2021年新型コロナ色々ランキング 6/18

はじめに

新型コロナ関連サイトでは累計陽性者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。2020年は結構な数の陽性者数を記録したが、2021年はあまり陽性者を出していない国と、逆に2020年はあまり陽性者をだしていないが、2021年は結構な数の陽性者を出した国とでは、例え、累計陽性数が同じであったとしても、現在の状況は全く異なる。一般的に、2021年の累計順位は2020年からの累計順位よりも高いところは、今年に入ってからの陽性数が昨年よりも多くなっていることを意味する。メディアの報道やSNSでは2020年からの陽性数を表示しているが、これだけでは感染状況を見誤る恐れもある。

そこで、2021年の新型コロナに関する様々な指標を、陽性数や死者数は Worldometer のデータを、ワクチン接種数は Github のデータをもとに計算し、2021年1月1日から6月18日までの累計陽性数でランキングにした。また、毎週の新規陽性数、死者数、ワクチン接種数などは独立に第10位までランキングを作った。


A1. 2021年累計陽性数が減った。

先々週ペルーで約12万人の死者数大幅増加があった。これは新型コロナが原因の死亡の定義を見直することで、それまではそうとは考えられていなかった者の死因が新型コロナになったためであった。なので、12万人というのは1日の死者ではなく、新型コロナが発生してからの総合計である。見直し作業によって、2021年6月2日以前の死者数が増加した。メキシコやカザフスタンでも同様に死者数の修正を行い、世界の死者数も増加した。その結果、2021年の死者数が相対的に減少した。

一方、フランスでは5月21日に陽性数を26万人減少させた。Wikipedia によると、二回陽性と診断されたものがいたのでそれらを取り除いた結果であるという。昨年の6月にもフランスは同じ理由で陽性数を減らしたことがある。そこで、フランスは5月21日以前の陽性者数を、昨年に遡って、陽性数を毎日6.15%づつ減少させた。これによって、世界の陽性者数も減少した、ということにはならずに、逆に増加していた。調べてみると、かなりの国で陽性数と死者数の数字が、Worldometer で発表されたものと違っていることがわかった。

データ値の修正はよくあることである。理由も様々である。例えば、スペインでは修正前のデータでは3月26日に急激な上昇が見られるが翌週には急激に減少している。しかし修正後はこの突起がなくなり、スムーズな上昇を描いている。おそらく、3月26日の集計に3月19日の分が混じっていたので、それを移動したものと思われる。このケースのように、発表はしたが、よく見たら別の日のぶんだったので、集計をやり直したというケースが多いのではないか。

Worldometer では各国のページで、修正値を元にインタラクティブグラフを作成しているので、発表時の数値を記録しておけば、どのくらい修正したのかがわかる。ここでは2021年の累計を扱っているので、2021年1月1日の陽性数と死者数を比較したところ、陽性数が16カ国で計15万件増え、死者数が22カ国で計10万人増えているのが見つかった。

2021年1月1日の累計陽性数を減らしたのは、フランス(−162,500)、イギリス(−5,856)、フィリピン(ー1)の三国で( )が減少数である。また、アメリカ(+238,650)、スペイン(+45,824)、スウェーデン(+19,997)、イタリア(+9,774)、リトアニア(+4,087)、コスタリカ(+1,270)、エスワティニ(+553)、アルバニア(+407)、エルサルバドル(+282)、チェコ(+262)、ポーランド(+60)、ドイツ(+21)、スロベニア(+5)の13カ国で陽性数を増加させた。ランキングの表ではこれれの国の累計陽性数をLime色の背景にした。年末年始の忙しい時期が週末と重なったので、1月1日の集計分が、4日以降に報告されたケースも多いと考えられる。この分を1月1日の集計に追加すれば、修正が起こる。中には、報告された日の集計に加えているところもあるようだが。

しかし、アメリカ、スペイン、スウェーデン、イタリアは修正数が多すぎる。また、これらの国では1月1日だけではなく、他の日の陽性数も大幅に修正されている。アメリカでは6月19日に確認した修正値が21日にまた修正されていた。

この修正によって、2020年の累計陽性数が増え、2021年の累計陽性数が減少した。それによって、リトアニアの順位が66位から69位へと下がった。替わって、エジプトが66位へ、スロベニアは67位へ、グアテマラは68位へと順位を一つづつあげた。これれの国ん背景は黄色にした。また、スウェーデンとコスタリカの2021年陽性数が昨年を超えた週が1週間遅くなった。15万件の増加は全体の0.2%で、順位などに与える影響は少なかった。死者数の修正は全体の5%以上に当たるので、順位の変化などがより大きくなると思われる。したがって、死者数の修正は次回行うことにする。


