新型コロナ QR 7/8 第7波と22年2期のまとめ2
クォータリーといいつつ毎週報告しているクォータリーリポート(QR)です。前回は22年2期(4月1日~6月30日)の陽性数や死者数など報告した、今回はワクチン接種状況と感染の関係について気になったことを報告したいと思う。
また、今週から22年3期に入ったので、陽性数などの順位は3期のものに変わる。2期から順位が大きく上がったところは感染がひどくなったところ、逆に、順位を下げれば感染がおさまってきているところ。C章で紹介する。
過去のデータが示していることは、新型コロナは人の移動とともに、国から国、地域から地域へ移動することがわかっている。ある国で感染が治まったとしても、他の国で流行していれば、そこから移動してくる。なので、現在どこで流行しているかを知ることは感染予防の上で大きい。B章で今感染拡大リスクのある177国地域を紹介する。
A. 22年2期のワクチン接種状況
22年2期のワクチンの接種回数は世界全体で、7億8520万4527回の接種が行われた。下のグラフは、各四半期毎の接種回数とブースター回数の推移である。
接種回数は21年3期をピークに下がっている。22年2期は1期に比べ63%減少し、過去二番目の少なさであった。22年1期のブースター回数よりも20%ほど少ない。
少なくとも1回接種したことのあるものは、22年2期の間で1億5390万人余りふえ、累計で52億4076万9837人になった。2期終了時での接種率は66%になった。しかし世界にはワクチンを一度も接種したことのないものが、アジアとアフリカを中心に27億人ほどいる。
またワクチン接種を完了した者は、22年2期の2億3481万人強増え、累計で48億678万6725人となり、2期終了時での完了率は60%を超えた。また完了者がさらに余計にワクチンを接種するブースターは累計で21億2730万9293回となり、過完了率も26.8%になった。世界的には、まだ接種していない者に接種するよりも、すでに接種したものに、もう一度接種する方向に進んでいるといえる。
ブースター回数は4億3931万8518回で、前期比で55.4%の減少となった。総摂取回数のうち約56%がブースターである。これで、ワクチンを完了したが、余計に接種したものの割合である過完了率は26.8%となった。ただし、3回目だけでなく4回目以上もブースター数として数えられるので、実際の過完了率は低くなると思われる。
22年2期はインドで新たにコルベバックスの接種が始まった。実際の運用は3月中であるが公表されたのが4月に入ってからだった。これで世界では、29種類の異なるワクチンが出回っていることになる。アメリカで認められているのは、欧米製のファイザー、アストラゼネカ、モデルナ、ジョンソン、ノババックス、メディカゴ、インド製のコバクシン、中国製のシノファーム、シノバック、カンシノ(https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/travelers/proof-of-vaccination.html)の10種類である。インドのライセンス生産も数種類認められている。ロシア製ワクチンなどは認められていない。ただし、メディカゴを接種している国はGithub上では見当たらない。
A1. インド製ワクチンの接種国が増えたのはロシアウクライナ戦争のせい
22年に入ってから新たにワクチン接種を始めた国はないが、22年4月末から5月初めにかけて、アジア中、アジア西のイスラム国家を中心に26国で、接種ワクチンの種類が大きく増えた。下の表はその一覧である。
行が国、列がワクチンの種類を表している。ワクチン記号は以下の通りである。
PB:ファイザー、Mo:モデルナ、AZ:アストラゼネカ、JJ:ジョンソン、No:ノババックス、Co:コバクシン、Sp:スプートニク、SL:スプートニクライト、SB:シノファーム(北京)、SW:シノファーム(武漢)、SV:シノバック、CS:カンシノ。
表中、1がそのワクチンを接種している状態である。赤字が4月末に始めたところである。
