021年下半期の新型コロナ統計 8/13



A. 陽性数が減少しているのに順位が高くなる矛盾

下の図は8月13日のWorldometer の Coronaviruupdate で Total Cases での上位50カ国の2020年1月1日からの累計陽性件数を棒グラフで表したものである。アメリカ、インド、ブラジルは件数が他の国に比べ文字通り桁違いに大きいので、グラフを1000万件で切ってある。

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このうちの青い部分が2021年7月3日から8月13日までに各国で確認された陽性件数である。この期間でもアメリカ、インド、ブラジルが1、2、3位を独占することに変わりはないが、2020年1月1日からの累計陽性件数では4位のロシアは、同6位のイギリスよりも青い部分が短い、つまり、7月3日から8月13日までのロシアでの陽性件数は、イギリスよりも少ないということになる。そこで、2021年7月3日から8月13日までの陽性件数でランキングしなおした。その順位が国名の横の数字は2021年7月2日から8月13日までの陽性件数の順位である。

たとえば、アルゼンチンは2020年からの累計陽性件数では8位にランクされるが、7月3日以降では15位と下がる。アルゼンチンの7月3日から8月13日までの陽性件数は決して少なくはないが、2020年からの累計陽性件数ではアルゼンチンより下にランクされるスペイン、イラン、インドネシアよりは少ない。

下のグラフは週ごとの陽性件数の増加減少が連続してどのくらい続いたかを示したものである。減少が長ければ長いほど、感染がおさまってきていると言える。1、2週程度の連続減少は、長い連続増加の後ようやく減少に転じたか、あるいは、増加減少を短い期間で繰り返しているのどちらかである。

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アルゼンチンは7月2日の週をピークに今週まで6週連続で新規陽性数が減少している。一方、スペインは3週連続、インドネシアは4週連続で減少しているが、アルゼンチンよりも減少期間が短い。イランは逆に9週連続で増加中である。新規陽性件数がより多く減少している方が、累計順位としては高くなるという矛盾が起こる。

下のグラフは7月3日から8月13日までの陽性件数が2020年からの累計陽性件数のうちどのくらいの割合になるかを示したものである。

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アルゼンチンのは7月3日から8月13日までの陽性件数は全体の11.1%を占めるが、スペインは18.3%、イランで25.8%、インドネシアでは41.4%を占める。インドネシアやイランでは現在ものすごい勢いで陽性者が出しているわけである。要するにアルゼンチンが今年の7月以前に、スペイン、イラン、インドネシアより多くの陽性件数を出したために、全体としては、それらの国よりも多くなってしまったということが、この矛盾の原因である。


A1. 2020年からの累計陽性件数のランキングが現状よりも高めになる国

2020年からの累計陽性件数のランキングが現状よりもかなり高めという国は、アルゼンチンの他に、コロンビア(9位、13位)、イタリア(11位、28位)、ドイツ(13位、38位)、ポーランド(16位、117位)、ウクライナ(18位、76位)、ペルー(19位、39位)、チェコ(23位、103位)、チリ(24位、42位)、カナダ(25位、65位)、ベルギー(28位、44位)、スウェーデン(29位、81位)、ルーマニア(32位、109位)、ハンガリー(36位、146位)、ヨルダン(37位、73位)、スイス(39位、67位)、セルビア(40位、90位)、オーストリア(44位、83位)、レバノン(46位、61位)、エクアドル(50位、66位)がある。括弧内の数字は2020年の累計陽性数での順位、7月2日からの陽性件数での順位、である。内訳は南米5国、西欧6国、東欧6国、中東2国、北米1国である。南米、西欧、東欧の順にが順位のギャップが大きくなっていく。いずれの国も7月3日から8月13日までの陽性件数の割合が小さい。

次のグラフは2020年からの累計陽性件数のランキング上位50ヵ国の7月3日から8月13日までの陽性件数を示している。一番最初のグラフから、赤い部分を取り除いたものである。所々棒グラフが近傍の中で短い国がある。そこが上に挙げた、2020年からの累計陽性件数のランキングが現状よりもかなり高めの国々である。ギャップの一番大きいハンガリーではわずかに0.3%、数にすると、2,119件である。平均すると一日に50件ほどである。

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次のグラフは2020年からの累計陽性件数のランキング上位50ヵ国の8月13日までのワクチン接種率を示している。

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2020年からの累計陽性件数のランキングが現状よりもかなり高め国々はワクチン接種率が比較的高い。レバノンは20%未満だが、それ以外はどこも30%以上はある。チリやカナダなどは70%以上になる

