2021年新型コロナランキング(1月15日)

はじめに

新型コロナ関連サイトでは累計感染者数も死者数も一律に発生当初からの累計数を表示している。しかし、累計数では正確な感染状況の把握ができなくなると思われるので、2021年のみの統計を取ることにした。データは Worldmeter のものを使った。

週末などに陽性数が少なくなり、日本やアメリカのメディアでは週の半ばに感染数がどっと増えたことを、あたかも感染拡大しているかのように報道し続け、週末に検査数が少なくなるのは怠慢だなどと検査員や政府を誹謗中傷するへんてこりんな評論家もいるので、毎日ではなく、1週間に一度データを集める。2021年1月1日は金曜日なので毎週金曜日にデータを収集する。Worldmeter では毎日米中部時間の午後8時30分から9時の間に、「Now」のデータが「Yesterday」に移る。このタイミングのデータを使う。データを区切る時間帯が国によって違うので、各国が発表しているデータとは数値に多少のずれがある。毎日ランキングを発表すると順位が入れ替わるということがあるかもしれないが、1週間分まとめているので、そうなることは少ないと思う。

感染数のランキングでは意味がないという意見も多い。人口の多い国では必然的に感染数が多くなるので上位に来ることが多くなる。例えば人口3万4千人のサンマリノは全国民が感染したとしても、累計ランキングでは98位のウガンダ(1月15日の累計感染数3万8千人)を超えることはない。しかし、順位の上下は感染状況の把握に役に立つこともある。例えば、累計ランキングと2021年ランキングとに大きな差があれば、感染状況が昨年と変わったと捉えることができる。また、累計感染数ランキングよりも2021ランキングの方が5位以上高い国は、感染状況が思ったよりも酷いと考えて良い。逆に5位以上低い国は、感染状況が改善されている可能性も高い。


2021年のランキングは累計ランキングとはかなり違う

前回の投稿で、2021年1月1日から1月8日までのデータをランキングしたところ、新型コロナ騒動開始以来の累計感染者数によるランキングとずいぶん違うことがわかった。また、2020年1年間の総感染数のどれくらいの割合の感染数があったのかを比較したところ、多くの国で2020年よりもひどい感染状況であることがわかった。例えば、

1。イギリスは2020年からの累計では第5位だったが、2021年第1週に限れば第2位の感染国であった。また、2021年第1週の新規感染数は2020年にイギリスで発生した全感染者数の16%強を占める。これは、1週間で昨年の感染数の約7週間分を出したことになる。

2。ドイツは2020年からの累計では第10位だったが、2021年第1週に限れば第6位になる。

3。インドは2020年からの累計では第2位の感染大国であったが、2021年第1週に限れば第7位で、ドイツよりも感染数が少なかった。

4。サウジアラビアは2020年からの累計では36位であったが、2021年第1週に限れば第114位であった。

などがある。

1月8日のランキングの修正

今回はその続きで、1月8日の死者数と、1月15日のランキングに対する考察を行う。一気に4月2日のランキングを発表しても良いが、その前に、前回表示した1月8日分に修正を施したものを表示する。この手の統計は追加発表などで修正が加わることが多い。大抵は、発表した感染数のうちいくつかは前日、前週、前月の統計に加えるべきものだったとわかったので、そちらに移したもので、あまり大きな数字ではないが、時々大規模なものがある。今回スペインとイタリアで感染者数の修正、ネパールで死者数の修正があった。イタリアのものは小さなものであったが、スペインでは、1月27日から2月24日の感染者数を1日平均1万人以上減らし、その分を1月20日以前の感染者数に加えた。その結果、スペインとイタリアの順位が前回のランキングと変わってしまった。

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2021ランキング50位以上で、累計感染数ランキングよりもの5位以上高い国には、南アフリカ、チェコ、カナダ、スウェーデン、イスラエル、ポルトガル、アイルランド、日本、レバノン、パナマ、スロバキア、マレーシア、UAE、チュニジア、スロベニア、リトアニア、デンマーク、ベラルーシ、ナイジェリア、ボリビア、エジプとの22ヶ国であった。

2021ランキング50位以上で、累計感染数ランキングよりもの5位以上低い国には、インド、トルコ、イラン、ウクライナ、ルーマニア、チリ、パキスタン、ハンガリー、ペルー、ベルギー、ヨルダン、モロッコの11ヶ国である。


1月8日の死者数のランキング

1月8日の死者数のランキング上位10ヶ国は、
1。アメリカ(1位)
2。ブラジル(2位)
3。ドイツ(13位)
4。イギリス(5位)
5。メキシコ(4位)
6。南アフリカ(15位)
7。ロシア(8位)
8。イタリア(6位)
9。フランス(7位)
10。コロンビア(11位)
である。括弧内の数字は同じ日の2020年からの累計死者数の順位である。ドイツと南アフリカが累計死者数から考えられる感染状況よりも酷くなっているということがわかる。また、累計死者数3位のインドは11位に、9位のイランは22位に、10位のスペインは17位に落ちる。これらの国々は逆に思ったほど死者数が多くないと言える。

