新型コロナクォータリーリポート 1/7 2022年1週の傾向と予測


世界各地でオミクロン株などによる感染急拡大が続いている。オミクロン株の感染の特徴は陽性件数の伸び率が1週間で300%以上になることと、死者数の伸び率はそれほど高くなく、減少しているところもある。下の地図は22年第1週(1/1-7)の陽性件数が21年52週(12/25-31)からどれだけ増えたのかを表している。

茶色が前週比1000%以上増加、赤が100%以上1000%未満増加、橙が100%未満増加、黄色が10%未満減少、緑が10%以上50%未満減少、青が50%以上減少、白は陽性件数0を継続している地域である。

減少を長く続けているところでは、前週の陽性件数を上回る週が時折あるが、すぐにもとのペースに戻って、再び減少を続けるので、1週だけ陽性件数が増えたからといって、すぐに増加が続くということにはならない。同様に1週だけ減少したからといって、減少が続くというわけでもない。しかし、伸び率あるいは減少率が非常に大きいときは、増加あるいは減少が続くことが多い。上の地図で言えば、橙色、赤、茶色のところは拡大傾向になる可能性が高く、黄色のところは来週は減少する可能性もある。

21年52週よりも陽性件数が増加したところは186国地域になる。そのうち85国地域で、前週の2倍以上となる100%以上の増加、さらに11国地域で1000%以上の大幅増加となった。また、アメリカ、フランス、アルゼンチンなど61国地域で、22年第1週の陽性件数が、21年の最高値を上回った。21年52週よりも陽性件数が減少したところは47国地域である。

A. 感染の中心がアフリカ南からそれ以外の地域に移動


アフリカ南で感染がおさまったと考えられる。現在の感染の中心はアフリカ西、アジア西、ヨーロッパ西、アメリカ北、アメリカ南、カリブ海に移った。アジア中、アジア東、ヨーロッパ東、アフリカ東、オセアニアは今後さらに増加する可能性が高い。

A1. アメリカ大陸はあと1~2週間でピークになる

増加した国が集中しているのが、カリブ海とアメリカ南である。カリブ海では27国地域中20国地域で、アメリカ南はアルゼンチンやブラジルなど14国地域中9国地域で増加率が100%以上になった。また、カリブ海では14国地域で過去最高の陽性件数を記録し、24国で人口100万人あたりの1日平均の陽性件数が世界平均の267件より高く、うち15国では1000件を超えている。3~4週連続で増加が続いているところが多く、オミクロン株の影響であるなら、あと2~3週間でピークを迎えると考えられる。しかし、アメリカ南ではボリビア、アルゼンチンなど長く陽性件数が増加しているところもあるので、他の株の影響も考えられ、増加が長引くと考えられる。

アメリカ北もニカラグアを除いた全ての国地域で増加し、メキシコなど12国地域中8国地域で増加率が100%以上になった。4国地域で過去最高を記録した。アメリカではほとんどがオミクロン株であるという報道もある。ニカラグアも来週中には増加に転じると思われる。増加が始まってから3週間以内のところが多いので、あと1ヶ月くらいは増加が続くと考えられる。

A2. アジア、オセアニアのピークは1月末ころ


アジアでも陽性件数の増加率が100%超えるところが多い。インドで500%増。フィリピンで1000%増など、東と中で伸び率の高いところが多い。しかし、陽性件数は過去最高とまではいかず、人口100万人あたりの1日平均の陽性件数も少ない。増加が始まってから3週間以内のところが多い。あと1ヶ月以上は増加が続くと思われる。

中国は周りの国がほとんど増加傾向であるにもかかわらず、陽性件数を減少させた。おそらく、オリンピックを控えて、陽性患者とが一人でもいれば、その周りにいる者を濃厚接触である無しに関わらず全て、どこかに隔離した結果であると考えられる。

オーストラリアは今まで感染を抑え込んでいた優良国であったが、陽性件数で世界9位にまでなった。今までは、アジアでの感染爆発の影響を受けて、21年3期から4期にかけて1週間で1万5千件ほどの陽性件数があったのが最高だったが、今週は36万件で20倍以上となった。その影響で、養成件数が増加に転じた国が増えた。先週のソロモン諸島のように、陽性件数0が途絶えてしまう国やトンガのように初の陽性患者が出る国もあると予想される。