ヨーロッパはもともと新規陽性件数が多かったが、西ヨーロッパは3月頃から、東ヨーロッパは4月頃から新規陽性数の減少が始まり、それが長く続いたために7月以降の新規陽性件数はアジアやアフリカに比べ少なくなった。しかし、2021年を通して見れば今年前半の陽性件数の多さが原因で順位が高くなってしまうので、このようなギャップが生まれる。

しかし新型コロナの場合には感染がおさまったかなと思ったたら、また感染拡大しているというのが一般的である。西ヨーロッパは減少開始が東ヨーロッパではより早かったので、感染再開した時期も早く、その分7月以降の新規陽性数も多くなり、それゆえ、西ヨーロッパは東ヨーロッパよりもギャップが小さくなった。東ヨーロッパも遅ればせながら新規陽性件数の上昇が始まったので、今後は東ヨーロッパの順位も上昇していくと思われる。

WHOが6月14日にペルー由来で南米に広がりを見せているのラムダ株を観察が必要な変異株と認定してから、南米はどこも新規陽性数が減少し始めた。こちらは減少開始して間もないので、ギャップはヨーロッパより低めである。しかし今後このギャップは大きくなってていくものと推定される。


A2. 2020年の累計陽性件数のランキングが現状よりも低めになる国

一方、インドネシアは2020年からの累計陽性件数では14位にランクされるが、7月3日以降に限定すると4位である。インドネシアの7月3日から8月13日までの陽性件数は157万6005件でアルゼンチンの約3倍になっている。1月1日から7月2日までの陽性件数は147万7668件で、わずか6週間で6ヶ月分を超えてしまったわけである。インドネシアの感染爆発の凄まじさが伺える。しかし、2020年の累計陽性件数によるランキングではアルゼンチンより低いという矛盾を持つ。

インドネシアの他に、2020年の累計陽性件数のランキングが現状よりも低めという国は、イラン(12位、6位)、バングラデシュ(26位、17位)、マレーシア(27位、11位)、日本(31位、21位)、タイ(35位、12位)、モロッコ(38位、25位)、ネパール(41位、35位)、カザフスタン(43位、22位)、チュニジア(45位、26位)、ギリシャ(48位、32位)、キューバ(49位、19位)がある。アジアが8国、アフリカ2国、ヨーロッパ1国、カリブ海1国という内訳である。

こちらは、アルゼンチンなどとは逆に、7月3日から8月13日までの陽性件数の割合が大きい。ギャップの一番大きいタイでは3新規陽性数の3分の2以上がが、7月3日からの6週間で発生したことになる。数も59万2268件で日本の2倍以上もある。感染大爆発である。しかもタイは日本と同じく9週連続で新規陽性件数が増加中である。日本の7月3日から8月13日までの陽性件数は28万6058件で第21位である。イギリスやフランスよりは少ないが、ドイツやイタリアよりは多くなってしまった。2020年の累計陽性件数では31位なので、7月以降の感染状況が急激に悪化したことがわかる。

また、ワクチン接種率は日本とギリシャは50%以上、マレーシアが30%以上ある以外はそれほど多くはない。イラン、バングラデシュ、ネパールは10%に満たない。

下のグラフは7月3日から8月13日までのワクチン接種回数がその国総ワクチン接種回数のうちどのくらいの割合になるかを示したものである。

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2020年の累計陽性件数のランキングが現状よりも低めの国はこの割合が高いケースが多い。例えば、イランで64.7%、マレーシアが68%、日本が57.2%、タイが54.1%、ネパール55.3%などである。日本も含めこれらの国々ではワクチン接種を開始した時期が欧米に比べて2ヶ月ほど遅いということが主な理由である。7月3日以前のワクチン接種回数は欧米に比べて少ないので、7月3日以降の割合が相対的に高くなるという仕組みである。要請件数が増えたから、ワクチン接種回数を高めたのか、ワクチン接種回数をを急激に高めたから、陽性件数が急に増えたのか、は謎である。

B. 世界の2021年7月3日以降の世界一

今までは2021年のそう陽性件数でランキングしてきたが、先週指摘した通り、あまり現状を表さなくなってきた。そこで、これからはしばらくの間、7月3日以降の陽性件数でランキングを作成する。また、前半と比べて、現状がどのくらいなのかを調べる。今回は主なカテゴリでの1位の国について、簡単に現状をまとめてみた。

B1. 陽性数1位のアメリカでは再び規制が始まる

8月7日から13日の陽性件数は454万728件で、7月3日から8月13日までの陽性件数は2318万7706件となった。毎週の新規陽性数はこれで8週間連続で上昇している。次のグラフは7月3日からの陽性件数の上位50カ国の陽性件数である。

