新型コロナ四季報 春その2 新種について
先週は22年第1四半期の新型コロナの感染状況をまとめたが、4月2日から10日の間にいくつかの国地域でデータの修正があり、前回発表した分よりも陽性件数で100万件以上増え、死者数は3000人ほど減少し、ワクチン接種回数も1400万回ほど少なくなった。修正後のデータは下の通り。
陽性件数:22年ー1億9744万5744件(前期比257%増)
人口100万人あたり陽性件数:22年ー271件
感染率:22年ー2.5% 累計ー6.2%
死者数:22年ー70万3507人(前期比10%増)
人口100万人あたり死者数:22年ー1人
致死率:22年ー0.36% 累計ー1.26%
接種回数:22年ー21億1301万3294回
人口100万人あたり接種回数:22年−2963回
完了率:57.7%
ブースター回数:22年ー9億7968万9380回
ブースターの割合:22年−46.4%
過完了率:21.2%
下の表は修正した総合順位の1位から10位までである。同点3位だったデンマークが単独3位、アメリカが4位へ、同点9位だったドイツが単独で9位、ロシアが10位となった。
また、11位から100位も以下の表のようになった。
これからも陽性件数や死者数の修正が出てくるが、それは22年2期のまとめの時に合わせて発表する。
A. オミクロン株はヨーロッパとアジア東で特に大きく広がった。
下の円グラフは陽性件数と死者数の大陸別割合である。
22年1期の陽性件数は2億件近くあったが、そのうちの37%がヨーロッパ西で確認された。ヨーロッパ西には22年陽性件数2位フランス、3位ドイツ、5位イタリア、8位イギリスとトップ10に4国も名を連ねているほか、上位30国中11国がヨーロッパ西である。2番目は4位韓国10位ベトナムを擁するアジア東、3番目は世界1位のアメリカを持つアメリカ北となっている。ヨーロッパ西とアジア東、オセアニアは22年1期の21年4期からの伸び率も大きかった(4/1 号参照)。
A1. 陽性件数はヨーロッパ西、アジア東、オセアニアで特に多い。
先週は新型コロナパンデミックが始まってからの各四半期ごとの感染状況の時間的変化を見てきたので、今回は22年1期の中での変化を見てみる。まず、22年1期の大陸別の陽性件数は棒グラフにすると次のようになる。
ヨーロッパ西が圧倒的に多く、アジア東、アメリカ北の順である。アフリカは非常に少なく、三地域合わせてもオセアニアよりも少ない。ところが、人口100万人あたりの1日平均の陽性件数は下のようなグラフになる。
ヨーロッパ西が最も多いのは変わらないが、オセアニアが二番目で、ヨーロッパ東が三番目となる。アジア東やアメリカ北よりも多い。一方、陽性件数で二番目に多かったアジア東は、人口100万人あたりでは1日平均156件と少なくなる。それは、人口の極端に多い中国での陽性件数が非常に少ないからである。中国を除いたアジア東では416件となるが、それでも、オセアニアの3分の1で、アメリカ北やヨーロッパ東よりも少ない。この416件という数字は日本とほぼ同じくらいである。このことから、オミクロンカ部はヨーロッパ西東、アジア東、アメリカ北、オセアニアで特に感染が酷かったといえる。反対にアフリカやアジア中では感染がほとんど広がっていなかった。
次のグラフは感染率、つまり、陽性件数の人口に対する割合の20−21年分(青)と22年1期で増えた分(濃青)である。
青ヨーロッパ西では22年1期が始まる前の感染率は13.5%だったが、22年1期の終わりには30.5%と17%も増えた。これが全て新規の陽性件数ならば、ヨーロッパ西では、三人に一人は新型コロナに感染したことがある。検査陰性の感染者も含めた、真の感染率は50%を超えるものと考えられる。オセアニアは20−21年はほぼ感染と無縁であったが、22年1期だけで人口の11%が感染した。ほぼ20−21年のアメリカと同じくらいの規模である。アメリカの2年分をわずか3ヶ月で達成したということである。アジア東は陽性率が低いが、中国を除いても、22年1期の前は2.1%、22年1期の後が4.1%と、世界平均よりは低い。
A2. オミクロン株の致死率は0.2~0.5%くらいか