特筆すべきは、この26国中20国でインド製のコバクシンの接種が始まったことである。それ以前では、コバクシンはインド以外ではイラン、パキスタンと中央アフリカなど9国でしか接種されていなかったが、一気に3倍増の29国となった。同様に中国製のカンシノが18国で増え合計25国に、シノバックやシノファームも勢力を拡大した。さらには、ロシア製のスプートニクライトも18国で接種が始まり、合計25国となった。また欧米ではイマイチ人気のないモデルナもその勢力を伸ばした。
接種ワクチンの種類が増えてどうなったかというと、26国中24国で22年2期のワクチン接種回数が大幅に減少した。22年2期は世界全体で63%接種回数が少なくなった。この26国の平均は61.2%で世界平均より少ないが、オマーンなど19国では60%以上減少させたので、接種回数は世界平均以上に減少したところが多い。また、完了率が上がった国もわずかである。したがって、この接種ワクチン種類数の増加は、完了率を高めたりすることが目的ではない。ロシアウクライナ戦争における、ロシア、中国、インドとの連携を確認するための、そして、それらの国からの食糧(小麦)の輸入を維持するための増加ではないかと考えれれる。
A2. アフリカでの接種回数がヨーロッパより多くなった
大陸別では、22年2期で最も接種回数の多かったのがの多かったのがアジア東、二番目がアジア中だった。世界のワクチンの約3分の2が、これら二地域で接種されてたことになる。長い間アフリカのワクチン接種は遅れていると言われていたが、22年2期は初めてアフリカのすべての地域で、ヨーロッパ西の接種回数を上回った。
人口100万人あたりの1日平均の接種回数にすると、アジア東、中共に、アフリカの2倍くらいに少なくなる。代わって、アメリカ南が一番多くなり、次がアメリカ北も三番目、カリブ海も五番目に増える。ヨーロッパはむしろ少ない方から一番目と三番目になっている。
22年2期終了時の完了率を見れば、アフリカは22年1期終了時よりも2.5から4.3ポイント上げている。また、アジア中も5.3ポイント増加させた。。他の地域では0.3から1.9の上昇にとどまった。しかし、アフリカの完了率はようやく10%台後半から20%に達したところで、まだまだ低い。
A3. 接種回数は中国とインドで世界の3分の1を占める。
次のグラフは、22年2期の接種回数のランキングである。上位20国までリストした。
今期の接種回数が最も多かったのはインドでで、1億3338万7716回だった。22年2期は先週まで中国の方が接種回数が多かったが、中国は6月以降接種回数大きく減らし続けたが、インドではほぼ同じ数を維持できたので、逆転で1位になった。2位は先週まで1位だった中国の1億3232万7000回だった。この2国で世界の3分の1以上を占めた。
3位はブラジルの約3950万回、4位はインドネシアの3810万2504回、5位はアメリカの3540万9760回だった。日本は2651万5156回で世界10位だった。
15位のウズベキスタンまでが2期の接種回数1000万件以上だった。上位20国中アジアとアメリカで18国を占める。10位ナイジェリア、12位エジプトがアフリカからランクインした。
22年2期の接種回数が0の国は、北朝鮮など14国地域は今までの接種回数が0のままである。そのうちの半数以上の8地域はフランスの海外領土である。また、ウクライナやベネズエラなど16国地域では22年2期の接種回数が0である。そのうち、北キプロスやモナコなど9国地域では22年の接種回数も0のままである。
次のグラフは、22年2期の人口100万人あたりの1日平均の接種回数上位20国のランキングである。
最も多かったのはインドでも中国でもなく、サモアの10374.2回だった。ただし、実際の接種回数は18万9791件だった。人口が少ないので、割合にすると数が大きくなる。2位がトンガ、3位がクック諸島、4位がナウルと太平洋の島国である。5位がチリだった。日本は2317.9回で、27位だった。
上位20国地域の中ではオセアニアから8国地域がランクインした。オセアニアでは22年2期に大きな感染の波があった。慌てて、ワクチン接種回数を急増させたことが窺える。前期比の伸び率もサモアが355%、トンガが462%、クック諸島で141%、ナウルが214%と、世界では接種回数が60%以上減少したのとは対照的である。
次のグラフは、22年2期の完了率上位20国のランキングである。