アジア西では増加が始まってから4~5週間以上たったところが多く、増加率もそれほどではないので、オミクロン株だけでなく他の株の影響も考えられる。

A3. アフリカでは南で収まり、西でピークになり、東でこれから急増する

アフリカ南では島国を除いて全面的に減少した。おそらくピークは過ぎたものと思われる。しかし、西と東で増加した。西は増加率も高く、増加が始まってから3~4週間経ったところが多いが、東は増加が始まったばかりのところが多い。したがって、西は今後1~2週間でピークを迎え、東はあと1ヶ月は増加が続くと思われる。

A4. ヨーロッパ東で再び増加傾向

ヨーロッパ西ではマルタを除いた全ての国地域で陽性件数が増加した。しかし、イギリス、フランス、スペイン、イタリアなど陽性件数の増加が長く続いている国では増加率が減少した。一方。オーストリアやドイツなど減少中の国で増加となった。また、ヨーロッパ東でも、ポーランドやチェコなど最近やっと減少が始まった国で大幅増加し、セルビアやブルガリアなどの南部のすでに増加傾向の国で増加率が増えた。ヨーロッパでは東から西へ移動していた感染の中心が、フランスなどでオミクロン株と混ざり、今度は西から東へ移動する予想される。

A4. 空港検疫をすり抜けた者は結構多い

多くの国でアフリカ南から、あるいは、世界各国からの入国規制をおこなったにも関わらず、感染拡大が世界に広まったのは、空港検疫のすり抜けが第一の原因であると考えられる。すり抜けとは、入国時の検査では陰性だったが、数日後の検査で陽性となることである。新型コロナは感染直後は陰性で、数日経ってから陽性になるので、すり抜けたものは空港あるいは機内で感染している確率が高い。実際に空港内に感染者は多い。それは空港検査で陽性になる人がいることからも明らかである。理論的には、空港検査で陽性になるものが100人いたとすれば、すり抜けた者は60から70人ほどいることになる。

空港検査で陽性になったものは主発地で検査を受けた時点で既に感染している。検査時に感染直後だったために陰性になったに過ぎない。しかし、感染後3~4日しか経っていないので、発症しないケースも多い。最近は、ワクチンの影響で軽症で、たかが風邪と見逃すケースも多いと考えられる。もちろん、感染直後と考えられるすり抜け者も症状はない。ワクチンも完了しているし、空港検査でも陰性であることから、すり抜けた直後は普通に行動し、その時に感染が広まる。

いくら外国人やアフリカ南の渡航者の入国を制限しても、空港で感染するので、すり抜けが必ず発生する。ヨーロッパやアメリカでは陸路でも入国できる。特にヨーロッパは陸路での入国は空路よりも簡単である。すり抜けも多くなると予想される。日本の場合も、一旦空港を出さえれば、国内ならどこへでも行ける。同じことを何回も繰り返している。

B. 累計陽性件数は3億人超え

B1. 1週間の陽性件数は過去最高を更新

22年1週(1/1−7)の世界の陽性件数は1487万7784件であった。21年52週より55.7%増加した。過去最高だった52週を大幅に更新した。1週間の陽性件数が1000万を超えたのは初めてである。これで4週連続の増加である。陽性件数はまだまだ増加中であるが、伸び率は少し下がってきているので、22年の3~4週目にピークになると推測される。人口100万人当たりの1日平均の陽性件数は267.9件であった。48週では77.5件だったので、約1ヶ月で約3.5倍に増えた。これで、20年からの累計の陽性件数は3億368万2548件と3億件を超えた。これは世界人口の約4%に当たる。

1週間の陽性件数が100万件を超えたのは、アメリカ、フランス、イギリスの3国だった。またイタリア、スペイン、インド、ロシアなど18国で1週間の陽性件数が10万件を超えた。また、アメリカ、フランス、イギリスの3国に加え、ブラジル、インド、ロシアでも20年からの累計の陽性件数が1000万件を超えた。以上6国を含め46国で陽性件数が100万件以上となった。

フォークランドとチャドで5週間ぶりの陽性患者が確認された。チャドは22年1週に482件の陽性が確認されたが、これは過去5週間の陽性件数の合計と思われる。

カメルーン、マカオ、ソロモン諸島で陽性件数が0になった。しかし、カメルーンは死者数もワクチン接種回数も0なので、今週は発表していないだけだと思われる。タジキスタン、トンガ、バヌアツ、ウォリスフツナなど陽性件数0を続いているところも19国地域がある。