日本は累計死者数は49位であるが、2021年の1月8日では33位なので、感染状況は酷くなっていると言える。

1月15日のランキング

1月15日の統計については、二つの項目を加えた。一つ目は、1週間の新規感染数と死者数の前週から増減で、前週に比べてどのくらい増えたか、減ったかを表す。また、新規感染数と死者数の増加あるいは減少が何週続いたかを表す数字も加えた。

新しい指標

例えば、世界の統計では、新規感染数の前週からの増減が -29996 になっているが、これは1月9日から15日までの新規感染数が、1月1日から8日までの新規感染数より、約3万人減少したということである。減少したので、連続感染増減週数は -1 になる。翌週も減少がつづけば、-2、-3、…となる。逆に増えれば、1、2、3、…となる。今回は1か、-1か、0しかないが、時が経つにつれて、数が増えたり減ったりする。マイナス数が多ければその国は感染減少が続いることになるので、何らかの目安にはなる。

順位の赤字は前週の順位よりも上がった、青字は下がったことを意味する。順位が上がったところは新規感染数が増えているところが多く、逆に順位が下がったところは新規感染数が減っているところが多い。

1月15日の感染数ランキング

1月15日までの感染数での上位50ヶ国は以下の通りである。

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前週からは、モロッコとエジプトが50位以下に落ち、フィリピンとジョージアが50位以内になった。スペインとロシア、フランスとイタリアの順位が入れ替わった他は上位10ヶ国は変わらない。アメリカとイギリスは1月9日から15日の新規感染数が1月1日から8日に比べ大幅に少なくなったが、ブラジルとスペインは大幅増である。日本もかなり増えたが、ちょうどこの週に緊急事態宣言が発令された。ワクチン接種が始まったから減った、ワクチン接種をしていないから増えたということは特に見られない。

2021ランキング50位以上で、累計感染数ランキングよりもの5位以上高い国には、スペイン、南アフリカ、チェコ、ポルトガル、イスラエル、スウェーデン、日本、アイルランド、レバノン、パナマ、UAE、スロバキア、マレーシア、チュニジア、スロベニア、リトアニア、デンマーク、ボリビア、ナイジェリアの19ヶ国であった。上位陣ではスペインが加わって、カナダがいなくなった。この時のスペインは感染拡大中であり、カナダの方はワクチンが効き始めたのか感染数が減少を始めた。

2021ランキング50位以上で、累計感染数ランキングよりもの5位以上低い国には、インド、トルコ、イラン、ウクライナ、ルーマニア、ペルー、パキスタン、ベルギー、フィリピン、ジョージアの10ヶ国である。上位陣ではハンガリーがいなくなった、ハンガリーはここの時期から感染数が悪化し始めた。

今回も2020年からの累計での上位46ヶ国を載せた。バングラデシュ、イラク、ネパール、サウジアラビアは累計では50位以内であるが、2021年の順位では60位以下である。特にサウジアラビアでは2021年の新規感染数は1735人で、これは同じ頃の日本の1日あたりの新規感染数の4分の1程である。2週間で1735人と言うことは、1日あたり124人なのでまだまだ多いと言わざるを得ないが、それでもかなり感染数が減ってはいる。

1月15日の死者数ランキング

1月15日の死者数のランキング上位10ヶ国は、
1。アメリカ(1位)
2。イギリス(5位)
3。ブラジル(2位)
4。ドイツ(12位)
5。メキシコ(4位)
6。南アフリカ(15位)
7。ロシア(8位)
8。イタリア(6位)
9。フランス(7位)
10。コロンビア(10位)
の順である。イギリスが2位に上がり、それに伴いブラジルとドイツが一つづつ順位を下げたほかは、1月8日のランキングと同じである。累計死者数3位のインドは15位で、前回11位から落ち、9位のイランも24位と22位から落ちた、しかし、10位のスペインは13位であるが、前回の17位から上がった。

日本は累計死者数は48位と1ランク上がったが、2021年ランキングでは27位と1月8日の33位から大幅に上がってしまった。1月9日から15日の週に感染状況はさらに酷くなっていると言える。それゆえ、政府は非常事態宣言を発令し、世界各国からの入国制限を復活するに至った。

アフリカ南部が危ない

今回枠が足らなかったこともあるが、ザンビアを載せたかったので、累計感染数が46位と半端な数字になった。ザンビアの順位は56位(累計100位)であるが、1月8日では70位であった。1月15日の週の新規感染数は1月8日の週の約2倍である。そしてたった2週間で昨年分のおよそ3分の2に当たる新規感染数を出したことになる。このままいけば、翌週1月22日に昨年分の感染数を上回る可能性が高い。ザンビアは、アフリカ南部に位置する内陸国である。ザンビアの北に接するタンザニア(209位、0%)コンゴ民主共和国 (101位、15.17%)、アンゴラ(121位、6.32%)では、順位が低く、感染数の2020年に対する割合もそれほど高くない。一方、東に接するマラウイ(90位、67.91%)、南に接するボツワナ(103位、17.29%)、ジンバブエ(59位、85.38%)、モザンビーク(79位、33.04%)、ナミビア(85位、21.77%)は順位が高く上昇しており、感染数の2020年に対する割合も高い。これら4国の南には世界8位の南アフリカがある。

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