22年1期の死者数が最も多かったのがアメリカ北で28%と4分の一以上占めている。特に死者数1位のアメリカだけで世界の22.5%を占めている。またメキシコも世界5位と多い。2番目に多いのが22年1期死者数2位のロシアと8位のポーランドを持つヨーロッパ東で、20%を占める。3番目がヨーロッパ西でイタリア、フランス、ドイツ、イギリスが死者数上位10国に入っている。大陸別の死者数は下のようなグラフになっている。
また、人口100万人あたりの1日平均の死者数は下のようなグラフになる。
死者数はアメリカ北が群を抜いて多いが、人口100万人あたりではヨーロッパ東の方が多くなる。また、オセアニアも数が増える。
次のグラフは致死率、つまり、死者数の陽性件数に対する割合の20−21年(緑)と22年(濃緑)の比較である。
どの大陸でも22年の致死率が低いので、オミクロン株の致死率はかなり低いといえる。アフリカでは致死率が高くなっているが、アフリカ以外は0.2~0.7%である。アフリカでは検査を限定しているので、検査数が少なくなり、必然的に陽性件数が少なくなる。一方、死者数は検査数が減っても変わらないので、その結果、致死率が高いと考えられている。検査をヨーロッパ並みの数に増やせば、アフリカの致死率は0.1~0.3%ほどになり、むしろ世界で最も致死率の小さいところになる。したがって、オミクロン株の致死率は0.2−0.5の間くらいではないだろうか。アルファ株もデルタ株も致死率は1%はあると考えられるので、それに比べれ馬、オミクロン株の致死率は小さい。
A3. ワクチンは中国とインドで独占
下の円グラフは大陸別のワクチン接種回数とブースター回数の割合である。
ワクチンは世界の4分の3近くがアジア東と中で接種された。もちろん中国とインドで過半数を占める。接種率の高まりとともにヨーロッパでの接種回数が減り、アフリカでの接種回数が増え始めた。ブースターはアジア東が世界の5分の3を占める。中国の接種回数アジア東の3分の2、世界の5分の2を占める。対して、アジア中はブースター回数が非常に低い。アメリカ北も少なくなっている。逆にヨーロッパはブースターの回数が接種回数に比べて多い。
下のグラフは人口100万人あたりの1日平均のワクチン接種回数である。ヨーロッパ東はアフリカ東よりも少なくなった。戦争の影響だろうか。
下のグラフはブースター回数のワクチン接種回数に対する割合である。アジア西、ヨーロッパ西、カリブ海、オセアニアではワクチン接種の4回に3回はブースターである。ブースター割合の低いところは、完了率が低めで、それを上げることに力が注がれている。
下のグラフは22年1期の始まる前(薄赤)と22年1期の終了時(赤)の完了率の比較である。
アジア東とヨーロッパ西は完了率が80%近い。アジア中では完了率が20%近く伸びた。アメリカ北の完了率がまだ70%にいかず、意外と低い。中米など途上国もあるので低いかと思いきや、アメリカでも65%とそれほど高くない。アフリカの完了率はどこも20%に満たない。
下のグラフは22年1期の始まる前(薄茶)と22年1期の終了時(茶)の過完了率の比較である。
ヨーロッパ西では過完了率は20%増えて57%になった。五人に三人の割合でワクチンを少なくとも三回接種している。アジア東、アメリカ南、オセアニアではブースターに力を入れたようで率が2.5倍以上になった。アメリカ北はブースターもあまり進んでいない。アジア中、ヨーロッパ東は完了率が高くないので、ワクチン完了者を増やすことをしていたと考えられる。
中国とインドでワクチンを独占していたが、両国では感染率が低い。中国はもともと低かったが、インドは次章で述べるように、約300分の1にまで減った。中国はかワクチン完了率が高いが、ちょっとでもクラスターがあれば、たちどころのロックダウンするなどの政策が功を奏していると考えられる。しかし、次章でのべる今流行っている新種に関しては、ロックダウンの効果もあまり効かないようである。インドではワクチン完了率も感染率もさほど大きくないので、単に、オミクロン株の勢いが弱まっただけと言えそうである。
A4. オミクロン株の移動
下のグラフ行列は、大陸別の22年1期の感染図である。
左上がアフリカ南のもので、オミクロン株はここが発祥と考えられている。ここで一番早く感染が始まった。他の地域は、感染拡大が始まった週の順番に並べてある。この図からは、オミクロン株がアフリカ南からアフリカ東へ進み、そこからアフリカ西、ヨーロッパ西、ヨーロッパ東へ、アフリカ東から、アジア西、アジア中、アジア東へ移動、アフリカ東から、アメリカ北、カリブ海、アメリカ南へ移動しているように見える。またアジア東へはオセアニアから伝わった印象も受ける。
