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20220917 青い犬の目 ガブリエルガルシアマルケス を読んで
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大学生のころ、筒井康隆に傾倒して、その中で紹介されていた、中南米の小説。
リョサの緑の家、ボルヘス、マヌエル・プイグ、そして、マルケスの1百年の孤独、族長の秋、予告された殺人の記録、エレンディラ、ママグランデの葬儀。
当時の学生にしては、思い切っての、新刊本の購入だった。読むうちに惹き込まれて行った。次の発刊を心待ちにし、探していたのがこの「青い犬の目」。
買うことは30年を過ぎて、ようやく叶った。
あの時の自分が読んだらどう思っただろうと考えながら、読み進めた。中南米の埃り、空気の湿度、マルケス特有の宗教的な曜日感を受け取ることはできた。しかし、あの熱狂は得られなかった。
今では、新刊本を買う余裕ができ、様々な体験を経て貯めた知識があり、新鮮さが失われたのかも知れない。
出会った時、読めた時が、自分にとって最良の時と思えば、この出会いに感謝し、その意味を精一杯汲み取ろう。
長く想い続けて叶った時の体験は、私のこの場合は湿気た花火のようでした。一生読めなかった方が良かったのかといえば、そうではない。読めて良かった
気になった言葉
天使を待たせた黒人、ナポにて
毎週土曜日に、観に行っていた楽団にいる一人の黒人のサキソフォン奏者の姿が見えなくなった時に、
“だが彼は尋ねようとせず、サキソフォンを持った別の男が現れて、黒人にとって代わるまで、コンサートに通い続けた。やがてあの黒人はもう戻ってこないのだと納得すると、自分はもう広場に行かないことにしようと決心した。”
自分の行いが、他人に影響を与えているのだ。できれば希望を与えたいものです