ジブラルタルとマルタはまさかの100%超えとなった。人口100万人あたりの接種回数が世界で最もお買ったサモアは完了率が98.6%となった。おそらく22年に生まれた新生児以外の全国民が接種を完了したのではないか。日本は完了率が81.4%に達するが、世界では35位である。完了率の中央値は60.5%なので、世界の半数以上の国で完了率は60%以上である。
次のグラフは、22年2期のブースター回数上位20国のランキングである。
最も多かったのは中国の9508万9000回だった。2位はメキシコの5315万7386回であるが、メキシコはGithub 上では22年4月20日からブースターが始まったが、初日のブースター回数がメキシコの1日の接種能力を超えており、遅くとも22年1月にはブースターを開始していると思われる。したがって、実際の接種回数はこの数字の半分以下であると考えられる。接種回数1位のインドのブースーター回数は2248万7702回で、日本に次いで世界7位だった。上位20国地域の中で18国地域が、アジア、アメリカからランクインした。
次のグラフは、22年2期の過完了率上位20国のランキングである。
最も多かったのはチリの125.7%だった。過完了率は完了率より大きくならないので、おそらく、4回接種の者を3回接種を2回したと数えている。実際は90%弱程度ではないだろうか。完了率100%超えのジブラルタルは過完了率も100%超えとなった、同じく完了率100%超えのマルタの過完了率は90%台である。日本は62.8%世界19位となった。ブースターの中央値は12.2%なので、まだまだ多くの国でブースターの割合が10%未満である。
22年2期は全接種回数のうち約56%がブースターだった。1期は46%だった。多くの国で完了者数が増え、せっかく購入したワクチンを期限切れ前に使用するには、ブースターしかない、という状況であるので、ブースターが増えたと言ってよい。3回では消費しきれずに4回目を始めた国地域もあると思われる。
A3. 未接種者はアジアとアフリカに多い
22年2期終了時点で1回もワクチンを接種したことのない者が世界には27億人ほどいる。次のグラフは、22年2期終了時点での未接種者の多い国上位20国のランキングである。
インドには3億9000万任意上の未接種者がおり、世界で最も多い。二番目に多いのがナイジェリアの1億8796万8739人、3番目が中国で1億4527万8776人となっている。アフリカから10国、アジアから7国ランクインした。アフリカでは接種率の低さが原因である。ナイジェリア、コンゴ民主、タンザニア、スーダンでは完了率が10%に満たない。アジアは接種率は高いものの人口が多いので未接種者が増える。アメリカやメキシコも人口が多いので未接種者も多くなる。
日本では未接種者の方が、接種者よりも新型コロナに感染しやすいというデマが流れてた。が、これは、接種したものでその正確な日時のわからないものをすべて未接種と数えていたこと原因であった。今でも
B. 感染拡大している国一覧
QRは最近の傾向と近い将来の予測に、直近数週間の陽性数の増減と伸び率の増減を使った確率モデルを用いている。その結果をトレンドとして、以下の8つのレベルに分けている。
急増(茶):今まで陽性数が減少中、あるいは、ほぼ0だったが、今週突然陽性件数が増えたところである、あるいは、陽性数が増加中で、伸び率が300%以上となったところである。50%の確率で、翌週以降も陽性数の上昇が続く。
増加中、ペースアップ(赤):数週間陽性数の増加が続き、かつ、伸び率も上昇が続いているところで、約80%の確率で翌週以降も増加が続く。数週間増加が続くこともある。
増加中、ペースダウン(橙):数週間陽性数の増加が続いているが、伸び率は減少しているところ、あるいは、先週まで長く増加が続いていたが今週は減少となったところで、50%の確率で翌週以降も増加が続くが、多くは2~3週以内にピークを迎える。
減少ストップ(黄色):急増と同様に、今まで陽性数が減少中、あるいは、ほぼ0だったが、今週突然陽性件数が増えたところである。あるいは、増減を繰り返しいわゆる下げ止まりの状態になったところである。急増が陽性数が直近数週間の最高値を超えるのに対し、減少ストップはそこまで多くない。しかし、急増同様に、50%の確率で、翌週以降も陽性数の上昇が続く。
