COVID-19 Quarterly Report 2022 Week 39(9/24−30) Part 1

22年9月30日時点での世界および日本の新型コロナの感染状況についてまとめた。第三四半期の最終週なので、何事もなければ、今回から3~4週にかけて、3期の感染状況について考察する。統計値は10月2日までに得られたデータをもとに作成した。それ以降に修正されたデータは、次回以降に反映させる。今回は3期の新規陽性数と死者数についてA章で考察する。また、後遺症についてちょっとしたニュースがあったので、E章で考察した。いつも長いのだけれど、今回は特に長いのPart1とPart2に分け、Part1にはA章を、Part2B〜F章を載せる。

A. 3期は日台韓で世界の30%

A1. 新規陽性数は日本が世界で唯一1000万人超え


現時点での22年3期(7月1日−9月30日)の、世界の総新規陽性者数は6827万7536人だった。2期(4月1日−6月30日)に比べて、7.7%の増加だった。次のグラフは最近1年間の世界の各期毎の新規陽性数である。

22年1期には及ばないが、過去2番目に新規陽性数の多かった四半期となった。

次のグラフは、22年3期の大陸別の新規陽性数の分布である。

22年3期の新規感染者の34%がアジア東に集中した。ヨーロッパ西も26%、アメリカ北が15%を占める。一方、アフリカは3地域とも0.5%未満だった。

下のグラフは大陸別の新規陽性数の1年間の推移である。アフリカ3地域とカリブ海は数が少ないので、拡大図をのせた。


ヨーロッパ西では3期の新規陽性数は2期よりも減少した。アフリカ東、アフリカ西、カリブ海、オセアニアでも減少した。それ以外の地域では、3期の新規陽性数は2期よりも増加した。

下のグラフは大陸別の3期の新規陽性数の伸び率である。


最も伸び率が高かったのはヨーロッパ東の267%増だった。ついで、アジア西、アジア中が伸び率100%超えであった。これら3地域にはロシアはもとより、イランやインドなどロシアウクライナ戦争でロシア寄りの姿勢を示している国が多いが、関係はあるだろうか。

下の表は22年3期の新規陽性数のランキングである。

3期の新規陽性数が最も多かったのは日本の1193万6342人である。世界で唯一、1000万人以上の新規陽性者を出した。前期比で330.4%増加で、2期の9位から1位になった。日本の累計新規感染者数は2126万5862人なので、感染者の56%が22年3期に集中している。3期の新規陽性数が10万人以上いる国のなかで最も高い。3期の人口100万人あたりの新規陽性数は、1日平均で1044.3人で、世界8位だった。

新規陽性数前期1位のアメリカは、前期比で11%増の860万5225人の新規陽性者の確認があったが、日本の伸び率が遥かに多く、2位になった。3位は韓国で前期比28%増の640万人、4位はドイツで前期比28%減の499万人、5位はフランスで前期比23%減の418万人だった。次のグラフは新規陽性数ランキング上位10国の世界全体の占める割合である。


日本だけで世界の新規陽性数の18%を占めた。上位10国で73%と世界のほぼ4分の3を占める。日米韓独仏の上位5国で過半数を占める。また、日韓台で31%を占める

次のグラフは上位10国の1年間の新規陽性数の推移である。

日本、アメリカ、韓国、ロシアでは3期の新規陽性数の方が2期よりも多い。また、日本と台湾だけが3期の新規陽性数の方が1期よりも多い。

次のグラフは上位10国の3期の伸び率である。

ロシアが最も高く347%だった。日本は330%で2位だった、

22年3期は世界の51国で10万人以上の新規陽性者があった。そのうち、14国で100万人以上だった。

120国で3期の新規陽性数が2期を上回った。ブルキナファソ、中央アフリカ、セントヘレナ、ウォリスフツナは2期は新規陽性数は0だったのに、3期は感染者を出した。特にセントヘレナは22年26週から新規陽性数0を1年以上続けてきたにもかかわらず、8月半ばから急増した。現時点で島民の27%が感染している。6週間ほど増加が続いたが、今週ようやく減少となった。

伸び率の最も高いところはマーシャル諸島の13万8266%増だった。2期はわずかに11人しか感染者がいなかったのに、3期では1万5257人まで増えた。現時点で国民の25%が感染している。33週以降は時々増加もあるが、順調に減少を続けている。3期の新規陽性数10万人以上の国中でもっとも伸び率が高かったのはジョージアの922%増だった。

一方、107国で3期の新規陽性数が前期から減少した。ベラルーシ、エジプト、フェロー諸島、ジブチ、ニカラグア、タジキスタンでは3期の新規陽性数は0だった。また、グリーンランドとバチカンは2期から連続で新規陽性数0を維持している。西サハラは2年以上以上新規陽性数0を維持している。ピトケアン、トケラウ、トルクメニスタンでは今までに新型コロナの感染者が確認されたことはない。