アメリカ、EU、イギリス、日本では、昨年末にアフリカ南の国々からの入国制限を実施していたが、結局、感染拡大を止めることはできなかった。アフリカ南からの入国を止めても、他の国から、オミクロン株を持って入ってくるので、入国制限は意味がなかった。
ヨーロッパ西とオセアニアは、グラフに二つのピークがある。ヨーロッパ西の二つ目のピークは、ヨーロッパ西から戻ってきたもの、オセアニアのものはアジア東から移動したものと考えられる。ヨーロッパ西は現在減少傾向、オセアニアは増加が止まった状態であるが、フランスやオーストラリアなど陽性件数が増加しているところもあり、拡大再開も考えられる。また、アメリカ北とカリブ海では増加傾向である。
B. 新種の増加率がそれほど高くないので見過ごしている可能性
B1. 新種の増加率はデルタ株くらい
22年14週の陽性件数は781万6198件で、前週比21.5%の大幅減少となった。今年初めて陽性件数が1000万件以下になったと言いたいところであるが、4/1 号で書いた22年の13週の陽性件数、1009万4403件が、修正のため996万1867件に下ったので、今年初めて陽性件数が1000万件以下になったのは13週であった。これで3週連続の減少となった。減少率は大きくなっている。しかし、平均すると毎日100万件以上の陽性件数が確認されており、最新の人口100万人あたりの陽性件数も1日平均141人とまだまだ多く、感染拡大する可能性がある。
151の国地域で陽性件数が前週から減少した。12国地域で陽性件数が0になった。しかしリビアやボツワナなどいくつかの国は、14週の陽性件数を報告しなかったと考えられる。スイスやポーランドなど25国地域で陽性件数が半減した。逆に63の国地域で陽性件数が前週より増加した。マルティニクやケイマン諸島など13週の陽性件数が0で伸び率無限大となったところが12国地域ある。このうち約半数は13週の陽性件数の発表をしなかっただけと思われる。メキシコやエジプトなど11国地域で前週比100%以上の増加となった。メキシコは10週続いた減少が止まり前週比259%の大幅増加となった。アメリカ北で全体的に陽性件数が増えているのでその影響が考えられる。アメリカは今週は先週より減少したが、減少の幅は小さく、来週はまた増加となると予想される。
オセアニアのナウルで初の感染者が出た。これで、20年から今まで陽性件数0は、北朝鮮、トルクメニスタン、ピトケアン、トケラウ、ツバルの5国地域だけとなった。また、西サハラは21年から陽性件数が0、ミクロネシア、セントヘレナ、ウォリスフツナは22年の陽性件数が0である。またマーシャル諸島など8国地域で2週間以上陽性件数0が続いている。
次の表は22年14週の陽性件数が多い上位20国の感染状況である。
韓国とドイツが1000万件以上、フランスも1000万件に近い。ただし、減少はしている。20位まででは、日本とカナダで陽性件数が増えている。アメリカは今週は減少したが、減少率は小さく、ここ数週間のペースで見ると長く続いた減少が止まった状態にある。
次の表は22年の陽性件数が多い上位20国の感染状況である。
22年全体では800万件以上の陽性件数を出しているインドであるが、14週はわずかに7000件余り、人口100万人あたりでも1日平均0.7人とすっかり収束した感じである。ブラジルやアルゼンチンも人口100万人あたりの1日平均の陽性件数が100件以下である。
下の地図は陽性件数のトレンドである。
茶色は感染がほぼ0あるいは減少中だったが、今週突然陽性件数が増えたところで、赤が陽性件数が増加中かつ伸び率が下がらないところ、橙色は陽性件数が増加中であるが伸び率が下がっている(今週マイナスになったところも含む)ところ、黄色は長く減少中だったがここ数週間減少傾向が見られないところ、緑は長く増加中だったがここ数週間減少傾向であるところ、青が減少中であるがそのペースが下がっているところ、薄青が減少中でそのペースが上がっているところ、白が少なくとも3週間以上陽性件数が5人以下のところである。