増加ストップ(緑):陽性数が2週連続で減少。30%の確率で、翌週以降増加に転じることがある。
減少中、ペースダウン(青):陽性数の減少が続いているが、減少のペースが鈍ったところで、今週陽性数が増えたところもある。約50%の確率で翌週以降増加に転じることがある。
減少中、ペースアップ(薄青):陽性数の減少が続き、かつ、減少のペースが上がっているところである。このような状況でも、約30%の確率で翌週以降増加に転じることがある。
ほぼ0(白):新規陽性数が0か、あっても5件未満のところである。このような状況でも、約10%の確率で翌週以降増加に転じる。
トレンドは発表されたデータに基づいて計算される。データが変われば、確率も変わる。ポルトガルのように今まで0だったのが急に0でなくなるというようなことがあれば、トレンドも変わる。翌週以降の陽性数増加確率は世界の感染状況によって変わる。色は以下の地図でも使っている。
B1. 177国地域で増加傾向、32国地域で減少傾向
下の図は最新のトレンドである。凡例の( )内が各レベルに属する国地域の数である。
今後陽性数増加が数週間続くと予想されるレベル赤が先週は56国地域から67国地域へと11国地地域多くなった。レベル橙は先週70国地域合ったが、今週は61国地域に減った。また、19国地域で、今週陽性数が大きく増加し、茶色レベルとなった。黄色レベルの増加は34国地域あった。したがって、増加傾向は177国地域となり、先週より24多くなった。
一方17国地域あった薄青レベルは、今週はわずかに6国地域のみとなり、青レベルは15国地域から17国地域へと2増えたが、緑レベルは8減らし9国地域に、白レベルも13減らし、16国地域へとなった。減少傾向は先週から17減らし、32国地域となった
B2. アジアとオセアニアはほぼ全面的
アジア東では、シンガポール、ブルネイに加え、日本、韓国、モンゴル、マカオ、カンボジア、マレーシアで増加が続きペースも上がった。フィリピン、インドネシア、香港では増加はしているもののペースは下がった。中国は茶色レベルの、タイとベトナムは黄色レベルの急増となった。
アジア中では、パキスタンとカザフスタンに加え、スリランカとネパールでも増加が続きペースも上がっている。モルジブ、ブータン、タジキスタンは伸び率が下がった。バングラデシュ、ウズベキスタン、インドはは伸び率は下がっているものの増加が続いている。キルギスとミャンマーは黄色を維持している。新たにアフガニスタンがも黄色となった。
アジア西では、イラク、イラン、パレスチナに加え、新たにクウェートで増加が続き伸び率が上がっている。カタール、レバノン、バーレーン、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦は伸び率は下がっているものの増加が続いている。先週陽性数0のオマーン、ヨルダンは今週は茶色レベルの急増となった。
オセアニアでは、ニューカレドニア、フィジー、オーストラリア、ナウルに加え、ニュージーランド、バヌアツで増加が続き、ペースも上がっている。パプアニューギニア、クック諸島、パラオ、ニウエで急増した。
B3. ヨーロッパは全面的、アフリカば中央部と西
ヨーロッパ東はベラルーシがデータを修正し、その結果、陽性数が下げどまり状態であることがわかった。また、ロシアでは20週間ぶりに陽性数が前週をうわまった。エストニアでも陽性数雨が急増した。また、アゼルバイジャンやなど15国で陽性数の増加が続き、伸び率も上がっている。アルメニアやウクライナなど6国で陽性数は増えてるが、その伸び率は下がった。
ヨーロッパ西では、フランスやベルギーなど10国地域で陽性数の増加が続き、ペースも上がっている、イギリスやドイツなど14国でペースは落ちているが増加が続いている。
アフリカ南では、セーシェルとブルンジで急増した。マラウィとルワンダで、増加が続きペースも上がっている。タンザニア、ザンビア、コンゴ民主、モーリシャス、マダガスカルで増加が続いているがペースは下がった。
アフリカ東は、スーダンで増加が続き、増加のペースも上がっている。南スーダンでは増加が続いているがペースは落ちた。リビア途中央アフリカで急増した。