A2. 減少はしているが、ペースが落ちている。

修正後の世界の6月11日の累計陽性数は91,514,843件、で先週発表された91,669,739件よりは154,896件の減少になった。しかし、6月12日から18日の間に2,558,361件増えて、6月18日までの陽性数は94,073,214件となった。新規陽性数は7週連続で減少しているが減少の幅が少なくなっており、来週の新規感染数は増加すると計算される。なので、今のペースでいけば、7月に入った途端に2021年の累計感染数は1000万人を超えるかもしれない。
世界各国の2021年累計陽性数によるランキングは下の表のようになった。

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先週は今週の新規陽性数が2021年第1週に比べどのくらい増減したのかを表示したが、今週はその代わりに新規陽性数が5週間前と比べどのくらい増減したのかを表和す、「直近5週間%増減」を加えた。同様に週間死者数も「直近5週間%増減」を加えた。例えば、第1位のインドは今週の新規陽性数は464,731件であるが、先週よりの約20万件減少し、これで6週連続減少中である。5週間前と比べても75%以上減らしている。これは感染数が減らしていると考えられる。また、20位のチリは、先週よりも新規陽性数を減少させたが、5週間前と比べれば上がっている。つまり、全然減少していないことがわかる。最新5週間の動向は連続週数と合わせると、最近の感染状況をよりよく理解できると思う。

トップ10では、第6位までは先週と同じ顔ぶれだが、コロンビアが8位から7位に上昇した。今週の新規陽性数は193,907件で、ブラジル、インドに次ぐ第3位である。ブラジルと共に新規陽性数が先週よりも増えている。またロシアも10位から9位に上昇した。ロシアの今週の新規陽性数は100,855件で世界で5番目に多く、コロンビアよりも新規陽性数の増え方が大きい。一方イタリアとイギリスは順位を一つづつ下げた。両国とも修正により2021年の陽性数が減少したが、そのせいで順位が下がったわけではなく、イタリアは新規陽性数がイギリスはロシアの上げ幅がより大きかったためである。

上位60カ国以内で順位が上昇した国はコロンビアとロシアの他に、インドネシア、チリ、マレーシア、パラグアイ、ボリビア、コスタリカ、キューバが挙げられる。チリは2週連続で順位が上昇した。コスタリカは先週は順位を下げていたが、今週はあげた。ここも修正の影響ではなく、新規陽性数は先週より減少したが、相変わらず多いからである。先週同様、アジアと中南米ばかりである。

上位60カ国のうちで順位を下げたところはイタリアとイギリスの他に、ウクライナ、オランダ、日本、オーストリア、スイス、アイルランド、パレスチナがある。ヨーロッパとヨーロッパに近いアジアばかりである。


B1. 新規陽性数はブラジルがインドを超えた

6月4日から11日の新規陽性数上位10ヶ国は次のようになった。( )内は2021年累計陽性数順位、新規陽性数、+ーは先週からの増減、矢印一つで1個のランク変化

1。ブラジル(3位) 500,956、+41,690、3週連続増加中 ↑
2。インド(1位) 464,731、−199,467、5週連続減少中 ↓
3。コロンビア(7位) 193,907、+17,246、4週連続増加中 ↑
4。アルゼンチン(6位) 149,673、−28020、 3週連続減少中 ↓
5。ロシア(9位) 100,855、+28,530、3週連続増加中 ↑
6。アメリカ(2位) 114,423、–54,943、↓
7。インドネシア(15位) 69,241、+18,828、4週連続増加中 ↑
8。イラン(12位) 67,448、+8,679、8週連続減少でストップ ↓
9。南アフリカ(23位) 66,483、+22,418、7週連続増加中、ランク外
10。イギリス(10位) 61,427、+15,531、6週連続増加中、ランク外

33。日本(27位) 10,978、−3,877、5週連続減少中 ↓↓↓↓

1位と2位、3位と4位、5位と6位、7位と8位で順位が入れ替わった。順位の上がったブラジル、コロンビア、ロシア、インドネシアで先週よりも新規陽性数が増えているが下がった方は減少している。先週9位のチリは今週の新規陽性数を先週より減らしたが、先週10位のフィリピンは増やしたがランク外に落ちた。というのも9位、10位にランク外から上がってきた南アフリカ、イギリスはフィリピンの10倍以上も増やしている。

インドは4月2日から週間新規陽性数1位であったが、ようやくブラジルにその地位を譲った。状況から言って、しばらくはこの状態が続くであろう。アメリカの先週の新規陽性数は先々週より減少したことになっていたが、修正によって、実は増加していることがわかった。しかし、増加分はごくわずかで、それ以前は7週連続で減少していた。実質9週連続減少中である。直近5週間でも50%以上減らしている。