過去のデータを元にすると、赤色に塗られた国では約70%の確率で翌週以降も増え続ける。今週の伸び率が高い国ほと、増加期間が長い。茶色では約50%が、橙と黄色は約30%が翌週以降増加になる。白、緑、青、薄青でも20~25%の確率で翌週陽性件数の増える国が出てくるが、そのほとんどは翌々週以降元の減少ペースに戻る。
アジア東も感染の中心だった韓国とベトナムで減少が続いているが、日本と台湾で増加傾向である。中国では厳しいロックダウンを実施しているにもかかわらず、伸び率は下がっているものの、下がり方のペースが小さく、減少に転じるかどうかはわからない。
アメリカ北では3月以降カナダで増加が続いている。メキシコで大幅に増え、アメリカでも長く続いた減少が止まった状態である。今週は陽性件数が減少したが減少幅は小さく、カナダのように増加が続区可能性がある。カリブ海も陽性件数が増加した国が増えた。アメリカ南もカリブ海と人種構成の近いベネズエラ、ガイアナで減少が止まった。原因となる株は今の所感染の勢いはそれほど強くなく、また死者数が多いので、オミクロン株とは異なる新種と考えられる。
また、アフリカではチャド、コートジボワール、モーリタニア、ニジェール、カメルーンで陽性件数の増加が続いているがその周で今週は増加となったり、減少率が下がった国が出てきた。
ヨーロッパでは陽性件数が減少しているがフランスやギリシャなど一部の地域では増加となった。これはオミクロン株の感染の勢いが止まってからの減少率が多く、新種による増加が打ち消され、多くの研究者が見逃している可能性がある。現在増加している国のデータから、この新種は毎週平均して20~30%の割合で増えている。このペースは大体デルタ株より少し低いくらいで、オミクロン株の5分の1から7分の1になる。一方オミクロン株の減少率は毎週30%から50%で、新種の増加率よりも多い。したがって、陽性件数だけを追っていれば、増加していても伸び率が下がったり(橙)、減少かつ減少率が下がり(青)、場合によっては多少増える(黄色や茶色)という結果になり、今週の陽性件数のトレンドの説明がつく。
B2. 死者数は韓国が2位
22年14週の死者数は2万4841人で前週比6%減となった。これで8週連続の減少である。が、減少率は小さくなった。最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.4人である。22年の致死率は0.35%に下がった。累計の致死率は1.25%となった。
94の国地域で死者数が前週から減少した。20国地域で死者数が0になった。リビアやボツワナなどいくつかの国は、14週の陽性件数も0なので、おそらくデータを発表していないと考えられる。南アフリカなど24国地域で死者数が半減した。逆に48の国地域で死者数が前週より増加した。ヨルダンなど15国地域では、13週の死者数が0で伸び率無限大となった。このうち約半数は13週の死者数の発表をしなかっただけと思われる。スペインやキプロスなど8国地域で前週比100%以上の増加となった。また、ニカラグアなど15国地域で死者数が前週と同じであった。これで、20年から今まで死者数0は、北朝鮮、トルクメニスタンなど14国地域。また、西サハラは21年から死者数が0、ウォリスフツナ、ブルンジ、タジキスタン、サンバルテルミ、ジブチは22年の陽性件数が0である。またベナンなど57国地域で2週間以上陽性件数0が続いている。
次の表は22年14週の死者数が多い上位20国の感染状況である。
韓国が2164人の死者を出し、ロシアを上まわりアメリカに次いで2位になった。死者数はドイツやイギリスなど、増加しているところが多い。
次の表は22年の死者数が多い上位20国の感染状況である。
22年全体では3万6千人以上の死者を出しているインドであるが、14週はわずかに400人弱となった。人口100万人あたりでも1日平均0.04人とすっかり収束した感じである。ブラジルやアルゼンチンも人口100万人あたりの1日平均の死者数は1人以下である。
B3. ワクチン接種回数は減少している
22年14週のワクチン接種回数は8436万4874回で前週比33%減となった。2週間ぶりに1億回以下になった。接種回数は22年7週目以降減少が続いていた。先週は接種回数が増えたもののまた元の減少ペースに戻った感じである。人口100万人あたりの接種回数は1521回である。14週の時点での完了率は57.8%となった。