アフリカ西は、セネガル、マリ、トーゴ、モーリタニア、チュニジア、アルジェリアで増加が続きペースも上がっている。モロッコ、ナイジェリア、カメルーン、ガンビア、ベナン、サントメプリンシペ、コートジボワールで増加が続いているが、ペースは落ちた。ギニア、赤道ギニア、コンゴ、ガンビア、ギニアビサウ、シエラレオネで急増した。
B4. カリブ海沿岸を中心
アメリカ北では、カナダ、グアテマラに加え、ホンジュラスで増加が続き伸び率も上がっている。メキシコ、ベリーズは増加が続いているがペースは下がった、アメリカでも急増した。
アメリカ南では、ボリビア、ペルーに加えて、エクアドルでも増加が続きペースも上がった。コロンビアでは8週続いた増加が止まった。ブラジルとチリでは伸び率が下がった。ベネズエラ、ガイアナ、パラグアイで急増となった
カリブ海では、セントクリストファーネイビス、蘭領カリブ海に加え、バルバドス、ドミニカ共和で増加が続き伸び率も上がっている。ハイチとケイマン諸島では伸び率が下がった。キューバ、キュラソー、英領バージン諸島で大きく増加、ドミニカなど9国地域で減少が止まった。
C. 新規陽性数は3ヶ月ぶりに600万超え
22年27週の新規陽性数は602万8202人で、前週比12.5%増加した。3週連続で増加となった。新規陽性数が600万人を超えるのは約3ヶ月ぶりである。死者数は1万1532人で、前週比18%増となった。下のグラフは22年の感染図である。
陽性数は減少から一転して増加傾向に、死者数は下げ止まりから増加傾向になりつつある。
C1. ナウルは国民の43%が以上が隔離中
次のグラフは陽性数の昨年同期との比較である。今年は、ピーク時に比べれば80%以上減少したが、昨年同期比では98%増加となった。 最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数は108.4人と、危険と考えられる100人をまた超えた。
今週から3期に入るので、各種順位を3期のものに変更した
次の表は27週の陽性数が多い20国の感染状況である。リストは、国名、地域、3期の陽性数順位(赤字は順位上昇、青字は下降)、Worldometer の累計陽性数順位、3期の陽性数、3期の陽性数ペースの2期からの伸び率(マイナスは減少)、27週の陽性数、27週の人口100万人あたりの1日平均の陽性件数、27週の陽性数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続陽性数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX は陽性数同数の週数、zXXは陽性数0の週数、zzz等は2年以上陽性数0)、27週のドレンド(色訳はB章の地図と同じ)、3期の死者数順位、3期の死者数、3期の死者数ペースの2期からの伸び率(マイナスは減少)、3期の致死率、27週の死者数、27週の人口100万人あたりの1日平均の死者数、27週の死者数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続死者数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX はXX週間死者数同数、zXXはXX週間死者数0、zzz等は2年以上死者数0)である。
27週の陽性数が最も多かったのはフランスで90万6679人が陽性だった。前週比で30%以上の増加となった。人口100万人あたりでは二千人近くになり、世界で六番目に多い。これで、増加が6週続き、伸び率も上がっているので、まだしばらくは増加が続くと思われる。2位は先週1位のアメリカである。アメリカは減少が少し続いていたが、今週は増加に転じ、77万6521人と減少が始まる前よりも増えた。3位のイタリアは前週比34%増の64万8640人の陽性があった。
今週の上位20国地域では6国地域でトレンドレベルが赤、11国地域で橙である。来週以降も増加が続くと思われる。
160国地域で先週より陽性数が増加した。ウォリスフツナでは今年初めての陽性患者が確認された。マヨットとギニアでは7週間ぶり、シントマルテン、サンバルテルミでは6週間ぶりに陽性患者が確認された。伸び率無限大は24国あるが、11国がアフリカ、5国地域がカリブ海である。
