2021年の新型コロナ感染状況 4月9日

はじめに

4月9日の2021年の新型コロナ国別ランキングである。新型コロナ関連サイトでは累計感染者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。しかし、オーストラリアなどのように、2020年は結構な数の感染者数を記録したが、2021年はあまり感染者を出していない国を2020年からの累計数で見れば、不当に数が多くなり、現在の感染状況を反映していない。

ランキングは2021年感染数上位50カ国と、50位以下だが順位が急上昇している国をいくつかリストアップした。

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2021年の累計感染数や死者数だけでも現在の感染状況を正しく表さないので、他に1週間の新規感染数および死者数など色々な項目を加えている。例えば、3つの国A、B、Cがいずれもに1月第1週の新規感染数が100人であったとする。Aは毎週1人づつ新規感染数が減った、Bは最初の5週間は1人づつ増えるが次の5週間は5人づつ減った、Cは毎週1人づつ増えるが最後の2週間は20人づつ減ったとすれば、10週間後どこの国が一番感染状況が改善されたであろうか。

10週間後の新規感染数は、Aが90、Bは80、Cは68になる。一方、この10週間の累計感染数は  Aが 100+99+‥+90 = 1045、Bは 100+101+‥+105+100+‥+80 = 1065、Cは 100+101+‥+108+88+‥+68 = 1092 となる。新規感染数はCが一番少ないが、累計感染数はCが一番大きいということになる。ウサギと亀の話では無いがコツコツと新規感染数を減らしていくことが大切である。

今回から、1日の平均感染数および死者数の代わりに、その週の感染数および死者数が2021年1月第1週の値からどれだけ増減したのかという項目を付け加えた。1月第1週の数値が0のところは、最初に0でない値を記録した時にものを使った。正の値は増加を、負の値は減少を表している。例えば、アメリカではこの値が マイナス1351409 である。つまり、4月3日から9日までの新規感染数は1月第1週に比べると135万人以上減少したのである。1月第1週の感染数は1839556だったので、率にすると73.5%減である。それでも、まだ1週間で50万人近い新規感染数を出しているので、終息には程遠いが、かなり改善されているとはいえる。

順位の赤数字は4月2日より順位が上がったところ、青数字は順位が下がったところである。順位が下がったとしても感染が収まりつつあるとは限らない。むしろ新規感染数は増えている時もある。例えば、日本は3月12日から新規感染数が毎週前週を上回っているしかし、順位は下降している。これは、他の国で日本よりももっと大きく感染が増えており、日本の増分が他国よりも相対的に少なくなっているから起こる現象である。


4月9日の2021年累計感染数トップ10の状況

2021年累計感染数第1位のアメリカで新規感染数が2週連続で上昇して、4月3日から9日までの1週間の新規感染数でブラジルを上回り、インドに次いで第2位である。しかし、2021年第1週に比べれば4分の1になった。また、アメリカは5週間連続して死者数が減少していたが、4月9日までの1週間は増加に転じた。それでも2021年第1週の3分の2まで減らしている。

ブラジルは2021年累計感染数死者数共にアメリカに次いで2位である。100万人当たりの1日平均の新規感染数はアメリカの209.7人に対して、ブラジルの309.6人と1.5倍である。100万人当たりの1日平均の死者数もアメリカは3.1人に対して、ブラジルは13.7人と4倍以上になっている。このデータから、ブラジルで発見された新型株は、致死力がアメリカのものよりも強いことが示される。

インドがフランスと入れ替わり2021年累計感染数第3位に上がった。インドは4月3日から9日までの1週間で81万人以上の新規感染があった。アメリカとブラジルの倍近い数で、世界1位である。インドの前週の新規感染数の倍近い数字になっている。そして、8週連続で新規感染数が増加している。死者数も5週連続で増加している。かなり深刻な事態なのではないかと考えられる。ワクチンもあまり効いていないのではないか。

フランスの4月3日から9日までの新規感染数は238742人で、ブラジルに次いで第3位と大きい。ブラジル同様に2週連続で新規感染数を減らしているが、2021年第1週は107362人だった。フランスはよく見ると月末に新規感染数が増え、月初めに減少する傾向がある。何か意味があるのだろうか。

ここまで4カ国は2020年からの累計の順位と同じになった。

2021年の5位はイギリス。とうとう1週間の感染数が1万人台になった。1月8日から97%の大幅減である。死者数も224人になり、96%減である連続減少は途切れたが、引き続き減少を続けている。ロックダウンとワクチンが功を奏していると思われる。

