故郷でのお仕事
第70回の別府大分毎日マラソンが先日6日に行われました。
MGCというオリンピックのマラソン代表を決めるレースへの参加権利を得るのは最大6人。
今大会は見事に6選手が内定するなど、
歴史的に見てもハイレベルなレースとなりました。
優勝したトヨタ自動車の西山雄介選手は
初マラソンで大会新記録、そして初マラソン日本歴代2位の記録。
フィニッシュテープを切る時、握り拳をまるで刀を鞘から抜くように右横に突き出した姿はとてもかっこよかった。
初マラソン最速記録を狙うというレース前の話もあっただけに、その言動には唸るような思いになりました。
2位の鎧坂哲也選手(旭化成)も国内初マラソンで大会記録を更新する走り。
3位 藤曲寛人選手(トヨタ自動車九州)も初マラソンの招待選手としてのさすがの走りでした。
4位 古賀淳紫選手(安川電機)初マラソン
5位 相葉直紀選手(中電工)3回目のマラソン
6位 中西亮貴選手(トーエネック)初マラソン
こうしてみると新たな時代の到来を感じずにはいられない初マラソン勢の飛躍とも言えます。
そのほかにもたくさんの初マラソンランナーが
青山学院大学からも4人をはじめ、別大を駆け抜けました。
ハイレベルすぎた中で、引っ張られるように。
個々にとって素晴らしいマラソンのキャリアをスタートした選手が多かったようです。
移動中継車からの景色はいつも新鮮さがあります。
18年間過ごした地元別府・大分の市街地は
年を重ねるごとに美しく自分にとって大切な景色に見えてきます。
シーサイドコースと呼ばれる別大国道。
鶴見岳の稜線、住み慣れた街、友人家族が住む海へと街が伸びていく景色は
地元愛を抜いてもとても綺麗だなと思います。
呼吸が荒くなった選手の、絞り出すような息遣いが
放送席の右手にある小窓をあけると聞こえてきます。
地元が“舞台”と化した中での一瞬一瞬に、選手に、感動をもらいました。
レース後の表彰式もさせて頂きましたが、
走り終えた皆さんが、使い切った脚を痛みと共に引きずりながら歩いている様子を目にしました。
あそこまで自分自身と戦いながらやるスポーツってなかなかないなと、マラソンランナーの凄みを感じました。
一週間は痛みが出てろくに動けなくても、また走るのですから。
すごいしか言えないです。
解説に青山学院大学の原晋監督がいらっしゃいました。
後半、トップ争いを演じる選手をみて
”タイムは勿論なんだけど、やっぱりマラソンは順番争い。競走なんです。これが醍醐味です。”
という話をされていました。
レースの熱気にのせられたように語気を強めて。
勝ちたいというシンプルな思いがほとばしってぶつかり合うスポーツの原点を再確認しました。
見方や条件はさまざまなスポーツ、大会によってつきもの。
けれども1番シンプルで大切なことを楽しめるように、再確認するレースにもなりました。
力をもらった大会でした。