95国地域で接種回数が先週よりも増えた。2週間以上接種が止まっていた国地域のうち12国地域で接種が再開された。これらの国を含めて、30国地域で伸び率が無限大となった。また10国地域で伸び率が1000%以上となった。これら40国地域のうち16国地域がアフリカである。また、90の国地域で先週より接種回数を減らした。メキシコやパキスタンなど25国で接種回数が0になった。
22年14週のワクチン接種回数上位20国地域
20国中7国がアフリカである。アフリカでワクチン接種が進んでいる。
22年のワクチン接種回数上位20国地域
新たにブータンでもブースターが始まり、ブースター実施国地域は166になった。22年14週の世界のブースター接種回数は3300万6576回で、先週に比べ40%減少した。ワクチン同様に過完了率が高くなるにつれ、ブースター回数も減少している。中国が2、3週間に一度ブースター回数を発表するので、時折300%増などどいうこともあるが、中国を除けば、22年6週から減少が続いている。先週は増加となったが今週は減らして、元の減少ペースに戻った。ブースターをした人の割合である過完了率は21.6%となった。
22年13週でブースターの増加した国の中で、12週以前は0回だったところが30国あった。このうち半数の15国でロシア製ワクチンを接種している。もう10国は中国製ワクチンを接種している。ロシアがワクチンを利用して、支援国を増やそうと試みている感じもする。
C. 日本は第7波はすでに始まっている
日本の22年14週の陽性件数は33万4501件で世界で7番目に多かった。人口100万人あたりの1日平均は380人である。前週比6.5%増で、2週連続の増加である。22年の陽性件数は515万4096件となり、これは世界13位である。同週は431人が亡くなった。世界で14番目に多い。人口100万人あたりの死者数は0.5人で、世界平均より多い。先週からは30%の減少で、5週連続で減少中である。22年の死者数は1万0135人と1万人を超えた。世界18位である。致死率は0.2%で世界平均の0.35%の約半分である。
日本の22年14週のワクチン接種回数は401万4586回であった。先週に比べ30%近く減少した。人口100万人あたりの1日平均は4970回で世界でも多い方ではある。完了率は80.2%となった。ブースターは363万3718回行われた、こちらも前週比30%減である。過完了率は44.6%になった。
QRは日本の第7波は2月に空港検疫の陽性件数が増加に転じてから注意していた。第7波の死者数は1月頃に比べると多いのでオミクロン株より致死力が高い。また増加のペースがオミクロン株に比べて低く、今のところ、5分の1くらいである。したがって、オミクロン株でもその派生種でもない可能性が高い。このおそらく新種と思われる株は、ヨーロッパで3月に流行し、今アメリカ北で流行しているものと同じもであると考えられる。感染力はデルタ株と同程度、致死力はデルタ株よりは小さいが、オミクロン株よりは大きいと思われる。ヨーロッパでの感染が広がったことから、既存のワクチンはこの新種には効果がないと考えられる。
空港検疫での陽性件数が増加しているのに、国内の陽性件数がなかなか増加しなかったのは、おそらくオミクロン株での感染が急速に減少したので、陽性件数の減少が、第7波の陽性件数の増加を打ち消してしまったからである。しかし、世間的には、オミクロン株ほどの感染力はないので、大したことないと思われがちなので、オミクロン株ほどの対策をとることはしない人が増えると思われる。その結果、感染が拡大すると予想される。陽性件数などが減ったのはオミクロン株と比較してのことで、デルタ株などに比べれば十分大きい。
一方、22年14週の空港検疫の陽性件数は減少したので、世界も国内も3~4週間後には陽性件数が減少すると考えられる。
人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の4月11日22時時点で得られた最新の値を利用している。4月11日以降に修正あるいは追加されたデータは含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。4月11日以前に修正あるいは追加されたデータは過去の号の統計にも反映させている。今号の統計とは異なるものもある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。