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2021年の累計ではインド、アメリカ、ブラジルの順であるが、今年7月3日以降に限定すると、アメリカがダントツの1位になる。実際、アメリカは今年前半感染状況をかなり改善し、2021年だけを見ればインドよりも陽性件数が少なかった。また、アメリカは4月に一日平均300万回以上の接種を実施していた。この頃の接種率は40%ほどであった。しかし、それ以降は接種回数を減らしていく。7月2日の時点で接種回数は一日平均100万人ほどまで減少した。一方、接種率は50%を超えたので、ニューヨークやカリフォルニアでは、接種完了者は公共の場でマスクをつけなくても良いなど規制緩和を行なった。しかし、これが仇となったのか、7月2日以降再び陽性数が上昇していく。6月末は一日平均1万2千人ほどだったようせ件数が、今週は13万人弱と10倍の勢いになった。疾病予防センター(CDC)では、ワクチン接種を完了しても引き続き公共の場ではマスクをするよう勧告したり、ニューヨーク市ではレストランで食事をする際にすら、ワクチン接種証明が義務付けられるなど、再び規制に動いている。ワクチン二回目接種では十分な抗体が得られないとして、三回目を実施しようとしている。

B2. タンザニアは陽性数が半年以上0だったのにも関わらず、陽性が多数確認された。

世界の7月2日以前の陽性件数に対する7月3日以降の陽性件数の割合は12.6%である。1月1日から7月2日までは27週、7月3日から8月13日までは6週間である。7月3日以降が7月2日以前と同じペースならば、22.2%になるはずなので、感染の勢いは落ちてきている。

次のグラフは、7月2日以前の陽性数に対する7月3日以降の陽性数の割合である。国名の後ろの数字は7月3日以降の陽性件数での順位である。このカテゴリの上位国は、7月2日以前の陽性件数が少ない、7月3日以降の陽性件数が多い、あるいはその両方である。順位の書いてある国が後者。そうでない国が前者である。

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36ヵ国で100%を超えているが、これは、7月3日以降の陽性件数が7月2日以前の陽性件数よりも多いということである。1000%以上、つまり、7月3日以降の陽性件数が7月2日以前の10倍以上となった国も3ある。上位の国数字があまりに大きいので、グラフを見やすくするために400%でグラフを切っている。

第一位はタンザニアで、割合は85万8000%である。タンザニアでは7月28日まで2021年の陽性件数0を維持していたが、7月29日に突然408人の新規陽性数を出した。7月2日までの陽性件数が0なので、割合を計算すると無限大になる。しかしこれではどのくらい増えたか分からないので、便宜的にタンザニアの7月2日までの陽性件数を0.1として計算した。また、8月10日には今年初めての死者を出した。タンザニアではワクチンを接種していなかったが、8月8日になって接種を開始した。1週間で10万回以上の接種を行なったが、接種率は0.17%に過ぎない。

B3. 南米は陽性件数が長く減少し続けている

毎週の陽性件数は、時々増えたりしても構わないが、全体としては減少していないと意味がない。それゆえ、長く減少し続けるというのは大切である。世界では現在8週連続で新規陽性数が増加中である。 下の図は陽性件数連続減少週数の上位50国である。

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パラグアイと台湾が11週連続で陽性件数を減少させている。この間平均すると、パラグアイは毎週約20%づつ減少させ、新規陽性数はピーク時の10分の1になった(一日平均270人)、台湾は約30%づつ減少させて、60分の1にまで減らした(同71人)。

7月3日以降とすると最長6週間になるが、このような国は12ヵ国ある。このうち、パラグアイ、ウルグアイ、チリ、コロンビア、アルゼンチン、ボリビアと南米勢が半数を占める。他の南米勢も連続減少週数は短いが、減少傾向である。

下の図は陽性件数連増加週数の上位50国である。

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最も長く陽性件数を上昇させている国はモロッコの13週で、毎週約40%のペースで増加している。8月13日の新規陽性数は6万5153件で、上昇が始まる前の週の37倍になった。6週間以上増加している国は41国もある。

B4. 7月3日以降ではインドネシアが死者数トップになった。

8月7日から13日の死者数は6万7771人で、後半に入ってからの死者数は36万3097人となった。これは今年前半の死者数の17.7%に当たる。死者数は6週間連続で上昇している。次のグラフは7月3日からの死者数の上位50カ国の死者数である。

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先週までの2021年の累計ではブラジル、インド、アメリカがダントツの上位3国であったが、7月3日以降では、インドネシア、ブラジル、ロシア、インドそしてアメリカの順になる。
2021年の累計ではインドネシアは7位なので、いかにここ6週間の間に死者数が増加したかがわかろう。しかしインドネシアの死者数は減少傾向になりつつあり、ピークは超えたようである。


