新型コロナ QR 7/1 22年2期のまとめ

クォータリーといいつつ毎週報告しているクォータリーリポート(QR)です。7月に入ったので、クォータリーらしく22年2期(4月1日~6月30日)の陽性数や死者数などをランキングにしてA章で報告する。今回はあららっというより、やっぱりというデータが多かった。

A. 22年2期の感染が最も酷かったのは?

22年2期の陽性数は世界全体で、6432万8954人の新規陽性が確認された。下のグラフは、各四半期毎の陽性数の推移である。

22年2期は1期に比べ67%減少したが、過去二番目の多さであった。また、北朝鮮、ツバル、ナウルで初めての陽性患者が確認された。一方、ブルキナファソ、グリーンランド、中央アフリカ、バチカン、セントヘレナ、ウォリスフツナでは2期の新規陽性数は0だった。しかし、ブルキナファソ、グリーンランド、中央アフリカ、ウォリスフツナではまだ治療中のものがいるので、感染がおさまったというわけではない。西サハラではかれこれ2年以上新規陽性数0を続けている。ピトケアン、トケラウ、トルクメニスタンはパンデミック開始以来ずっと陽性数0を続けている。

22年2期の死者数は19万1436人だった。下のグラフは、各四半期毎の死者数の推移である。

1期に比べ83%の減少で、20年1期に次いで過去二番目に少なかった。北朝鮮とクック諸島で初めての死者が確認された。一方、ウズベキスタンやアンゴラなど42国地域で22年2期の死者数は0であった。フォークランド、マカオ、マーシャル諸島、ミクロネシア連邦、ナウル、ニウエ、セントヘレナ、ツバル、バチカン、ピトケアン、トケラウ、トルクメニスタンはパンデミック開始以来ずっと死者数0を続けている。

22年2期の致死率は0.30%だった。下のグラフは、各四半期毎の致死率の推移である。

1期から0.05ポイント下がり、過去最低となった。しかし、減り具合もすっかり小さくなり、これ以上は下がりにくいと思われる。


A1. ヨーロッパ西、アジア東で陽性数が多く、ヨーロッパ西、アメリカ北で死者数が多い

大陸別にみると、最も陽性数の多かったのがヨーロッパ西で、世界の陽性数の37%にあたる2375万4391件が確認された。二番目に多かったのがアジア東で、2000万件(31%)以上の陽性数が確認された。世界の陽性数の3分の2以上が、ユーラシア大陸の東端と西端に集中した。次のグラフは22年2期の大陸別陽性数である。

次のグラフは人口100万人あたりの1日平均の陽性数である。

人口100万人あたりの1日平均の陽性数は、ヨーロッパ西で113.6件と100件を超えたが、アジア東は19.6件でヨーロッパ西の5分の1以下であった。

次のグラフは面積1000㎢あたりの1日平均の陽性数である。

こちらは、オセアニアが1095.9件で最も多く、二番目に多いヨーロッパ西の611.4件の倍近かった。

次のグラフは22年2期の大陸別死者数である。

最も死者数の多かったのもヨーロッパ西で、5万8679人が亡くなった。死者の約3分の1がヨーロッパ西に集中した。しかし、二番目に死者が多かったのは、アメリカ北で4万344人だった。アジア東は二番目の2万9717人だった。

次のグラフは人口100万人あたりの1日平均の大陸別死者数である。

人口100万人あたりの1日平均の死者数は、ヨーロッパ西が1.53人と最も多かった。二番目に多かったのはオセアニアの1.24人で、アメリカ北は0.80人で3位だった。アジア東は0.14人でヨーロッパ西の10分の1以下であった。

次のグラフは面積1000㎢あたりの1日平均の大陸別死者数である。

こちらは、ヨーロッパ西が0.28人で最も多く、二番目に多かったカリブ海は0.06人でヨーロッパ西の4分の1以下だった。アジア東とアメリカ北は三番目に多かったのだが、ヨーロッパ西に比べれば約10分の1だった。

次のグラフは22年2期の大陸別致死率である。

死者数の最も多かったヨーロッパ西は陽性数も多かったので、致死率は0.25%で世界で三番目身小さかった。致死率が最も大きかったはヨーロッパ東の1.47%で、世界平均の約5倍だった。次いで、アフリカやアジア中などで致死率が高かった。致死率の高いところは一般に陽性数が少ない。

