鍵っ子小学生の夕ごはん②猫のチャコ
ミャ〜オオオ〜ン、ビャ〜オオオオ〜ン!
必死に訴えているのは三毛猫のチャコ。私たちの帰りを今か今かと待ち望んでいたらしい。牙を剥き出しにして鳴きながら体を私の足にこすりつけてくる。分かった分かった、先にあげるから!ちくわだよ、はいよ!
買物してきたスーパーの袋から竹輪を出して1本あげると、チャコはフニャフニャ言いながら竹輪にかぶりついて食べている。よく見ると泣いてるやん??涙がちょちょぎれてるっ!とみんなで笑ったが、よほどお腹が空いていたとみえる。
私はさっそく夕ごはんの支度に取り掛かろうと、急いで買ってきたものを袋から出していると、何やら横でゲコゲコと変な音がした。見ると猫が吐いてるではないか…さっきあげた竹輪を!
えーっ、ダメじゃない!せっかく買ってあげたのに!
私はやっと竹輪代を捻出して買ったのにと思うと怒りが湧いてきて、「バカ!」と頭を軽く叩いてチャコを叱りつけた。チャコの大きな目はショボショボと小さくなり申し訳無さそうに背中を丸めた。私は噛みちぎられて胃液まみれの竹輪を水で洗い、お皿にのせてチャコの前に置いた。チャコの空っぽのお腹は急に冷たい竹輪を放り込まれてビックリしたに違いなかったが、私はイライラした。
まだ気持ち悪そうにしているチャコは「え〜?洗ったの?新しいのがいいのに…」って言いたげな渋い顔をしながらも、仕方なしにお皿の竹輪をのろのろと食べた。