お願いだ すぐにやめられるとは思わないで
今日は我々団体SAGSの近況について少し書いてみたい。最近、少し不安に感じることがある。
断ギャンブル期間が1年以上の方がスリップするケースが、ちょくちょく見られるのだ。これまで見てきた限り、ここ1年くらいが一番多いように感じる。
次に感じるのは、「何かモーション起こせば、大した努力無しでギャンブルをやめられる」と信じる参加者が増えたということである。
具体的に言えば、「精神科を受診する」「カウンセリングを受ける」「自助グループに参加する」「SAGSに参加する」などのモーションを起こせば「必ずやめられる」「すぐにやめられる」と信じて疑わない人たちである。
行動は大切だが 継続する勇気が大事
ギャンブル依存症を克服する為に、ちゃんと行動するのは不可欠である。ただし、行動を起こすだけで改善するというのは殆ど無理だろう。継続が大切なのである。
私はマニュアルの中で書いたが、まずすべきことは生活環境の改善である。特にパートナーや家族へのカミングアウトは、最も効果的な生活環境の改善といえる。
そしてできることならば、全てのお金を手渡し全面的に金銭管理してもらえばいい。そうすることで少なくとも、お金が原因のスリップがグッと減る。
ところが一人で暮らしている人など、おいそれと金銭管理できない方たちも多い。そういった方たちに必要となるのが、継続的な取り組みとそれにコミットする勇気である。
近頃見かける一発屋とは
だが一発勝負とばかりに、団体や医療につながれば即解決と考えて行動する方がいらっしゃる。そういった方たちは、よく、「病的なんだから、そういった人で無いと私の気持ちは分からない」とおっしゃる。
つまり、「私はそこまでひどい病気だから、少々のことでは効き目がない」というわけだ。あんたたちに、この私のことがわかってたまるかと。
「フラッシュバックが起きる」とか「足が勝手にパチ屋に向く」とか、「病気のように打つ」とか。しかしながら、依存した限り殆どの人が辿る道でもある。決してその人だけがそうだとは限らない。この私だってそうだったから、よくわかるのである。
これだけの期間団体を運営していればわかるが、お役に立てる人と立てない人が居る。前者は継続して行動する人であり、別の言い方をすればちゃんとカウントする人たちであった。
後者については、全てをパチ屋と病気のせいにして行動しない人。そして継続する勇気を持たない人たちだったように感じる。
ギャンブル依存症は一朝一夕にいく問題ではない。他人任せで解決する問題でもない。一定の期間の断を経てこそ、克服への道が開かれるのである。
あなたも継続の大切さを知り、勇気を持って欲しい。(奥井 隆)
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