A2. 陽性数、死者数ともにアメリカが一番多いが、人口100万人あたりではそうではない

次のグラフは、22年2期の陽性数の多い上位20国地域である。

最も多かったのはアメリカで、757万8603件だった。アメリカは22年1期も世界1位だったが、1期からは70%減少した。2位はドイツで706万5895件(前期3位、前期比50%減)、3位はフランスの546万9016件(前期2位、前期比65%減)、4位が韓国の526万3710件(前期10位、前期比58%減)、5位が北朝鮮の473万8623件だった。北朝鮮は22年1期は公式には0件なので、伸び率は無限大である。台湾が前期比5万8728%増と無限大を除いては世界で最も伸び率が高かった。

20位までにヨーロッパ西から8国、アジア東から6国がランクインした。

14位のベトナムまでが2期の陽性数100万件以上だった。1期は37国あったので半分以下になった。1期は4国あった1000万を超えも今期はなかった。上位20国では概ね1期に比べ50~80%減であるが、北朝鮮、台湾に加えて、ニュージーランドが5%増だった。

次のグラフは、22年2期の人口100万人あたりの1日平均の陽性数上位20国のランキングである。

最も多かったのはアメリカではなく、フォークランドの5049.8件だった。ただし、実際の陽性数は1692件(157位)である。しかし、フォークランドの人口は3682人なので、島民の46%が感染したことになる。フォークランドは治療者数や回復者数を公表していないが、これだけ多くの感染者が出れば、かなりの数が現在治療中であると言えよう。したがって、島の活動はほとんど停止していると考えられる。

2位はナウルの3407件、3位はクック諸島の2365.7件、4位は北朝鮮の2003件、5位はモンセラートの1853.5件だった。北朝鮮以外は陽性数は5千件に満たないが、人口が少ないので、割合が高くなる。陽性数1位のアメリカは248.7件で63位、日本は244.9件で64位である。面積1000㎢あたりではアメリカは13.07件で、都市部などに偏って感染が発生していると考えられるが、日本は259.36件と人口100万人あたりとほぼ同じで、満遍なく全体的に感染が発生している。

次のグラフは、22年2期の死者数上位20国のランキングである。

最も多かったのはアメリカで、3万1479件だった。アメリカは22年1期も世界1位だったが、1期からは80%減少した。2位はロシアで1万2390件(前期2位、前期比79%減)、3位はイギリスの1万2249件(前期10位、前期比24%減)、4位がブラジルの1万606件(前期3位、前期比72%減)、5位がドイツの1万1144件だった(前期9位、前期比36%減)。

次のグラフは、22年2期の人口100万人あたりの1日平均の死者数上位20国のランキングである。

最も多かったのはやはりアメリカではなく、モナコで16.67人だった。とは言っても、実際の死者数は3人だけだった。22年1期からは81%の減少となった。2位は香港の6.36人、3位はジブラルタルの5.66人、4位は台湾の4.69人、5位はマルタの3.69人だった。北朝鮮以外は陽性数は5千件に満たないが、人口が少ないので、割合にすると高くなる。死者数1位のアメリカは0.05人で73位、日本は0.30人で32位だった。

A3. 総合順位

感染状況を表すのに、QRでは、ポイント制を使った。総合ポイントは、陽性数順位、人口100万人あたり1日平均陽性数順位、死者数順位、人口100万人あたり1日平均死者数順位の和である。数だけだと人口が少ない国では順位が下がるので、人口100万人あたりの数(割合)も考慮した。総合ポイントが小さければ、数も多いし、割合も多いので、より感染状況がひどいといえる。総合順位は総合ポイントの小さい順である。

下の表は22年の感染状況を総合順位の順に並べたものである。国名、地域、22年2期陽性数順位、Worldometer 順位、22年2期陽性数、同前期比、同昨年同期比、22年2期人口100万人あたり1日平均陽性数、同順位、22年2期面積1000㎢あたり1日平均陽性数、22年2期死者数順位、22年2期死者数、同前期比、同昨年同期比、22年2期人口100万人あたり1日平均死者数、同順位、22年2期面積1000㎢あたり1日平均死者数、総合ポイント、同順位である。

QR式で最も感染状況がひどかったのは台湾で、陽性数7位、人口100万人あたり1日平均陽性数7位、死者数9位、人口100万人あたり1日平均死者数4位で、総合ポイント27点で、1位になった。陽性数死者数が多いだけでなく、その人口に対する割合も多かった。言ってみれば、国中全体でどこへ行っても感染者に遭ってしまうような感じである。

2位は総合ポイント32点の韓国だった、韓国は感染が1期の中頃から2期の中頃にかけてだったので、分散され2位になった。感染の最もひどい3ヶ月で統計をとると、韓国が世界で最も感染状況の酷かった国になる。