B2. アメリカ南、アフリカ西で死者数が増加に転じた

22年1週(1/1−7)の世界の死者数は4万2198人であった。21年52週より8.1%の減少となった。3週連続の減少である。人口100万人当たりの1日平均の死者数は0.78人である。これで、20年からの累計の死者数は549万7199人となった。累計の致死率は1.8%である。21年の致死率は1.7%と少し下がった。

1週間の陽性件数が1万人を超えたのは、アメリカだけである。ロシア、ポーランド、インド、ドイツなど10国で1週間の死者数が1000人を超えた。20年からの累計死者数はアメリカが87万2263人で最多である。次いでブラジルが62万847人、インドが48万5780人、ロシアが31万9911人、メキシコが30万912人となっている。15国で死者数が10万人以上になった。

バーレーンで6週間ぶり、カボベルデ、チャド、赤道ギニアで5週間ぶりに死者があった。陽性件数同様、チャドの死者数は過去6週間の合計と考えるべきである。

カタールなど11国地域で死者数が0になった。タジキスタン、トンガ、バヌアツ、ウォリスフツナなど47国地域で死者数0が続いている。

80国地域で死者数が21年52週よりも増加した。そのうち、38国地域で伸び率が100%以上である。52週の死者数が0だったので伸び率が無限大となったところは21国地域ある。バーレーンは6週間ぶり、カボベルデ、チャド、赤道ギニアは5週間ぶりに死者が出た。

地域別に見ると、アメリカ南ではチリとエクアドルを除いて死者数が増えた。多くは陽性件数が増え始めてから3~4週間経ってから死者数が増加した。陽性件数が増加傾向になってからチリは2週間、エクアドルは3週間経ったので、来週あるいは再来週は増加に転じる可能性がある。アメリカ南の14国中10国で致死率が世界平均の1.7%以上になっている。ペルーは8.0%で世界第4位である。

アメリカ北は死者数の多いアメリカとメキシコで死者数が減ったが、カナダではほぼ倍増となった。カリブ海は率は高いが死者数は少ない。ジャマイカとセントルシアでは、アメリカ南同様陽性件数が増加し始めてから3~4週間経ってから死者数が増えた。カリブ海では死者数が0のところが多いが、陽性件数が増加し始めてから3~4週間経っ他ところが多いので、来週は死者数がもっと増えている可能性もある。

アフリカ西も26国中16国で死者数が増えた。うち12国で伸び率は100%以上である。こちらも今週増加に転じたところは陽性件数が増加し始めてから3~4週間経っている。アフリカ東では、ケニアとウガンダのオミクロン株指定国で死者数が倍増となった。アフリカ南では死者数が増加が続いている。南アフリカやジンバブエなど陽性件数のピークが過ぎて3週間経ったところでは死者数が減少となった。

ヨーロッパ東はブルガリアを除いて死者数が減少を続けている。ヨーロッパ西はイギリス、フランス、イタリア、スペインなど陽性件数の増加が長く続いている国で、死者数の増加がが続いている。

アジアやオセアニアでは死者数が増加している国は今の所多くない。しかし、陽性件数が増加しているので、今後増加に転じる可能性が高い。

B3. 2月までに総接種回数100億回なるか


22年1週の世界のワクチン接種回数は2億808万2982回であった。21年52週に比べ約11%の減少となった。これで総接種回数は93億7453万8110回に達した。2月に入る前には100億回接種されていると予想される。接種率は58%、完了率は50%弱となった。ブースターは99国地域で実施されている。

ワクチン接種に関しては、まだ回数などを更新していない国が50カ国以上あるので、22年1週の接種回数は増える可能性がある。更新され次第、データを修正して報告しようと思う。


C. 22年1週のランキング


以下に22年1週の陽性件数などを、それぞれ上位20国づつランキングしてみた。いずれの表も、国名、陽性件数、同順位、同Worldometer での順位、同人口100万人あたり1日平均、同前週比伸び率、同連続週数、死者数、同順位、同人口100万人あたり1日平均、同前週比伸び率、同連続週数、21年致死率、接種回数、同人口100万人あたり1日平均、同前週比伸び率、21年完了率、ブースター回数の順である。致死率と完了率は21年からのデータをもとに計算した。それ以外は22年1週のデータをもとに計算をした。