6位のイタリアも3週連続の新規感染減でようやく2021年第1週の新規感染数を下回った。

7位のトルコは先週から順位を2つ上げた。今週の新規感染数は、インド、アメリカ、ブラジルに次いで4位、先週からの新規感染増はインドに次いで2位の急上昇ぶりである。ロシアは交代に順位を8位に下げた。1週間の新規感染数は6万人とまだまだ多いが、13週連続減少中である。つまり今年に入ってから1週間の新規感染数が増加したことがない。今年の初めはどれだけ多かったのかを物語る。スペインも順位を一つ下げ9位になった。3月12日までは順調に1週間の感染数を減らしてきたが、ここのところ減ったり増えたりしている。やや増加気味である。

ポーランドはドイツと交代で10位に上がってきた。4月3日から9日の週こそ新規感染数が大幅減少しているが、それ以前は8週連続増加中であった。また、死者数は7週連続で増えている。100万人当たりの1日平均の死者数は12.3人で、累計感染数上位10カ国の中では、ブラジルとポーランドだけが100万人当たりの1日平均の死者数が10人を超えている。

11位以下では、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ウルグアイと言った南米勢がランクアップしている。ペルーは順位は同じだが、4月3日から9日の週の新規感染数は6万人余りで、かなり高い。スウェーデン、ベルギー、ブルガリアが順位を上げている。しかし、ベルギーとブルガリアは新規感染数は前週よりは減少している。フィリピン、バングラデシュ、パレスチナも順位を上げている。

ハンガリー、ヨルダン、レバノン、UAE、マレーシア、ギリシャ、アイルランド、チュニジア、パレスチナ、パラグアイは、2021年累計が、2020年からの累計よりも5位以上も高い。これらの国々は感染状況が昨年よりもひどくなっていると考えて良い。

日本は36位と順位を下げたが、新規感染数は増えており、これで5週連続の増加である。新規感染数の上げ幅は若干減少した。死者数もかなり減少したが、2020年の累計死者数は3460人だったのに、2021年の累計死者数はここまでで6000人近い。これは第3波と呼ばれる昨年12月末からの感染爆発による死者がとてつもなく多いということを示している。


ランク急上昇の国々

今回は順位が2021年第1週に比べれ15位以上ランクアップした国を取り上げた。表に示したウルグアイ以下の9カ国である。特にウルグアイは100万人当たりの1日平均感染数が1081人である。これは、2021年の累計感染数が1万人以上いる国では最大にして唯一である。次点はバーレーンの640人、その次がスウェーデンの622人、トルコの580人と群を抜いて高い。(人口や感染数の極端に少ない国では他にも1000人以上のところはある。)

4月9日の2021年累計死者数ランキング

2021年の累計死者数の上位10カ国は以下のとおりである。( )内の数字は2021年累計感染数の順位である。

1。アメリカ(1位)
2。ブラジル(2位)
3。メキシコ(14位)
4。イギリス(5位)
5。ロシア(8位)
6。ドイツ(11位)
7。イタリア(6位)
8。フランス(4位)
9。ポーランド(10位)
10。スペイン(9位)

メキシコは100万人当たりの1日平均死者数は2.7人とそれほど多くはない。(アメリカは3.1人)が致死率が9.55%と2021年累計感染数が1万人以上いる国の中では最も高い。しかし、アメリカ同様順調に新規感染数は下げている。

累計感染数3位のインドは14位になる。同じく7位のトルコは20位である。しかしインドは5週連続、トルコも4週連続で死者数を増やしている上に、増え方も大きい。


アジアは一般的に感染数の割には死者数が少ない。2021年のインドの致死率は0.66%、トルコの致死率も0.81%と1%に満たない。ランク急上昇の国にリストした国の中でもクウェートは0.49%、バーレーンは0.32%、サウジアラビアが1.50%であるのに対し、ウルグアイが0.99%、エチオピアが1.16%、モルドバは2.46%、キューバが0.42%、ホンジュラスは2.20%、ボスニアヘルツェゴビナは4.60%と、全体的にアジアの方が致死率が低い。ちなみに世界平均は2.15%である。同じアジアでも、香港は2.21%、日本は2.24%、インドネシアは2.48%、ミャンマーは2.91%と、世界平均より高くなっている。いずれも昨年末から今年初めにかけて、中国と交流を盛んにやっていた国地域である。

終わりに

次は4月16日にデータを使う予定である。今度はなるべく早く作成したい。



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