3位は総合ポイント49点のドイツ、4位は同54点のポルトガル、5位は同66点のイタリアだった。日本は119点で10位だった。アメリカは143点で16位だった。アメリカは陽性数も死者数もダントツの1位だが、人口100万人あたりでは、それぞれ63位、78位とかなり低く、それが順位を下げている。

17位レユニオン、18位香港は、ともに陽性数、死者数はそれほどでもないが、人口100万人あたりの数字が大きく、それが人為を押し上げた。特に香港は人口100万人あたり1日平均死者数2位で、総合1位の台湾より多かった。

上位20国ではヨーロッパ西から10国、アジア東から5国ランクインしている。

Worldometer で3位のブラジルは、陽性数10位、死者数4位と高いが、人口100万人あたりではそれぞれ87位、88位とアメリカよりも順位が低く、QRの総合ランクは27位である。Worldometer 8位のロシアは死者数が2位と高いが、陽性数は19位と低かった。また、人口100万人あたりでは陽性数111位、103位とさらに低く、QRの総合ランクは43位となった。Worldometer で10位のトルコも陽性数32位、死者数34位と高いが、人口100万人あたりではそれぞれ118位、102位で、総合58位、Worldometer2位のインドは陽性数23位、死者数17位と高いが、人口100万人あたりではそれぞれ158位、112位で、総合70位であった。

逆に、Worldometer では100位以下であるが、カリブ海のグアダルーペ、マルティニクの両フランス海外領土、バルバドスが22~24位にランクされた。こちらは、陽性数死者数は少ないが、人口100万人あたりの陽性数死者数が多い。

また22年2期陽性数5位の北朝鮮は、総合では33位だった。陽性数も人口100万人あたり陽性数(4位)も多いのだが、死者数が82位、人口100万人あたり死者数が109位と低いために総合順位がそれほど高くなかった。

B. 感染拡大している国一覧

A章のデータは2期の感染状況で必ずしも最近の傾向を表してはいない。例えば、世界で最も感染がひどかった、台湾は現在陽性数が急速に減少している。QRは最近の傾向と近い将来の予測に、直近数週間の陽性数の増減と伸び率の増減を使った確率モデルを用いている。その結果をトレンドとして、以下の8つのクラスに分けている。

急増(茶):今まで陽性数が減少中、あるいは、ほぼ0だったが、今週突然陽性件数が増えたところである、あるいは、陽性数が増加中で、伸び率が300%以上となったところである。50%の確率で、翌週以降も陽性数の上昇が続く。

増加中、ペースアップ(赤):数週間陽性数の増加が続き、かつ、伸び率も上昇が続いているところで、約80%の確率で翌週以降も増加が続く。数週間増加が続くこともある。

増加中、ペースダウン(橙):数週間陽性数の増加が続いているが、伸び率は減少しているところ、あるいは、先週まで長く増加が続いていたが今週は減少となったところで、50%の確率で翌週以降も増加が続くが、多くは2~3週以内にピークを迎える。

減少ストップ(黄色):急増と同様に、今まで陽性数が減少中、あるいは、ほぼ0だったが、今週突然陽性件数が増えたところである。あるいは、増減を繰り返しいわゆる下げ止まりの状態になったところである。急増が陽性数が直近数週間の最高値を超えるのに対し、減少ストップはそこまで多くない。しかし、急増同様に、50%の確率で、翌週以降も陽性数の上昇が続く。

増加ストップ(緑):陽性数が2週連続で減少。30%の確率で、翌週以降増加に転じることがある。

減少中、ペースダウン(青):陽性数の減少が続いているが、減少のペースが鈍ったところで、今週陽性数が増えたところもある。約50%の確率で翌週以降増加に転じることがある。

減少中、ペースアップ(薄青):陽性数の減少が続き、かつ、減少のペースが上がっているところである。このような状況でも、約30%の確率で翌週以降増加に転じることがある。

ほぼ0(白):新規陽性数が0か、あっても5件未満のところである。このような状況でも、約10%の確率で翌週以降増加に転じる。

トレンドは発表されたデータに基づいて計算される。データが変われば、トレンドも変わる。ポルトガルのように今まで0だったのが急に0でなくなるというようなことがあれば、トレンドも変わる。翌週以降の陽性数増加確率は世界の感染状況によって変わる。色は以下の地図でも使っている。