B2. 中南米とアジアで陽性密度が高い

5月29日から6月4日の人口100万人あたりの新規陽性数上位10カ国は下のようになった。
( )内は累計陽性数順位、今週の100万人あたりの新規陽性数、先週との差、今週の陽性数

1。セーシェル(126位) 1,660.8、+483.8、1,150
2。ウルグアイ(40位) 733.5、−291.0、17,894 
3。モンゴル(83位) 704.5、+295.9、16,412 ↑↑↑↑↑
4。セントキッツとネイビス(197位) 589.5、+576.2、221、ランク外
5。コロンビア(7位) 539.0、+47.9、193,907 ↑
6。アルゼンチン(6位) 469.0、−87.8、177,693 ↓
7。仏領ギアナ(129位) 440.8、+76.1、944、ランク外
8。モルジブ(93位) 749.5、−316.1、1,667 ↓↓↓↓↓
9。スリナム(128位) 429.1、−3.2、1,777 ↓↓
10。バーレーン(69位) 412.0、−301.2、5,067 ↓↓↓↓↓↓

124。日本(28位) 12.4、−3.8、10,978 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓


世界の人口100万人あたりの新規陽性数は46.5であるで先週より2.9下がった。1位のセーシェルは先週より増えた。2位のウルグアイは大幅に減少させて、1000以下になったが、順位は変わらない。モンゴルは先週の8ランク上昇に続いて、今週も5ランク上がった。セントキッツとネイビスは先週までの2021年累計陽性数が51だったのに、今週はその4倍以上の211人の新規陽性があった。台湾と同様に大量の感染者が一度に入国した可能性がある。

セーシェルとウルグアイは先週より下がったものの1,000以上ある。日本がもしセーシェル並の感染状況なら、毎日150万人の新規陽性が出ることになるのでパニックどころの騒ぎではないだろう。この数字が100を超える国地域は先週から2増えて、39カ国となった。内訳は中南米が19、アジア10、アフリカ7、ヨーロッパ2、オセアニア1となっており、中南米の割合が高くなった。


C. 先週より陽性数が増えた国が多くなった

新規陽性数が先週より減少した国は先週よりも8カ国減って112カ国に、増加した国は先週より8カ国増え86カ国になった。また先週と同じだが0でないところは2カ国ある。新規陽性数0を維持しているところは、2021年陽性数0の4ヵ国、2020年からの陽性数0の14ヵ国を含め、35ヵ国ある。連続陽性増減週数の列では、先週と同じだが0でないところは t の後にその週数を、新規陽性数0を維持しているところは z の後にその週数をつけて表すことにした。また2021年陽性数0、2020年からの陽性数0のところは n/a で表した。連続陽性増減週数の列も同様である。例えば、165位のサンマリノは z2 となっているが、これは先週今週と新規陽性数が0だからである。211位のマカオは先週今週と新規陽性数が1なので、t2 になる。また北キプロスは4月20日以降感染状況の更新が途絶えてしまったので、s/r とした。

今週最も新規感染数を減らした国は次の通りである。( )内は2021年累計陽性数順位、前週からの増減、直近5週間増減、連続週数

1。インド(1位) −199,467、−1,448,095、6週連続減少中
2。アルゼンチン(6位) −28,020、−63,373、3週連続減少中
3。アメリカ(2位) −18,234、−105,147
4。フランス(4位) −13,775、−74,161、9週連続減少中
5。ネパール(39位) −9,285、−43,843、5週連続減少中
6。ドイツ(11位) −8,378、−52,921、8週連続減少中
7。ウルグアイ(40位) −7,100、−5,440、2週連続減少中
8。チリ(20位) −6,491、−1,185、5週連続増加でストップ
9。イタリア(8位) −4,899、−27,615、10週連続減少中
10。マレーシア(27位) −4,496、+2,168、2週連続減少中

13。日本(28位) −3,877、−27,643、5週連続減少中

ウルグアイとチリは直近5週間の数字の方が小さい。これは先週までは陽性数が4週間前よりも多かったことを意味する。マレーシアは直近5週間の数字がプラスになっている。これは今週の陽性数がまだ4週間前よりも多いからである。


今週最も新規感染数を増やした国は次の通りである。( )内は2021年累計陽性数順位、前週からの増減、直近5週間増減、連続週数

1。ブラジル(3位) +41,690、+46,113、3週連続増加中
2。ロシア(9位) +28,530、+39,911、3週連続増加中
3。南アフリカ(23位) +22,418、+46,541、7週連続増加中
4。インドネシア(15位) +18,828、+38,882、4週連続増加中
5。コロンビア(7位) +17,246、+86,317、4週連続増加中
6。イギリス(10位) +15,531、+44,686、6週連続増加中
7。イラン(12位) +8,679、−16,282、8週連続減少でストップ
8。ザンビア(77位) +7,585、+16,619、6週連続増加中
9。バングラデシュ(41位) +7,139、+14,958、4週連続増加中
10。モンゴル(83位) +6,893、+12,713、5週連続増加中