B5. ベトナムの死者数の増加の勢いが高い

世界の7月2日以前の陽性件数に対する7月3日以降の陽性件数の割合は17.7%である。陽性件数の割合は12.6%なので、死者数の増加のペースは大きい。次のグラフは、7月2日以前の死者数に対する7月3日以降の死者数の割合である。国名の後ろの数字は7月3日以降の陽性件数での順位である。

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第1位はベトナムの10,212.2%、つまり、7月3日以降6週間の死者数が、7月2日以前6ヶ月の100倍以上になった。ベトナムでは7月3日以降の陽性件数では23位、比率では第2位にランクされている。ベトナムで増加が始まったのは5月に入ってからである。それ以前は、2020年からの累計陽性数は3000人に満たず、死者数も35人しかなかった。2021年では5月14日まで死者数は0を維持していた。ベトナム3月7日からワクチン接種を開始した。使用ワクチンはアストラゼネカであったが、3月23日からスプートニクを追加した。7月に入って、シノファーム、モデルナ、ファイザーをさらに追加した。感染爆発の始まった5月時点での接種率は1%に満たなかった。8月13日の時点でも5%に満たない。

台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、ラオス、カンボジア、フィリピン同じようなでも感染急増を起こしているが、ベトナム、タイ、マレーシア、ラオス、フィリピンは今も増加中である。ところで、日本では感染が急増している国からは入国拒否をしている。現在は世界のほとんどの国からの入国を基本的に拒否している。しかし、ベトナムは含まれてはいない。新規陽性数が急増している中国韓国も含まれていない。(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ca/fna/page4_005130.html)これらの国々からの入国者は毎月5,000人以上いる。流石にベトナムからの訪問者はだいぶ少なくなってきたが、中国や韓国からの入国者数は増加している。韓国では日本よりも陽性認定の基準が甘い、つまり、日本では陽性になるが韓国では陰性であるケースが多いということだ。日本の7月の感染急増はここが原因なのではないか。


B6. 南米は死者数も減少継続中

世界では現在6週連続で死者数が増加中である。 下の図は死者数連続減少週数の上位50国である。

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ポーランドが17週連続で死者数を減少させている。この間平均すると、毎週約25%づつ減少させ、 死者数はピーク時の240分の1になった(一日平均2人)ポーランドは陽性件数でも、7月9日まで14週連続で減少(平均33%)させていた。しかし、7月16日以降は5週連続で陽性件数を上昇させている。死者数の連続現象もそろそろ終わると思われる。


6週間以上施肥者数が減少した国はわずかに5つである。このうち、ウルグアイ、ブラジル、コロンビアが南米勢がである。他の南米勢も連続減少週数は短いが、減少傾向である。

下の図は陽性件数連増加週数の上位50国である。

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最多はイギリス、ポルトガル、ロシアの3国で、10週連続で死者数が増加している。平均の増加率はイギリスが約30%、ポルトガルが約35%、ロシアが約10%である。何も7月後半からは増加率を減らしており、また、新規陽性数も減少に転じたので、9月までには死者数も減少になると思われる。

また、6週以上連続で死者数が増加している国は14ヵ国ある。


B7. 致死率は台湾がトップ

致死率は今年前半の2.07%から1.57%とかなり下がった。しかし、先週指摘したように、死者数は陽性件数が増加し始めてから数週間後に増加するので、陽性件数が増加している間は致死率が下がる傾向がある。今後死者数が増え、致死率も上昇するものと思われる。次のグラフは7月3日からの致死率の上位50カ国である。

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致死率の1位は台湾である。15%を超えており、7月2日以前の致死率に比べ10ポイント以上増加した。台湾では今年の5月半ばから陽性件数が急増した。5月8日から21日までの2週間で陽性件数が16倍になった。陽性件数が1万を超える国では最大の上昇率であった。死者数は5月21日から6月11日の間に、それまでの35倍の死者数になった。台湾では陽性件数は6月以降、死者数は7月以降減少に転じている。が、感染大爆発以前の水準には戻っていない。アメリカなどが台湾をWHO総会に呼び感染を抑える術を聞こうと計画していたが、中国が大反対をしていた。台湾の感染爆発には、やっぱりWHO総会に呼ぶには相応しくないという認識を世界に持たせようとするための意図を感じる。

