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第4回 コンビニのあるべき店舗配置

お客様からいかにお店が見えるか、いかに入りやすいかを突き詰める


お店の図面には敷地形状、駐車場の間口と奥行き、障害物の有無、進入口の位置と幅、サインポールの位置、店舗の位置とレイアウト(店舗間口、ドア位置、奥行き)など様々な情報が詰め込まれています。
これらの要素は全てお店の売り上げに影響します。お客様が来店したくなるお店とはどんなお店なのか?ハード面の工夫で売上の最大化を図るためのポイントをロードサイドのお店を例に確認していきましょう。

来店までのプロセス


車を運転中のお客様がコンビニを利用したいと思い始めた時、そのプロセスは始まります。まずお店を見つけ【認知】駐車場に入る準備をして【運転操作】来店されます。
【認知】にとって重要な事はお店の見えやすさです。
【運転操作】にとって重要な事はお店の入りやすさです。今回はこの二つについてご説明します。

【認知】に必要なお店の見えやすさ=“視界性”


お店を認知して頂くためにはサインポールの視界性と店舗の視界性の両方を確保しましょう。
サインポールは高い位置に設置が可能な為、設置する条件によってはかなり手前からお店の存在を認知させる事が可能です。ただしサインポールでお店の存在はわかっても、店舗の位置がわからなければどのような運転操作をすれば良いかわかりません。店舗が見えると『ここに来て下さいね』と手招いているように見えます。店舗の視界性は夜間、正面のファサード看板と共にお店から明かりが漏れる部分(ガラス張りの部分)が見えている事を基準に考えて下さい。例え側壁が見えていてもお客様には認知できません。
ここで重要なのがお客様から『見える』という言葉の定義です。お店を作る立場からすると、手前からサインポールや店舗を注視して『見える』『見えない』を判断してしまいます。しかしお客様は前後左右の車との間隔を保持し歩行者や障害物等がないか常に安全確認をしながら運転しているので運転中の視野には限りがあります。加えてスピードが速くなる程、視野は狭くなります(色の識別が可能な範囲は更に狭くなります)。その状態で『見ようと思わなくても視野に入ってくるもの』がお客様から『見える』という事です。

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【運転操作】に必要なお店の入りやすさ=“接近性”


お店の存在を認知した後、来店して頂くための接近性の確保には進入口の幅とその先に障害物がない事が重要です。
まずお客様は進入口の手前でブレーキを踏んで減速し、ハンドルを切ってお店のドア前を目指します。ブレーキもハンドル操作も、流れに乗って走っている状態からはとても抵抗感のある操作です。この抵抗感を出来るだけ軽減させる事が接近性を向上させ、来店しやすくします。
そのためには進入口幅を大きく取ること、進入口の内側に水路や植栽等、障害物がない事が望まれます。進入口の幅が大きく取れていれば減速の度合いは小さくて済みますが、進入口が狭いと十分に減速してハンドルを大きく切って来店しなければなりません。また、進入口が大きくてもその先に水路や植栽があった場合は、それを避けるため十分に減速した上でハンドルも大きく切る必要があります。また、平均車速が早い程サインポールや店舗を認知してから操作するまでの時間は短くなります。更に強くブレーキをかけてしっかり減速する必要があるので、もしサインポールや店舗が直前でしか見えない場合、運転操作の準備が間に合わず来店の機会損失となります。
その他、実際には見えているのに自店のサインポールより大きな看板のテナントに前後を囲まれる場合、自店の看板が認知されず想定通りに売れないといった不振店要素もいくつかあります。このような事例はまた別の機会にご紹介したいと思います。

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ターゲットにあった店づくり

ここまで車からの見えやすさ、入りやすさを中心に話をしてきました。ただし住宅立地やオフィス立地のように徒歩で来店するお客様の割合が多い場合には、徒歩での来店しやすさを重視します。例えば車のために奥行きの深い駐車場を設置したところで、歩道から店舗までの距離が離れてしまい歩行者からの視界性も接近性も悪化してしまいます。特に商圏の密度が高い場合は過分な駐車場がむしろ売上を下げる可能性さえあるので注意が必要です。周辺に住む人、働く人、車、誰をターゲットとするのか?その出店コンセプト(出店意図)を明確にして、それに添った店作りをしましょう。

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周りのお店の立地を確認する中で店舗が見えにくい、又は入りにくい駐車場のお店が売れている事もあると思います。しかし『あの店がこんな駐車場で売れているんだから大丈夫だろう』と考える事はとても危険です。それは長い年月をかけてお客様がその場所にお店がある事を認知し、どのように入れば良いかを学んでいただいた結果である事がほとんどです。使いやすい場所に、使いやすい新しいお店が近くに出来た時、大きく売上を落とすのはこのようなお店です。契約期間満了まで売れ続け、契約更新してもなお売れ続けるお店作りを開店前にする事が、余計な再投資を避け利益を生む源泉となります。

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