C1. 陽性件数トップ20

陽性件数が赤字になっているところが13カ国あるが、これは、22年1週の陽性件数が21年のどの週の陽性件数よりも多いことを示す。欧米が中心である。ロシアを除く全てで前週より増加している。インド、アルゼンチン、ブラジル、コロンビアで伸び率が100%以上である。またヨーロッパでは10週以上連続で陽性件数を増加させているところが多い。ワクチン完了率はインドとロシアを除いて全て60%以上である。インドを除いて全ての国でブースターを実施している(註:インドでは1月13日からブースターを開始した。ブースター数とインドの1日の接種回数からすると1月1日頃から実施していたと推測される)。したがって、現行のワクチンではオミクロン株の感染を防ぎきれないといえる。

アメリカの21年1週の陽性件数は457万7415件で、世界で最も多い。22年52週より57%も増えた。人口100万人当たりの1日平均の陽性件数は1958.1件で世界平均の7倍以上である。20年からの累計の陽性件数は6000万件を超え、アメリカ市民の18%が感染したことになる。

フランスの21年1週の陽性件数は153万8652件で世界で2番目に多い。22年52週より56%増えた。13週連続で増加している。人口100万人当たりの1日平均の陽性件数は3356.2件で世界平均の12.5倍以上である。20年からの累計の陽性件数は1151万1452件で1000万件を超えた。フランス市民の18%が感染したことになる。

3番目に多いイギリスは21年1週の陽性件数は457万7415件となって、22年52週より57%も増えた。人口100万人当たりの1日平均の陽性件数は2613.3件で世界平均の約10倍である。20年からの累計の陽性件数は1418万7404件となった。イギリス市民の21%が感染したことになる。

C2. 陽性件数伸び率トップ20

グアドループ、ソマリア、ベナン、チャド、フォークランド諸島では22年52週の陽性件数が0だったので、伸び率が無限大(∞)となった。いずれの国地域も陽性件数が0であった期間の陽性件数をまとめて22年1週に報告したと考えられる。それらを平均するとグアドループとベナンは伸び率が100%ほどになるが、他は増加率は10%未満である。

伸び率無限大以外ではブータンの9200%増が最高である。51~52週で陽性件数が4件であったが、22年1週は93件と大幅に増えた。4人の陽性患者が、おそらく隔離された状態で、1週間で93人に感染させるのは難しい。陰性の感染者がブータンへ持ち込んだと考えるのが妥当である。インドからか、中国からか、それとも両方か。

カリブ海とアフリカからぞれぞれ7国地域がランク入りしている。また20国地域中、11国地域が島国である。

C3. 陽性件数伸び率ベスト20


ここでいうベストとは伸び率がマイナス、つまり、減少しているという意味である。100%減少、つまり、陽性件数が0になった国地域が、ソロモン諸島、マカオ、カメルーンの3国ある。カメルーンは今週は発表をしなかったものと思われる。ソロモン諸島とマカオでは先週それぞれ27週間ぶり、11週かぶりでの陽性患者が確認されたが、今週は新たな陽性患者の確認はなかったようだ。ベスト20のうち13国がアフリカである。島国はマダガスカルとソロモン諸島の2国だけである。

C4. 死者数トップ20

1週間の死者数が最も多かったのはアメリカで1万264人が犠牲となった。22年1月1日の時点ではアメリカの22年52週の死者数は9234人で22年1週は10%増であったが、10442人と修正があり、その結果、今週は1.7%の減少となった。そして2週連続の減少となった。アメリカはいつも修正をしているので、また変わるかもしれない。人口100万人当たりの1日平均の死者数は4.39人で 、世界平均の5倍以上となった。20年からの累計の死者数は 85万8377人となっている。致死率は20年からの累計で1.4%、21年だけでも1.4%である。

22年1週の死者数が2番目に多いのはロシアの5744人である。アメリカのほぼ半分である。22年52週より13%減少した。6週連続で減少中である。人口100万人当たりの1日平均の死者数は5.62人で世界平均の7倍である。 20年からの累計の死者数は 31万4604人である。致死率は3.0%で、世界平均よりかなり高い。21年の致死率は3.4%と上昇した。