また、ベラルーシなど11国地域で今週の陽性数が0になったが、ほとんどが17週の状況を締切前までに発表できなかったものともわれる。トルクメニスタン、ピトケアン、トケラウで一人も陽性患者を出していない。西サハラは2年以上、セントヘレナは1年以上新規陽性者が出ていいない。キリバスなど14国地域で2週以上陽性数0を続けている。
次の表は22年最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が多い国地域の20位までのランキングである。
ナウルが3週連続で1位である。3万8,656人はいつぞやの北朝鮮を超える勢いで、今週はナウルで初めての死者も出た。国民の43%以上が現在治療中、つまり、隔離中なので、もはや国として機能していないのではないか。伸び率は下がっているが、感染する可能性のある者の数が減っているからであり、2、3週後にほぼ全員感染して、新規陽性数が0になるかもしれない。
人口100万人あたりの陽性数が1000件以上となったところは先週の18国地域から25国地域へとまた増した。97国地域で最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が、感染拡大の危険が高いと言われる100件を超えている。先週よりも22国多くなった。
C2. 97国地域で死者数が増加
次のグラフは死者数の昨年同期との比較である。今年は、ピーク時に比べれば80%減少したが、昨年同期比でも79%の減少である。 最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数は 0.21人と増えた。
次の表は22年27週の死者数が多い国地域の20位までのランキングである
今週死者数が最も多かったのはアメリカで、2459人が亡くなった。前週比で24%の増加だった。2位はブラジルの1636人(10.4%増)、3位は台湾の808人(18.5%増)、4位がスペインで619人(98.4%増)、5位がドイツで570人(11.2%減)だった。
上位20国中、前週比で減少したのはドイツ、ロシア、イギリス、オーストラリアのみで、全体的に死者数も増えている。
今週は97国地域で死者数が先週より増加した。先週より33国地域多くなった。ナウルとマカオで初の死者を出しt。また、シントマルテン、サントメプリンシペ、コンゴ、クウェートでは十数週間ぶりの死者を出した。これら4国を含め、26国地域で伸び率が無限大だった。
一方、フィジーなど13国地域で死者数が0になった。
死者数0はフォークランド諸島など10国地域だけになった。西サハラでは2年以上死者数0が続いている。ウォリスフツナでは1年以上、ブルンジはほぼ1年間死者数0を続けている。サンバルテルミーとジブチも22年の死者数は0である。ドミニカ共和など74国地域で2週間以上死者数0を続けている。
次の表は22年最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数が多い国地域の20位までのランキングである
ここでもナウルが世界1位である。実際の死者数は1人であるが、ナウルでは市場初めての新型コロナによる死者である。C1で述べたように、国の機能が働くかどうかが懸念されるので、死者数が今後急激に増える可能性も考えられる。
C3. 治療者数は新規陽性数よりも伸びが大きい
22年27週現在で治療中の者の数は世界で少なくとも1931万3685人いる。前週比で約210万人(12.1%)の増加となった。これで4週連続の増加である。次のグラフは22年の治療中の者の数と新規陽性数の推移である。
24週以降、両方とも増加しているが、新規陽性者数の伸び率は下っているのに対し、治療者数の伸び率は上っている。それゆえ、最近流行のオミクロン株の変異株に感染すると治りにくくなっているという可能性が考えられる。下の表は治療者数の多い国地域の20位までのランキングである。国名、地域、3期陽性数、3期死者数、27週の治療者数、その全陽性者数の割合、その前週比伸び率、21年以前に感染していまだに治療中の者の数、22年1~3月に感染していまだに治療中の者の数、回復者数の割合、27週の回復者数、連続週数増減、27週の重症者数、その全治療者数に対する割合、その前週比伸び率、半年以上重症が続いている者の数、その期間である。