213国領土でオミクロン株初期型の流行した22年1期の新規陽性数が最も多かった。しかし、日本、台湾、マーシャル諸島、グアテマラ、ミクロネシア、セントヘレナ、マカオ、ウォリスフツナ、ニウエ、ツバルの10国領土は22年3期の新規陽性数が最も多かった。10国中8国が太平洋に面している。

世界の3期の人口100万人あたりの1日平均の新規陽性数は94.3人だった。下の表は22年3期の人口100万人あたりの1日平均の新規陽性数のランキングである。

最も多いのはセントヘレナの2970人だった。セントヘレナでは21年6月を最後に新規陽性患者の確認はなかったが、22年34週に5人の陽性患者を出した。そして、38週に島民の12%が一気に感染した。39週は大きく減少した。2位は伸び率トップのマーシャル諸島sw、2790人だった。3位は2106人のナウルだった。ナウルは前期比16%げんで順位も一つ下げた。4位はブルネイの1591人、5位は韓国の1369人だった。韓国は3期の陽性数10万人以上の国領土の中でもっとも多かった。

99国で3期の人口100万人あたりの1日平均の新規陽性数が100人以上だった。そのうち、8国領土で1000人以上だった。

下のグラフは大陸別の3期の人口100万人あたりの新規陽性数である。


新規陽性数では世界の4%しかないオセアニアが34%のアジア東と26%のヨーロッパ西を抑えて最多だった。新規陽性数のもっとも多かったアジア東はアメリカ南よりはすくない、しかし、世界平均よりは多い。

次のグラフは3期新規陽性数上位10国の人口100万人あたりの新規陽性数である。

韓国が1369人でもっとも多く、次いで台湾が1221人、日本が1044人と続いた、アジア東は全体的には低かったが、この3国だけは例外的に多い。実は日韓台でアジア東の新規陽性数の90%を占める。この3国を除いたアジア東の新規陽性数は230万人ほどで、アジア西より少なくなる。したがって、BA.5型は日韓台で特に猛威を振るったと言える。

A2. 戦争に行きたくないからコロナに感染?

22年3期(7月1日−9月30日)の、世界の総死者数は18万4630人だった。2期(4月1日−6月30日)に比べて、2.7%の増加だった。次のグラフは最近1年間の世界の各期毎の死者数である。

死者数は前期に続いて過去3番目に少なかった(もっとも少なかったのは20年1期)。

次のグラフは、22年3期の大陸別の死者数の分布である。



22年3期の死者数がもっとも多かったのはヨーロッパ西の4万8167人、次いでアメリカ北の4万8072人だった。率にすると両地域とも26%になる。新規陽性数では34%を占めるアジア東が16%(2万9273人)でヨーロッパ西やアメリカ北より少ない。逆に新規陽性数では16%のアメリカ北はアジア東よりシェアが高かった。また、新規陽性数では6%のアメリカ南も死者数では13%とシェアが高くなった。

下のグラフは大陸別の死者数の1年間の推移である。アフリカ3地域とカリブ海は数が少ないが、陽性数と違って、拡大図を載せるほどではないと思う。

新規陽性数が減少したヨーロッパ西、アフリカ東、カリブ海では死者数も減少したが、アフリカ西とオセアニアでは増加した。新規陽性数が増加した地域のうち、ヨーロッパ東とアフリカ南では死者数が減少した。

下のグラフは大陸別の3期の死者数の伸び率である。

最も伸び率が高かったのはアジア西の107%増だった。ついで、アフリカ西、アジア中、アメリカ南の順であった。

下の表は22年3期の死者数のランキングである。

3期の死者数が最も多かったのはアメリカの3万8696人である。世界で唯一、前期比で18%増加で、21年3期から5期連続で世界1位の座をキープした。アメリカの累計新規感染者数は108万4828人で、世界で唯一100万人を超えている。3期の人口100万人あたりの死者数は、1日平均で1.27人で、世界25位、世界平均の5倍以上と意外に高い。

前期2位のロシアは3期に6104人の死者があり、前期比で50%減で世界7位に下がった。ちょっと古いが、8月22日時点でのロシアウクライナ戦争でのロシア軍の死者は4万5400人、ウクライナ軍の死者は約9000人との報道があった(https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-military-casualties-idJPKBN2PS12Z)。数字は民間の被害者を含まないらし。2月末に戦争が始まってから報道のあった8月22日までのロシアの新型コロナによる死者は3万4545人、ウクライナは3130人だった。やっぱり戦争はコロナより酷いな。ロシアもウクライナも現在感染拡大中である。もしかしたら、戦争に行きたくないために、わざと感染していた物もいるかもしれない。しかし、徴兵令でおそらくそれも通じなくなった。だから、今週から減少になったとも考えられる。

ブラジルで1万4333人の死者があり、前期の4位からロシアに代わって2位に上がった。伸び率は22%だった。3位は日本で、前期から325%の大幅増で1万3508人の死者のあり、14位から大幅に順位を上げた。ここまでが3期死者数1万人以上だった。4位は前期より一つランクを下げたイギリス(9727人、17%減)、5位は前期と同じくドイツ(8772人、20%減)だった。