B1. 153国地域で増加傾向、49国地域で減少傾向

下の図は最新のトレンドである。凡例の( )内が各クラスに属する国地域の数である。

赤に塗られた、今後陽性数増加が数週間続くと予想されるところが先週は65国地域あったが、そのうち30国地域で伸び率が減少となった(陽性数は増加が続いている)。しかし新たに、21国地域で増加中、ペースアップとなり、赤は56国地域となった。橙は先週49国地域あったが、10国で緑や薄青になったものの、新たに31国増え、合計70国となった。また、今週陽性数が急増したところは茶色と黄色を合わせて28国あり、合計で153国地域で、陽性数が増加傾向にある。

B2. 大陸別、増加傾向の国

アジア:マカオで急増中

東では、マカオで陽性数が急増が続いた。前週の3倍以上の陽性確認があり、過去最高を更新した。フィリピン、シンガポール、ブルネイでも増加が続き、伸び率も上がっている。香港、インドネシア、マレーシアでも増加が続いているが伸び率は下がった。モンゴルは減少となった。ティモール、日本、韓国、タイ、カンボジアでも増加となった。また、日本、フィリピン、マレーシアでは死者数も増加した。22年2期最も感染が酷かった台湾は現在急速に減少している。

中では、ブータン、カザフスタン、パキスタン、モルジブ増加が続き伸び率も上がっている。スリランカ、バングラデシュ、ウズベキスタン、ネパール、インドは増加が続いているが伸び率は下がった。タジキスタン、キルギスで急増。ミャンマーは微減となった。パキスタン、アフガニスタン、バングラデシュ、インドでは死者数も増加が続いている。

西では、イラク、イラン、パレスチナで増加が続き伸び率が上がっている。カタール、レバノン、バーレーン、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、クウェート、アラブ首長国連邦でも増加が続いているが、ペースは下がった。先週急増のオマーン、ヨルダンは今週陽性数0だが、おそらく公表しなかっただけと思われる。トルコとイラクで死者数が増えている。

ヨーロッパ:ほぼ全面的に増加

東は24国中ブルガリアやポーランドなど南部と西部18国で陽性数の増加が続き、ペースも上がっている。スロベニア、アゼルバイジャンでは増加が続いているもののペースは下がった。ロシアとエストニアは減少しているが、そのペースが小さくなった。来週は増加と何る可能性が高い。

西も28国地域中、オランダやドイツなど8国で陽性数の増加が続き、ペースも上がっている、イギリスやフランスなど9国でペースは落ちているが増加が続いている。先週陽性数0だったマン島ではまた急増した。オランダ、ドイツ、ギリシャ、イタリア、イギリスで死者数の増加が続いている、

アフリカ:ギニア湾沿いで増加が続く


南は、タンザニアで急増が続いている。22年2期総合17位のレユニオンでも急増となった。ルワンダ、マダガスカルでは増加が続いているが、ペースは下がった。マラウィ、ザンビア、ボツワナでは今週は減少となった。ボツワナでは死者数が急増した。

東は、スーダンで増加が続き、増加のペースも上がっている。先週0だった南スーダンでは増加となった。ケニア、エリトリアでは減少となった。

西は、チュニジア、モーリタニア、トーゴ、ナイジェリア、カメルーン、ガボンで増加が続きペースも上がっている。アルジェリア、サントメプリンシペ、モロッコ、コートジボワール、ベナンでも増加が続いているが伸び率は下がった。ガーナ、カボベルデ、セネガル、赤道ギニアは増加が止まったが、ギニアビアサウで急増、マリは下げ止まりの状態である。

アメリカ:ほぼ全面的に増加が続く

北では、カナダ、グアテマラで増加が続き伸び率も上がっている。メキシコ、ホンジュラスは増加が続いているがペースは下がった、サンピエールミケロンでは急増した。エルサルバドル、ベリーズ、アメリカは減少となった。パナマ、カナダ、グアテマラ、メキシコでは死者数も増加した。

南では、ボリビア、ペルー、ブラジルで増加が続き、伸び率も大きくなっている。仏領ギアナ、コロンビアでは増加したがペースは落ちた。チリは再び増加した。パラグアイ、ベネズエラ、フォークランド、エクアドルは増加が止まった。死者数はペルー、ブラジル、ベネズエラ、コロンビア、チリでは死者数も増加している。

カリブ海では、セントクリストファーネイビス、蘭領カリブ海、ハイチで増加が続き、伸び率も大きくなっている。ケイマン諸島、ドミニカ共和、グアダルーでは増加が続いているがペースは下がった。まった。先週急増したキューバとセントビンセントグレナディーンでは今週は減少した。アンギラ、バルバドス、ドミニカ、アルーバで急増した。で