Worildometer の公表している世界の治療者数が2064万230人で、QRが各国の合計を計算した1931万3685人よりも100万人以上も多い。治療者数を公表していない国も多いが、Worldometer は独自の方法でデータを収集しているのかもしれない。それなら、その数も公表してくれるとありがたい。
治療者数が世界で最も多いのはアメリカで351万207人にのぼる。前週比で1.7%の増加である。実はアメリカの治療者数は16週(4/16-22)から増加が続いている。二番目に多いのがフランスの198万5806人(前週比51%増)、三番目がドイツの174万4503人(前週比25.4%増)、四番目がイタリアの124万8079人(前週比41.1%増)、五番目がブラジルの104万733人(前週比23.9%増)である。ここまでが治療者数100万人以上である。ヨーロッパでは陽性数が増えるペースより治療者数に増えるペースの方が高い。
日本は26万8506人で18位だったが、前週比で77%とヨーロッパよりも伸び率が高い。
C4. 重症者数が変わらない国がある
次のグラフは22年の重症者数の推移である。
こちらは16週以降下げ止まりであったが、25週以降増加し伸び率も増えている。下の表は重症者数の多い国地域の20位までのランキングである。
重症者数が最も多かったのはブラジルの8318人である。伸び率は0%なので重症者は増えていないのだが、連続のところに t29+とあるように少なくとも29週間連速で重症者数が変わっていない。つまり、2022年1月からずっと8313人のままである。さらにデータを遡ると、ブラジルでは2021年1月1日からずっと8313人である。重症者数は新規陽性患者や治療者が重症であれば増え、症状が軽減すれば減るので、1週間くらいでは変動がない時もあるが、1年半以上も同じ数であることはない。したがって、ブラジルのこの8138人は少なくとも1年半ずっと重症のままであるか、重症者の統計を正しくとっていないかのどちらかである。
このような国地域はブラジル以外にも、メキシコ、ロシア、アフガニスタン、エクアドル、コロンビア、ボリビア、モンゴル、レバノン、ウクライナ、キルギス、エジプト、マラウィ、キプロス、カボベルデ、ウズベキスタン、イエメン、カメルーン、ジンバブエ、ナイジェリア、エスワティニ、シントマルテン、サンマルタン、ポリネシア、パプアニューギニア、タンザニア、ベリーズ、グアテマラ、ベナン、フェロー諸島、モナコ、タークスカイコス、キュラソー、ガーナ、中央アフリカ、ボツワナ、アンティグアバーブーダ、南スーダンと全部で38国地域にのぼる。
これらの国地域では重症者は少なくとも半年重症のままである可能性がある。
D. 22年27週は世界の3分の2で接種がなかった
22年27週の接種回数は約3331万回で、前週比で約46%の減少となった。全接種回数のうちの64%に当たる2125万回がブースターだった。ブースターは前週比25%減あった。次のグラフは22年の陽性数(青)とワクチン接種回数(赤)の推移である。
今までの総接種回数は約121億1750万回強となった。ワクチン完了者は約48億人あまりで、完了率は60.6%である。また、ブースター回数は21億4735万回余りで、過完了率は27%になった。
D1. アジア東、アジア中、アメリカ南で接種回数が多い
次の表は22年27週のワクチン接種回数上位20国地域の接種状況を表している。項目は国名、地域、22年3期の陽性数、22年3期の死者数、完了率、未接種人数、22年3期の接種回数、その前期比伸び率、22年27週の接種回数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、過完了率、22年3期のブースター回数、その前期比伸び率、22年27週のブースター回数、その前週比伸び率である。
先週1位のインドでは接種回数を先週より19%減らし、約776万回としたが、世界1位はキープした。先週3位のパキスタンは前週比で1%減らしたものの、656万回接種をして、2位に上がった。中国は今週も6%減らして、416万回の接種にとどまったが3位になった。先週2位のベトナムは87%も減らし、86万回弱の9位になった。
今週接種したところはわずかに77国地域にとどまった。ナイジェリア、メキシコ、インドネシアなど160国地域で接種回数が0だった。インドネシアなど73国で3週間以上接種が止まっている。
