「靴の向くまま」4巻を気の向くまま読んだ話。

何度かこのnoteにも書いている気がするのですが、私は記憶力が悪いです。
映画や小説や漫画など、世は大エンタメ時代。
しかし私は同じ作品を楽しんでは忘れ、楽しんでは忘れを繰り返し、非常に小規模ながら満喫に満喫を重ねて生きています。
そんな私なので、物語は週イチで追っていると内容を忘れがちです。
例えばアニメはリアルタイムで追っていても話の流れがわからなくなる事が多々ある…くらいの記憶力の悪さ。
おかげで何度でも楽しめる!
(((…って事にしてください。)))
なので漫画は雑誌ではなく単行本で追わないと物語が追いにくくなります。
うーむ。

そんな私がずっと追っている作品で、全私にヒットしているのが「靴の向くまま」という漫画作品です。
靴職人の主人公が、靴を通して様々な人と出会う作品です。

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先日4巻が発売されて、私は発売日に入手しました。
…そこから読むまでが長かった。
理由は単純でして…楽しみのピークを作ったというか…平たく書けば、休日にまとめて読みたかったのでした。

て、事で1巻から3巻までを通しで読み、その流れで4巻を読み終えました。
この作品は、バタバタと過ぎ去る日々に置いてきた事や、見て見ぬふりをしている感覚を、丁寧に拾い集めて並べてくれているような作品だと私は感じています。
あたたかくて、優しい。
作品の中で投げかけられる言葉たちは、靴だけではなく、そのまま頭のスミに置いておいて日々の暮らしの中で思い出したくなる言葉が沢山あるように思います。
例えば、痛みは慣れちゃいけない。とか。

作中「立花ほたる」という人物が出てくるのですが、4巻はこの人物が特に重要になっています。
これまでも作品の中心に居た人物ですが、今回はさらに大切な位置にいます。
第1話から登場している彼女。
彼女の変化に周りも優しく影響されて、幸せの連鎖を呼ぶ、とても不思議な人物だと思っています。
4巻を読んでいて
「あぁ〜!よかったねぇ〜‼︎」
ってなりました、首を上下にカックカク振ってしまいました。
特に181ページの表情と言葉で「あぁ、ずっと読んできてよかったなぁ。よかったなぁ…お母さんも、よかったですねぇ…」と、思いました。
個人的に最推しの登場人物です。
ぴょんっ!

近いようで見えない、気がつかない。
家族だから伝わらない事もあれば、気が付かないうちに痛みに慣れてしまう事もある。
対話って大切ですね。
私も目を逸らしたい事がありますが、向き合っていかなければ。
対話をしていかなければ。
…難しいけれど、大切なんだよな。

さて、靴つながりの話ですが、知人に靴関係の資格を持っている方がいます。
以前その方に、私の足を測ってもらった事がありました。
その人「君の足のサイズは25.5cmだね。」
私「え、今までずっと27cmの靴でしたよ?」
その人「いま履いてるその靴のサイズは?」
私「26.5cmです。」
その人「じゃあ、試しにこの靴履いてみて。」
私「え!え、あ、いいんですか?」
その人「まぁ、いいからさ。」

その靴は某有名ブランドの靴でした。
それも、私の人生では足を通す事が無いだろうなと思っていたブランドの靴です。
靴紐を緩め、靴べらを借り、その靴に足を収めました。

私「あ…!!!!!」
その人「どう?」
私「この靴25.5cmですか?」
その人「そうだよ。」
私「なんか、あの、靴紐そんな締めてないのに、なんか、あの、靴がくっついてくる感じというか、あの、すごい、こんな感覚はじめてです。いやー…すごい、感動しました。」
その人「それはよかった。」
私「この靴を履いて仕事ができるようになれるよう、頑張って仕事します!」
その人「その際はお待ちしています。」
私「ご丁寧にありがとうございました。」

なんてこった、なんてこった!
靴屋さんの一角でブーツから革靴に履き替えただけなのに。
こんなに楽しくて前を向けて感動するなんて。
すごい、靴ってすごい。
エスカレーターを下りながら新品の携帯の靴べらを手にしつつ、興奮しながら、そう思いました。
知らなかった自分を知れたようで、それでいてこれからの靴選びが楽しくなりそうで、不思議な感覚でした。

以降、私は靴を脱ぐ際、可能な限り靴紐を解いて脱ぐようにしています。
そして、靴を履く時はカバンに忍ばせた携帯式の靴べらを使って足を入れ、キュッと靴紐を締めて調整します。
これだけでも靴と足が一体になった感覚があります。
ずっとダルダルに靴紐を緩めて履いていたので、靴紐が緩い状態に慣れていましたが、しっかり結ぶとこんなに歩きやすくなるなんて。
ふとした慣れにも気をつけたいものです。

さて、改めて私が超絶に好きな漫画作品「靴の向くまま」ですが、4巻まで読み終えて、ふと立ち止まってみると。
それぞれの人物は様々な立ち位置から歩き始めて、目的地を探しているように思います。
そして、一歩づつ歩いて、それぞれの目的地へ向かっています。
靴が一歩を、勇気を踏み出させてくれるのかもしれません。
ぜひ、それぞれが納得する場所へ歩き続けてほしいです。
ここまで読んでくれた“あなた”を含めて。
私も「あの場所まで、もう少し歩こう」と、思える靴に出会えますように。
これからも沢山の25.5cmと出会いたいと思います。
そして、この作品は忘れないように本棚の定位置に戻しておきます。
週末に磨いた革靴が、ちゃんと靴箱の中に居てくれるように。

日比谷くん、最高に爽やかでカッコよかったな。
素敵な人物が沢山出てくる作品で、大好きな作品です。
「靴の向くまま」推します。

現場からは以上です。
ではまた。

コンビニでプリントしました!

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