オセアニア:ナウルは国民の33%以上が治療中

オセアニアでは、ニューカレドニア、フィジー、オーストラリア、ナウルで増加が続き、ペースも上がっている。ナウルでは最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が2万9000を超え、この2週間で約3400人の陽性が確認され、今なお治療中である。国民の33%に相当するので、国の機能が停止していなければ良いが。クック諸島とニュージーランドでも急増した。

C. 22年26週の感染状況

22年26週の陽性数は535万7765件で、前週比16%の増加した。2週連続で増加となった。陽性数が500万件を超えるのは5週間ぶりである。死者数は9706人で、前週比2%減となった。下のグラフは22年の世界の感染図である。

陽性数はやや増加傾向。死者数は下げ止まりの状態である。

C1. 陽性数:陽性数の多い国で陽性数がさらに増える

次のグラフは陽性数の昨年同期との比較である。

今年は、ピーク時に比べれば80%以上減少したが、昨年同期比では97%増加となった。 昨年は7月から日本を含むアジア東で感染拡大が発生した。デルタ株の亜種ということで、4月頃とほぼ同じくらいの規模だった。今回は、おそらくそれ以上の規模になると予想される。最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数は96.4件となった。

C章での2期は4月2日から7月1日までなので、A章の2期(4月1日から6月30日まで)と少し違っている。22年2期の陽性数は6325万2157件となった。22年は約2億6248万件で、今までの累計は5億5537万件ほどになった。世界の人口の7%が少なくとも一度新型コロナに感染したことになる。

次の表は22年26週の陽性数が多い20国の感染状況である。

リストは、国名、地域、22年2期の陽性数順位(赤字は順位上昇、青字は下降)、Worldometer の累計陽性数順位、22年2期の陽性数、22年2期の陽性数ペースの1期からの伸び率(マイナスは減少)、22年26週の陽性数、22年26週の人口100万人あたりの1日平均の陽性件数、22年26週の陽性数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続陽性数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX は陽性数同数の週数、zXXは陽性数0の週数、zzz等は2年以上陽性数0)、22年23週のドレンド(色訳はB章の地図と同じ)、22年2期の死者数順位、22年2期の死者数、22年2期の死者数ペースの1期からの伸び率(マイナスは減少)、22年2期の致死率、22年25週の死者数、22年26週の人口100万人あたりの1日平均の死者数、22年26週の死者数の前週比伸び率(マイナスは減少)、連続死者数増減週数(マイナスは減少週数、 tXX はXX週間死者数同数、zXXはXX週間死者数0、zzz等は2年以上死者数0)を含み、22年21週の陽性件数の多い順にランキングした。

今週の陽性数が最も多かったアメリカ、6位の台湾、29位のポルトガルで前週からは減少となったが、そのほかでは増加している。トレンドも赤か橙である。特にフランス、イタリア、オランダ、ギリシャ、メキシコ、シンガポールは50%以上の伸びとなっている。

次の表は22年最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が多い20国の感染状況である。

B章で触れたナウルが先週に引き続き1位だった。人口100万人あたりの陽性数が1000件以上となったところは先週の8国地域から18国地域へと倍増した。75国で最新の人口100万人あたりの1日平均の陽性数が、感染拡大の危険が高いと言われる100件を超えている。先週よりも3国多くなった。

次の表は22年2期の陽性数が多い20国の感染状況である。A章のものと微妙に違う。

C2. 死者数は下げ止まり

次のグラフは死者数の昨年同期との比較である。

今年は、ピーク時に比べれば82%減少したが、昨年同期比でも83%の減少である。 ここ1ヶ月ほど死者数は週に1万人前後で推移している。最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数は 0.17人となった。

22年4月2日から7月1日の死者数は17万8779人で、致死率は0.28%となった。A章のもの(4月1日から6月30日)とは1万人ほど異なるが、4月1日のと7月1日の死者数の差である。22年の死者数も87万9611人人で、今までの累計は635万9772人である。累計の致死率は1.15%になった。

次の表は22年26週の死者数が多い20国の感染状況である。



アメリカはまた大規模な修正があった。22年の死者数が少なくなり、増減のパターンも変わった。修正後は26週の死者数は1980人で先週に比べ17%減少した。新しいパターンでは22年16週以降毎週2230人前後の数字を上下している、いわゆる下げ止まりである。今週は減少したので、来週は増加する可能性が高い。ブラジルは前週比13%増の1482人で2位になった。死者数が100人を超えたのはこの2国だけである。台湾はようやく減少に転じた。4~6位のドイツ、イギリス、イタリアでも死者数の増加が続いている。