ブラジルとロシアは今週の増分が直近5週間の増分の7割以上になる。今週かなり増加したことがわかる。イランは順調に減少していたが今週急激に増加に転じた。


D. アフリカでは最近5週間で爆発的に増えている。

前回は今週の新規陽性数が、2021年第1週の新規陽性数に対して何%増減したのかでランキングにしたが、今回は4週間前の新規陽性数に対して何%増減したのかでランキングにした。

世界全体では40.5%減である。最新5週間で増えた国は75ヵ国、減った国は127ヵ国ある。

直近5週間新規陽性数減少率が最も低い国。( )内は2021年累計陽性数順位、直近5週間の減少数

1。中央アフリカ(169位) −100.0%、−144
1。サンバルテルミー(194位) −100.0%、−31、4週連続陽性数0
1。バージン諸島(199位)  −100.0%、−29、4週連続陽性数0
1。アンティグアとバーブータ(189位) −100.0%、−15、2週連続陽性数0
1。サンマリノ(165位) −100.0%、0、−4、2週連続陽性数0
1。ニューカレドニア(204位)  −100.0%、−1、3週連続陽性数0
1。マン島(184位) −100.0%、−1、2週連続減少中
8。スウェーデン(26位) −96.8%、−20,534、2週連続減少中
9。赤道ギニア(161位) −92.2%、−684、2週連続減少中
10。カメルーン(94位) −91.5%、−2,549

54。日本(28位) −71.6%、−27,634

100%減少ということは今週の陽性数は0である。これが長く続けば、感染終息と宣言できる。今のところ、12の国と地域で5週以上連続で新規陽性数0を維持している。

割合なので陽性数の少ない国が上位に来る。その中でスウェーデンは例外的に減少率が高くなっている。しかし、スウェーデンは陽性数を修正した国の一つである。5月21日からの3週間の新規陽性数を21,028、8,270、10360から21,215、10,132、9,589と修正した。おそらく、第2週目の分が3週目に紛れて報告されたのを修正したのであろう。今週もこの時と同じように大幅に減らしているので、同じような修正が起こる可能性がある。

累計陽性数上位10ヵ国ではフランス(ー79.6%)、インド(−75.7%)、イタリア(–75.1%)アメリカ(–54.5%)、トルコ(–45.9%)、アルゼンチン(ー29.7%)が減少させている。

直近5週間新規陽性数減少率が最も高い国。( )内は2021年累計陽性数順位、直近5週間の減少数

1。ジブラルタル(168位) ∞、+10 
2。セントキッツとネイビス(197位) +22,000.0%、+220
3。南スーダン(142位) +8,100.0%、+81
4。ザンビア(77位) +2,946.6%、+16,619
5。シエラレオネ(174位) +2,558.3%、+307
6。フィジー(179位) +2,237.9%、+649
7。チャネル諸島(190位) +1,800.0%、+36
8。ウガンダ(105位) +1,374.7%、+9,568
9。ジンバブエ(110位) +1,176.7%、+1,518
10。リベリア(116位) +1,150.0%、+322

ジブラルタルは5週間前の新規陽性数は0、セントキッツとネイビス、南スーダンは6週間前陽性数1であった。累計陽性数順位の低い国が多い。短期間に大幅に増加しているところはアフリカが多い。上位10ヵ国のうち6ヵ国もある。100%(2倍)以上増加した35ヵ国のうち約半分の17ヵ国がアフリカである。一方アフリカではカメルーンやスーダン、中央アフリカなど大幅にか陽性数を減少させているところも多い。スーダンと南スーダンのように隣同士でありながら、一方が減少出た方が上昇となっちるケースが多々ある。


E. 2021年累計死者数は昨年度分を超えた。

世界の6月12日から18日までの死者数は66,379人で先週から先週に比べて6,727人減少した。
先週は増加したが、先々週まで6週連続で減少していた。人口100万人あたりの1日平均の死者数は1.2人となった。これで2021年の死者数は1,948,412となった。昨年の103%に当たる。先週の予想通り、昨年の死者数を超えた。しかし、ペルー、メキシコ、カザフスタン以外にも多くの国が死者数を上方修正しているので、実際の2021年の死者数は減少するかもしれない。この調査結果は次回報告したいと思う。