いわゆる西側先進国の致死率は低めである。最大はカナダの1.07%である。インドでも1.5%しかない。G20加盟国であっても旧東欧諸国や中南米の国々は致死率が高い。ただし、チェコやバルト3国など、ロシアから裏切り者と呼ばれる西に近い国では致死率が低い。


C. ワクチン接種のスピードが少し落ちた

8月7日から13日のワクチン接種回数は2億5710万293回で、総ワクチン接種回数は46億5669万305回となった。7月3日以降のワクチン接種回数は14億9312万1686回で、これは前半の47.3%に当たる。約3ヶ月分を6週間で接種したことになるので、大幅なペースアップである。しかし、今週の接種回数は先週よりも減らしている。接種回数が前週より身減ったのは7月16日以来である。

次のグラフは7月3日からのワクチン接種回数の上位50カ国のワクチン接種回数である。

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中国とインドが抜きん出ている。日本は3位である。2020年の累計ではアメリカやブラジルの方が接種回数は上だが、7月3日以降、アメリカは接種回数を減らし、ヨーロッパや南米での接種回数が伸びない中、着実に増やし、接種率も50%近くになった。


C1. 新たに3国でワクチン接種が始まった。

今週はタンザニア、キリバス、トカレウで新たにワクチン接種が始まった。

タンザニアはアフリカ東部に位置する。今年に入ってから、7月23日まで新規陽性数が0であったが、ここ3週間で1000件近い陽性数を出した。8月10日には今年初めての死者も出た。この1週間で10万回以上の接種をしたが、接種率は0.17%である。ジョンソンを接種している。タンザニアは北をケニア、ウガンダ、西はルワンダ、ブルンジ、コンゴ民主共和国、南をザンビア、マラウィ、モザンビークと接している。ケニアとブルンジ以外では新規陽性数が減少している。

キリバスとトカレウは太平洋の島国で2020年から陽性数の報告はない。キリバスはアストラゼネカを接種し、接種率は11.7%であるのに対し、トカレウはファイザーを接種し、接種率は70%以上ある。

これでワクチン接種が実施されていない国は16となった。そのうち2021年に入って陽性件数がいまだに0の国は北朝鮮、バチカン、西サハラ、マーシャル諸島の4国である。残りの12国では少なくとも1人の陽性件数があり、レウユニオン、マルティニク、グアドループでは7月3日から8月13日までで1万3000件から1万5000件の陽性数の報告があった。いずれもフランスの海外領土である。


先週2週間以上ワクチン接種が滞っている可能性があると指摘した25ヵ国のうち、次の6ヶ国で接種が再開された。国名の後の数字は接種停止期間前後の人口100万人あたりの1日平均の陽性数と接種回数の変化、接種ワクチン。

ギニアビザウ 8.1→24.8 3週間ぶり 213→5,246 アストラゼネカ、シノファーム

ニカラグア 7.3→8.5 3週間ぶり 248,140→503,635、アストラゼネカ、スプートニク

ニジェール 0.2→0.2 5週間ぶり 167,748→2,148 シノファーム、アストラゼネカ

ナイジェリア 0.5→2.8 4週間ぶり 106,486→28,068 アストラゼネカ

シリア 0.4→1.4 4週間ぶり 22,945→223,779 スプートニク、シノファーム、アストラゼネカ

ニウエ 0.0→0.0 4週間ぶり 518→1,190 アストラゼネカ

しかし、次の19の国と地域ではワクチン接種が再開されなかった。

アンドラ、オランダカリブ海諸島*、フォークランド諸島*、ガーナ、ガンビア、クウェート、リベリア、マダガスカル*、ミャンマー、セントヘレナ*、シエラレオネ、セーシェル、南スーダン、ベネズエラ、北キプロス、クック諸島、パラオ*、トルクメニスタン*、ツバル*

の国は6週間以上ワクチン接種が止まっている。ただし、フォークランド諸島、セントヘレナでは接種率が70%を超えている。


また次の5国で、ワクチン接種が止まったようだ。

レソト、タークスカイコス、バヌアツ、イエメン、ナウル、

C2. ジョンソンがお気にいり

最新のワクチンブランド別勢力は次の通りである。黒い数字が先週までの使用国数、赤い数字が今週使用を開始(したことが判明)した国の数である。

ワクチン jk-ブランド別


今週はジョンソンを追加した国が9国もあった。今週からワクチン接種を開始たタンザニアもジョンソンを接種している。同じアフリカのジブチ、マラウィ、ソマリア、スーダンでもジョンソンを追加した。

またパプアニューギニアでは5月14日からシノファームを接種していたはずだが、8月14日にGithub ではその痕跡が消えていた。つまり、シノファームを接種していなかったことにしたいようである。何があったのかは不明である。

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