今週は64国地域で死者数が先週より増加した。先週より7国地域少なくなった。アルバニアでは7週間ぶりに死者があった。アルバニアを含めて、15国地域で伸び率が無限大だった。しかしトルコは死者数は5人以下である。伸び率100%以上もオランダやウクライナなど17国地域あった。オーストラリアなど9国地域では死者数が先週と同じだった。

一方、60の国地域で死者数が前週から減少した。先週より9国地域多くなった。スリランカやパラグアイなど19国地域で今週の死者数が0になった。

次の表は22年最新の人口100万人あたりの1日平均の死者数が多い20国の感染状況である。

上位の国では死者数が1桁台のところが多い。人口が少ないので率が高くなるからである。この中では、台湾、ニュージーランド、オーストラリアで死者数も多くなっている。

次の表は22年2期の死者数が多い20国の感染状況である。

トルクメニスタンなど12国地域は今までの死者数が0である。西サハラは21年からの死者数が、タジキスタンなど5国地域ででは22年の死者数が0である。また、ベナンやシエラレオネなど68国地域で2週間以上死者数0が続いている。死者数0が続いている国は先週より5国地域少なくなった。

D. 22年26週の接種状況

22年26週の接種回数は約6166万回で、前週比で約51%の増加となった。そのうちの46%に当たる2941万回がブースターだった。ブースターは前週比18%増であった。次のグラフは22年の陽性数(青)とワクチン接種回数(赤)の推移である。

これで、22年2期の接種回数は約7億9950万回弱となった。今までの総接種回数は約120億8420万回弱となった。ワクチン完了者は約48億人を超えた、完了率は60.5%である。また、ブースター回数は21億2610万回余りで、過完了率は26.8%になった。

D1. アジア東、アジア中、アメリカ南で接種回数が多い

次の表は22年23週のワクチン接種回数上位20国地域の接種状況を表している。

項目は国名、地域、22年2期の陽性数、22年2期の死者数、未接種人数、22年2期の接種回数、その前期比伸び率、22年25週の接種回数、その人口100万人あたりの1日平均、その前週比伸び率、完了率、22年2期のブースター回数、接種回数に占めるブースターの割合、22年25週のブースター回数、その前週比伸び率、過完了率である。

先週1位のインドでは接種回数が3%増えて、約959万回となって、世界1位をキープした。戦前週比657%増のベトナムが684万回で2位になった。先週二位のパキスタンは前週比で7%増やし、663万回摂取をしたが、ベトナムの勢いに負けて3位になった。中国は今週も9%減らして、444万回の接種で4位になった。先週は0回だったが、ナイジェリアが423万回の接種をして5位になった。

セーシェルなど81国地域で2週間以上接種が止まっている。新たに、サウジアラビアやアラブ首長国連邦など16国地域で接種が0になった。一方、2週間以上接種の止まっていたガーナなど12国で接種が復活した。ただし、アフリカでは半数以上の国地域で6月19日に接種された分が、7月2日になってから公表されたもので、正確には今週分ではない。

北朝鮮やフランスの海外領土など14国地域では今までに一回も接種をしたことがない。21年以前はしていたが、22年に一回も接種をしていないところはオセアニアを中心に15国地域ある。

次の表は22年2期のワクチン接種回数上位20国地域の接種状況を表している。

先週の予想通り、22年2期の接種回数はインドが世界一位になった。

次の表は22年26週のブースター回数上位20国地域の接種状況を表している。

今週最も多くのブースターを実施したのはパキスタンで約500万回だった。完了率が50%を超え、ブースターに舵を切り換えたものと思われる。いつもダントツで1位だった中国ではブースターの回数が先週から半減し、インドやアメリカにも抜かれて6位になった、

次の表は22年2期のブースター回数上位20国地域の接種状況を表している。

22年2期のブースター回数は中国が2位メキシコに2倍近い差をつけている、2位がメキシコ、3位がブラジルで日本は4位だった。

ワクチンを1回も接種したことのない者は世界で約27億600万人いる。先週に比べ600万人ほど減少した。未接種者の42%(約11億人)がアジアに、40%(約10億人)がアフリカにいる。国別ではインドが最も多く、約3億9033万人が未接種である。二番目に多いのが、ナイジェリアの1億8834万人で、三番目が中国の1億4528万人である。アジアとアフリカがほとんどを占めるが、アメリカに7541万人、ロシアに6446万人の未接種者がいる。日本も2200万人ほどが未接種である。