6月11日までの2021年累計死者数上位20ヶ国。( )内は2021年累計陽性数順位、死者数、今週の死者数

1。ブラジル(3位) 303,180、14,271
2。アメリカ(2位) 260,475、2,182
3。インド(1位) 235,962、18,070 
4。ペルー(18位) 89,367、1,833
5。メキシコ(17位) 84,673、1,214
6。ロシア(9位) 70,890、2,771
7。ドイツ(11位) 56,489、479
8。コロンビア(8位) 55,251、4,131 ↑↑
9。イギリス(10位) 53,831、72 ↓
10。イタリア(8位) 52,604、301 ↓
11。フランス(4位) 45,937、358
12。ポーランド(14位) 45,826、267
13。アルゼンチン(9位) 44,928、3,619
14。ウクライナ(16位) 33,272、375
15。インドネシア(15位) 31,714、1,477
16。スペイン(13位) 29,815、151
17。南アフリカ(23位) 29,554、849
18。トルコ(5位) 27,978、478
19。イラン(12位) 27,409、950
20。ハンガリー(29位) 20,283、46

26。日本(28位) 10,860、413

コロンビアが2ランク上げ、イギリス、イタリアが1ランクづつ下がったが、その他の国は順位が先週と同じである。


F1. 陽性数の増えている国では死者数も増えている

6月12日から18日の死者数上位10ヶ国は次の通りである。( )は累計死者数の順位、今週の死者数、前週からの増減、連続週数

1。インド(3位) 18,071、−4,926、
2。ブラジル(1位) 14,271、+889、2週連続増加中
3。コロンビア(8位) 4,131、+406、2週連続増加中 ↑
4。アルゼンチン(13位) 3,619、−598、2週連続増加でストップ ↓
5。ロシア(6位) 2771、+134、2週連続増加中
6。アメリカ(2位) 2,182、−316、3週連続減少中
7。ペルー(4位) 1,833、−454、6週連続増加中
8。インドネシア(15位) 1477、+207、3週連続増加中
9。メキシコ(5位) 1,214、−2、2週連続増加でストップ
10。イラン(19位) 950、−33、7週連続減少中、ランク外

23。日本(26位) 543、−107、3週連続減少中 ↓↓↓

アルゼンチンは死者数が減少に転じ、コロンビアと順位が入れ替わった。イランは死者数は先週より減少したものの、パラグアイ、フィリピンの減少数がいらにょりも大きく、順位を上げてしまった。

死者数の増減は陽性数の増減の数週間後と同じようなパターンになるので、ブラジル、コロンビア、ロシア、インドネシアなど陽性数が長らく増加している国では死者数増加が続くだろう。


F2. 中南米では死に至る確率が高い

5月29日から6月4日の人口100万人あたりの1日平均の死者数は次の通りである。
( )内は累計死者数順位、今週の人口100万人あたりの1日平均死者数、先週との差、今週の死者数。


1。パラグアイ(32位) 16.8、−2.0、850 
2。セーシェル(158位) 13.0、+7.2、9、ランク外
3。スリナム(119位) 12.8、−1.2、53
4。ウルグアイ(45位) 12.3、−3.7、301 ↓↓
5。コロンビア(8位) 11.5、+1.1、4,131
6。アルゼンチン(13位) 11.3、−1.9、3,619 ↓↓
7。ブラジル(1位) 9.5、+0.6、14,271、↑↑↑
8。ペルー(5位) 7.8、−2.0、1,833
9。ナミビア(96位) 7.3、+3.2、134、ランク外
10。バーレーン(93位) 7.3、−3.0。90

87。日本(26位) 0.5、−0.1、413、↓

世界全体では1.2で先週より0.2下がった。この数値は人口が少ないと少ない死者数でも大きな数字になる。セーシェルは今週9人の死者が出たが、人口は10万人満たないので、割合にすればこのような高い数値になる。ナミビアは死者数がここ1ヶ月で死者数が約2.5倍になっており、要注意である。

G.

先週より死者数が減少した国は10ヵ国増えて93ヵ国になった。増加した国は18ヵ国減り、59ヵ国になった。また0ではないが先週と同じ数だったところは10ヵ国ある。先週も今週も死者数が0を維持しているところは37ヵ国、2021年の死者数が0のところも22ヵ国ある。

今週の死者数が前週より最も減少した国は次の通りである。( )内は2021年累計死者数順位、先週からの減少数、直近5週間の増減、連続週数。

1。インド(3位) −4,926、−11,209 ランク外(プラス)
2。アルゼンチン(13位) −598、+81、2週連続増加でストップ ランク外(プラス)
3。ルーマニア(22位) −538、+118、2週連続増加でストップ ランク外(プラス)
4。ペルー(4位) −454、−3,395、6週連続減少中 ↓↓
5。アメリカ(2位) −316、−1,912、3週連続減少中 ↓↓↓↓
6。ネパール(41位) −238、−1,019、4週連続減少中 ↑↑↑
7。イタリア(10位) −208、−800、ランク外(プラス)
8。ドイツ(7位) −186、−897、7週連続減少中 ↓
9。スペイン(16位) −154、−130、ランク外(プラス)
10。ウクライナ(14位) −148、−1,106、5週連続減少中 ↓↓↓↓↓↓↓