次のグラフは死者数ランキング上位10国の世界全体の占める割合である。


アメリカだけで世界の死者数の5分の1以上を占める。上位10国で世界の死者数の約3分の2を占める。

次のグラフは上位10国の1年間の死者数の推移である。


日本、アメリカ、ブラジル、日本、スペイン、オーストラリアでは3期の新規陽性数の方が2期よりも多い。また、日本とオーストラリアだけが3期の新規陽性数の方が1期よりも多い。

次のグラフは上位10国の3期の伸び率である。

日本は324%でもっとも高かった。そして日本だけが死者数が極端に増えた。

22年3期は世界の47国で死者数が500人以上だった。

2期の死者数が0だったにもかかわらず3期の死者数を出したところは、マーシャル諸島*、ミクロネシア*、アンギラ、ナウル*、セントクリストファーネイビス、アンドラ、シントマルテン、サントメプリンシペ、マカオ*、コモロ、アンゴラ、ブルキナファソ、コンゴ、シエラレオネの14国領土だった。このうち、マーシャル諸島、ミクロネシア、ナウル、マカオははジェ右手の新型tコロナによる死者であった。この14国領土を含めて、94国領土で死者数が2期よりも増えた。

8国領土で死者数が前期と同じだった。

逆に、102国領土で死者数が減少した。そのうち18国で音期の死者数が0になった。セントヘレナ、フォークランド諸島、ニウエ、ツバル、バチカン、ピトケアン、トケラウ、トルクメニスタンでは今まで一人の死者も出していない。西サハラは2年以上、ジブチは1年以上死者が出ていない。ブルンジ、サンバルテルミー、ウォリスフツナは22年は死者数0である。15国で半年以上死者数0をキープしている。

伸び率のもっとも高いところはネパールの6458%増だった。2期の死者数はわずかに一人だったが、2期は66人に増えた。

世界の人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.25人だった。2期とほぼ同じである。4日に1人が新型コロナで亡くなっている計算になる。次の表は22年3期の人口100万人あたりの死者数のランキングである。

最も多かったのはニュージーランドの3.28人だった。前期比30%増で、前期の11位から順位を上げた。2位のバルバドスは3.17人で、前期比19%減だったが、前期の3位から順位を上げた。3位と5位は共に3期で始めての死者を出したマーシャル諸島とミクロネシアで、それぞれ3.11人、2.89人だった。間に挟まれた4位には前期比6%で3.02人のギリシャが入った。上位10国のうち5国がオセアニアと東アジアで、この地域での感染具合がひどい。また、11位から20位までの間にヨーロッパ西が6国入った。

3期の単純致死率は0.27%だった。過去最低だった2期の致死率よりも若干下がった。直近4四半期間の致死率の推移は次のグラフのようになった。


興味深いことに、新規陽性数が3期の3倍ほどあった22年1期も致死率は3期と大差ない。おそらく、オミクロン株の致死率は0.25%あたりに収束すると思われる。

大陸別の致死率の推移は次のグラフのようになった。


ヨーロッパ西、カリブ海、アメリカ南、オセアニアで致死率が上昇している。いずれも入国規制緩和を早くから実施した国が多い地域である。その他の地域では、2期で少し上がったところもあるが、概ね減少傾向である。しかし、アフリカやアメリカの各地域では致死率が世界平均の2倍ほ度になっている。

3期の致死率のランキングは下のようのようになった。

もっとも致死率が高いのはイエメンの7.21%だった。3期は111人感染して8人が亡くなった。35国領土で3期の致死率が1%以上だった。

A3. もっとも感染が酷かったのは台湾と日本とオーストラリア

新規陽性数、死者種数とその人口100万人あたりの1日平均とで求めるQR感染ランキングは下のようになった。

もっともポイントが高かったの前期から引き続き台湾だった。死者数は少し順位を下げたが、陽性数は順位が変わらなかった。2位は前期の10位から上がった日本だった。日本は陽性数が1位になったことが原因である。3位のオーストラリアも2期の19位から大幅上昇。オーストラリアは陽性患者は数も率も順位を下げたが、死者数が数も率も順位を上げた。4位のギリシャも前期から少し順位を上げた。人口100万人あたりの1日平均の陽性数が25位から7位に上がったことが原因である。5位のイタリアは順位が変わらなかった。

下のグラフは、日本と台湾のの新規陽性数と死者数の時系列グラフである。

台湾の新規陽性数と死者数のグラフは、日本のとよく似ている。位相が4ヶ月ほどずれており、ちょっと数が少ないが、増加期の平均伸び率、減少期の平均減少率がほぼ同じである。このままいくと台湾では日本の第7波のような大きなものが年末頃にやってくるかもしれない。

B~F章はPart2 に続く

B. ヨーロッパ西で増加が続く

C. 後遺症と重症の関係

D. ヨーロッパで接種回数が増える

E. 後遺症とは、検査で陰性だから治ったとみなされたが症状がまだ続いている状態のことか?

F. 第8波の兆候


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