22年1週の死者数が3番目に多いのはポーランドの2374人である。ロシアの半分以下である。22年52週より21%減少した。19週連続で死者数を増加させてきたが、ここ2週連続で減少している。人口100万人当たりの1日平均の死者数は8.98人で世界平均の10倍以上である。 20年からの累計の死者数は 9万9428人である。致死率は累計、21年共に2.4%である。

死者数の元々多い国では、アメリカとヨーロッパ西を除いて減少中である。オミクロン株では死者が少ないと言われているが、陽性件数が増えれば、その分死者も増える。また、入院患者も増えるので、感染が判明してもすぐに診てもらえるとは限らず手遅れになるという可能性も考えられ、結局は死者数が増えてしまう可能性もある。ヨーロッパ東やアジア東は陽性件数の順位が低い割に死者数の順位が高い。したがって、致死率が高い。

C5. 死者数伸び率トップ20

21国地域で伸び率無限大となった。マヨットで10週間ぶり、バーレーンでは6週間ぶりに死者が出た。陽性件数が増えているところばかりなので、死者数も引きつづき増える可能性がある。アフリカから9国地域、カリブ海から7国地域がランク入りしている。

伸び率が無限大でないところではブルキナファソの1400%増が最大である。先週の1人から14人増えた。アフリカから11国地域がランク入りした。アフリカでの死者数の伸びが高い。しかし、西と東ばかりで、南は少ない。リストの中では死者数の多いケニアとナミビアはオミクロン株指定国であるが、陽性件数が減少傾向なので、1~2週間のうちに減少に向かうと推測される。

C6. 死者数伸び率ベスト20

カタールなど11国地域で100%減少、つまり、52週の死者数が0になった。いずれも陽性件数が増加傾向なので、来週は0でなくなる可能性が高い。52週の死者数が0でなくても、陽性件数が増加傾向なので、死者数が増えるものと考えられる。

C7. 21年致死率トップ20

22年1週に陽性と確認されたものがその週に亡くなるとは考えにくいので、21年全体致死率でランクした。最多はイエメンで17.1%(8027人が感染して、1374人が亡くなった)である。次はバヌアツの16.7%(6人感染して、1人が亡くなった)である。致死率が10%以上はこの2国のみである。アフリカ、中南米、東欧が多い。南米は20年の致死率よりも下がったところが多いが、東欧は逆に上がっている。

C8. 接種回数トップ20

インドが5億6000万回以上、中国が5億2000万回以上、で合わせて11億回近く接種しており、世界のワクチンの約半分はこの2国で接種された。インドは28%接種回数を増やしたが、中国は40%以上減らした。しかし、人口100万人あたりの1日平均は両国とも同じくらいで、世界平均よりは多いが、ベトナムなどには及ばない。インドは急激に陽性件数が増えたので、今後も接種回数も増加させると思われる。中国はオリンピックを控えて、ワクチン接種をより充実させると思われるが、完了率が85%と高く、ブースターが増えるであろう。

C9. 21年完了率トップ20

ジブラルタルとマルタで完了率が100%を超えた。ヨーロッパ西から8カ国地域がランク入りしたが、イギリスやフランスなどは入っていない。多くは70%台である。

D. 日本での感染状況と予測


日本の22年1週の陽性件数は1万222件であった。陽性件数が1万件を超えるのは昨年39週以来3ヶ月ぶりである。これで5週連続の増加となった。今週の増加率は322%となった。一方死者数は5人で、先週から28%の減少である。ここ5週間で陽性件数は13倍以上に膨れ上がったが、死者数はほぼ変わらない。これは典型的なオミクロンカーブである。

オミクロン株では増加開始後6週間ほどでピークを迎えるが、日本の場合、ピークになるのはもうちょっと時間がかかると思われる。なぜなら空港検疫での陽性患者が増え続けているからである。実際22年1週は空港検査で770人の陽性が確認された。前週比77%増である。しかし、伸び率は先週より下がった。空港検査での陽性件数が減少してから1〜2週間後に日本の陽性件数がピークを迎える。







人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュース、に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の1月3日22時時点で得られた最新の値を利用している。日以降に修正あるいは追加する国地域もあるが、その分は含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。毎月初のレポートではこの修正されたデータを跳ねいさせている。したがって、過去のものとは異なったものとなる場合もある。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。




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