14。日本(26位) −130、−378、4週連続減少中 ↓↓↓↓

今週の死者数が前週よりも最も増えた国は次の通りである。( )内は2021年累計死者数順位、先週からの増加数、直近5週間の増減、連続週数。
1。ブラジル(1位) +889、+529、2週連続増加、
2。コロンビア(8位) +406、+662、6週連続増加中 ランク外
3。インドネシア(15位) +207、+227、3週連続増加中 ランク外
4。アフガニスタン(69位) +207、+511、5週連続増加中 ↑↑↑↑↑
5。ザンビア(83位) +155、+200、5週連続増加中 ランク外
6。ウガンダ(119位) +142、+173、5週連続増加中 ランク外
7。ロシア(6位) +134、+148、2週連続増加中 ランク外
8。ボリビア(36位) +114、+232、2週連続減少でストップ ランク外(マイナス)
9。スリランカ(65位) +114、+303、8週連続増加中 ランク外
10。バングラデシュ(40位) +93、+159、3週連続増加中 ランク外

直近5週間で最も死者数減少率の高いところは100%減で、17ヵ国ある。ほとんどの国で死者数が一桁台である。例外的にスウェーデンが91人、イスラエルが17人を減少させている。。ただし、スウェーデンは陽性数のところでも述べたように、修正される可能性が高い。


また直近5週間で最も死者数増加率の高いところは∞で14ヵ国ある。そのうち8ヵ国がアフリカ勢である。いずれも死者数は一桁台である。∞でない最大の国は、以下の通りである。

15。ウガンダ(119位) +5,766.7%、+173
16。台湾(109位) +4,333.3%、+130
17。ザンビア(83位) +3,333.3%、+200
18。アフガニスタン(69位) +866.1%、+511
19。コンゴ民主共和国(124位)+775%、+31
20。モーリタニア(135位) +600.0%、+6
21。ジンバブエ(79位) +575.0%、+23
22。カンボジア(115位) +361.1%、+65
23。ハイチ(134位) +300.0%、+15
24。セーシェル(156位) +200.0%、+6

H. 少なくとも一回ワクチンを受けた人の数が倍増した。

今週は先週より1900万回増加し、2億6000万回近いワクチンが接種され、累計で2,593,286,329回となった。先週まで接種回数しか発表していなかった中国が突然接種人数と完了者数を発表した。その結果、少なくとも一回ワクチンを接種した者の数も先週の2倍近い、1,704,856,174人となった。その割合、つまり、真の接種率は22%近くまで上がった。同様に完了者数も60%以上上昇し762,752,210人となった。完了率は9.70%である。

今週は新しくワクチン接種を始めた国はなかった。接種人数を発表していない国はサウジアラビアなど数カ国あるが、そこは接種回数で補った。表では緑字で表している。したがって、実際の接種人数は1億7000万人を少し下回ると思われる
Worldometer の Coronavirus Update でリストされている222の国と地域の中で205、そうでない17の国と地域のうち12、合計217の国と地域でワクチン接種が行われている。

先週2週間以上ワクチン接種が滞っている可能性がある国としてあげた13ヵ国のうちブータン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、クウェート、オマーン、ツバルの5ヵ国で接種が再開されたようである。残りの8の国と地域まだ再開されていないが、エスワティニ以外はおそらくワクチン接種が完了したものと思われる。また、新たに、ジブチ、ガーナ、セントヘレナ、トンガで2週間以上ワクチン接種が滞っている可能性がある。

ワクチンブランド別接種国数は次の通りである。複数のブランドを接種していることがあるので合計は217にはならない。

アストラゼネカ 171
ファイザー 97
モデルナ 49
スプートニク 44
シノファーム(北京) 41
シノバック 29
ジョンソン 25
シノファーム(BBIBP) 13
バーラト 6
その他 13


H1. 中国ワクチン政策の変更。

シノファーム(北京)は、先週まで51ヵ国で接種されていたが、6月12日から14日にかけて、次にリストした11ヵ国で、北京製からBBIBPに変更された。すでにBBIBP の接種が行われている、チャドとベネズエラを含めた13ヵ国中8ヵ国がアフリカである。