未接種者数が多いからといって、陽性者死者数が多くなるとは限らない。未接種者数と陽性者死者数には線形な相関関係はない。

E. 台湾を認めないWHO

7月6日に新しいサル等についての報告がWHOから公開された。6月24日には台湾でサル痘の感染が確認された。前回のサル痘の統計は6月22日のものなので、台湾の感染は反映されなかった。しかし、最新の統計でも、台湾の感染は反映されなかった。しかし、中国で感染者が確認されたことになっていた。つまり、WHOは台湾を中国の一部として考えていること改めて確認された。ジブラルタルはイギリス領ではあるがイギリスに含めず独立して数えられているので、整合性がない。

7月4日時点で世界全体では59国地域、6026人の感染者が確認された。

今回は前回より10国地域、2614人増えた。ヨーロッパ西が特に多く、全体の87%がヨーロッパ西で確認されている。国別ではイギリスの1235人(+442人)が最も多く、次いでドイツの1054人(+533人)、スペインの802人(+282人)、フランスの498人(+221人)、アメリカの460人(+318人)となっている( )内の数字は前回の公表(6月22日)分から増えた数である。

新型コロナのように、サル痘の感染速度(今回と前回の感染数の差)を計算して、世界と感染数の多い5国の感染速度の推移は下のようになった。

このグラフは陽性数が6月10日以降、下に凸の形になっている。つまり、増加してしかも伸び率も増えている。スペインとフランスは伸び率が下がったが、イギリス、ドイツ、アメリカでは伸び率が上がっている。

しかし、WHOのサル痘に関するデータの日付を見るとその間隔が均等ではない。前回は6月22日なので12日あいている。その前は6月15日で7日間である。調査期間が長いのでその分、7月4日の感染者数は6月22日の分よりも多くなる。そこで、1日平均の陽性数を計算してみたところ、次のようなグラフになった。


今度は上に凸のグラフなので、陽性数は増加しているがそのペースは落ちている。アメリカでは陽性数が増えて、伸び率も高くなっているが、ドイツでは伸び率が下がっており、イギリス、スペイン、フランスでは陽性数が減少している。

また、感染者の確認された国地域は59と、前回よりも10増えたが、モロッコなど10国では6月22日から7月4日までの期間で確認された数は0だった。さらに中央アフリカでは、感染者数が5人減った。一度感染したと報告されたが、よくよく調べてみたら違った、というケースであると考えられる。WHOのデータの集計方法だけでなく、検査の仕方そのものに問題があると考えられる。

F. コロナで銃乱射が増える

F1. コロナと銃乱射の関係。

この投稿を書いているときに安倍元首相が暗殺されたというショッキングな出来事が起こった。容疑者はすぐに捕まり、これから、事件の詳細がわかっていくと思うが、日本もアメリカ並みに集会を開くと銃を持つものに狙われるようになったのかと思った。

アメリカでは、2020年に新型コロナが発生したときに、学校で銃乱射のない3月を18年ぶりに迎えた(https://gigazine.net/news/20200417-coronavirus-stop-school-shooting/)。以降、公共の場所での銃乱射は2021年3月のアトランタ乱射事件まで起こらなかった。理由は簡単で新型コロナで人が集まらなくなったからである。銃を乱射する者は、無防備な者がいるところへ撃ちにいく。そうでないと、自分が撃たれてしまうからである。実際、警察や軍隊での銃乱射事件は起こっていない。いくらNRAが銃を持てと言っても、学校や教会ではそんなことはできない。多くの店でもそうである。だから、乱射が起こるのは、学校、教会、店ばかりなのである。

しかし21年以降、銃乱射事件が増えてきた。今年はすでに、22件の公の場での銃乱射事件が起きている(https://news.yahoo.co.jp/articles/10ecb550b74c03491bf27e852fc15d9fdad33df1)。公の場以外の銃乱射はコロナが始まってから増えている。

日本だと、基本的に武器を持たないので、街頭演説は銃を乱射するものにとっては格好のターゲットになる。アメリカでは、選挙期間中に街頭演説などの類は一切行われない。街頭に演説を聴きにきた人たちを対象に、乱射が起こることは間違いない。アメリカで演説をするときは、どこかの会場を借りる。そして、入場者には空港並みの厳しいセキュリティチェックが行われる。

安倍氏を襲った犯人は自作の銃を使ったと言っているらしい。日本では銃の所持は禁止で売買すれば足がつくが、自作だとなかなかわからない。しかも、ホームセンターなどで売られているごく普通のもので作れる。今後は、日本でもこのようなケースが増えていく可能性がある。安倍氏の冥福のためにも、速やかな原因究明、今後の対策、と安倍氏の遺志を継ぐことを望む。個人的には、街頭演説をやめるべきではないかと思う。マスクをせずに集会をする候補者は多い。そもそも、通行の邪魔であるし、うるさい。