北朝鮮やフランスの海外領土など14国地域では今までに一回も接種をしたことがない。21年以前はしていたが、22年に一回も接種をしていないところはオセアニアを中心に15国地域ある。
次の表は22年27週のブースター回数上位20国地域の接種状況を表している。
パキスタンが約521万回のブースターをして、先週に引き続き1位となった。先週2位に落ちた中国ではブースター回数を2.5倍に増やしたが325万回で1位奪還とはならなかった。
ワクチンを1回も接種したことのない者は世界で約27億260万人いる。先週に比べ340万人ほど減少した。
E. サル痘の感染状況はお休み
7月13日の時点では猿痘の続報はまだない。先週は感染者数が増えているように見えるように、わざと調査日の間隔を延ばしているのではないかという疑惑があったが、今週も数が増えるのを待っているので、発表がないのではないだろうか。だとすれば、サル痘の感染はそれほど酷いものではないのではないか。
F. 日本の累計陽性数1000万まであと少し
日本の22年27週の陽性数は21万4917人で、前週比76.7%の大幅増だった。人口100万人あたりの1日平均の陽性数は244人となった。死者数は96人で先週からは50%減で、1週間nの死者数が100人以下になるのは22年3週(1/15-21)以来ほぼ半年ぶりである。人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.11人で、少し高くなった世界平均の半分になった。
27週の陽性数は2週間前に比べて2倍になった。昨年同期に比べれば約17倍以上ある。
今までの累計陽性数は954万4437人となった。このペースでいけば、29週には累計陽性数が1000万を超えると予想される。もしかしたら、来週にも超えているかもしれない。
27週の死者数はピーク時に比べると90%以上減少したが、昨年同期と比べて17%減になった。
これで、累計死者数は3万1377人となった。累計の致死率は0.33%で、世界の3分の1以下である。
22年27週現在の治療中の者の数は26万8505人で、先週より77%増加した。
重症者は71人で、36.5%増加となった。
22年27週のワクチン接種回数は152万5939回で、先週に比べ47%増加した。今までの累計の接種回数は2億8650万回を超えた。1億377万人が接種を完了し、完了率は82.6%である。一方、未接種者も2200万人近くいる。
27週のブースター回数は144万9982回で、先週より45%増加した。全接種回数のうちの95%がブースターだった。今までの累計は8000万回を超え、過完了率は64.9%になった。
空港検疫での陽性数は、152人で先週より13%増えた。一方空港で検査を受けたものは4369人で先週より12%減少した。空港検査での陽性率は3.5%とさらに増えた。
オミクロン株の亜種ということだが、すでに先行して始まっているヨーロッパの感染図からすると、オミクロン株ほどの感染力はないが、デルタ株くらいはあると考えられる。致死率も高いようなので、死者数も増えると思われる。既存のワクチンは全く効いていないようなので、人が多くいるところではマスクを着用するなどの、最も原始的な防衛が必要となると思われる。
今週は新型コロナアドバイザリーボードの資料の更新がなかったので、「ワクチン接種歴別の新規陽性者」はお休みである。資料の更新がなされたときに、12歳未満の陽性者がきちんとワクチン接種回数別に数えられているかがポイントである。
人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の7月13日22時時点で得られた最新の値を利用している。7月13日以降に修正あるいは追加されたデータは含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。7月13日以前に修正あるいは追加されたデータは過去の号の統計にも反映させている。今号の統計とは異なるものもある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。
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