これらの国の、今週の人口100万人あたりの新規陽性数、同じく死者数、単純ワクチン接種率は次の通りである。

アフガニスタン 41.8、2.0、1.67%
ベラルーシ   83.8、1.0、11.31%
カメルーン    1.3、0.0、0.33%
エジプト     6.0、0.3、3.64%
イラン     113.4、1.6、5.64%
イラク     114.2、0.6、1.71%
モーリタニア  8.5、0.2、1.03%
セネガル     3.0、0.1、3.69%
シエラレオネ   5.6、0.0、1.13%
ソマリア     0.5、0.0、0.97%
スーダン     0.3、0.1、1.20%

平均すれば、34.4、0.5、2.94%となる。一方変更していない国の平均は、125.4、2.2、30.96%である。また、先週から新規にBBIBPを接種し始めた2国については

チャド      0.0、0.0、0.03%
ベネズエラ    51.8、0.7、4.59%

のようになる。したがって、現状の感染状況がそれほどひどくはないが、ワクチン接種率の低い国について、北京製からBBIBPに変更したと考えられる。変更の目的はBBIBPの治験であろう。Wikipedia によれば、実際この昨年後半に第三相の治験を始めたばかりであるが、結果は出ていないようである。また、アジア、アフリカ、中南米を中心に50ヵ国以上で承認されているようである、実際に接種をしたとの報告も見られる(https://en.wikipedia.org/wiki/BBIBP-CorV)が、GitHub では確認できたところは、6月20日の時点で上記の13ヵ国のみである。

アフガニスタン、イラン、イラク、ベネズエラは例外的に感染がひどいが、イラン、イラク、ベネズエラはスプートニク接種国。アフガニスタンはロシアと国境を接している。同じくロシアと国境を接しているカザフスタンではハヤットというこれまた新しいシノファーム製ワクチンの接種を5月から開始しているので、ロシアに対抗する意味もあるだろう。

シノファームを接種している国で、感染がそれほどひどくはないが、ワクチン接種率の低いところは、コンゴ、ジブチ、ガボン、ガンビア、ギニアビザウ、モザンビーク、ニジェール、パキスタン、パプアニューギニア、シリア、ザンビア、ジンバブエがあり、来週までにはこちらの国でもBBIBPに変更、或いは、追加する可能性がある。また、タンザニア、ハイチ、エリトリア、ブルンジなどワクチン接種の始まっていないところでは新たにBBIBPを接種開始する可能性がある。

H2. 中国は10億回を超えているだろう

6月18日のワクチン総接種数上位20ヶ国は次の通りである。()内は2021年累計陽性数順位。接種数、少なくとも一回接種を受けた人の割合、ワクチンを完了したものの割合、接種ワクチンの種類数とその開始日。

1。中国(155位)    990,257,000、43.21%、15.51%、4(12/15~)
2。アメリカ(2位)   316,048,776、52.97%、44.60%、3(12/15~)
3。インド(1位)    226,355,940、15.62%、 3.50%、2(1/15~)
4。ブラジル(3位)    85,390,996、 28.93%、11.27%、3(1/16~)
5。イギリス(7位)    73,766,593、 62.56%、45.57%、3(12/23~)
6。ドイツ(8位)     65,738,489、 50.06%、30.11%、4(12/27~)
7。フランス(4位)    47,714,865、 48.55%、25.15% 、4(12/27~)
8。イタリア(6位)     45,069,213、 51.25%、25.35% 、4(12/24~)
9。トルコ(5位)     40,619,152、 30.87%、16.81%、2(1/13~) ↑
10。メキシコ(17位)   39,623,088、 21.15%、12.42%、5(12/24~)↓
11。スペイン(13位)   35,412,140、 48.50%、29.80%、4(1/4~)
12。インドネシア(15位) 34,551,233、 8.13%、 4.38%、2(1/12~) ↑
13。ロシア(9位)     34,337,450、 13.31%、10.21%、2(12/15~)↓
14。カナダ(23位)    31,417,347、 65.64%、16.92%、3(12/14~)
15。日本(28位)     28,887,137、 16.46%、 6.44%、2(2/17~)↑
16。ポーランド(14位)  26,206,854、 42.44%、29.08% 4(12/28~) ↓
17。チリ(20位)     20,865,931、 61.40%、47.96%、4(12/24~)
18。韓国(82位)     18,117,755、 27.74%、 7.57%、3(2/25~)↑↑↑
19。アルゼンチン(6位)  17,475,935、 30.39%、 7.95%、3(12/29~)
20。モロッコ(84位)   17,431,869、 25.12%、21.59%、2(1/6~)↓ ↓

トルコは今週メキシコの約3倍の数を接種して、順位が上がった。接種率も一気に10%近く上がった。ロシアの今週の接種回数はそのメキシコよりも少なく、また順位を下げた。日本とポーランドが入れ替わった。韓国が3ランクアップした結果、モロッコが二つ順位を落とし、サウジアラビアが21位に下がった。


