自転車狂走局〜ざっくり15年目の真実〜無知は罪ではなくて損をする〜

知らんかった。
ざっくり15年間、知らんかった。
ずっと自転車のブレーキが機能していなかったの知らんかった。
自転車のブレーキってスニーカーで補助しなくていいの忘れてた。
本当に細田守監督作品の「時をかける少女」の1場面になるところだった。
中年が時をかけても面白くない!

…って話をこれから書き連ねます。
よかったらお付き合いください。

話はざっくり20年ほど前にサカノボリます。
スポーツバイクってのにちょうど出会った頃。
私はクロスバイクに乗り始めました。
筋肉痛?なんぞソレ?ってくらい走っていました。
そうすると楽しくなってくるものだから、ドロップハンドルのロードバイクに興味が出てきました。
乗っているクロスバイクのハンドルはまっすぐのフラットバー。
ドロップハンドルのロードバイクを購入するには予算が厳しい。
うーむ。
何とかならないですか?と、クロスバイクを購入したショップに相談。
「あー、ハンドルのカスタムできるよー!」って事でカスタムを依頼。
ドロップハンドルになったクロスバイクで走るのは、そりゃあもうテンションが爆上がりでした。
ギアチェンジのシフトレバーがブレーキレバーと一体化しているのもアガりました。
"STI"というシステムらしいです。(((今回やっと知りました)))

で、少し前にこの記事を書いたのですが、ここから先は後日談みたいな感じです。

じつはこのカスタムしたクロスバイクには、Vブレーキというブレーキがついています。
ブレーキにも色々な種類があるので割愛しますが、先ほど出た"STI"というパーツとVブレーキの組み合わせは、メーカーさんが公式に禁止している組み合わせなんだそうです。
それを某メカニックの方に伝えられた私は震えました。(以下メカニック氏)

メカニック氏「今ブレーキ働いてない状態ですね、目一杯握っても効いてませんよ、これ」
私「だから止まらないんですね…」
メカニック氏「何もなくてよかったですね」
私「スニーカーでザザッて止めるの変だなって思ってたんですよね」
メカニック氏「それは乗っちゃダメですよ、本当に何もなくてよかったですね」
私「とりあえず、今できることとしては何がありますか?」
メカニック氏「そうですね、正直この車体はビンテージに近い年式なので、まずはオーバーホールが必要ですね。その時にブレーキ、足回り、変速機やSTI等を入れ替えてはどうでしょうか」
私「あー」
メカニック氏「それか、この車体はお客様がゆっくりと整備するという趣味にして、走る用のバイクを別に入手するのもひとつだと思います」
私「ちなみにオーバーホールしてパーツ入れ替えていただいた場合って、何となくなんですけど、新車で1台買えますよね?」
メカニック氏「お見積もりを出していませんが、それくらいは見ておいた方がいいと思います」
私「あー」
メカニック氏「古い自転車を維持するのは予算が必要なんです…」
私「あの、ごめんなさい、正直、正直ね、ブレーキが効かないって事だったので、なんかこう、ワイヤーの調整とか、そんな感じだと思っていて。まさか新車1台買える額を検討するなんて思っていなくて、あの、すみませんが2つ見積もりをいただきたいです」
メカニック氏「なるほど、どういった内容ででしょうか」
私「"完璧!安全!!"という仕様の見積もりと"とりあえず走れるけどさ…"の、最低限の見積もりの2つをいただけないでしょうか」
メカニック氏「ちなみにご予算は…?」
私「いま感覚バグってるので全部お任せします」
メカニック氏「わかりました、1週間ほどお時間をください」
私「すみません、取り乱してますが、よろしくお願いします。」

ありがたいことに「ぜってーウチで直せや」と、言っては来なくて、私が趣味的に整備していくルートも示していただいた点が、このメカニックさん超絶信頼を置けるなって気がしました。

そして先日、見積もりを2つ作っていただいたものを確認してきました。
情けない話ですが私には苦しい額でした。
完璧コースは完全に手が出ず"いいロードバイクが買える額"でした。
20年ほど前のクロスバイクにそこまでつぎ込むのか。
一方で、最低限の整備をしていただくコースは微妙に手が出そうな額でした。
とはいえ、冷静になるとかなりの額。
20年ほど前のクロスバイクにそこまでつぎ込むのか。

メカニック氏が1項目づつ見積もりを説明してくれます。
メカニック氏「〜〜いかがでしょうか」
私「あー」
メカニック氏「大丈夫です、ゆっくり考えてください」
私「あの、よかったらなんですけど、整備で省けるものはありますか?」
メカニック氏「そうですね、うーん。チューブの交換で○○○○円…とか、そうですね、今のブレーキをそのまま流用するとなると…ちょっと調べてみましょう」
超絶丁寧なメカニック氏。
その後、チューブの交換等、省けるところは省かせていただき、再度合算した見積もりをいただくことになりました。

2度目の見積もり。
…無理でした、私には手が出ませんでした。
9速のギアなのですが、9枚目のギアに入らないという症状も発見されました。
マジで新車を買った方が安い。
そこからも真摯に対応してくれたメカニックさん。
私の正直なところを伝え、預けていた自転車を引き取りました。

さて、どうしよう。
約15年前にメーカーが禁止している整備をした人を責める事はできる。
なんなら1年前に整備をしてもらった際、ブレーキ交換の話題すら出なかった。
事故だったり、怪我だったり、命に関わっていたらどうすんだよ。
…と、少し思ったけれど、15年の間その事実を知らなかった私の無知さが残念すぎるだけで、今さら誰かを責めても仕方がない。
私が知らなかったのがいけなかった。
ブレーキの違和感、ギア変速の違和感、パンクの頻度。
気が付くであろうヒントは沢山あったのだろう。
15年もの間、気がつかず、何も考えていなかった。
まずは"今"知れただけでも命が助かったと思うしかない。
反省。

さて、どうしたものか。
ふと、知人のロードバイク乗りに相談(((以下ロードさん)))

ロードさん「どうせ乗れないなら分かる範囲で触ってみたら?」
私「いやいや、ブレーキ関係は怖いやん?」
ロードさん「今の問題ってSTIとVブレーキの組み合わせがアカンって話やろ?とりあえずブレーキの交換やってみたら?」
私「えー、いや、えー、怖くないか?ソレ」
ロードさん「まぁまぁ、失敗したとしても、どの道乗れないんだから。最後の最後は、そのメカニックさんに助けてもらったらええやん」
私「…それもそうかも」
ロードさん「合うパーツ持ってたらあげるわ」
私「ありがとうございます」

で、通販サイトで自転車パーツを片っ端からチェックしている…なう。
…みんな優しい。
ありがたい限りです。
いつか、何かの形でお返しできたらな。
とはいえ、今は全力で自転車と向き合う事から始めたいと思います。

現場からは以上です。
ではまた。

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