25日目 着るを英語で言うとマリリンモンローが邪魔をする
英単語の意味を教えているYouTubeをみていたときのことだ。
『wear』の意味は着ると訳されることが多い。
だが実際はもっと幅広い。
服を着るだけじゃなくて、ズボンを履くもwearだし、靴下もだし、手袋をつけたりメガネをかけたりするのもwearだと説明していた。
その流れで「香水もwearですね。」が聞こえた瞬間からマリリンモンローが脳内を占拠して続きが聞こえなくなった。
マリリンモンローといえばもう亡くなっているがアメリカの有名な女優である。
「寝るときにはなにを着ていますか?」ときかれ
「シャネルの5番」と答えたのは有名な話だ。
シャネルの5番の香水は世界中で売上があがったそうだ。
これを聞いたときの僕は、香水を着るって表現するのかーおしゃれな人だなーと思っていた。
だが、さきほど学んだことによると。
香水をつけるのにwearをつかうのは普通のことなのだ。
英語の原文を理解していない日本人が騙されるのは仕方ないとして、世界で有名になった意味がわからない。
世界中でスケベな想像をした人がたくさんいたということか。
部屋ではなにを着ますか?
「シャネルの5番」という答えを聞きたくて、マリリンモンローが来日したときにも記者が質問したという話が残っている。
「部屋でなにを着ますか?」
「ラジオよ」
wearと並んで英語の着るということばにput onがある。
着るという動作を表すのがput on。
着ているという状態を表すのがwear。
put onはwearと同様に幅広い使い方がある。
着る、履く、つける。
put onを使って「ラジオをつける」ということができる。
日本語だけで考えると「何を着ますか?」「ラジオ」は変だけど、「何をput onしますか?」と聞かれての「ラジオ」は不自然ではない。
マリリンモンローは何を言わせようとしているかもわかったうえで、その答えをしているのだろう。
トンチンカンな返答をするアホな若手俳優ではないのだ。
それをふまえての「シャネルの5番」を考えると、マリリンモンローは何を聞かれてるかわかったうえで、答えずにはぐらかしたうえで、想像の余地を残した答えをしてる。
そういう言葉の使い方を海外の記者や読者たちは評価したのだろう。
ただのスケベなだけではなかったのだ。
たぶん。