H3. 世界のワクチンの半分は中国で接種される

6月12日から6月18日までのワクチン接種数上位10ヶ国は次の通りである。
()内はワクチン接種数順位。+ーは前週からの増減


1。中国(1位) 126,744,000、 +7,714,000
2。インド(3位) 22,652,698、 +2,557,224 
3。アメリカ(2位) 9,538,981、+2,149,708 
4。ブラジル(4位) 8,632,409、+2,617,353
5。トルコ(9位) 7,666,161、+5,031,680 ↑↑↑↑↑↑↑↑↑
6。日本(15位) 7,479,012、+1,678,412
7。ドイツ(6位) 5,633,078、−231,983 ↓↓
8。フランス(7位) 3,911,344、−326,382
9。韓国(18位) 3,911,344、−671,618 ↓↓
10。イタリア(8位) 3,767,891、−452,108

世界では先週よりも19,473,402回多い、259,371,743回の接種が行われた。1週間の接種数としては、5月29日から6月4日までの週を抜いて最多である。中国では、1260万回数以上接種をした。先々週の1400万回には届かないが先週よりも700万回多い。全世界の接種数の約半分は中国で行われている。トルコは先週より3倍以上に当たる、766万回の接種を行なった。先週はランク外であったが、一気に5位まで上がってきた。それに伴い、ドイツと韓国が2つ、スペインが3つランクを下げた。どの国も接種数は先週よりも減少した。

アラブ首長国連邦は接種人数を発表していないので、接種人数=接種回数としたが、通常は接種人数は人口を超えない。もし、全員が二回接種したとすれば、接種人数は接種回数の半分になるので、接種率は少なくとも71.45%はある。もし一回しか接種していない人がいれば、接種率は71.45%より高くなる。またジブラルタルの発表する接種人数は人口よりも多い。ほとんど全ての市民が接種を終えていると考えられる。実際、ここ2週間は2桁の摂取回数にとどまっている。しかし、陽性巣が増加しているので、もしかしたら3回目の接種を始めているかもしれない。


H4. ワクチン接種が完了しても感染爆発が起こる

大抵のワクチンは二回接種が必要なので、ワクチンの接種回数が人口を超えたからといって、その国民全員がワクチンを接種したとは限らない。そこで、多くの国では接種した人の数、接種を完了した人の数も発表している。そしてその接種した人たちの割合が感染防止のために特に大切であるらしい。そこで、6月18日までに少なくとも一回ワクチン接種した者の割合を計算した。発表をしていない国ついては接種回数をそのまま接種人数として計算した。表では緑字で表している。基本的には、ワクチン接種を開始して間もない国では、接種回数=接種人数である。時間が経つにつれ、接種回数>接種人数となる。

世界の国と地域をワクチン接種率と直近5週間の陽性数%増減で分類すると次の表のようになる。ただし陽性数が変化していない国は減少に含める。


ワクチンの接種率が下がると、陽性数が増加する国が増える、と言えそうである。接種率が30%以上では、陽性数が増えている国の数はそうでない国の数の4分お1以下であるが、10%以上30%未満では半分に、1%以上10%未満では9割程度に増える。しかし、1%未満になると半分に未接種では4分の1になる。


G. 規制解除後のマスク着用率は30%程度。

アメリカのニューヨーク、ニュージャージー、ペンシルベニア、カリフォルニアでは18歳以上の70%以上になった(この割合は、接種率50%以上と同じ)ということで、新型コロナに対するさまざまな規制を解除し始めた。例えば、スーパーマーケット等では全員がマスクを着用しなければならないという規制が、ワクチンを完了したものはマスクをしなくても良いというものに変わった。

規制解除2日後にスーパーマーケットとガソリンスタンドへ行ってきた。時間は朝8時頃。正確に数えたわけではないが、全体のマスク率は30%位の印象である。ガソリンスタンドでは屋外の給油担当5人全員マスクをしていなかった。つい1週間ほど前までは給油時に窓を全開にすると注意された(窓は10cm程度しか開けるな、という張り紙がしてあった)が、全開にしてもお全く何も言われなくなった。併設のコンビニ店内担当もマスク率は8人中2人がマスクをしていた。店内の客の方は30%くらいのマスク率で、年寄りでマスクをしているものはいなかった。客の数も以前より増えていた。

スーパーマーケットではレジ担当店員10人中3人が、その他の店員8人中6人がマスクをしていた。マスク率は合わせて50%くらいになろう。黒人店員は7人中7人ともマスクをしていた。やっぱり、黒人のワクチン接種率は低いのだろうか。客の方は30%くらいの印象。こちらでは年寄りでもマスクをしているものは多かった。アジア系は私一人で、マスクをしていたので店員からジロジロ見られた。アジア人差別に加えてマスク着用者に対する差別が起きなければ良いが。

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