F2. 日本の22年26週の感染状況

日本の22年26週の陽性数は12万1640件で、予想通り7週ぶりの増加となった。人口100万人あたりの1日平均の陽性数は138件である。死者数は190人で先週からは70%の大幅増加となった。人口100万人あたりの1日平均の死者数は0.22人で、世界平均より少し高くなった。

26週の陽性数はピークの時に比べ90%近く減少したが、昨年同期に比べれば約10倍以上ある。

これで、22年2期の陽性数は277万6600件となった。世界順位は9位と変わらなかった。今までの累計は932万9520件となった。

26週の死者数はピーク時に比べると90%以上減少したが、昨年同期と比べて7%減に止まる。

これで、22年2期の死者数は3184人で、順位は14位のままである。2期の致死率は0.11%である。今までの累計死者数は3万1281人となった。累計の致死率は0.34%で、世界の3分の1以下である。

22年26週のワクチン接種回数は104万530回で、先週に比べ16%増加し、2週間ぶりに100万回以上の接種となった。22年2期の接種回数は、2927万回弱となった。今までの累計の接種回数は2億8500万回弱である。1億235万人が接種を完了し、完了率は81.4%である。一方、未接種者も2200万人近くいる。

26週のブースター回数は100万3353回で、先週より27%増加した。全接種回数に対するブースターの割合は96%だった。22年2期のブースター回数は、2538万回を超えた。今までの累計は7890万回を超え、過完了率は62.8%になった。

昨年のほぼ同時期に第5波が始まった。日本ではその当時最悪だったが、オミクロン株の第6波に完全に打ち消された。4月から5月にかけて大きな波が発生していたが、第6波の余波として扱われている。今回の第7波はオミクロン株の亜種ということだが、すでに先行して始まっているヨーロッパの感染図からすると、オミクロン株ほどの感染力はないが、デルタ株くらいはあると考えられる。致死率も高いようなので、死者数も増えると思われる。既存のワクチンは全く効いていないようなので、人が多くいるところではマスクを着用するなどの、最も原始的な防衛が必要となると思われる。

空港検疫での陽性数は、134人で先週より約35%増えた。一方空港で検査を受けたものは5759人で先週より14%減少した。空港検査での陽性率は2.7%と先週より1ポイントも増えた。世界の陽性数は増えている。しかし、空港で足止めされるものは少なくなる。したがって、空港で検査をすり抜ける隠れ陽性者の入国も増える。
加えて、参議院選挙が始まった。今回もいくつかの政党でマスクなしで集会を開いているので、陽性数はさらに上がると思われる。


F3. 厚労省はまだデータを誤魔化している

次の表は最新の「ワクチン接種歴別の新規陽性者」から作成した、未接種者と接種者の陽性者数の比較である。

陽性数は0~11歳を除いたすべての年代で接種した陽性者は、未接種よりも3.3~16.6倍多い。人口100万人あたりの1日平均では、50歳台と70歳以上を除いて、接種した陽性者の方が高い。

首相官邸のデータベースでは、未接種者は2203万人ほどであるが、厚労省のこのデータでは約2510万人なので、300万人ほど未接種者が多い。これは、接種した者の一部を未接種として数えていることに他ならない。実際、90歳以上は未接種者がいないにも関わらず、未接種の陽性者がいる。また、0~11歳の接種した陽性者はいない。首相官邸(Worldometer)によれば、7月7日の時点で、0~11歳では266万人以上が接種されている、したがって、厚労省はこの小児接種者を全く数えていないということがわかる。


人口、陽性件数、死者数はWorldometer のものを、ワクチン接種回数などは Github のデータを利用している。Worldometer や Github で扱っていない国地域の統計は Google のデータを用いる。北キプロスの陽性件数と死者数は、政府の発表するデータを用いる(https://saglik.gov.ct.tr/COVID-19-GENEL-DURUM)。面積、GDP、地図、その他の情報はウィキペディアと外務省(https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/index.html)を利用している。それ以外のもの、例えばニュースや論文に関しては出典を本文に記す。数値はアメリカ中部時間の7月7日22時時点で得られた最新の値を利用している。7月7日以降に修正あるいは追加されたデータは含めない。従って、他の新型コロナ統計サイトの数値とは異なることもある。7月7日以前に修正あるいは追加されたデータは過去の号の統計にも反映させている。今号の統計とは異なるものもある。データの違いが大きくなる修正は本文で言及している。テーマ地図は mapchart.net のサービスを利用して作成している。


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